AUKUYAKU☆令嬢に転生したおっさんのAKUGYOU記1

うさぎ蕎麦

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2章「ゲームで悪行?」

17話

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「でぇ? さりなすくぅん? ステラ誘拐失敗がなんやったかなぁ?」
「ななな、なんでもありませーーーん」
「無い訳ないやろ! 報告位ちゃんとしぃや!」
「らっれ、ステラ王女のファイヤー、アイス、サンダーで死んだなんて言えませんよぅぅぅぅぅ」

 再び涙目になるサリナスだ。
 
「初級魔法かいな? あんさん魔法防御力高いんとちゃうんか?」
「ふぁい、そうですよっ、わらひ、魔族の中では魔法防御たかいですよぅ、それでも、ステラ王女が加減した魔法で死んじゃったなんて言える訳ないですよぉぅ」
「思いっきり言ってるやんけ」

 ちゅー事は、ステラはんの魔力はえげつないっちゅー事かいな。
 実は囚われの王女様が超魔力を持ってるって、なんやねんこのゲーム。
 まさか、エリウッドはんもあんな様子だけど実は滅茶苦茶強いんとちゃうんか?
 
「ま、しゃーない貴重な情報を持ってきてありがとな」
「ふぁ、ふぁひ!? わ、わたし、任務に失敗したんですけど!?」

 雷に撃たれたかの様に驚いているサリナスだが。
 いや、雷に撃たれらまず意識が飛ぶか。

「んな事言われても、俺はステラに対する情報なんて特に渡してへんで? それで失敗したんやったらしゃーないやん。 新たな情報持ち帰っただけでも手柄やで?」
「る、るちーなさまぁ、お優しいんですねっ!」

 サリナスは俺に飛びつき、三度(みたび)俺の服に手を伸ばすが、

「同じギャグを3度もすんなや!」

 反射的に、サリナスに対して素手でのツッコミを入れた。
 俺としてはごく一般的な加減のツッコミをしたつもりだったが。
 
「ぎ、ぎゃぐじゃないですよおおおおおおっ」

 どうも、魔王の身体と言う奴は想像以上に筋力があるみたいで、俺からのツッコミを受けたサリナスは大きく吹っ飛ばされ、地面に接触するとゴロゴロと転がり壁にぶつかると、ぽふっと音を立て地面に倒れた。

「げ、スマン、そんなつもりは無かったんや」
「る、るちーな様の愛の鞭しかと承りましたのです」

 頭の上でヒヨコが回っているように見えるサナリスは、派手に頭を打ったのか変な事を言っている。

「は、ははは、とにかくエリウッド達の様子を見に行こう」

 俺は、ぴよぴよしているサリナスを連れ、水晶玉よりエリウッド達の様子を確認した。

「なぁ、サリナス。勇者って魔王討伐するんとちゃうんか?」
「私もそう思います。もうっ、ステラって女の子ばかり見ても面白くありませんからっ」

 水晶玉には何故かステラばかりが映っていた。
 たまにエリウッドも映るが、ステラとデートし鼻の下を10M程伸ばしている姿しか映らなかった。
 最も、鼻の下をそんなに伸ばしたら地面貫通する訳だが。

「女性視点で考えたらそれは否定はせーへんけど、それにしてもこいつ等装備も道具も整えないし外に出て魔物を討伐しようともしないぞ」
「ああっ、王国の資金をエリウッドに渡してますよ!」

 驚くサナリスだが。
 王女は仮にも王族であって、その王族と仲の良い勇者ならばどう考えたって王国の方から相応の支援が施されるよな?
 俺が知ってるゲームで、伝説の勇者の血を引く人間に対して鋼どころか銅で出来た剣すら買えないどころか、皮製の盾、もしくは皮製の服を買ったら竹製の棒しか買えない。
 こん棒を買ってしまえば布製の服しか買えない程度のお金しか渡さない王様。
 伝説の勇者が最初に装備する武器がこん棒ってなんやねん!
 つーか、布製の服すら買わなきゃいけないってことは少なくとも上半身裸、下手すれば王様の前でフル○ンっつー事か?
 
 で、その続編は、自分の息子である王子に対して銅製の剣と皮製の鎧と小銭を渡して魔王を倒してこい、だ。
 しかも、同盟国が魔物により滅ぼした報告を受けた直後で、だ。
 いやいや、王国を守る兵士は鉄製の鎧と鉄製の槍を装備してるんだけど?
 1万歩譲っても、今から世界平和の為に旅立とうとしている息子に対しては彼等と同じ装備位渡してやれよ。
 あれか? 確か魔法が使えない設定だったから、魔法すら使えない出来損ないの息子とはおさらばしたいのが本心だったのか?
 
 その次の作品もだ。
 旅の途中で命を落とした勇者の息子が、魔王を倒しに行くんだけど。
 その勇者の息子に対して支給するのが小銭とこん棒やら冒険用の衣服数着だ。
 いやいやいや、勇者の息子なんだからせめて、せめて、城を守る兵士達と同じ装備は支給してやれよ。
 しかも、彼が持つ銅製の剣も冒険用の服も自前だ。
 もはや、実は彼の母親が裏で悪行の限りを尽くしていたと邪推してしまう領域だ。
 
 と考えたら、世界を救う勇者エリウッドがステラ王女から支援を施されるのは何の間違いでも無い訳で。

「やっと邪魔な女と別れましたよ」
「日が暮れたからな」
「えへへ、えへへ、これでやっと勇者様のぴーが見れますよぉ! さぁ、さぁ、早くお風呂に入るのです!」

 涎を垂らしながら瞳を輝かせるサナリス。

「俺は見たくねーんやけど」

 サナリスにジト目で冷ややかな視線を送る俺。
 勿論、サナリスのぴーなら喜んで見てやるところだが。

「おいおい、エリウッドの野郎、酒場に入りやがったぞ?」
「疲れてたんじゃないですかぁ?」
「ステラ王女とデートして? んなアホな」
「王女様からお金を引き出す為に仕方なく演技してたのかもしれませんよ? それだったらめーーーーっちゃくちゃ疲れますし」

 まるで経験したことがあるかのように言うサナリスだ。
 こういう、腹黒い言動をためらいなく言うところは腐っても魔族と言うことかもしれない。
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