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帰国の知らせ
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「こちらはクシュリプト王国の第二王子、フェリペ殿下と、その秘書官で私の婚約者のアルベルト・ワーデンです。そして彼が第二王子の御子息のアガトン殿下です」
「アガトンです。この後留学でもお世話になります。お目にかかれて光栄です」
2人は改めて挨拶すると、アガトンと握手を交わしていく。
「クロッカ、今日のドレスはいつもと趣向が違うね。よく似合ってるよ」
アガトンに言われて初めてこの2人にドレスを褒められていないことに気付く。
エスコートすらされていなければ、参加することすら秘密にしていた王国の男たちの情けない事。
フェリペ殿下は元々疎いのは周知の事実だが、婚約者であるアルベルトに言い訳は出来ない。
「ありがとうございます。ルフェーベル商会の新作ですの。気付いていただけて嬉しいですわ」
「クロッカがそんなにセクシーなドレスを着るのは初めてじゃない?無理して来てよかったよ」
「最初は恥ずかしかったのだけれど、キャサリンが慣れだって。やっと恥ずかしさが少しだけ薄れて来たところなの。あんまり見ないでね」
下着すら付けてないことを思い出して、少し頬が熱くなる。
これ、下着をつけていないことをみんな気付いているのだろうかと、考えてはダメだと思うのに一度頭を巡るとグルグルと羞恥心が湧き上がって来た。
「クロッカ、そろそろ皇帝陛下に挨拶に行かないと」
アルベルトが腰に手を回して耳元近くで話すので、反射的に腰が引ける。
「アルベルト…ッそうね。先に挨拶をしなければ失礼だわ。アガトン殿下また後程ゆっくり話しましょう」
「あぁ…また後で」
アガドンの前でアルベルトを拒否することも出来ず、軽く挨拶をして再び足を進めることになったが、先ほどまでと違いアルベルトの手は腰に置かれたままで、アルベルトの体温を感じながら熱を冷ますことになった。
「アルベルト、ヤキモチでも焼いているの?」
「君はまだ私の婚約者だよ」
「まだ…ね。それはいつまでなのかしら」
正直、腰に手を回されることに何も感じないわけでなかったが、頬の熱が冷めていくのを感じる程には冷静だった。
トキメキという物を遥か遠くに捨てて来てしまったかのように貼り付けた笑みをアルベルトに向ける。
周りからしたら仲睦まじく寄り添って歩いているように見えるだろうが、婚約者よりもアガトンの方がよっぽどに好感度が高いのには自分でも驚く限りだ。
「指輪は気に入らなかったか?」
「ラピスラズリの指輪ならとっても気に入っているわ。素敵な贈り物をありがとう」
感謝を伝えるが、薬指に指輪は飾られていない。
アルベルトが来ると分かっていたら付けたかもしれないが、サイドがレースになっているドレスなので、引っ掛けるわけにはいかないので外してある。
でもその言い訳はしばらくしてあげるつもりはない。
肩に触れるアルベルトの大きな身体に身を委ねるだけの信頼は持ち合わせていなかった。
婚約者でいてもらわなければならない場だが、婚約者でいられることが図々しく感じる。
混乱しながらも、帝国で作り上げた婚約者との不実の関係を、再現しなければいけない苦痛に、大事に隠し持っている昔の恋心が悲鳴をあげ続けていた。
「アガトンです。この後留学でもお世話になります。お目にかかれて光栄です」
2人は改めて挨拶すると、アガトンと握手を交わしていく。
「クロッカ、今日のドレスはいつもと趣向が違うね。よく似合ってるよ」
アガトンに言われて初めてこの2人にドレスを褒められていないことに気付く。
エスコートすらされていなければ、参加することすら秘密にしていた王国の男たちの情けない事。
フェリペ殿下は元々疎いのは周知の事実だが、婚約者であるアルベルトに言い訳は出来ない。
「ありがとうございます。ルフェーベル商会の新作ですの。気付いていただけて嬉しいですわ」
「クロッカがそんなにセクシーなドレスを着るのは初めてじゃない?無理して来てよかったよ」
「最初は恥ずかしかったのだけれど、キャサリンが慣れだって。やっと恥ずかしさが少しだけ薄れて来たところなの。あんまり見ないでね」
下着すら付けてないことを思い出して、少し頬が熱くなる。
これ、下着をつけていないことをみんな気付いているのだろうかと、考えてはダメだと思うのに一度頭を巡るとグルグルと羞恥心が湧き上がって来た。
「クロッカ、そろそろ皇帝陛下に挨拶に行かないと」
アルベルトが腰に手を回して耳元近くで話すので、反射的に腰が引ける。
「アルベルト…ッそうね。先に挨拶をしなければ失礼だわ。アガトン殿下また後程ゆっくり話しましょう」
「あぁ…また後で」
アガドンの前でアルベルトを拒否することも出来ず、軽く挨拶をして再び足を進めることになったが、先ほどまでと違いアルベルトの手は腰に置かれたままで、アルベルトの体温を感じながら熱を冷ますことになった。
「アルベルト、ヤキモチでも焼いているの?」
「君はまだ私の婚約者だよ」
「まだ…ね。それはいつまでなのかしら」
正直、腰に手を回されることに何も感じないわけでなかったが、頬の熱が冷めていくのを感じる程には冷静だった。
トキメキという物を遥か遠くに捨てて来てしまったかのように貼り付けた笑みをアルベルトに向ける。
周りからしたら仲睦まじく寄り添って歩いているように見えるだろうが、婚約者よりもアガトンの方がよっぽどに好感度が高いのには自分でも驚く限りだ。
「指輪は気に入らなかったか?」
「ラピスラズリの指輪ならとっても気に入っているわ。素敵な贈り物をありがとう」
感謝を伝えるが、薬指に指輪は飾られていない。
アルベルトが来ると分かっていたら付けたかもしれないが、サイドがレースになっているドレスなので、引っ掛けるわけにはいかないので外してある。
でもその言い訳はしばらくしてあげるつもりはない。
肩に触れるアルベルトの大きな身体に身を委ねるだけの信頼は持ち合わせていなかった。
婚約者でいてもらわなければならない場だが、婚約者でいられることが図々しく感じる。
混乱しながらも、帝国で作り上げた婚約者との不実の関係を、再現しなければいけない苦痛に、大事に隠し持っている昔の恋心が悲鳴をあげ続けていた。
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