勇者と小さな魔王の旅

木元うずき

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コミケ町

旅の記録16 お疲れモード全開!

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さてさて、ここはコミケ町。もう本来の目的をクリアしたシルヴィにとってはどうでもいい町だった。が、流石に日も暮れてきて来るまでに全て使い果たしたシルヴィは現在宿に泊まっていた。そして彼らはっと言うと・・・
「何で僕らの部屋の周りに人がいるんだ?」
「たぶん・・・私たちのせいでしょうね・・・」
疲れ果てた顔と声で答えてくれたシルヴィを間近で観察している日向。そして、周りの人にもみくちゃにされている魔王。そして、ゆっくりくつろいでいる彼。そう、今は宿で仲良くくつろいでいたはずのだが・・・
「日向さんが来たから一瞬で知れ渡ったじゃない・・・。はぁ・・・それじゃ、私は仕事してくるね」
疲れた体を無理矢理起こした瞬間勢いよくリュックを背負い満面の笑みで扉を開けると・・・
「旅商人のシルヴィだよ!お買い上げの方は右側に、サイン等の人は左側に来てください!順に対応するのでお待ちください!」
っとさっきの疲れが嘘かのようなはつらつとした声でその場の人を仕切っていった。日向もその様子を見て何か思ったのかいつもの格好をすると外に出た。結果は一瞬で囲まれ今では姿が見えなかった。忘れてはいけない。日向の背はとても低かった。うん。出会った時の事を思い出してほしい。彼らがぶつかるまで気づかれないほどの背だった。彼は平均より少し高いぐらいなのにそれでも見えないとなるとどれほど小さいのか・・・。
さて、そんな事はどうでもいいと言わんばかりに彼は椅子に座ってゆっくりお茶をしていた。魔王は踊りを見せ(何故そうなった?)シルヴィはファンサービスとお店を開き、日向は・・・何しているのだろうか?背が小さいせいで何しているのか分からなかった。
どうしたものか・・・。これじゃ何も出来ないし、進むことも出来ない。いや、進む事は今は無いからいいのか、っと暇だから適当に思考を巡らしていた。
「はぁ・・・はぁ・・・何でこうなるのじゃ・・・」
人混みから抜け出してきて扉を開けた魔王は疲れ果てていた。何やら人を避ける時に華麗なステップみたいになっていたらしく即興で踊りをさっきまで踊っていたらしい。まず、外に出ようとした理由が人が寝るのに邪魔だったから怒鳴ろうとして外に出ると日向やシルヴィを出せと殴りかかれてきたと。それを回避していくと・・・って事でさっきの事になったらしい。
「眠たいのに奴らと来たら・・・次は許さない・・・」
本当に怒っているのか本当は喜んでいるのかどっちでも捉えれる顔で彼は何も返事は出来なかった。

「まいどありー!」
っとシルヴィの声が聞こえたのと同時に魔王は起きた。外を見るともう夜になっておりファンサービスなどは約5時間にも及んでいた。日向の方はまだ何やらやっているがまだ見えなかっ・・・
「ここにいるよ?」
「日向!?」
日向をキョロキョロ探している彼の背後から日向が現れてきた。シルヴィは部屋に入っており残りは日向と思い探しているのがバレたらしく、しかも自分の存在に気づかれなかったのが嫌だったのか少し頬を膨らましてた。
「いくら私が歳の割には背が低いからって言ってもひどいのだ。乙女の心も傷つくのだ」
「歳の割にはって今思えば日向?いくつなんだ?」
唐突な質問に日向も驚いたのか膨らましていた頬を凹まし少し考えていた。
「何歳に見えるのだ?」
日向は少し悪戯な笑みを浮かべながら彼に聞いた。その笑みで彼は全てを悟った。これを間違えたら魔法を撃たれるっと。
「じゅ・・・いや9歳だ!」
彼は考えた歳より少し若く言って怒らせないようにしたが答えは大ハズレ。日向は既に杖を持っており魔法を唱えていた。
「へぇー。私ってそんな幼く見えるのだ~。ふ~ん」
日向はだんだん口元が上がっていき目を細めて彼に言った最後の言葉はこうだった。
「1回死ね」
満面の笑み・・・いや、無理矢理作った笑顔、だが少し殺気がこもった笑顔。その笑顔を見た後、彼の記憶は少し抜けていた。

「勇者さん!?」
「お主大丈夫か!?」
彼が倒れ急いで駆け寄る魔王とシルヴィ。日向は杖を置き外を眺めていた。そう、日向は背が低いことがコンプレックスだった。何故なら幼く見られるからっと本人は言っている。
「勇者さんは何で知らなかったのかな?日向さんの歳を。有名なのに」
不思議そうに首を傾げているが誰も答えてくれず、仕方がなく彼をベッドの上に寝かした。
「そう言うシルヴィ様は知っているのだ?」
誇らしげに胸を張ったシルヴィは自慢げに答えた。
「13歳よね?」
「あっているけど魔法打ってもいい?」
シルヴィは日向のいた方を見ていたはずだが、そこに日向はいなかった。その代わりに時限魔法が浮かんでいた。
「え?」
引きつった笑顔何か無視かのように怒涛の魔法が放たれた。何故怒らしたのか分からず必死に回避しているシルヴィを見て日向は笑っていた・・・
「もしかして、儂より魔王に近くないか?」
そんな感想は誰にも聞こえずそっと魔王の胸の中にしまわれた・・・?
さて、何故日向が怒ったのかと言うと理由は簡単だった。シルヴィの方が胸が大きかったからである!普段なら怒らないが機嫌が悪かった日向はすぐ怒ってしまってそれに当たったシルヴィは可愛そうに・・・。歳の割には背は低いが胸は背の割にはある方だが『背の割には』だからやっぱり小さかった。それに比べてシルヴィは日向にない物を全て持っていた。うん、シルヴィはとばっちりだったって事で完結!

逃げ切ったシルヴィは逃げ切った直後その場で倒れそのまま寝てしまった。
「魔王ちゃん、もう寝るのだ?」
「そうじゃの。じゃ、電気消すの」
魔王は電気を消すと部屋には月明かり以外の光は無く少し幻想感を出していた。星々は夜の空に光、月も真ん丸。雲ひとつない絶好の月見日和だった。
「おやすみ、魔王ちゃん」
「おやすみじゃ」

寝静まった部屋に足音がひとつ。その足音の正体は・・・
「はぁ・・・で、スイ何の用じゃ?」
「少しお父様の事で至急城まで戻って来てください。詳しい事情はここでは話せませんが本当に急いで来てください」
「・・・・・・ふむ。わかった。明後日までには着くようにする。では、そちらの方は頼んだぞスイ」
「かしこまりました」
黒い穴から出てきた魔王は静かに足音をできる限り立てず自分のベッドに戻り眠りについた。
(っち・・・。何でこんな時に来るのじゃ。父上よ)

魔界では今何が起きているのか!?そして、魔王の父とは!?次回の展開に目が離せない!(はず?)
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