朝倉家の秘め事 ~過剰な愛と5人の獲物~

まさき

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第6話:小悪魔後輩の急襲と、生徒会室の秘密

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​第6話:小悪魔後輩の急襲と、生徒会室の秘密

​「――あれぇ? この部屋か
ら、朝倉先輩の匂いがする気がするなー?」
​ 生徒会室の重厚なドアを隔てた向こう側から、鈴を転がすような、けれどどこか計算高い響きを持つ声が聞こえてきた。
 一年生の姫野こころだ。
​ その瞬間、俺の目の前にいた五月雨会長の体が、ビクンと大きく跳ねた。
 彼女は俺の学ランをこれ以上ないほど強く握りしめ、青ざめた顔で俺の唇を自分の人差し指で塞いだ。
​「(……静かに。あの子に見つかったら、一生の不覚よ……っ)」
​ 囁き声が耳元をくすぐる。
 だが、その際に彼女が身を乗り出したせいで、俺の顔は再び、ボタンの弾け飛んだブラウスから溢れ出すLカップの断崖絶壁に押し付けられる形になった。
 
 (……ちょ、会長、圧が……! 呼吸が……!)
​ Lカップという質量の暴力は、もはや「柔らかい」という言葉では形容しきれない。
 俺の顔を左右から包み込み、外界の酸素を遮断する、熱い肉の檻。
 鼻先には、汗ばんだ彼女の肌の匂いと、ブラウスの洗剤の香りが混ざり合い、俺の「むっつり心」を限界まで狂わせていく。
​「おかしいなー。鍵がかかってる……。会長、お仕置き中ですかぁ?」
​ ガチャガチャとドアノブが激しく回される。
 こころは、俺が「地味なモブ」として振る舞っているのを知りながら、なぜか俺を気に入って付きまとってくる、天性の嗅覚の持ち主だ。
​「朝倉先輩、い・ま・す・よ・ね? 隠れてもお菓子の匂いでわかっちゃうんですよー?」
​ (こいつ、鼻までいいのかよ……!)
​ 俺は五月雨先輩の腕をそっと解き、彼女の耳元で小さく囁いた。
「……会長、このままだとバレます。俺が注意を逸らすので、その間に奥の資料室へ」
「……でも、あなたの服が……」
​ 彼女は自分の手元を見た。彼女が着ているのは、俺の学ランだ。
 俺は今、ワイシャツ一枚。この状況でこころを中に入れたら、それこそ「密室で何をしていたのか」という疑惑は確定に変わる。
​「大丈夫です。……俺を信じてください」
​ 御曹司としての冷静さが、一瞬だけ俺の「むっつり」を上回った。
 俺は彼女を強引に資料室へ押し込むと、自分のネクタイを少し緩め、わざと「一仕事終えた」ような乱れた格好で、ドアの鍵を開けた。
​ 勢いよくドアが開く。
 そこに立っていたのは、短いスカートから伸びる白い脚と、ブレザーを押し上げるように存在感を主張するHカップの持ち主――姫野こころだった。
​「わっ! 先輩、やっぱりいた! ……んん? その格好、どうしたんですかぁ?」
​ こころは俺のワイシャツ姿を見て、猫のように目を細めた。
 そして、獲物を狙うハンターのように、俺の胸元に顔を近づけてクンクンと鼻を鳴らす。
​「……五月雨会長の匂いがする。……しかも、すっごく濃い」
「……掃除を手伝わされてたんだよ。会長は今、資料室で探し物をしてる」
​ 俺は平然を装い、彼女の視線を遮るように立ち塞がった。
 だが、こころはニヤリと小悪魔的な笑みを浮かべると、俺の胸板に自分のHカップをギュウウッと押し当ててきた。
​「ふーん……。嘘つくの、下手ですね、先輩。会長の匂いだけじゃなくて、先輩の動悸……すっごく速いですよ?」
​ Hカップの、小ぶりながらも一点に集中するような弾力が、俺の肋骨を押しつぶさんばかりに迫る。
 彼女はわざと俺のワイシャツのボタンを指でなぞりながら、上目遣いで囁いた。
​「もし、この資料室のドアを開けたら……どんな『面白いもの』が見られるんでしょうね?」
「……こころ、やめろ」
「いいですよー。その代わり、条件があります」
​ 彼女は俺の首に腕を回し、つま先立ちになった。
 Hカップが俺の腹部から胸部へとせり上がり、全身にその感触が伝わる。
​「今日の放課後、私とデートしてください。……二人きりで、ですよ?」
​ 資料室の奥で、五月雨先輩が息を呑む気配がした。
 学園最強のLカップ会長と、あざといHカップの後輩。
 その二人に挟まれた俺の「地味な生活」は、今日という日を境に、取り返しのつかない方向へと加速し始めた。
​「……わかった。デートすればいいんだろ」
「やった! 約束ですよ、朝倉先輩。……あ、会長! 隠れてないで、お仕事戻りましょー!」
​ こころは資料室のドアに向かってわざとらしく声をかけると、俺の腕を一度だけ強く抱きしめてから、スキップで部屋を出て行った。
​ 嵐が去った後、資料室から出てきた五月雨先輩は、俺の学ランを握りしめたまま、今にも泣き出しそうな顔をしていた。
​「……朝倉くん。ごめんなさい、私のせいで、あなたが姫野さんに……」
「……いいですよ。慣れてますから、こういうの」
​ 俺は彼女から学ランを受け取り、再び袖を通す。
 そこには、Lカップのぬくもりと、Hカップの香りが混ざり合って残っていた。
​(……俺の精神(と股間)が持つんだろうか)
​ 俺は夕暮れの空を見上げ、これからの激動を予感して遠い目をした。
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