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3章「こんなはずでは?」
38話
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「BUT。 貴殿の部屋に配備されている物は非常に高価に見えるYO」
エリウッドは、今居る部屋に設置されているシャンデリアや絵画、骨董品を眺めながら指摘する。
「何をおっしゃいますか? 領地を治める主ならばその程度の貢ぎ物を頂くのは当然でありますよ?」
アーブラハム卿の目が僅かに泳いだ。
そんな微細な変化にエリウッドが気付く事は無いが、
「HUM。ボクが城内で聞いた噂話、ボクが実際に聞いた話から貴方の言っている事を信じる事は難しいNE」
エリウッドの言葉を受け、アーブラハム卿が一瞬唇を噛み締めると、
「ほっほっほ。 そうですか。 それなら仕方ありません。 貴殿の身に付けるその指輪、部下達が本物と見間違えたのでしょう。これは彼等に厳罰を与えなければなりませんね」
「WHAT? 偽物と疑うなら調べるかい?」
アーブラハム卿の言葉に対しエリウッドは、彼に王家の指輪を詳しく見せようとするが、
「青い、まだまだ青いですよ。貴殿はエリウッド王子に扮した偽物、領主の館に正体を偽り潜入した罪、それが重、ただそれだけですよ」
アーブラハム卿は、パチンと指を鳴らし合図をした。
直後、派手な音を立て入り口のドアが破られ数名の騎士が雪崩れ込み、
「王子と偽り潜入した不届き者め、覚悟しろ!」
雪崩れ込んだ騎士達はエリウッドを取り囲み、ロープを使い彼の手を拘束し自由を奪った。
「WHY? 君達何をするんだい?」
「不法侵入の犯罪者を牢獄にぶち込む」
続いて騎士達はエリウッドの口元に捩じった布をくわえさせ、頭部後方で結彼の言論を封じた。
「ほっほっほ、丁重に牢獄へぶち込みなさい」
アーブラハム卿は、少し引っかかる指示を騎士に行い、指示を受けた騎士達は1階にある牢獄へエリウッドを連行した。
「執事殿、エリウッド王子を上手く使い例の大臣からお金を巻き上げるのですよ。無論大臣への褒賞を忘れてはなりません様」
「仰せのままに」
エリウッドを牢獄へ送り込んだアーブラハムは、騎士達と同じく雪崩れ込んだ執事に対し指示を下した。
「ほっほっほ、ゆくゆくはタルティア王国を陥落させ、わたくしが国王となるアーブラハム国を完成させるのです、その為にお金は必要なものですから」
アーブラハムの野望を改めて聞かされ終わった執事は、一礼しスッと部屋を後にした。
―ルチーナ視点―
ペガサスにまたがり、天高く舞い上がり高速で飛行しアーブラハム邸を目指したエリウッド。
そんな彼を、カボッチャムに乗った俺が追いかける。
しかし、樹々が生い茂るこのエリアを巨大な人型起動兵器ではエリウッドの飛行速度に追い付けず距離を離される一方だった。
じゃあ、と原付を使った所でリミッターが外れてるとは言え精々80km程の速度しか、それも平坦な道での話だ。
こんなぬかるむ森林道なんか、下手すりゃ原付を手で押さなきゃならなくなってしまう。
結局カボッチャムで移動する事が最善手だったりする。
幸い、アーブラハム邸の場所は把握できている為、エリウッドとは現地集合と言う形で問題無いだろう。
カボッチャムに内蔵されている部屋では、相変わらずステラ嬢とサナリスがトランプで遊んでいる声が聞えて来る。
「むむむむーーーーっ、また負けてしまいましたッ。賭ける物が無いから本気になれないのです!」
どうもサナリスはまたしてもステラ嬢に敗北したらしい。
やけにムキになって賭けるという言葉を使い出した。
でも、サナリスに何か賭けるモノなんてあるのだろうか?
「ふふふふふ。ステラさん、ここは負けたら一枚ずつ服を脱いでいくのはどうですか?」
ぶはっ!? サナリスさん!? 幾ら熱くなってるからってなんてこと言ってるんですか!?
「はい、構いませんよ」
ススス、ステラたん!? 脱衣トランプゲームを了承しちゃったんですか!?!?!?!?
く、クソッ、今すぐコックピットルームから抜け出し二人の元に行きたいところであるがッ!!
ぐぅぅぅぅぅ。 悔しいけどカボッチャムの操縦を放棄する訳にはいけないんだッ。
「ふぁっ、ふぇぇっ!? ま、まだ始まったばかりですッ!」
サナリスが負けたみたいだ。
「はわわっ、もう下着しかありませんっっっ」
サナリスが負けたみたいだ。
って! 脱衣勝負仕掛けておいて4枚しか着て無いのかよ!
むぐぐ、今サナリスは上着とスカートを脱ぎ下着姿。。。
くっ、想像したら鼻血が少し垂れて来たッ。
「今度こそ、勝負手です! さぁ、ステラさんも服をお脱ぎになるのです!」
「申し訳ありません、サナリス様」
「はうわあああああっっっっっ。ううぅぅぅぅ。ブ、ブラヂャーぬ、脱ぎますッ! ま、まだパンツが残ってますからッ!!!」
サナリスの声から顔を真っ赤にしている様子が伺える。
そ、そんな事よりも今、サナリスは上半身裸であって、つまりは、ぱいおつ様がその姿を露わになされて……。
俺は、カボッチャムの自動操縦装置に視線を向ける。
鼻の右側からはポタッ、ポタッ、と1滴1滴鼻血が滴り落ちている。
「いやー今日は良い天気だなぁ」
俺は脳内を駆け巡る煩悩を必死に振り払おうと、空を見上げながら呟く。
エリウッドは、今居る部屋に設置されているシャンデリアや絵画、骨董品を眺めながら指摘する。
「何をおっしゃいますか? 領地を治める主ならばその程度の貢ぎ物を頂くのは当然でありますよ?」
アーブラハム卿の目が僅かに泳いだ。
そんな微細な変化にエリウッドが気付く事は無いが、
「HUM。ボクが城内で聞いた噂話、ボクが実際に聞いた話から貴方の言っている事を信じる事は難しいNE」
エリウッドの言葉を受け、アーブラハム卿が一瞬唇を噛み締めると、
「ほっほっほ。 そうですか。 それなら仕方ありません。 貴殿の身に付けるその指輪、部下達が本物と見間違えたのでしょう。これは彼等に厳罰を与えなければなりませんね」
「WHAT? 偽物と疑うなら調べるかい?」
アーブラハム卿の言葉に対しエリウッドは、彼に王家の指輪を詳しく見せようとするが、
「青い、まだまだ青いですよ。貴殿はエリウッド王子に扮した偽物、領主の館に正体を偽り潜入した罪、それが重、ただそれだけですよ」
アーブラハム卿は、パチンと指を鳴らし合図をした。
直後、派手な音を立て入り口のドアが破られ数名の騎士が雪崩れ込み、
「王子と偽り潜入した不届き者め、覚悟しろ!」
雪崩れ込んだ騎士達はエリウッドを取り囲み、ロープを使い彼の手を拘束し自由を奪った。
「WHY? 君達何をするんだい?」
「不法侵入の犯罪者を牢獄にぶち込む」
続いて騎士達はエリウッドの口元に捩じった布をくわえさせ、頭部後方で結彼の言論を封じた。
「ほっほっほ、丁重に牢獄へぶち込みなさい」
アーブラハム卿は、少し引っかかる指示を騎士に行い、指示を受けた騎士達は1階にある牢獄へエリウッドを連行した。
「執事殿、エリウッド王子を上手く使い例の大臣からお金を巻き上げるのですよ。無論大臣への褒賞を忘れてはなりません様」
「仰せのままに」
エリウッドを牢獄へ送り込んだアーブラハムは、騎士達と同じく雪崩れ込んだ執事に対し指示を下した。
「ほっほっほ、ゆくゆくはタルティア王国を陥落させ、わたくしが国王となるアーブラハム国を完成させるのです、その為にお金は必要なものですから」
アーブラハムの野望を改めて聞かされ終わった執事は、一礼しスッと部屋を後にした。
―ルチーナ視点―
ペガサスにまたがり、天高く舞い上がり高速で飛行しアーブラハム邸を目指したエリウッド。
そんな彼を、カボッチャムに乗った俺が追いかける。
しかし、樹々が生い茂るこのエリアを巨大な人型起動兵器ではエリウッドの飛行速度に追い付けず距離を離される一方だった。
じゃあ、と原付を使った所でリミッターが外れてるとは言え精々80km程の速度しか、それも平坦な道での話だ。
こんなぬかるむ森林道なんか、下手すりゃ原付を手で押さなきゃならなくなってしまう。
結局カボッチャムで移動する事が最善手だったりする。
幸い、アーブラハム邸の場所は把握できている為、エリウッドとは現地集合と言う形で問題無いだろう。
カボッチャムに内蔵されている部屋では、相変わらずステラ嬢とサナリスがトランプで遊んでいる声が聞えて来る。
「むむむむーーーーっ、また負けてしまいましたッ。賭ける物が無いから本気になれないのです!」
どうもサナリスはまたしてもステラ嬢に敗北したらしい。
やけにムキになって賭けるという言葉を使い出した。
でも、サナリスに何か賭けるモノなんてあるのだろうか?
「ふふふふふ。ステラさん、ここは負けたら一枚ずつ服を脱いでいくのはどうですか?」
ぶはっ!? サナリスさん!? 幾ら熱くなってるからってなんてこと言ってるんですか!?
「はい、構いませんよ」
ススス、ステラたん!? 脱衣トランプゲームを了承しちゃったんですか!?!?!?!?
く、クソッ、今すぐコックピットルームから抜け出し二人の元に行きたいところであるがッ!!
ぐぅぅぅぅぅ。 悔しいけどカボッチャムの操縦を放棄する訳にはいけないんだッ。
「ふぁっ、ふぇぇっ!? ま、まだ始まったばかりですッ!」
サナリスが負けたみたいだ。
「はわわっ、もう下着しかありませんっっっ」
サナリスが負けたみたいだ。
って! 脱衣勝負仕掛けておいて4枚しか着て無いのかよ!
むぐぐ、今サナリスは上着とスカートを脱ぎ下着姿。。。
くっ、想像したら鼻血が少し垂れて来たッ。
「今度こそ、勝負手です! さぁ、ステラさんも服をお脱ぎになるのです!」
「申し訳ありません、サナリス様」
「はうわあああああっっっっっ。ううぅぅぅぅ。ブ、ブラヂャーぬ、脱ぎますッ! ま、まだパンツが残ってますからッ!!!」
サナリスの声から顔を真っ赤にしている様子が伺える。
そ、そんな事よりも今、サナリスは上半身裸であって、つまりは、ぱいおつ様がその姿を露わになされて……。
俺は、カボッチャムの自動操縦装置に視線を向ける。
鼻の右側からはポタッ、ポタッ、と1滴1滴鼻血が滴り落ちている。
「いやー今日は良い天気だなぁ」
俺は脳内を駆け巡る煩悩を必死に振り払おうと、空を見上げながら呟く。
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