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3章「こんなはずでは?」
35話
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「そうか。 ならばお前の隣に居る角を生やした奴は何なんだ?」
つっ、この世界には魔族なんて居ない訳だからサナリスを見ればそらそうなる。
「ええ。わたくし達は旅芸人をやっております。彼女は特殊な衣装に纏って御座いますわ」
正直こんな言い訳が通用すると思わないが。
「分かった」
と男は言う。
まさか、無事通った? と思うのも束の間、
「待て、あの女対応が丁寧過ぎる、何か怪しく無いか?」
「そうだな。 芸をしているにしては物腰が柔らかすぎる、まるで貴族令嬢みたいだ」
しまった。 彼の言う通りこの世界では日本の様にサービス業の神接客が当たり前になってるワケじゃない。
「おい、隣見てみろよ」
男の1人がステラ嬢を指差した。
「あれは、ステラお嬢様じゃないか!」
「本当だ。よくよく見たらこの女の子、ルチーナお嬢様だ!」
まずい、正体が完全にバレてしまっている。
いや、まだ誤魔化せば何とか。
と俺の考えとは裏腹に男達が一斉に深々と丁重なお辞儀をして見せた。
どういう事だ? ここまで来たら盗賊とは考えられないが。
「先程は無礼を失礼した。どうかご許しを願いたい」
「いえ、その様な事は御座いませんわ」
「寛大な処置に感謝する」
そんな大袈裟な。
と言いたいが今の俺は領地を治める貴族の娘である以上彼等の対応は当然なのか。
下手をしなくても、今の俺の立場では彼等を打ち首かなんかにする事も出来るんだよな。
いや、そんなつもりはないのだけど。
「それで、貴方達は何をなさっているのでしょうか?」
「はっ、申し訳ありません。本来ならば我々が先に名乗り上げなければなりません所。我々は紅の翼と言う名の名称のレジスタンス組織を行っております」
レジスタンス? つまり領主に叛逆を企てている事になるが。
「おい、お前、幾らルチーナ様やステラ様相手とは言えそこまで馬鹿正直に言うな」
男が小声で注意している。
確かに、俺達は叛逆する領主と同じ貴族だ。
その情報が領主に流れてしまえば自分達の命が危うい。
「すみません、ステラ様もルチーナ様も悪に見えませんし、キルミール家もファルタジナ家も善政を強いてます手前ついうっかりと」
彼の言う通り、俺の両親もステラ嬢の両親も領民に対して悪政何か敷いていない。
そりゃ、自分達が裕福位の取り分は得てるが、決して領民の富を根こそぎ奪うなんて真似はしていない。
だが俺達が今いる場所、確かアーブラハム家は領民に対してその富を限界まで巻き上げて居ると聞く。
領民は食うもギリギリ、いや、食うも困る位の搾取をされている噂を聞いた事がある。
止む無く年端も行かない、今の俺よりも小さい子ども達も労働力にされる。
それでもどうにもならなく身体を売る者も居るならまだマシで、税を納めきれず奴隷商に無理矢理子どもを買い取られる話もある。
いや、俺はずっと話半分で噂話としか聞いていなかったが彼等を見る限りその噂は真実身を帯びて来た。
だからと言って今の俺達に何か出来る事は恐らく無い。
少人数であればどうにか出来るかも知れないが、領民の大半となると間違い無くアーブラハム家に目を付けられる。
この問題を解決できるとすれば領主よりも強い権力を持つエリウッド王子になる。
しかし、王子様が迂闊に首をつっこめばややこしい事になりかねないが、このまま彼等を見捨てるのも気が引ける。
「何かお困りごとが御座いましたらわたくし達が手を貸します」
俺が悩んでいると、ステラ嬢が彼等に言った。
元おっさんの俺だからここまで悩むだけで、心優しき14歳の少女ならば自然の反応だろう。
「おお! 何と有難い事」
「いや待て! 罠かもしれないぞ!」
「ステラ嬢の目を見てみろ! そんな事あるか!」
「うるさい! ステラ嬢を操ってる人間がいるかもしれないだろ!」
確かに反対している男の意見が正しい。
領主に叛逆する組織ならば猶更罠の事を常に念頭に入れるべきだろう。
しかし、今始まった言い争いを眺めるのが良いかと言われたらそれは違う。
俺は一つ咳払いをして、
「あなた方がレジスタンス活動を行っている以上わたくし達を警戒する事は正しい事と思いますわ。ですが、次の一歩を歩む為わたくし達に対しリスクを背負う事も重要かと存じ上げます事よ」
俺の仲裁を受け止めた男達は言い争いを止めた。
レジスタンス活動をしているだけあり頭が悪い訳では無いのは助かった所か。
「分かった。ステラ様とルチーナ様を信じさせて頂く」
男の口からアーブラハム領の現状について説明された。
内容は俺が以前聞かされていた事にほぼ近い、かもう少し酷い位だった。
彼等は主に悪徳商人を標的とし、時には命を奪う事をためらわず領民から不当に巻き上げたお金を回収しているとの事。
それにしては、こんな目立つ館をアジトにしている事に疑問を抱いたが恐らく隠し扉の先に地下室か何かがあるのだろう。
これに関しては今の状況で詮索しない方が良い。
しかし、改めて議論をするにしても俺の口から提案できることは何があるのだろうか?
つっ、この世界には魔族なんて居ない訳だからサナリスを見ればそらそうなる。
「ええ。わたくし達は旅芸人をやっております。彼女は特殊な衣装に纏って御座いますわ」
正直こんな言い訳が通用すると思わないが。
「分かった」
と男は言う。
まさか、無事通った? と思うのも束の間、
「待て、あの女対応が丁寧過ぎる、何か怪しく無いか?」
「そうだな。 芸をしているにしては物腰が柔らかすぎる、まるで貴族令嬢みたいだ」
しまった。 彼の言う通りこの世界では日本の様にサービス業の神接客が当たり前になってるワケじゃない。
「おい、隣見てみろよ」
男の1人がステラ嬢を指差した。
「あれは、ステラお嬢様じゃないか!」
「本当だ。よくよく見たらこの女の子、ルチーナお嬢様だ!」
まずい、正体が完全にバレてしまっている。
いや、まだ誤魔化せば何とか。
と俺の考えとは裏腹に男達が一斉に深々と丁重なお辞儀をして見せた。
どういう事だ? ここまで来たら盗賊とは考えられないが。
「先程は無礼を失礼した。どうかご許しを願いたい」
「いえ、その様な事は御座いませんわ」
「寛大な処置に感謝する」
そんな大袈裟な。
と言いたいが今の俺は領地を治める貴族の娘である以上彼等の対応は当然なのか。
下手をしなくても、今の俺の立場では彼等を打ち首かなんかにする事も出来るんだよな。
いや、そんなつもりはないのだけど。
「それで、貴方達は何をなさっているのでしょうか?」
「はっ、申し訳ありません。本来ならば我々が先に名乗り上げなければなりません所。我々は紅の翼と言う名の名称のレジスタンス組織を行っております」
レジスタンス? つまり領主に叛逆を企てている事になるが。
「おい、お前、幾らルチーナ様やステラ様相手とは言えそこまで馬鹿正直に言うな」
男が小声で注意している。
確かに、俺達は叛逆する領主と同じ貴族だ。
その情報が領主に流れてしまえば自分達の命が危うい。
「すみません、ステラ様もルチーナ様も悪に見えませんし、キルミール家もファルタジナ家も善政を強いてます手前ついうっかりと」
彼の言う通り、俺の両親もステラ嬢の両親も領民に対して悪政何か敷いていない。
そりゃ、自分達が裕福位の取り分は得てるが、決して領民の富を根こそぎ奪うなんて真似はしていない。
だが俺達が今いる場所、確かアーブラハム家は領民に対してその富を限界まで巻き上げて居ると聞く。
領民は食うもギリギリ、いや、食うも困る位の搾取をされている噂を聞いた事がある。
止む無く年端も行かない、今の俺よりも小さい子ども達も労働力にされる。
それでもどうにもならなく身体を売る者も居るならまだマシで、税を納めきれず奴隷商に無理矢理子どもを買い取られる話もある。
いや、俺はずっと話半分で噂話としか聞いていなかったが彼等を見る限りその噂は真実身を帯びて来た。
だからと言って今の俺達に何か出来る事は恐らく無い。
少人数であればどうにか出来るかも知れないが、領民の大半となると間違い無くアーブラハム家に目を付けられる。
この問題を解決できるとすれば領主よりも強い権力を持つエリウッド王子になる。
しかし、王子様が迂闊に首をつっこめばややこしい事になりかねないが、このまま彼等を見捨てるのも気が引ける。
「何かお困りごとが御座いましたらわたくし達が手を貸します」
俺が悩んでいると、ステラ嬢が彼等に言った。
元おっさんの俺だからここまで悩むだけで、心優しき14歳の少女ならば自然の反応だろう。
「おお! 何と有難い事」
「いや待て! 罠かもしれないぞ!」
「ステラ嬢の目を見てみろ! そんな事あるか!」
「うるさい! ステラ嬢を操ってる人間がいるかもしれないだろ!」
確かに反対している男の意見が正しい。
領主に叛逆する組織ならば猶更罠の事を常に念頭に入れるべきだろう。
しかし、今始まった言い争いを眺めるのが良いかと言われたらそれは違う。
俺は一つ咳払いをして、
「あなた方がレジスタンス活動を行っている以上わたくし達を警戒する事は正しい事と思いますわ。ですが、次の一歩を歩む為わたくし達に対しリスクを背負う事も重要かと存じ上げます事よ」
俺の仲裁を受け止めた男達は言い争いを止めた。
レジスタンス活動をしているだけあり頭が悪い訳では無いのは助かった所か。
「分かった。ステラ様とルチーナ様を信じさせて頂く」
男の口からアーブラハム領の現状について説明された。
内容は俺が以前聞かされていた事にほぼ近い、かもう少し酷い位だった。
彼等は主に悪徳商人を標的とし、時には命を奪う事をためらわず領民から不当に巻き上げたお金を回収しているとの事。
それにしては、こんな目立つ館をアジトにしている事に疑問を抱いたが恐らく隠し扉の先に地下室か何かがあるのだろう。
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