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第63話
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「……ふう疲れた」
何とか家の掃除が一段落ついた。
掃除道具箱を洗ったり片付けたりしながらハルカを待つ。
するとちょうどいいタイミングでハルカが戻ってきた。
「どう掃除の方は終わった?」
「今一段落ついたところだよ」
「そうっお疲れ様、それじゃあお昼ご飯を買ってきたから食べましょうか」
「賛成、ワタシもお腹ペコペコだよ~」
そして私たちはお昼ご飯を食べる。
何か新しい物をみたいな話をしていたけど特に目新しいやつはなかったんだな。
私は生姜焼き弁当。
ハルカは唐揚げ弁当。
アヤメはカツ丼を渡される。
それぞれの好みをハルカが熟知しているので特に文句はなかった。
そしてお昼ご飯を食べ終わり一息つく。
ハルカには頼んでおいた殺虫剤とかバルさんとかも買ってきてくれていた。
これでこの家の中にまだ隠れているかもしれない虫たちを殲滅出来る。
「それじゃあこの殺虫剤の粉を家の周りに巻いてくるよ」
「その殺虫剤って効果があるの?」
「結構効果があるさ、これを使って地上からの虫の侵入を防いでそしてバルさんを使って家の中にいる虫たちを殲滅するんだ」
このコンボで大抵の虫は掃除されるだろう。
だが問題は空を飛んでくるタイプだな。
こいつに関してはどうしようもないのでいざとなればハルカかアヤメにあの銃になってもらい、窓とかから侵入してきた虫は撃ち払うしかないな。
そんな物騒なことを考えながら殺虫剤を手にして家の周りを歩く。
ぐるっと回ってみるとわかるが、やっぱりそこまで大きな家というわけではないな。
ラグネシアのあのご立派すぎるお城を見た時にも思ったが、やっぱり私みたいな小市民にはこのくらいの大きさの家で十分なのだ。
何と言うか大きすぎる家は心が落ち着かないし寝付きが悪くなりそうな気がするものなのだ。
こういう家の方が落ち着くのである。
ダンジョンゲートを使えばいつでもダンジョンには行けるわけだしね。
わざわざあのアパートに工藤さんたち に来てもらってダンジョンに行くというのも変に目立っている気がしたからな…悪い意味で。
だからこそ引っ越しして周囲に他の人がいない一軒家を探したのだ。
周りの人間の視線を気にするのは本当に気疲れするからね。
ストレス社会を生きてるから仕方のないかもしれないけど、そんな感じだからこそダンジョンで生活する時間の方が少しずつ多くなってしまうのだろう。
恐るべしストレス社会。
「……よしっ殺虫剤の散布も終わったし今日する仕事はこれで終わりかな、後はもうバルさんをセッティングしてダンジョンの方でゆっくり休もうか」
と思っていた時である。
私のスマホに電話があった。
「はいもしもし一河です」
その電話の相手は工藤さんである。
いくら私でも非通知だったり知らない電話番号にそんなホイホイ出たりはしない。
「もしもし一河さんですか?」
「はいそうですけど…」
「実は少し相談したいことがあってお電話させてもらいました」
「何ですか?」
工藤さんが私に相談だなんて珍しいことがあるものだ。
もちろん彼女には日頃ダンジョンの採取を手伝ってもらったりよくわからないダンジョン資源の知識についても教えてもらったりと色々お世話になっているし何かしら手を貸せることがあれば力になりたい。
そして工藤さんからの話というのに私は耳を傾けた。
「……月城さんですか?」
「はいそうなんです、実は彼女が…」
月城さんは覚えている。
私がダンジョンセンターに行くと受付 を担当している職員さんだ。
金髪碧眼の綺麗な女性で私がダンジョン探索者として初心者用のダンジョン講習を受けた時にそこの教官役をしていた女性である。
そういう意味では意外とお世話になっているかもと思える人だ。
まあその時には既にダンジョンをゲットしてしまった私はダンジョン探索者として他のダンジョンに行くこともなく今に至るわけだが…。
まあそれはいいだろう。
「彼女がどうかしたんですか?」とさらに質問したら工藤さんが説明してくれた。
どうも月城さん、ダンジョンセンターで働いていたら直属の上司が変わったらしい。
しかもその上司が結構に中々な人物らしく日々ストレスが溜まっているそうだ。
元よりダンジョン探索者である工藤さんと月城さんは見知った間柄らしく一緒に話をすることもたまにあるらしく、そんな時に彼女から愚痴がみたいな話を聞かされたとか。
ただ近頃はそれでも限界らしく今の仕事を転職すべきかどうか真剣に相談されたらしい。
そこになぜ私の元に話が回ってきたかというと今の月城さんに必要なのは疲れた心を癒してくれるストレスフリーな場所なのではと思ったそうだ。
つまるところ我がダンジョンのセラピーパワーを使って彼女の心を癒してあげたいという話である。
要は月城さんを我がダンジョンに招待してあげてもいいかって話ね。
個人的には別に良いと思う、月城さんについてそこまで知ってる訳じゃないけどこの社会は下で働く人間にはどこまでも容赦がない事は知っているのだ。
私は早々にリタイヤした社会、そんな社会で日々を頑張る彼女は素直に凄いと思う、そんな人の助けになるのなら喜んで我がダンジョンに招待したい。
…それに月城さんは美人だしね、おっと本音が…いけませんな。
しかしこれは私個人の意見だ。
やはりハルカとアヤメにも話をするしかないな。
工藤さんには2人に話をするので一度電話を切る旨を伝えスマホをしまった。
何とか家の掃除が一段落ついた。
掃除道具箱を洗ったり片付けたりしながらハルカを待つ。
するとちょうどいいタイミングでハルカが戻ってきた。
「どう掃除の方は終わった?」
「今一段落ついたところだよ」
「そうっお疲れ様、それじゃあお昼ご飯を買ってきたから食べましょうか」
「賛成、ワタシもお腹ペコペコだよ~」
そして私たちはお昼ご飯を食べる。
何か新しい物をみたいな話をしていたけど特に目新しいやつはなかったんだな。
私は生姜焼き弁当。
ハルカは唐揚げ弁当。
アヤメはカツ丼を渡される。
それぞれの好みをハルカが熟知しているので特に文句はなかった。
そしてお昼ご飯を食べ終わり一息つく。
ハルカには頼んでおいた殺虫剤とかバルさんとかも買ってきてくれていた。
これでこの家の中にまだ隠れているかもしれない虫たちを殲滅出来る。
「それじゃあこの殺虫剤の粉を家の周りに巻いてくるよ」
「その殺虫剤って効果があるの?」
「結構効果があるさ、これを使って地上からの虫の侵入を防いでそしてバルさんを使って家の中にいる虫たちを殲滅するんだ」
このコンボで大抵の虫は掃除されるだろう。
だが問題は空を飛んでくるタイプだな。
こいつに関してはどうしようもないのでいざとなればハルカかアヤメにあの銃になってもらい、窓とかから侵入してきた虫は撃ち払うしかないな。
そんな物騒なことを考えながら殺虫剤を手にして家の周りを歩く。
ぐるっと回ってみるとわかるが、やっぱりそこまで大きな家というわけではないな。
ラグネシアのあのご立派すぎるお城を見た時にも思ったが、やっぱり私みたいな小市民にはこのくらいの大きさの家で十分なのだ。
何と言うか大きすぎる家は心が落ち着かないし寝付きが悪くなりそうな気がするものなのだ。
こういう家の方が落ち着くのである。
ダンジョンゲートを使えばいつでもダンジョンには行けるわけだしね。
わざわざあのアパートに工藤さんたち に来てもらってダンジョンに行くというのも変に目立っている気がしたからな…悪い意味で。
だからこそ引っ越しして周囲に他の人がいない一軒家を探したのだ。
周りの人間の視線を気にするのは本当に気疲れするからね。
ストレス社会を生きてるから仕方のないかもしれないけど、そんな感じだからこそダンジョンで生活する時間の方が少しずつ多くなってしまうのだろう。
恐るべしストレス社会。
「……よしっ殺虫剤の散布も終わったし今日する仕事はこれで終わりかな、後はもうバルさんをセッティングしてダンジョンの方でゆっくり休もうか」
と思っていた時である。
私のスマホに電話があった。
「はいもしもし一河です」
その電話の相手は工藤さんである。
いくら私でも非通知だったり知らない電話番号にそんなホイホイ出たりはしない。
「もしもし一河さんですか?」
「はいそうですけど…」
「実は少し相談したいことがあってお電話させてもらいました」
「何ですか?」
工藤さんが私に相談だなんて珍しいことがあるものだ。
もちろん彼女には日頃ダンジョンの採取を手伝ってもらったりよくわからないダンジョン資源の知識についても教えてもらったりと色々お世話になっているし何かしら手を貸せることがあれば力になりたい。
そして工藤さんからの話というのに私は耳を傾けた。
「……月城さんですか?」
「はいそうなんです、実は彼女が…」
月城さんは覚えている。
私がダンジョンセンターに行くと受付 を担当している職員さんだ。
金髪碧眼の綺麗な女性で私がダンジョン探索者として初心者用のダンジョン講習を受けた時にそこの教官役をしていた女性である。
そういう意味では意外とお世話になっているかもと思える人だ。
まあその時には既にダンジョンをゲットしてしまった私はダンジョン探索者として他のダンジョンに行くこともなく今に至るわけだが…。
まあそれはいいだろう。
「彼女がどうかしたんですか?」とさらに質問したら工藤さんが説明してくれた。
どうも月城さん、ダンジョンセンターで働いていたら直属の上司が変わったらしい。
しかもその上司が結構に中々な人物らしく日々ストレスが溜まっているそうだ。
元よりダンジョン探索者である工藤さんと月城さんは見知った間柄らしく一緒に話をすることもたまにあるらしく、そんな時に彼女から愚痴がみたいな話を聞かされたとか。
ただ近頃はそれでも限界らしく今の仕事を転職すべきかどうか真剣に相談されたらしい。
そこになぜ私の元に話が回ってきたかというと今の月城さんに必要なのは疲れた心を癒してくれるストレスフリーな場所なのではと思ったそうだ。
つまるところ我がダンジョンのセラピーパワーを使って彼女の心を癒してあげたいという話である。
要は月城さんを我がダンジョンに招待してあげてもいいかって話ね。
個人的には別に良いと思う、月城さんについてそこまで知ってる訳じゃないけどこの社会は下で働く人間にはどこまでも容赦がない事は知っているのだ。
私は早々にリタイヤした社会、そんな社会で日々を頑張る彼女は素直に凄いと思う、そんな人の助けになるのなら喜んで我がダンジョンに招待したい。
…それに月城さんは美人だしね、おっと本音が…いけませんな。
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