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8・どれいの望み

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こうして鈴原まゆは、遺憾なことに、三度までも果てたのだった。

「・・・いくっ・・・!」

びゅっ・・・

「・・・い・・・い・・・いくっ・・・!」

びゅびゅっ・・・

「・・・いきますっ・・・ごめん・・・なさいっ・・・」

ずびゅびゅうっ・・・



それが、二週間前の話だ。

自分の指を使って、三度までも果ててしまった。

だって、無理・・・

「こすって」「つよく」「かわがむけるまで」「でもいってはだめ」「もっとはやくこすって」「つよく」「やすんではだめ」「だけどいってはだめ」・・・

この言葉責めに従順に応じつづけては、最後までこらえられるわけがない。

こうしてくるみは、超敏感体質の鈴原先輩をいたぶり抜く。

薄笑みを浮かべながら。

その責めには、果てがない。

果てがないので、鈴原はいつかはくじけ、自分から果てるしかない。

いくより他に、この苦しみを終わらせる道はない。

強い精神力を持つ鈴原だが、果てしなく責め抜かれては、とてもこらえきれない。

クールでボーイッシュ、痩身だがリアルマッチョのかっこいい先輩。

それが、苦悶の挙げ句についに心折れ、性的な快楽に敗北する。

くるみは、それを見て愉快がる。

こうしてくるみは、さらにつらい罰を与える口実を巧妙につくり上げる。

その罰が、鈴原に課された三週間ものオナ禁命令だ。

果てること一回につき、一週間の禁欲刑、というわけだ。

性欲絶倫にして、超敏感な性感体質の鈴原まゆには、厳しすぎる量刑だ。

そうして、話は冒頭に戻る。



「・・・くるみ・・・あの・・・う・・・おれ、ほんとに・・・あの・・・性欲が限界で・・・」

まだ鈴原がオナ禁をはじめてから二週間しかたっていない。

しかし、26歳の性欲はたまりにたまり、のっぴきならないほどにふくらみきってしまっている。

元々、一日に何度ものオナニーで性欲を処理しなければ、気もそぞろになるほどの壮健で旺盛な体質なのだ。

「・・・何日間も・・・あの、オナ・・・禁なんて・・・はじめてで・・・」

「つらいのですか?」

「・・・つらすぎるっ・・・というか・・・すごく・・・したい・・・したすぎる・・・」

「えっちな気持ちなのですね?先輩」

「・・・う・・・ん・・・もう・・・すごくて・・・」

鈴原は、この部屋にいる間は着衣を許されず、パンティとソックスという姿で過ごすことを命じられている。

履いている白いぴちぴち綿パンティの前部分が、もっこりと盛り上がってしまっている。

「・・・う・・・」

くるみに見つめられているだけで、よからぬことを考え、立ってしまう。

大きなクリトリスが、今やぴんぴんのぼっき状態だ。

その小山の先っちょには、一点の恥ずかし染みまでがにじんでいる。

なのに、その部分を手で隠すことも禁じられているため、鈴原は後ろ手に組んでいる。

もじ・・・もじ・・・

細長く筋肉質な脚をよじり合わせる26歳は、まるでおしっこをがまんする小学生女子のようだ。

それを見てくるみは、ふふん、と鼻で笑う。

こんな後輩の態度にまで、ドMを自覚する鈴原は興奮を覚えてしまう。

「先輩、ご自分の下半身がどうなっているか、言ってごらんなさい」

「・・・あ・・・う・・・あの・・・ご、ごめんなさい・・・」

「はっきりと言って」

「・・・あの・・・あの、ぼ・・・ぼっきして・・・います・・・」

鈴原は、ふくらんだ股間をめぐる血流をなんとか鎮めようと、太ももをすりすりとよじり合わせる。

びくっ・・・

「・・・う・・・」

ところが、そのわずかな腰の動きで、皮のむけた亀先がパンティ裏の綿地にこすれ、たまらない刺激が走る。

なにをしたわけでもされたわけでもないのに、背筋をびっくんびっくんさせてしまう。

「・・・こんなに、ぼ・・・ぼっき・・・して・・・ごめんなさい・・・」

「先輩ったら、そのありさまで水泳のインストラクターをやっているのですか?」

鈴原は、水泳教室で中高生たちに泳ぎを教えるアシスタント先生だ。

「・・・仕事中は・・・がんばって集中して・・・でも、たまに・・・立・・・ってしまうことも・・・」

「いけないひとですね」

「・・・ごめんなさい・・・でも・・・もう、あの・・・たぎって、性欲・・・たまりすぎていて・・・」

「どうしてほしいのです?」

くるみは、どれいを見る目で大学時代の先輩を見くだす。

小柄なくるみよりも頭ひとつ分は背が高く、細マッチョに引き締まった鈴原だが、長い肢体を縮こまらせる。

「先輩、どうしてほしいのですか?」

これもまた、くるみのわなだ。

どれいは、望みを口にしてはならないのだから。

そこも、くるみから何度もしつけられている。

なのに、何度となく鈴原はくじけ、禁を破り、望みを口にしてしまう。

歯を食いしばってその言葉を飲み込もうとするが、どうしても請い願ってしまう。

「・・・あの・・・あの・・・そろそろ・・・」

「なんです?先輩」

「・・・あの・・・ゆるしてほしい・・・かわいがって・・・ほしいです・・・」

「かわいがるって、どんなふうに?」

「・・・あの・・・い・・・いたぶって・・・あの・・・えっちに・・・いたぶって・・・ほしい・・・です・・・」

それを聞き、くるみの目が輝いた。

「それではまるで、わたしが先輩をいたぶっているようですね」

鈴原は、言葉を違えたと気づいた。

足が震える。

「・・・いえ・・・あの・・・し、しつけて・・・いただきたいです・・・おれの、あの・・・いけないからだに・・・ばつを・・・」

「ふふっ」

くるみが近寄ってくる。

小柄な後輩は、もじもじと腰をくねらせる男前先輩(女だが)の前に立った。

手の平を前に向け、そっと股間の前に差し出し、鈴原のパンティの頂点を撫でる仕草をする。

「・・・うっ・・・!」

鈴原は、思わず腰を引いた。

触れているわけでもないのに。

ぴんぴんにぼっきした先、数センチのところで、くるみの指がイソギンチャクのようにそよいでいる。

そよ・・・そよそよ・・・そよ・・・

「・・・あ・・・はあ・・・はー・・・はー・・・はー・・・」

寸止めで、撫でるふりをしているだけだ。

なのに鈴原は、まるで施術を受けているかのように身悶えしてしまう。

「・・・さ・・・さ・・・さわってっ・・・あ、あ・・・あの・・・」

「先輩」

「・・・う・・・うん・・・」

「まだ、だめです」

「・・・ね、もう・・・もう、性欲・・・たまりすぎて・・・つらいよう・・・」

「たまりにたまっていて・・・ふふっ、はやく出して楽になりたいたいでしょうね」

男のように出すものはないが、たまりきっていることは確かだ。

「・・・せいよくが・・・ぎんぎんで・・・クリ、ずっとぴんぴんで・・・すごい・・・の・・・」

「いたぶってほしいです?」

「・・・うん・・・」

「では、いかない、と誓いますか?」

「・・・う・・・う・・・うううっ・・・」

鈴原のクールで切れ長の目に、涙がにじむ。

「勝手にいかない、と誓えますか?」

「・・・ち・・・ちかいます・・・がっ・・・がっ、が・・・がまん・・・いたしますっ・・・だから・・・くるみ・・・」

じゅっ・・・

ぱんつに、がまん汁がにじむ。

「わかりました、いいですよ」

「・・・う・・・うん・・・」

「先輩自身の手で、させてあげます」

「・・・え・・・」



5分後、鈴原のボーイッシュな低音の声が、凄惨な辛苦のうめきとなって部屋に響いていた。
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