AUKUYAKU☆令嬢に転生したおっさんのAKUGYOU記1

うさぎ蕎麦

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3章「こんなはずでは?」

31話

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「それでは皆様、先日レオナより至急された乗り物を取り出しますわよ」

 俺は収納ボックスに入れられた乗り物を確認する。

 【収納ボックス(ルチーナ)】
 
 →原動付き自転車(リミッター解除)×3
  原動付自転車用ヘルメット×99
  原動付自転車乗車用ゴーグル
  その他アイテム沢山
  
 おや? 俺の見間違いかなぁ? 俺の目には、この収納ボックスに原付が入っている様に見えるんだ。
 しかも何故か3台? ヘルメットに至っては……なんで99個あんだよ! そんなに乗れねぇってか日本では二人乗りすら禁止やぞ!
 レオナの野郎、ナーロッパと言う世界観にそぐわない物を入れてなんて事しやがる! と思いながら3人が支給された乗り物を確認した。
 
「HAHAHA。素晴らしいNE。まさに私は白馬の王子SA」
「すごい、すごいですよ!」

 エリウッドが支給されたのは白い馬だった。
 彼の言う通り白馬の王子である事は否定しない、キャラは兎も角イケメン王子で白い馬に乗っているのだから。
 でもな? よくよく見ると、その馬に天使の様な翼が生えているんですけど? あの、この世界はあくまでナーロッパの中で悪役令嬢が活躍する世界であって剣と魔法のファンタジー世界じゃないんですが?
 どうしてそんな世界で、俺が持っている知識上ペガサスと呼ばれるお馬さんが居るのですかねぇ!?

「エリウッド様? くれぐれも空を飛ぶなんて目立つ事はなさらぬ様に」
「Oh! ルチーナ嬢、この馬は空を飛べるのKA!?」

 げっ、余計な事言っちまった。翼が生えてる=空を飛べると勝手に思って居たが、この世界の住人からしたらペガサスの様に見えた所でそれが空を飛べるなんて発想に至らない方が自然じゃないか!

「国中で大騒ぎになりますわ」
「HAHAHA。望むところSA、王子のこの私が目立つのは光栄NE」
 
 エリウッドの意思を汲み取ったのか、ペガサスは空高く舞い上がりここら一帯を飛び始めた。
 くそっ、目立ちたがり屋のエリウッドに対して余計な事を言っちまった。
 まぁ良い、後でレオナが何とかしてくれる、ほっとけほっとけ。
 俺は額に手を抑えがっくりと項垂れながら、ステラ嬢の乗り物を確認した。
 
「ルチーナ様、これはどの様に致せば宜しいのでしょうか?」

 目を点にしながら尋ねるステラ嬢の前には、大きなかぼちゃと多分魔法のタクトと思われる金属製じゃないかなぁと思われる棒が地面に転がっていた。
 てーかこれはあれか!? シンデレラに出て来た魔法の力で作るカボチャの馬車か? まさか制限時間あるんじゃねぇよな?
 と考えた所で、カボチャの横に説明書らしき物がある事に気が付いた。
 俺は恐る恐る目を通すと、思った通りシンデレラに出て来たカボチャの馬車と作り方が同じだった。
 
「何でハツカネズミまで用意せなあかんねん!」

 童話シンデレラそのまま、魔法で馬にする為のハツカネズミまで用意しなければいけない事を知った俺は説明書を地面に叩きつけながらツッコミを入れてしまった。
 魔王ルチーナを知っているサナリスは兎も角、ほぼ悪役令嬢ルチーナしか知らないステラ嬢は驚いた表情を見せる。

「ルチーナ様?」
「ステラ嬢。失礼いたしましたわ、このわたくしとしたことがついつい取り乱してしまいましたわ」

 俺の言葉に対し、ステラ嬢はやはり柔らかな笑顔を返す。
 しかし、今後使い道が無い訳でも無いな、実験位しておこう。
 俺はカボチャを馬車にする為と思われる魔法のタクトを拾い右手をかざしそれっぽく、クルクルさせた後思いっきり振りかざす。

「どっせーーーーい!」

 何かが違う。
 気が付いたら俺は、剣士っぽい声をあげていた。
 きっと魔王ルチーナをやったせいだ、そうに違いない。
 幸い、掛け声とかどうでも良いらしく魔法のタクトの先から黄色の光が溢れ目の前のカボチャに降り注いだ。
 魔法の光を浴びたカボチャはぐんぐんと巨大化し、中身をくり抜けば4人位はは入れそうな大きさになった。
 馬車のボディとしては十分だろう、次は車輪辺りが生えて来そうであるが。
 俺は固唾をのみカボチャの行く末を見守る。
 だが俺の予想とは裏腹にカボチャは、

「ちょっと待て! おい、お前馬車になるんじゃないのか!? なんで足が生えて来やがる!?」

 にょきにょきにょきっと足が生え手が生え腕が生え、何かそれっぽい頭まで生え。
 全長10M位の大きさで、まるで人型機動兵器みたいな造形となった。
 人を搬送する為の人型起動兵器なんて聞いた事が無いぞ。
 いや、問題はそこじゃない。
 人型起動兵器を引っ張る馬なんか必要無いだろ! 何で説明書に、馬にする為のはつかねずみを捕まえましょう書いてあんだよ!
 
(ルチーナお姉ちゃん? きっと龍の冒険で魔王をやったからだよ)

 俺が心の中で行ったツッコミが聞こえたのかレオナが念話をして来た。
 成る程、魔王ルチーナをやったお陰で魔力が継承され想定外の事が起こったと。
 俺は試しに、地面目掛け氷魔法を放ってみるが残念ながら何も発動しなかった。
 どうも複雑な何かは影響するが、単純なものは影響しないみたいだ。
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