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第57話
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「えっとすいません…どちら様ですか?」
いきなり当然のように温泉に現れた謎の美女、タオルすら身に着けていないので直視する訳にもいかない、明後日の方を見ながら尋ねた。
しかし向こうのはそんなことは全くと言っていいほど気にしてないようだ。
それよりも何か別のことにとても苛立っているように見えた。
いきなりな事で混乱する私にハルカが 助言をくれた。
「ヒロキさん、その女性はおそらくこの火山が現れた日に山頂から聞こえてきたあの声の正体よ?」
「えっそんなバカな…」
あの声は完全に人間とかそんなんじゃなかったぞ。
姿こそ確認してないが絶対に何かでっかいモンスターか何かだと思った。
「……ハルカはこの山頂に何が現れたのか知ってるんだよね、教えてもらえる?」
ここまで来るともう答えを教えてもらうしかないよな。
というか山頂に行く予定だったのもすっかり忘れてた私だ。
ハルカはダンジョンコアだ流石に本人を前にしてる訳だしもうその知識に頼ろう。
「その女性がこの火山の主であるレッドドラゴンのはずよ」
「レッド……ドラゴン?」
ワオッマジですか。
火山の頂上とかなんかやばいモンスターがいそうとは思ったけどまさかドラゴンとか。
さすがにそんなのが出張ってくるとか私なんて直ぐに死ぬぞ。
なにしろドラゴンはダンジョンの中でもほとんど出てくるとか聞いたことない存在だからな。
……まあ出てきたとしても、出会ったダンジョン探索者は基本的にみんなやられる。
だからドラゴンはどこどこに出たなんて情報はほとんど出回ることはない。
奇跡的に生還を果たしたごく一部のダンジョン探索者たちがいるのみである。
そんな伝説的な存在が目の前にいるとか洒落にならん、怖すぎる。
「て言うか本当にドラゴンなの? 完全に人間の女性なんだけど…」
「ドラゴンは高い知性と魔力を持つわ、だからスキルで人の姿になるくらい訳ないはずよ?」
マジか…その巨体とかブレスとかで相手を力押しな物理で攻撃するタイプの脳筋ドラゴンじゃないってか。
それさ私のイメージするタイプのドラゴンの中でもかなり強い部類のドラゴンなんじゃないかと思うんだけど。
恐る恐る美女の方を見ると相変わらず若干不機嫌そうな顔をしていた。
「そろそろ話をしていいか?」
「どっどうぞ……」
私の返事を聞き美女が口を開くと。
それはもう小言を言われた。
「全く我らが解放された故に分かりやすく存在を教えてやったというのに…すぐに動いたかと思えば山道にある温泉に心を奪われダラダラダラダラと温泉通いなどしよってからに! お前たちはそもそもこの山に来たのは私に会うためだったんじゃないのか!?」
別にドラゴンに会いたくて来た訳じゃ……いやっある意味そうだったか?
それが温泉を見つけた時点で目的がすっかり入れ替わってしまった。
というか火山から聞こえた咆哮の主を調査するという目的がそもそも頭の中から抜け落ちてしまっていたのだ。
しかしそれも仕方ない事である、恐る恐るする山登りと温泉に入るという娯楽。
この二つが並んだ時に後者を取るのは人間として当たり前のことだ。
前者を完全に忘れるのはちょっと問題だったかもしれんけどね。
まあそんなことは言わない。
目の前の不機嫌美女がさらに不機嫌になりホントにドラゴンにでも変身されたらたまったものではないのでとりあえず謝るか。
「本当に申し訳ありません」
「フンッ本来であればたかが人間が頭を下げたところで私が許すことのなどない、だが貴様はこのダンジョンの主だということは私も理解できる…」
どうやら向こうのドラゴンさん、私と我がダンジョンとかについては知っているらしい…なんで?
「…故に許す。次から気をつけろよ人間」
「はい分かりました」
とりあえず許してもらったので良かった、内心ほっとしていると美女が温泉から上がった。多分全裸で。
まあ視線を最初からずらしていたので何の問題もない、今さらである。
「よしならば行くぞ」
「……え、行くってどこへ?」
相手の方を見ずに質問する。
「決まっているこの火山の頂上にある我が城だ」
どうやらこの火山の頂上の火口付近には城があるらしい。
流石はダンジョンだ、ファンタジーな話である。
しかしここから山の頂上までえっちらおっちらと上る準備なんて全くしてきてない私たちだ。
どうしよう。
またハルカに頼むか?
それか彼女はドラゴンだというわけだし、一度元の姿になってもらって私たちを背中に乗っけてくれないだろうか。
「行くと言われてもどうやってですか?」
「どうもこうもないだろうに…」
「行くぞ」と改めて彼女がそういう口にすると視界が一変した。
開放的だった露天風呂の中に入浴していたはずなのに、いつの間にかやたらと豪華な建物の中に私たち3人はいたのである。
「……………え?」
ちょっなにこれ、どう言う事なんだ?
いきなり当然のように温泉に現れた謎の美女、タオルすら身に着けていないので直視する訳にもいかない、明後日の方を見ながら尋ねた。
しかし向こうのはそんなことは全くと言っていいほど気にしてないようだ。
それよりも何か別のことにとても苛立っているように見えた。
いきなりな事で混乱する私にハルカが 助言をくれた。
「ヒロキさん、その女性はおそらくこの火山が現れた日に山頂から聞こえてきたあの声の正体よ?」
「えっそんなバカな…」
あの声は完全に人間とかそんなんじゃなかったぞ。
姿こそ確認してないが絶対に何かでっかいモンスターか何かだと思った。
「……ハルカはこの山頂に何が現れたのか知ってるんだよね、教えてもらえる?」
ここまで来るともう答えを教えてもらうしかないよな。
というか山頂に行く予定だったのもすっかり忘れてた私だ。
ハルカはダンジョンコアだ流石に本人を前にしてる訳だしもうその知識に頼ろう。
「その女性がこの火山の主であるレッドドラゴンのはずよ」
「レッド……ドラゴン?」
ワオッマジですか。
火山の頂上とかなんかやばいモンスターがいそうとは思ったけどまさかドラゴンとか。
さすがにそんなのが出張ってくるとか私なんて直ぐに死ぬぞ。
なにしろドラゴンはダンジョンの中でもほとんど出てくるとか聞いたことない存在だからな。
……まあ出てきたとしても、出会ったダンジョン探索者は基本的にみんなやられる。
だからドラゴンはどこどこに出たなんて情報はほとんど出回ることはない。
奇跡的に生還を果たしたごく一部のダンジョン探索者たちがいるのみである。
そんな伝説的な存在が目の前にいるとか洒落にならん、怖すぎる。
「て言うか本当にドラゴンなの? 完全に人間の女性なんだけど…」
「ドラゴンは高い知性と魔力を持つわ、だからスキルで人の姿になるくらい訳ないはずよ?」
マジか…その巨体とかブレスとかで相手を力押しな物理で攻撃するタイプの脳筋ドラゴンじゃないってか。
それさ私のイメージするタイプのドラゴンの中でもかなり強い部類のドラゴンなんじゃないかと思うんだけど。
恐る恐る美女の方を見ると相変わらず若干不機嫌そうな顔をしていた。
「そろそろ話をしていいか?」
「どっどうぞ……」
私の返事を聞き美女が口を開くと。
それはもう小言を言われた。
「全く我らが解放された故に分かりやすく存在を教えてやったというのに…すぐに動いたかと思えば山道にある温泉に心を奪われダラダラダラダラと温泉通いなどしよってからに! お前たちはそもそもこの山に来たのは私に会うためだったんじゃないのか!?」
別にドラゴンに会いたくて来た訳じゃ……いやっある意味そうだったか?
それが温泉を見つけた時点で目的がすっかり入れ替わってしまった。
というか火山から聞こえた咆哮の主を調査するという目的がそもそも頭の中から抜け落ちてしまっていたのだ。
しかしそれも仕方ない事である、恐る恐るする山登りと温泉に入るという娯楽。
この二つが並んだ時に後者を取るのは人間として当たり前のことだ。
前者を完全に忘れるのはちょっと問題だったかもしれんけどね。
まあそんなことは言わない。
目の前の不機嫌美女がさらに不機嫌になりホントにドラゴンにでも変身されたらたまったものではないのでとりあえず謝るか。
「本当に申し訳ありません」
「フンッ本来であればたかが人間が頭を下げたところで私が許すことのなどない、だが貴様はこのダンジョンの主だということは私も理解できる…」
どうやら向こうのドラゴンさん、私と我がダンジョンとかについては知っているらしい…なんで?
「…故に許す。次から気をつけろよ人間」
「はい分かりました」
とりあえず許してもらったので良かった、内心ほっとしていると美女が温泉から上がった。多分全裸で。
まあ視線を最初からずらしていたので何の問題もない、今さらである。
「よしならば行くぞ」
「……え、行くってどこへ?」
相手の方を見ずに質問する。
「決まっているこの火山の頂上にある我が城だ」
どうやらこの火山の頂上の火口付近には城があるらしい。
流石はダンジョンだ、ファンタジーな話である。
しかしここから山の頂上までえっちらおっちらと上る準備なんて全くしてきてない私たちだ。
どうしよう。
またハルカに頼むか?
それか彼女はドラゴンだというわけだし、一度元の姿になってもらって私たちを背中に乗っけてくれないだろうか。
「行くと言われてもどうやってですか?」
「どうもこうもないだろうに…」
「行くぞ」と改めて彼女がそういう口にすると視界が一変した。
開放的だった露天風呂の中に入浴していたはずなのに、いつの間にかやたらと豪華な建物の中に私たち3人はいたのである。
「……………え?」
ちょっなにこれ、どう言う事なんだ?
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