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11.初夜
8 *
しおりを挟む「いや、でも、念のために、もう少し解してもいい……?」
総司の質問に、イオはもう一度頷く。
自慰である程度は拡張しているとは言え、実際にセックスするのは初めてだ。下着の中に隠れている総司自身の大きさを推し量った上の判断だった。
「指増やすね」
前置きをした総司は、指を二本に増やす。縁を広げるように円く動かし、指の根元まで差し込む。熱く柔らかい肉壁が、総司の指を難なく咥え込み、絡みついて離さない。
「痛くない?」
「っ、はい……あっ……」
イオは浅い呼吸を繰り返す。総司の指は、イオの指よりも逞しく、長い。指が奥まで届く感覚に、異物感よりも快感が勝り、イオは腰が揺れてしまいそうになる。それに、握手会で何度も触れた指が、後孔に入っていると思うと、イオの身体はより熱くなった。
「っ、ああっ!」
総司の指が、イオの前立腺を捉えた瞬間、イオは身体を跳ねさせた。
「ここ?」
「あっ、そこ……っ、あ、あっ」
指二本でしこりを捏ねられ、イオは思わずシーツに縋る。射精とは違う快感が一気にイオを襲った。自慰するときも弄んでいた場所が、総司に触れられると、何倍も気持ち良く、怖いくらいだ。
過剰な反応を見せるイオに、総司は驚きつつも、ここが前立腺なのだと感動すらしていた。二本の指を揃えて出し入れし、とんとんと前立腺を突く。
「そう、じさっ、そこ、あ、やだっ」
首を横に振りながら、艶やかな声をだし、気持ち良さそうな表情をするイオに、総司は手を止めて「やめる?」と尋ねた。すると、イオはじとっと恨めしそうに総司を見上げた。
「やめないで、ください」
はふはふと息をしながら強請るイオに、総司は動きを再開する。
二本の指は簡単に飲みこまれていくため、総司は指を三本に増やした。ローションを絡めながら、指で孔を広げ、肉壁を撫で、前立腺を刺激する。
「あっ、きもちいっ、っ、あっ」
イオの性器は再び勃ちあがり、精液混じりの先走りを流す。先走りは後孔まで伝い、ローションと混じりあって、指を出し入れする度にぐちゅぐちゅと卑猥な音が鳴った。
「っあ、あ、そこっ、まって」
前立腺を捏ねられていたイオはぶるりと身震いし、目を見開く。射精とは違う何かの訪れに、抗うようにもがくが、意味を成さない。
「だめ……、なにか、きちゃ……っあ、ああっ」
イオの視界がぱちぱちと弾け、肉壁はぎゅうと総司の指を締めあげた。イオのつま先がぎゅーっと丸まった後に弛緩し、シーツの上で踊った。
明らかに達した反応ではあるが、イオは射精をしていない。イオ自身はひくひくと揺れるだけだ。射精よりも深いイき方に、イオは放心状態になる。
「イオくん、大丈夫?」
総司は心配して、イオの頬を優しく撫でると、イオは無意識に総司の手に擦り寄った。イオの行動に、総司は思わずにやけてしまう。
「俺、後ろでイったの、初めてです」
ようやく意識が浮上してきたイオは、快感を揺蕩う中で吐露する。その熱っぽい視線の先には、総司がいた。
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