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2章「ゲームで悪行?」
18話
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「あのアホっぽいエリウッドがそんな考えする訳無いで?」
「フフフ、そのアホっぽさが演技かも知れませんよ?」
不気味に笑い、瞳を輝かせるサナリスだ。
やはり、経験した事がある様に見える。
「あのエリウッドがねぇ? おや? 酒場を出たぞ?」
「むむむ、エリウッド様の向かう先は、夜の街じゃないですか!?」
「せやな。お、風呂屋に向かってるで?」
「ルチーナ様、何をおっしゃってるんですか!? あの様な下賎なエリアにその様な健全なお店は御座いません!」
鼻息を荒くしながら力説するサナリス。
「いや、魔族のあんさんが言う事ちゃうやろ」
「いいえ、ルチーナ様! 私の様に可憐で美しい魔族が居ながら人間のメスと言う下等な種族と交わる事はこのサナリスが許しません!」
「エリウッドがいつアンタの男になったんや? ちゅーかサナリスはん? 人格変わり過ぎとちゃいまっか?」
「ルチーナ様、覇権を目指すお方がその様な細かい事を気になってはなりません!」
ハンカチがあるならば思いっきり噛み締めそうな表情をしているサナリス。
どう見ても、彼氏の浮気現場を目撃、しかも浮気相手は自分よりも可愛くてスタイルが良いなんて物を発見してしまった彼女にしか見えない。
「確かに細かいってのは否定せーへんで。お、風呂屋に入ったで?」
「ルチーナ様? あの店はぴーをぷーしてぺーしてぽーするお店ですよ?」
「あ、スマン、風呂屋っちゅーのはそういう店の隠語やってん」
「きーーーーっ、やっぱりそうだったんですか! 私と言う女がありながらっ! 私にピーを見せたのは何だったんですぁ!?」
サナリスはエリウッドが好みなん?
確かに美形やけど。
「いや、それはサナリスはんが勝手に覗いただけやで?」
「ゆ、勇者様なら私が覗いた事を知った上で見せたんです!」
「それやったら、いや俺も言動こそ男なれど外見は女やったな。くそっ、十分あり得そうで否定できへん」
俺が頭を抱えうなだれていると、エリウッドがツヤツヤとした顔をしながら風呂屋から出て来た。
「私と言う女が居ながらもう許せません! この事をステラ王女にチクって来ます!!!!」
「いや、自分でシバキに行くんとちゃうんかい」
「愛しきエリウッド様を傷つけるのは最終手段です!」
「どういう理屈でそうなんねん」
サナリスの謎なプライドを見せられ呆れ果てた俺は深いため息を付いた。
翌日。
俺に宣言した通りサナリスはステラ王女に対しエリウッドについての事をチクりに行った。
大体2時間位経過したところで、
「ルチーナ様、復活ポイントまでお越しください」
復活ポイント担当魔族が俺のところにやって来た。
「どないしたん?」
「それが、あまりにも大ダメージを受け死亡した魔族がいまして、その魔族を蘇生させる為に膨大な魔力が必要となった訳でして」
「ああ、そなんか、それやったら今向かうで」
確か昨日、サナリスはステラ王女が手加減した魔法で死んだって言ってたな。
つまり、何かしらの理由でステラ王女から手加減無しの魔法を受けたんやな。
「申し訳御座いません」
担当魔族に連れられ、俺はサナリスの蘇生を行った。
「うげええええ、滅茶苦茶魔力持ってかれたんですけどっ」
サナリスの蘇生を終え元の部屋に戻った俺は思わず愚痴を零す。
「ふえええええん、るぢぃなざまぁあああっ、物凄く痛かったですよぉぉぉぉぉ」
涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら飛び付くサリナス。
この流れで行けば、またしても俺の服で鼻をかまれるが。
しかし、この状態のサナリス語を翻訳しながら報告を聞くのも正直しんどい。
しかたあらへん、ここは鼻をかまれてでもまともな言語で報告をしてもらうで。
俺はサナリスの鼻かみを受けるべく棒立ちを選択する。
「ずでらざんがひどいんですよぉぉぉ、ふあぃあぁのさいじょういまぼうを゛でがげんなじでうっでぎだんでずよぅぅぅ」
が、サナリスは俺にすがりつきワンワン泣きじゃくるだけだった。
「って、鼻かまないんかい!!!!」
「あ゛! ごめんなざいるぢーなざま。わずれでまじだっ」
ハッとした表情を見せるサナリス。
そして、
チーーーーーーーーン
俺の服で思いっきり鼻をかんだ。
「忘れてただけかい! 指摘して損したわ!」
「すみませんルチーナ様、あまりにも衝撃的でしたのでつい」
「はぁ、もうええわ。ほな、報告よろしゅうに」
「はい、ルチーナ様。私はステラ王女に対し、勇者エリウッド様の浮気現場を報告いたしました」
ここでサナリスが言葉を止め、俺をじっくりと見つめる。
じーーーーっと見つめあう二人。
しかし、はたから見れば残念ながら女同士である。
それを恋と呼ぶにはいささか抵抗はあるものだろう。
が、俺の中身は男、はたから見たらどうだろうが、かなりの美人なサナリスから見つめられる事自体悪くないっ!
へへへ、このまま俺を見つめ続けるのだっ。
ここまで大体20秒位だ。
下らない事を考えたのだが、考える事が尽きてしまうとこの時間は案外と長く感じてしまう。
おーい、サナリスさん? ステラ王女に浮気現場の報告をしたらどーなったんですか?
俺は瞬き回数を増やし、サナリスの目の前で手のひらを振って見せる。
「フフフ、そのアホっぽさが演技かも知れませんよ?」
不気味に笑い、瞳を輝かせるサナリスだ。
やはり、経験した事がある様に見える。
「あのエリウッドがねぇ? おや? 酒場を出たぞ?」
「むむむ、エリウッド様の向かう先は、夜の街じゃないですか!?」
「せやな。お、風呂屋に向かってるで?」
「ルチーナ様、何をおっしゃってるんですか!? あの様な下賎なエリアにその様な健全なお店は御座いません!」
鼻息を荒くしながら力説するサナリス。
「いや、魔族のあんさんが言う事ちゃうやろ」
「いいえ、ルチーナ様! 私の様に可憐で美しい魔族が居ながら人間のメスと言う下等な種族と交わる事はこのサナリスが許しません!」
「エリウッドがいつアンタの男になったんや? ちゅーかサナリスはん? 人格変わり過ぎとちゃいまっか?」
「ルチーナ様、覇権を目指すお方がその様な細かい事を気になってはなりません!」
ハンカチがあるならば思いっきり噛み締めそうな表情をしているサナリス。
どう見ても、彼氏の浮気現場を目撃、しかも浮気相手は自分よりも可愛くてスタイルが良いなんて物を発見してしまった彼女にしか見えない。
「確かに細かいってのは否定せーへんで。お、風呂屋に入ったで?」
「ルチーナ様? あの店はぴーをぷーしてぺーしてぽーするお店ですよ?」
「あ、スマン、風呂屋っちゅーのはそういう店の隠語やってん」
「きーーーーっ、やっぱりそうだったんですか! 私と言う女がありながらっ! 私にピーを見せたのは何だったんですぁ!?」
サナリスはエリウッドが好みなん?
確かに美形やけど。
「いや、それはサナリスはんが勝手に覗いただけやで?」
「ゆ、勇者様なら私が覗いた事を知った上で見せたんです!」
「それやったら、いや俺も言動こそ男なれど外見は女やったな。くそっ、十分あり得そうで否定できへん」
俺が頭を抱えうなだれていると、エリウッドがツヤツヤとした顔をしながら風呂屋から出て来た。
「私と言う女が居ながらもう許せません! この事をステラ王女にチクって来ます!!!!」
「いや、自分でシバキに行くんとちゃうんかい」
「愛しきエリウッド様を傷つけるのは最終手段です!」
「どういう理屈でそうなんねん」
サナリスの謎なプライドを見せられ呆れ果てた俺は深いため息を付いた。
翌日。
俺に宣言した通りサナリスはステラ王女に対しエリウッドについての事をチクりに行った。
大体2時間位経過したところで、
「ルチーナ様、復活ポイントまでお越しください」
復活ポイント担当魔族が俺のところにやって来た。
「どないしたん?」
「それが、あまりにも大ダメージを受け死亡した魔族がいまして、その魔族を蘇生させる為に膨大な魔力が必要となった訳でして」
「ああ、そなんか、それやったら今向かうで」
確か昨日、サナリスはステラ王女が手加減した魔法で死んだって言ってたな。
つまり、何かしらの理由でステラ王女から手加減無しの魔法を受けたんやな。
「申し訳御座いません」
担当魔族に連れられ、俺はサナリスの蘇生を行った。
「うげええええ、滅茶苦茶魔力持ってかれたんですけどっ」
サナリスの蘇生を終え元の部屋に戻った俺は思わず愚痴を零す。
「ふえええええん、るぢぃなざまぁあああっ、物凄く痛かったですよぉぉぉぉぉ」
涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら飛び付くサリナス。
この流れで行けば、またしても俺の服で鼻をかまれるが。
しかし、この状態のサナリス語を翻訳しながら報告を聞くのも正直しんどい。
しかたあらへん、ここは鼻をかまれてでもまともな言語で報告をしてもらうで。
俺はサナリスの鼻かみを受けるべく棒立ちを選択する。
「ずでらざんがひどいんですよぉぉぉ、ふあぃあぁのさいじょういまぼうを゛でがげんなじでうっでぎだんでずよぅぅぅ」
が、サナリスは俺にすがりつきワンワン泣きじゃくるだけだった。
「って、鼻かまないんかい!!!!」
「あ゛! ごめんなざいるぢーなざま。わずれでまじだっ」
ハッとした表情を見せるサナリス。
そして、
チーーーーーーーーン
俺の服で思いっきり鼻をかんだ。
「忘れてただけかい! 指摘して損したわ!」
「すみませんルチーナ様、あまりにも衝撃的でしたのでつい」
「はぁ、もうええわ。ほな、報告よろしゅうに」
「はい、ルチーナ様。私はステラ王女に対し、勇者エリウッド様の浮気現場を報告いたしました」
ここでサナリスが言葉を止め、俺をじっくりと見つめる。
じーーーーっと見つめあう二人。
しかし、はたから見れば残念ながら女同士である。
それを恋と呼ぶにはいささか抵抗はあるものだろう。
が、俺の中身は男、はたから見たらどうだろうが、かなりの美人なサナリスから見つめられる事自体悪くないっ!
へへへ、このまま俺を見つめ続けるのだっ。
ここまで大体20秒位だ。
下らない事を考えたのだが、考える事が尽きてしまうとこの時間は案外と長く感じてしまう。
おーい、サナリスさん? ステラ王女に浮気現場の報告をしたらどーなったんですか?
俺は瞬き回数を増やし、サナリスの目の前で手のひらを振って見せる。
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