勇者と小さな魔王の旅

木元うずき

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始まりの書

旅の記録2 魔王の実力

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そして、彼は彼女に頬で遊ばれながら無事城の中に入れた・・・・・・訳がなかった
「何故こうなるんだ・・・」
彼らは城の中に入ると兵士に呼ばれ案内された。だがそこは王室では無く闘技場だった。
「儂らの力を見たいのかの。儂がうっかり口を滑らしたばかりにの」
彼女はいつもの古めかしい(本当に古めかしいのか怪しい)笑い方で笑っていた。そして、いつの間にか腰に付けていた二本の短剣を手に取りくるくる回していた。
そう、ここに入る前兵士に城へ入る理由を聞かれていて魔王討伐の事を話した。それを聞いた兵士らは彼女の夢も聞いた後だったから不思議に思ったらしく武器を聞かれた。その時の彼女の返答のせいでこうなったのだ。
「私の武器は短剣です。たぶん、そこらの大人三人相手なら無傷で勝てますよ」
兵士らはそれを聞いてもっと怪しく思ったのか案内するっと言われ付いて行くと闘技場に連れてこられた訳だった。
「殺しはしない。ちょっと力を見せて欲しくてな。あの審判の合図があるまでは試合だから気おつけるんだ」
「はい・・・」
「わかりました!」
落ち込んでいる彼に対して彼女はやる気満々だった。軽やかなステップを刻みながら合図を待っていた。少しばかりか目が輝いて見える気もした。彼は仕方がなく剣をとり構えると審判から合図が出た。
ここでルールを説明しておこう。ルールは至って簡単だった。フィールドの外にある水の場所に落とせばその人はリタイアになる。先に全滅した方が勝ち。足場は直径5メートルでその外側が水だった。
合図と同時に動き出した彼女を見て彼も動き出そうとすると既に彼女は兵士の懐に入っていた。彼は彼女いた所を良く見てみると少し地面がえぐれていたのを見て少し鳥肌がたった。
彼が鳥肌がたっている頃彼女は一人の兵士を落とそうとしていた。が、しかし流石兵士。最初は受け流せず後ろに下がっていたが今では完璧に捌ききっていた。
「剣の舞!」
彼女は一歩下がりそう言うと彼女は短剣を持って踊るかのように自分の周りで短剣を回していた次の瞬間兵士との間を一気に詰めた。最初の一撃はお腹を横に切るように短剣を動かし、もう一本の短剣で体の中心を下から上に切り上げ、また次にお腹の方を切った短剣で右首筋から斜めに切り、最後にもう一度お腹を横に切った。これが彼女の職業踊り子の専用特技『剣の舞』だった。この世界には生まれた瞬間から職業が決められておりどこぞのRPGゲームみたいに途中で変更する事はできないのだった。武器は自由だが、だいたい職業によって持つのが決まっていた。戦士は片手剣。魔法使いは両手杖。僧侶はスティック。踊り子さ短剣。たまに例外な人もいるがそれは置いとこう。で、今彼女がなっているのは踊り子だった。魔王だから何でもなれるが最初の兵士に言った自分の夢(仮)に合わせるために踊り子にしたようだった。
彼はそんな事を考えていたらいつの間にか一人落ちていて彼女がもう一人を仕留めようとしていた。彼はあとかららしい言い訳を言うために考えている時だった。さっきまで押していたはずの彼女が彼に向かって吹き飛んできたのだった。
「え?」
彼は驚きながらも飛んできた彼女を受け止め、頭を撫でた。
「お主、何故頭を撫でるのじゃ」
「人前だぞ」
「っち」
彼女は不機嫌そうに彼から降ろしてもらうと現状報告をした。
「あの兵士はさっきの兵士より格段に強い。儂が本気を出せば簡単に倒せるがここで出すわけにもいかぬ。だから、お主にも手伝ってくれぬかの?」
彼女は引きつった顔で頼んだ。それは彼女にしては珍しい表情だった。彼はその顔を見て戦う決意をして彼女の方をみた。
「口調には気おつけろよ。それじゃ、行くぞ!」
「うむ。・・・じゃなくてはい!」
彼女はそう言い直すと同時に最後の兵士に突っ込んだ。そして、兵士に切りかかろうとすると・・・
「そこまで!」
審判かはの合図に驚いた彼は足が絡まり転んだ。
「勇者さん、大丈夫ですか?」
そんな声が聞こえその方を見ると心配そうな顔をした彼女が立っていた。
(あ、この顔絶対心配してないな。そして、演技うまいな・・・)
彼はそんな事を思いながら立ち上がった。改めて彼女の顔を見ると目にうっすらと涙を浮かべていた。そして彼が立ち上がったのを見て目を擦り笑顔で飛びついてきた。いつもの定位置に着くと足をばたつかせて嬉しそうにしていた。
「何で足をばたつかせているのだ?」
「ん?だって、初めての戦闘私たちの勝ちだもん!」
その間に落ちていた兵士を救い出した兵士は膝をついて彼らの前でこう言った。
「先程の無礼な言葉大変申し訳ごさいません。どうも見た目的に勇者では無かったので・・・。あ、王室の方まで案内しますね!では、足元に注意しながら付いてきてください」
兵士らは立ち上がり彼らに一礼をすると出口の方に向かって歩き出した。その後を彼らがついて行っている時彼は勇者に見えない理由を探していた。・・・がそれはすぐ見つかった。
(魔王のせいだな)
楽しそうにしている彼女を見ると勇者の仲間に見えないと思い、町に出たら何か彼女の装備を買うことを決意し、兵士について行ったのだった。
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