騎士団長の溺愛~一途な思い

ブラウン

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魔獣討伐前の一幕〜レオナルド視点

「我々はこれから北の辺境伯領に就く。転移門の開錠と装備、備蓄品などを用意して、早急に転移することになる。討伐と救助だ。装備を怠るな!」

 北の辺境伯領でスタンピードが発生した。これから魔獣討伐と救助をすることになる。緊迫した状況だった。

「レオ団長、私、ポーションをたくさん作ってきます。あとは食べ物ですね。間に合うように頑張ってきます」

「ありがとう、ルイーザ。我々は討伐に行く。その後、この騎士団の書類の報告を頼む。ルイーザは信用のおける人だ。報告の際、印鑑などの承認は便宜を図ってもらうよう伝えておく。君に一任する」

「え?一任されても困ります。はやく帰ってきてくださいね。それまでは頑張りますわ」

「信頼のおける、頼りになる人がいることは心強い。討伐に集中できるよ」

「ご無事で、早く帰ってきてくださいね」

 2人の様子を見ていたランスはお熱いねぇと冷やかしていた。俺もシャーロットのところに行って熱い抱擁でも交わしてこようと言って部屋を出て行った。

 2人は真っ赤になり離れた。

 それから急ピッチで準備が進められ、出発の時を迎えた。

 今回は騎士団と魔導士団が一緒に活動する。魔導士団副団長はレオナルドさまのお兄様のリュカリオ様だった。

 長兄のテオルード様は王族の護衛で来ていた。

 ローズルクセンガーデン公爵三兄弟が集まっていた。

「頑張ってこいよ。そしてレオ、麗しの姫を紹介しろよ」
 長兄テオルードがレオナルドに催促した。

 真っ赤になったレオナルドが反論した。

「なんだよ、その麗しの姫って。そんなのいないよ」

「なんだよ、兄上、その麗しの姫って。おー、とうとうレオ、お前、告白したのか?」

 次兄のリュカリオも冷やかした。

「告白って誰にだよ。兄上たち、何を聞いているんだ?」

 生温かい目で見られ居心地悪くいるレオナルド。

「相手も脈がありそうな、そんな態度らしいぞ、リュカ」

「そうみたいだな、兄上」

「だから、何を聞いているんだよ。それに誰が言っているんだ?まさかランスか!」

「そうだよ。ランスが逐一報告に来るんだよ。脈ありそうでよかったじゃないか。しかし、第3王子の動向が気になる。あの今の婚約者の女はムリだな。教育を逃げているらしい。王族籍をぬいて男爵家に婿入りが濃厚だ。まぉ、誰もが初めからわかっていたがな。そこでまたルイーザ嬢を婚約者にすればと本人は画作しているようだ。国王陛下たちはあの男爵令嬢と結婚を了承したからルイーザ嬢が戻ることはないが、第3王子と母親である惻妃がどう動くかと、目を光らせている。早めに決めろよ」

 兄2人に肩を組まれ、まぁ頑張れよと言われ、余計真っ赤になった。

 第3王子か。くそっ、あんなやつにルイーザは渡すものか!でも、俺でいいのだろうか?ヘタレだな。

 兄たちから離れ、通りすがりにランスの鳩尾に1発拳を入れた。

 ルイーザは短期間にポーション、食料、そして刺繍が施されたハンカチを用意していた。騎士団みんなに渡していた。

 このハンカチは付与が付いている。これを短期間に作るのにどれだけ魔力を要したのか。

 今更ながら、王子妃、王妃教育をされていた方なのだとつくづく思った。こんなすごい人に愛の告白なんてできない。もっと素晴らしい男性がいるはずだ。

 やはり想いは秘めておいた方がいい。

 そう思っていた。

 出発前にルイーザが来た。

「レオナルド様、無事帰ってきてくださいね。このハンカチには怪我の軽減や毒などを浴びても大丈夫なように付与しておきましたので肌身離さず、持っていてください。団員みんなにも渡してきました。帰ってきたら食事に誘ってください。デザートでも、串肉でもいいです。一緒に行ってくれますか?それと、今度の王妃様の誕生晩餐会、エスコートしてくれますか?」
  
「えっ、エ、エスコート?私がエスコートしていいのですか?」

「レオナルド様以外に誰がいるのですか?まだ先なので、考えておいてください」

「は、はい。ド、ドレス送ります。ですが、一緒に考えて欲しいです」

「ふふっ、もちろんです。レオナルド様、それは了承したということでよろしいのでしょうか?」

「え、あ、はい。本当に私でいいのですか?」

「その言葉は嫌いです。私はレオナルド様がいいのです。ダメですか?」

「喜んでエスコートします。いえ、ルイーザ侯爵令嬢、晩餐会のエスコートさせてください、お願いします」

 立膝を付いて、エスコートをお願いした。
 私の手を握りしめてくれた。

「よろしくお願いします。そして無事帰ってきてください」
 ああ、女神だな。美しくしい。

 手の甲にキスをした。本当は抱きしめたいが、まだ早い。そしてこれから討伐だ。浮ついていてはいけない。

「帰ってきたら、その、あっ、いや、そ、それでは行ってまいります」

 本音を言えず、そして討伐に向かった。


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