AUKUYAKU☆令嬢に転生したおっさんのAKUGYOU記1

うさぎ蕎麦

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1章「おっさん田中太郎悪役令嬢に転生」

9話「ほれ薬その1」

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 いや、待て違う、今の俺は悪役令嬢だ。
 確かに禁則事項(タブー)に触れる事が無さそうでひやひやする心配は無いが。
 悪役令嬢であるならば、ここであんな事やそんな事をされて俺が証拠写真(きょうはくざいりょう)をばっちり抑えてッ!
 
 ふはははは、この写真をばら撒かれたくなければ私にひれ伏するが良い!
 なーんてステラの両親辺りを脅迫(きょうはく)する展開が望ましいんだろうな。
 残念ながら、今思い付いた事で準備も全くしてない上にあまりにもお二人さんが純情過ぎてそんな展開期待出来そうに無いんだよな。

 そんなこんなしている内に、王子様がおトイレに行くみたいで席を外した。
 なんかすっげーお上品に言っていたが、一々説明しなくても良かろう。
 隠れていた俺はサッとステラの前に飛び出した。

「おーほっほっほ、ご機嫌麗しゅうステラお嬢様」

 突然の来訪者に対し、おどろくステラであるがその表情を笑顔に変化させるまでの時間は短い。
 どうしたらそんな天使の様な笑顔をすぐに浮かべられるのか、ぶすいなおっさんから一応は令嬢に変わっても俺には分らなかった。
 
「ルチーナ様ご機嫌様でございます。 わざわざご丁寧にご来訪頂きましたのはどの様なご用件からでございましょうか?」
「そうねぇ、わたくしステラ嬢に良いものをプレゼントしたくて来ましてよ。 貴女の想い人には悪いけど貴女だけに差し上げたくてああさせて頂きました事よ」
 
 俺は指輪の収納システムを利用し、惚れ薬の入った小瓶を取り出し手にした。

「私にでございましょうか?」
「そうよ、わたくしが特別に調合したこの薬を貴女に差し上げますわ」

 俺はステラに茶色の液体が入った小瓶を手渡した。

「ありがとうございます、ルチーナ様がわたしの為に作って頂いた以上早速頂きますが宜しかったでしょうか?」

 俺がうなずくと、ステラは何のうたがいも無く俺が差し出した液体を口にする。
 よしっ! これで、ステラは俺の事を好きで好きで溜まらなくなるはずだ。
 王子様なんてどうでも良くなって、そんなのほっぽりだして俺の事しか見えなくなる。

 いや、流石に高望みし過ぎか。
 あまり期待しても精神によくない。当初の予定通り最初の1本目はちょっと気になる位と予想だ。
 しかし、こんな美女が俺にベタ惚れしてくれるなんて夢の様だぜ!

 うへっ、うへっ、うへへへへへへ。
 俺は目の前に居る清楚な美女ステラ令嬢とあんなことやそんなことが出来る仲をもーそーする。
 前世とは女の子と何も出来なかったのだ!
 いいぢゃないか、上手くいきそうになった時ぐらい、もーそーの1つや2つしたところでっ!

「当然、宜しくてよ」

 俺はニヤ付きそうになるのを必死にガマンし返事した。
 ステラは一礼すると、ていねいに茶色の惚れ薬を飲み干した。
 
「ルチーナ様、素晴らしきお味でございました。 是非再度味わいたいと存じ上げます」

 ステラは深々とおしぎした。

「おーほっほっほ、当然の事ですわ」
 
 へぇ、てっきりマズイと思ったがレオナの奴、味もしっかり考えてたのか。
 天才科学者ってのは伊達じゃなさそうだなぁ。
 いや、見た目天才科学者っぽくねぇか。
 冷静に一人ボケツッコミをする中、段々と早く惚れ薬の効果が現れろとうずうずして溜まらない気持ちが抑えられなくなって来る。
 
「ルチーナ様! どうしてもやらなければならない事を思い出しましたわ、少々お時間を頂きます事をご了承下さいませ」

 不意にステラが、今までしていたふんわり笑顔の柔らか天使オーラから、キリっとした職人の顔へ変化させた。
 うん? どう言う事だ? ほおを赤らめながら俺をマジマジとみつめ始めるのなら分かるが?
 どうもよく分からない事になったがこのままだと、ト○レに向かった王子様が戻って来る。

 来るけど、俺は別に王子から嫌われてる訳でも無いからなぁ。
 あくまで惚れ薬をステラ嬢に飲ませたかったからああしただけであって、見付かった事を説明すれば問題無いでしょ、多分。
 俺はあくびをすると、ステラ嬢達が座っていたテーブルにある空いている席に腰を降ろした。
 
 暫くした所で、王子様が○イレから戻って来た。
 そう言えば戻って来るまで妙に時間が掛かっていたな、さてはお主。
 いや、小学生じゃあるまいし、はしたないマネはよそう。

 当然、王子様からしたら俺がここにいる事は完全に予想外で物凄くキョトンとした表情を浮かべ俺をみつめる。
 それが何するかの意味を悟った俺はこんせつおーざっぱに、トイ○に行ってる間に起こった出来事を説明した。
 しかし、マジモンの悪役令嬢ならこの隙に王子様でも口説くのだろうな。

 俺が渡した薬も下剤に変わって無理矢理ステラ嬢を退席させてって流れで。
 アイツは今頃トイレから出れないと心の中でののしりながら。
 おっと、たられば話が過ぎたな。
 
 ステラ嬢が戻って来るまでの間、王子様とそれと無い会話が展開された。
 王子様の手前、一応令嬢である俺は言葉に気を付けながら王子様との対話をする。
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