家に帰ると推しがいます。

えつこ

文字の大きさ
66 / 71
11.初夜

8 *

しおりを挟む





「いや、でも、念のために、もう少し解してもいい……?」

 総司の質問に、イオはもう一度頷く。
 自慰である程度は拡張しているとは言え、実際にセックスするのは初めてだ。下着の中に隠れている総司自身の大きさを推し量った上の判断だった。

「指増やすね」

 前置きをした総司は、指を二本に増やす。縁を広げるように円く動かし、指の根元まで差し込む。熱く柔らかい肉壁が、総司の指を難なく咥え込み、絡みついて離さない。

「痛くない?」
「っ、はい……あっ……」

 イオは浅い呼吸を繰り返す。総司の指は、イオの指よりも逞しく、長い。指が奥まで届く感覚に、異物感よりも快感が勝り、イオは腰が揺れてしまいそうになる。それに、握手会で何度も触れた指が、後孔に入っていると思うと、イオの身体はより熱くなった。

「っ、ああっ!」


総司の指が、イオの前立腺を捉えた瞬間、イオは身体を跳ねさせた。

「ここ?」
「あっ、そこ……っ、あ、あっ」

 指二本でしこりを捏ねられ、イオは思わずシーツに縋る。射精とは違う快感が一気にイオを襲った。自慰するときも弄んでいた場所が、総司に触れられると、何倍も気持ち良く、怖いくらいだ。

 過剰な反応を見せるイオに、総司は驚きつつも、ここが前立腺なのだと感動すらしていた。二本の指を揃えて出し入れし、とんとんと前立腺を突く。

「そう、じさっ、そこ、あ、やだっ」

 首を横に振りながら、艶やかな声をだし、気持ち良さそうな表情をするイオに、総司は手を止めて「やめる?」と尋ねた。すると、イオはじとっと恨めしそうに総司を見上げた。

「やめないで、ください」

 はふはふと息をしながら強請るイオに、総司は動きを再開する。
 二本の指は簡単に飲みこまれていくため、総司は指を三本に増やした。ローションを絡めながら、指で孔を広げ、肉壁を撫で、前立腺を刺激する。

「あっ、きもちいっ、っ、あっ」

 イオの性器は再び勃ちあがり、精液混じりの先走りを流す。先走りは後孔まで伝い、ローションと混じりあって、指を出し入れする度にぐちゅぐちゅと卑猥な音が鳴った。

「っあ、あ、そこっ、まって」

 前立腺を捏ねられていたイオはぶるりと身震いし、目を見開く。射精とは違う何かの訪れに、抗うようにもがくが、意味を成さない。

「だめ……、なにか、きちゃ……っあ、ああっ」

 イオの視界がぱちぱちと弾け、肉壁はぎゅうと総司の指を締めあげた。イオのつま先がぎゅーっと丸まった後に弛緩し、シーツの上で踊った。

 明らかに達した反応ではあるが、イオは射精をしていない。イオ自身はひくひくと揺れるだけだ。射精よりも深いイき方に、イオは放心状態になる。

「イオくん、大丈夫?」

 総司は心配して、イオの頬を優しく撫でると、イオは無意識に総司の手に擦り寄った。イオの行動に、総司は思わずにやけてしまう。

「俺、後ろでイったの、初めてです」

 ようやく意識が浮上してきたイオは、快感を揺蕩う中で吐露する。その熱っぽい視線の先には、総司がいた。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください! ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです! 元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。 持ち主は、顔面国宝の一年生。 なんで俺の写真? なんでロック画? 問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。 頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ! ☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる

七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。 だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。 そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。 唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。 優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。 穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。 ――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

処理中です...