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5章
帰郷
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青空、煌く太陽、そして、自然の香りを運んでくる風。
見慣れたはずの森に遠くに見える山、それを見て懐かしさを覚える。
グランルーン王国――――私の故郷である。
「4年・・・ううん、もう5年前になるんだね」
「ええ、カモメさんにとっては久しぶりの里帰りですわね」
「お父さんとお母さんのお墓参りも行きたいなぁ」
「そうね、その為にもあの大臣をぶっ飛ばすわよ」
私達は今、グランルーン王国、首都グランルーンの上空にいる。
私は風の魔法で空を飛び、エリンシアを抱えている、ディータは自分の魔法で空を飛んでいた。
私達はこのまま、城へと降下し殴り込みをかける、そしてその騒ぎに乗じて森に隠れている王子様たちが街の人を避難させるという手はずになっている。
とはいえ、このまま城に降下し、城の中で暴れても街の門を護っている門番たちから王子様たちが侵入したことがバレては元も子もないし、街で誘導している間に見つかっても同じだ。
という事で、私と同じく指名手配で顔がバレている、クオンとレディには街の中で暴れてもらうことになっている、もちろんレディは変身の指輪を外してモンスターの姿で暴れてもらう。
その方が効果的だろうからね。
そして、変装した王子やラインハルトさん、他数名のベラリッサの兵士に逃げまどう街の人をギルドへ避難させてもらう、そして、そこで王子が正体を明かし、街の人を外に避難させるのだ。
「それじゃ、いっちょ派手にあばれましょーか!」
「ええ、腕がなりますわ!」
「私も今回は暴れさせてもらうわ!」
私は狼煙代わりに炸裂炎弾を城へ向かってぶっ放す。
その爆発に驚いて、城の中の兵士が慌てて外に出てきた。
「カモメさん・・・ラインハルトさんに出来るだけ被害が少なくなるようお願いされましたのに・・・」
「あ、そうだっけ・・・ま、城の原形を残してればきっと大丈夫だよ♪」
「それもそうですわね・・・なら、ワタクシも!全力魔弾!!」
エリンシアのフルブラスターで再び城に大穴を開けると、城の外に出ていた兵士たちが私たちの存在に気付く。
「あら、良い具合に目立てたわね」
「ですわね、では、カモメさん」
「了解」
そう言うと、私は風の魔法を使って城全体に私の声が届くようにする。
「ゴリアテ大臣!よくも私をハメてくれたよね!闇の魔女が報復に来たわよ・・・観念しなさい!」
私がそう高らかに宣言すると、城の周りにいた兵士たちが騒めくのだった。
「闇の魔女!?」
「前王を殺した、闇の魔女!」
「英雄ヴィクトールすらも返り討ちにして城の地下を破壊、その後悠々とこの国から逃げたあの災悪の魔女!?」
ヒドイ言われようだ・・・。
「さあ、お仕置きの時間だよ!」
私がそう言うと、エリンシアは私から手を放し、城の中庭の方へと飛び降りる。
ディータは城の正門の方へと飛んでいった・・・なら私は。
「大臣がいるとしたら、城の上の方だよね」
きっと、王座のあたりでふんぞり返ってるに違いない。
そう思い、私は最上階の壁に穴をあけると城の中へ侵入した。
今頃、街ではクオン達が暴れてくれいている筈・・・ラインハルトさん、街の人は頼んだよ!
「どうやら、カモメ達が城に侵入したみたいだね」
「ならぁん、私達も街にいる兵士の目を向けさせないとねぇん」
「ええ!」
そう言うや否や、目の前に現れた兵士三人をクレイジュの柄の部分を使い気絶させる。
「あらぁん、こっちにもって・・・イイ男ぉおおおおおおん!」
「ぎゃあああああああああああ!!!」
兵士の顔を見るや否やレディは兵士との距離を詰め、その唇を奪う。
まるで悪魔にキスをされ生気を抜かれたのでは・・・いや、むしろのその方が幸せだったのではと思う程の衝撃を受け、兵士は泡を吹いてその場に倒れた。
「うわぁ・・・」
(相棒・・・俺は剣に生まれたことを今日ほど感謝したことはねぇ・・・あれは・・・地獄だ)
しみじみと言う、クレイジュ。
これは、早めに別行動をとった方がよさそうだ。
「それじゃ、レディ。僕は街の西側で騒動を起こすから、君は東を頼むね」
「了解よぉん・・・うふふふふ、いい男はどこかしらぁああああん!!」
目的、忘れてないよね・・・。
いい男を探しに行ったレディを見送り、僕は街の西側に移動した。
僕が西側に行くのは意味がある、街の西にはグラシアール商会の本店があるのだ。
「エリンシアの両親と店の人達の安全を確認しないと・・・」
弟さんを逃がすためエリンシアの父親は無理をしたらしい、その為、大臣に目を付けられていることだろう。今の状況を確認しないと、無事なら街の人たちの先導も頼みたいし。
そう思い、僕はまっすぐ、グラシアールの本店へと向かった。
見慣れたはずの森に遠くに見える山、それを見て懐かしさを覚える。
グランルーン王国――――私の故郷である。
「4年・・・ううん、もう5年前になるんだね」
「ええ、カモメさんにとっては久しぶりの里帰りですわね」
「お父さんとお母さんのお墓参りも行きたいなぁ」
「そうね、その為にもあの大臣をぶっ飛ばすわよ」
私達は今、グランルーン王国、首都グランルーンの上空にいる。
私は風の魔法で空を飛び、エリンシアを抱えている、ディータは自分の魔法で空を飛んでいた。
私達はこのまま、城へと降下し殴り込みをかける、そしてその騒ぎに乗じて森に隠れている王子様たちが街の人を避難させるという手はずになっている。
とはいえ、このまま城に降下し、城の中で暴れても街の門を護っている門番たちから王子様たちが侵入したことがバレては元も子もないし、街で誘導している間に見つかっても同じだ。
という事で、私と同じく指名手配で顔がバレている、クオンとレディには街の中で暴れてもらうことになっている、もちろんレディは変身の指輪を外してモンスターの姿で暴れてもらう。
その方が効果的だろうからね。
そして、変装した王子やラインハルトさん、他数名のベラリッサの兵士に逃げまどう街の人をギルドへ避難させてもらう、そして、そこで王子が正体を明かし、街の人を外に避難させるのだ。
「それじゃ、いっちょ派手にあばれましょーか!」
「ええ、腕がなりますわ!」
「私も今回は暴れさせてもらうわ!」
私は狼煙代わりに炸裂炎弾を城へ向かってぶっ放す。
その爆発に驚いて、城の中の兵士が慌てて外に出てきた。
「カモメさん・・・ラインハルトさんに出来るだけ被害が少なくなるようお願いされましたのに・・・」
「あ、そうだっけ・・・ま、城の原形を残してればきっと大丈夫だよ♪」
「それもそうですわね・・・なら、ワタクシも!全力魔弾!!」
エリンシアのフルブラスターで再び城に大穴を開けると、城の外に出ていた兵士たちが私たちの存在に気付く。
「あら、良い具合に目立てたわね」
「ですわね、では、カモメさん」
「了解」
そう言うと、私は風の魔法を使って城全体に私の声が届くようにする。
「ゴリアテ大臣!よくも私をハメてくれたよね!闇の魔女が報復に来たわよ・・・観念しなさい!」
私がそう高らかに宣言すると、城の周りにいた兵士たちが騒めくのだった。
「闇の魔女!?」
「前王を殺した、闇の魔女!」
「英雄ヴィクトールすらも返り討ちにして城の地下を破壊、その後悠々とこの国から逃げたあの災悪の魔女!?」
ヒドイ言われようだ・・・。
「さあ、お仕置きの時間だよ!」
私がそう言うと、エリンシアは私から手を放し、城の中庭の方へと飛び降りる。
ディータは城の正門の方へと飛んでいった・・・なら私は。
「大臣がいるとしたら、城の上の方だよね」
きっと、王座のあたりでふんぞり返ってるに違いない。
そう思い、私は最上階の壁に穴をあけると城の中へ侵入した。
今頃、街ではクオン達が暴れてくれいている筈・・・ラインハルトさん、街の人は頼んだよ!
「どうやら、カモメ達が城に侵入したみたいだね」
「ならぁん、私達も街にいる兵士の目を向けさせないとねぇん」
「ええ!」
そう言うや否や、目の前に現れた兵士三人をクレイジュの柄の部分を使い気絶させる。
「あらぁん、こっちにもって・・・イイ男ぉおおおおおおん!」
「ぎゃあああああああああああ!!!」
兵士の顔を見るや否やレディは兵士との距離を詰め、その唇を奪う。
まるで悪魔にキスをされ生気を抜かれたのでは・・・いや、むしろのその方が幸せだったのではと思う程の衝撃を受け、兵士は泡を吹いてその場に倒れた。
「うわぁ・・・」
(相棒・・・俺は剣に生まれたことを今日ほど感謝したことはねぇ・・・あれは・・・地獄だ)
しみじみと言う、クレイジュ。
これは、早めに別行動をとった方がよさそうだ。
「それじゃ、レディ。僕は街の西側で騒動を起こすから、君は東を頼むね」
「了解よぉん・・・うふふふふ、いい男はどこかしらぁああああん!!」
目的、忘れてないよね・・・。
いい男を探しに行ったレディを見送り、僕は街の西側に移動した。
僕が西側に行くのは意味がある、街の西にはグラシアール商会の本店があるのだ。
「エリンシアの両親と店の人達の安全を確認しないと・・・」
弟さんを逃がすためエリンシアの父親は無理をしたらしい、その為、大臣に目を付けられていることだろう。今の状況を確認しないと、無事なら街の人たちの先導も頼みたいし。
そう思い、僕はまっすぐ、グラシアールの本店へと向かった。
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