15 / 100
第15話
しおりを挟む
そしてなんやかんやと時間をかけて探索をしていく。ダンジョンコアであるハルカとアヤメが言うので危険はないということを信じ、わざと道から外れて森の中も入ってみたりもした。
やはり少々足場が悪く見通しも悪い、採取ポイントがあったとしても素人の自分には見つけられないと思われる。
そして少し歩いてみたらなんと生き物を発見したのである。
それは虫であった。一瞬マジかだと思ったがよく見るとそれはカナブンだった。カナブンだったらまあ私は大丈夫である。
私という人間は大抵の生き物をほぼ見かけで判断する、人であれ昆虫であれだ。例えばカブトムシやクワガタ、カナブンにテントウムシ。
こういったものはぶっちゃけ素手で触っても何も怖く感じないし気持ち悪くもない。
一方でカメムシ、 ハチ、ムカデ、ゲジゲジあとは個人的にはナナフシとかも触りたくない。
こういう連中は無理なのである。
あとはアゲハチョウとか普通に綺麗なチョウチョはいいんだけど蛾は無理だ。
以前、子供の頃見た蛾ででかくて赤い目をした顔を間近で見たことがあってマジ無理だと思った。
そんな感じでひとえに虫は苦手と言っても大したことないものからマジで無理っていうものまで幅広くあるのが自分なのである。
今回見つけたのはカナブンっぽいインセクトで、ちなみにその色はメタリックなブルーという独特でかっこいい色である。
なんとなく指先でツンツンとしてみたくなったがここは物を知っていそうなハルカに質問をしてみよう。
「ハルカ、このカナブンっぽいやつは何なんですか?」
「私もダンジョン内の生物を全てを知ってるわけではないわ、けどまあこれは特に危険はない生き物ねモンスターでもないし、このダンジョンに生まれた普通の虫ってところかしら」
ダンジョンで生まれた普通の虫。
なんか言葉的に変な感じがするけど…まあいっか。
「これも売れたりするんでしょうか?」
「ダンジョンにあるなら大抵の物には価値のつくと言ったのはヒロキさんじゃなかったかしら?」
そうっダンジョンの中の生物ならモンスター以外にも価値がつくのは珍しい事ではない。
メタリックブルーなカナブンとかちょっとかっこいいし。
問題は海外からの虫が日本に持ち込まれて異常繁殖するみたいな事例があることだ、このメタリックブルーなカナブンが実はとんでもないやつで日本の生態系を脅かすなんて可能性も決してゼロではない。
ただまあそこら辺は1匹だけダンジョンセンターに持って行って見せればどうにかなるかもしれないけど。
オスとメスの最低2匹いなきゃ繁殖なんてしないだろ。
スライムかなんかみたいに分裂しますなんてそんな馬鹿な生物とかではないと信じたい。
そして森の中を歩いてみると気づいたことがある、このカナブン以外にもバッタだとかカマキリあるいはそれに近しいような昆虫が割と目につくのだ。
そしてそれらはまあ自分の視界に入ったからと言って気分を害するタイプの昆虫ではないのだ少なくとも私にとっては。
「……もしかしてこのダンジョンに出てくる虫関係って自分の精神に影響してたりするのか?」
「影響はあると思うわ。例えばあなたが大っ嫌いで見るのもいやって虫は一切出てこなかったりだとかね」
「それはとても素晴らしいことだと思います」
見かけで判断したりとか刺されるから嫌だとか。
そういった理由で毛嫌いしてしまうのはすまないと思うけど、やっぱり嫌なもんは嫌なんだよ。
海外にいるようなやたらカラフルな感じとかめっちゃでかいゴキブリやダンゴムシとかさ……無理じゃん。
無理無理、そんなわけで私はハルカの言った言葉を都合の良いものと思いながらもそうであってほしいと受け入れることにした。
やばい虫が出ないと思ってしまえば森の中であろうとずんずん進める。
それはまるで田舎に生まれた子供の頃、一切の恐怖を感じることなく山の中を突き進んでいった頃を思い出した。
イノシシ用の罠に引っかかったりイノシシやクマの足跡を見つけてこれやばくね? とビビったりしたな。そんな過去を思い出していた。
我がダンジョンであればそんなヤバいモンスターさんなんているわけないよね。
「ヒロキ君~ヒロキ君~」
アヤメの呼ぶ声がした。何かと思い返事をする。
「どうかしたのかい?」
「これこれっ! すっごい大きな足跡があるんだけどーー!」
何ですと?
そそくさと向かってみる、見るとそには確かに地面にうっすらと残された足跡があった。
その大きさは人間の自分よりも三倍くらいでかい足跡である。
そしてその足跡の形を自分は今でもはっきりと覚えている。
この足跡……多分熊っぽいやつの足跡だと思うんだけど。
やはり少々足場が悪く見通しも悪い、採取ポイントがあったとしても素人の自分には見つけられないと思われる。
そして少し歩いてみたらなんと生き物を発見したのである。
それは虫であった。一瞬マジかだと思ったがよく見るとそれはカナブンだった。カナブンだったらまあ私は大丈夫である。
私という人間は大抵の生き物をほぼ見かけで判断する、人であれ昆虫であれだ。例えばカブトムシやクワガタ、カナブンにテントウムシ。
こういったものはぶっちゃけ素手で触っても何も怖く感じないし気持ち悪くもない。
一方でカメムシ、 ハチ、ムカデ、ゲジゲジあとは個人的にはナナフシとかも触りたくない。
こういう連中は無理なのである。
あとはアゲハチョウとか普通に綺麗なチョウチョはいいんだけど蛾は無理だ。
以前、子供の頃見た蛾ででかくて赤い目をした顔を間近で見たことがあってマジ無理だと思った。
そんな感じでひとえに虫は苦手と言っても大したことないものからマジで無理っていうものまで幅広くあるのが自分なのである。
今回見つけたのはカナブンっぽいインセクトで、ちなみにその色はメタリックなブルーという独特でかっこいい色である。
なんとなく指先でツンツンとしてみたくなったがここは物を知っていそうなハルカに質問をしてみよう。
「ハルカ、このカナブンっぽいやつは何なんですか?」
「私もダンジョン内の生物を全てを知ってるわけではないわ、けどまあこれは特に危険はない生き物ねモンスターでもないし、このダンジョンに生まれた普通の虫ってところかしら」
ダンジョンで生まれた普通の虫。
なんか言葉的に変な感じがするけど…まあいっか。
「これも売れたりするんでしょうか?」
「ダンジョンにあるなら大抵の物には価値のつくと言ったのはヒロキさんじゃなかったかしら?」
そうっダンジョンの中の生物ならモンスター以外にも価値がつくのは珍しい事ではない。
メタリックブルーなカナブンとかちょっとかっこいいし。
問題は海外からの虫が日本に持ち込まれて異常繁殖するみたいな事例があることだ、このメタリックブルーなカナブンが実はとんでもないやつで日本の生態系を脅かすなんて可能性も決してゼロではない。
ただまあそこら辺は1匹だけダンジョンセンターに持って行って見せればどうにかなるかもしれないけど。
オスとメスの最低2匹いなきゃ繁殖なんてしないだろ。
スライムかなんかみたいに分裂しますなんてそんな馬鹿な生物とかではないと信じたい。
そして森の中を歩いてみると気づいたことがある、このカナブン以外にもバッタだとかカマキリあるいはそれに近しいような昆虫が割と目につくのだ。
そしてそれらはまあ自分の視界に入ったからと言って気分を害するタイプの昆虫ではないのだ少なくとも私にとっては。
「……もしかしてこのダンジョンに出てくる虫関係って自分の精神に影響してたりするのか?」
「影響はあると思うわ。例えばあなたが大っ嫌いで見るのもいやって虫は一切出てこなかったりだとかね」
「それはとても素晴らしいことだと思います」
見かけで判断したりとか刺されるから嫌だとか。
そういった理由で毛嫌いしてしまうのはすまないと思うけど、やっぱり嫌なもんは嫌なんだよ。
海外にいるようなやたらカラフルな感じとかめっちゃでかいゴキブリやダンゴムシとかさ……無理じゃん。
無理無理、そんなわけで私はハルカの言った言葉を都合の良いものと思いながらもそうであってほしいと受け入れることにした。
やばい虫が出ないと思ってしまえば森の中であろうとずんずん進める。
それはまるで田舎に生まれた子供の頃、一切の恐怖を感じることなく山の中を突き進んでいった頃を思い出した。
イノシシ用の罠に引っかかったりイノシシやクマの足跡を見つけてこれやばくね? とビビったりしたな。そんな過去を思い出していた。
我がダンジョンであればそんなヤバいモンスターさんなんているわけないよね。
「ヒロキ君~ヒロキ君~」
アヤメの呼ぶ声がした。何かと思い返事をする。
「どうかしたのかい?」
「これこれっ! すっごい大きな足跡があるんだけどーー!」
何ですと?
そそくさと向かってみる、見るとそには確かに地面にうっすらと残された足跡があった。
その大きさは人間の自分よりも三倍くらいでかい足跡である。
そしてその足跡の形を自分は今でもはっきりと覚えている。
この足跡……多分熊っぽいやつの足跡だと思うんだけど。
15
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる