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第4話:厳格な生徒会長の「限界」ボタン
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鳳凰寺蘭という嵐に巻き込まれた昼休みが終わり、午後の授業もなんとか耐え抜いた俺は、一刻も早くこの「誘惑の伏魔殿」から脱出すべく校門へと向かっていた。
地味な眼鏡をクイと押し上げ、背中を少し丸めて、周囲の景色に溶け込む。
これが朝倉健斗としての「隠れ蓑」だ。目立たず、騒がれず、ただの善良な一市民として下校する。そのはずだった。
「――そこの男子生徒、止まりなさい」
背後から響いたのは、凛としていながらも、どこか重厚な響きを持つ声だった。
反射的に足を止めると、夕日に照らされた長い廊下の向こうから、一人の女子生徒が歩み寄ってくるのが見えた。
腰まで届く艶やかな黒髪。冷徹なまでに整った顔立ち。そして、腕に巻かれた「生徒会長」の腕章。
翠嶺学園の秩序を守る鉄の女――五月雨 楓先輩だ。
(……やばい。よりによって、一番厄介な人に捕まった)
俺は「むっつりレーダー」のスイッチを切ろうとしたが、遅かった。
彼女が目の前で立ち止まった瞬間、俺の脳内計器は振り切れ、警報が鳴り響いた。
(……B108。Lカップ……。おいおい、これ、規律以前に物理法則に違反してないか?)
彼女の制服のブレザーは、内側からの猛烈な「圧力」に耐えかねて、生地が引きちぎれんばかりに横に引っ張られている。
特に、胸元のボタン。それはもう、ボタンという名の限界点だった。
彼女が息を吸い込むたびに、ボタンの隙間からブラウスが覗き、その向こう側に潜む「銀河級の双丘」が、今にも弾け飛ばんばかりに主張してくるのだ。
「……何か、俺に御用でしょうか。五月雨会長」
「朝倉健斗くん、だったかしら。あなた、さっき鳳凰寺さんと裏庭にいたわね? 彼女との接触は、校則に触れるような破廉恥な行為ではなかったのか、報告してもらうわ」
五月雨先輩は、手にした手帳に何かを書き込もうとペンを構える。
だが、その際に彼女が少しだけ前屈みになったのが運の尽きだった。
――ピシィッ。
という、小さくも絶望的な音が、俺の耳に届いた。
彼女のLカップの質量を支えていたブラウスの糸が、一本、また一本と悲鳴を上げている。
「……会長、あの、ボタンが」
「ボタン? 私の身だしなみに落ち度があるとでも言うの? 私は規律を重んじる者として、常に完璧を――」
彼女が言いかけたその時、遂にその瞬間が訪れた。
パァンッ! と景気のいい音を立てて、ブラウスの第ニボタンが弾け飛んだ。
「あ……」
ボタンは俺の頬をかすめて廊下の隅へと転がっていく。
そして、主を失ったブラウスの襟元は、文字通り「爆発」するように左右に開いた。
そこから現れたのは、紺色の制服にはあまりに不釣り合いな、深紅のレースがあしらわれたブラジャー。そして、それを到底収めきれていない、溢れんばかりの白い肉感だった。
「……ひっ!?」
五月雨先輩は、顔を真っ赤にして自分の胸を両腕で隠そうとした。
だが、Lカップという「山脈」を隠すには、彼女の細い腕ではあまりに面積が足りなかった。
腕で寄せられたことで、胸はさらに中央へと盛り上がり、今度は脇の方からその圧倒的な厚みがはみ出している。
「み、見ないで! 見るんじゃないわよ、このエロ坊主!」
「いや、見てないです! 目を逸らしてますから!」
俺は咄嗟に顔を背けたが、眼鏡の端からは、彼女が必死に胸元を抑えようとして、逆にその豊かな肉をムニュムニュと揉みしだいてしまっている光景が丸見えだった。
(……なんだこれ。厳格な会長が、自分の胸の重みに振り回されてる……。最高にむっつり心を刺激されるじゃないか)
「朝倉くん、あなた……。今のことは、誰にも、絶対に、誰にも言わないでちょうだい!」
「……わかってます。俺だって、会長のこんな姿を言いふらして、目を付けられたくないですから」
俺は自分の上着を脱ぎ、彼女に差し出した。
地味キャラ・朝倉健斗としては余計な行動かもしれないが、御曹司としての紳士的な教育が、無意識に体を動かしたのだ。
「……使いなよ。そのままじゃ、生徒会室まで辿り着けないだろ?」
「……っ。な、生意気よ。一年生のくせに……」
彼女はひったくるように俺の上着を受け取ると、それを羽織って前を固く閉じた。
俺の上着はそれなりに余裕を持って作られていたはずだが、彼女が着ると、まるで子供服のようにパツパツになっている。
「……恩に着るわ。でも、勘違いしないで。これは、あくまで生徒会の備品として一時的に没収するだけなんだから!」
そう言い捨てて、彼女は早足で立ち去ろうとした。
だが、すれ違いざま。
彼女は小さく、消え入りそうな声で付け加えた。
「……後で、生徒会室に来なさい。ボタン、付けてもらうから。……あなた、器用そうだし」
ポニーテールが揺れる。
夕日に染まった彼女の耳たぶは、真っ赤に熟したリンゴのようだった。
(……ボタン付け? 生徒会長の胸元で、俺が針と糸を動かせってことか?)
想像しただけで、俺のレーダーはレッドゾーンに突入した。
地味なモブを装うはずが、学園最強のLカップ会長に、文字通り「懐」に飛び込むチャンスを与えられてしまった。
「……帰って透子さんに癒してもらおうと思ってたのに、また難題が増えたな」
俺は、一人寂しくなったワイシャツ姿で、春の涼しい風を感じながら校門へと歩き出した。
背後には、まだあの弾け飛んだボタンの余韻と、五月雨先輩の甘い石鹸の香りが漂っていた。
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