勇者と小さな魔王の旅

木元うずき

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魔王と魔王の父

旅の記録17 夢オチ?それとも現実?

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「・・・さん。・・・しゃさん。勇者さん!」
「ん?もう朝なのか?」
誰が呼んだのか分からないが彼を呼ぶ声で目を覚まし辺りを見渡すとシルヴィと魔王はまだ寝ており日向はっと言うと・・・
「あれ?日向?」
「こっちなのだ。ちゃんと辺りを見渡すのだ」
声がした方を見るとそこには裸の日向がいたのだが?
「うん。何故裸なんだ?」
「教えて上げようか?」
何か不吉な予感がした彼はベッドから逃げようとしたが遅かった。日向に引っ張られ唇を奪われたのだった。って・・・え?
「大好きなのだ勇者さん」
頬は少し赤くなり上目遣いの日向。もう彼は何が何だか分からなかった。分かっている事って言えば裸の日向に唇を奪われ告白を受けた事だけだった。
戸惑っている彼に対して日向はここぞって言わんばかりに彼に抱きつきまた唇を奪った。
日向にされるがままの彼は何も抵抗は出来ず日向の最後の声だけが聞こえた。
「この事はまだ早いのだ。もう少しだけ・・・もう少しだけ忘れといてくれるかな?」
不純物が一切ない笑顔を最後に彼はゆっくり意識を失った・・・

「ちょっ!?何しとるんじゃ!?日向よ!」
魔王が起きてすぐに声を上げるのは仕方がなかった。だって・・・裸の日向が彼の上に乗っかているんだから・・・。そりゃ、誰でも声を上げるでしょ?
日向は一瞬焦った顔をしたがすぐに笑顔になった。
「なーにも?ちょーとイタズラしようとしただけなのだ!」
「本当なのか?少し怪しいがの~」
少し体をはね上げた日向を見逃さなかった魔王は更に追い詰めにかかった。
「あやつの童貞を奪おうと思ってたりの~。カカッ!」
少し宛は外れているのにホッとしたのか日向は苦笑いになってしまった。
「流石に私でもしないのだ。私だってまだ未経験なのだからね」
日向はくすくす笑うと魔王にとって不愉快だったのか少し怒った口調で問い続けた。
「なら、何で裸でそやつのベッドにいるんじゃ?」
逃げる口実。さて、それはあるのだろうか。日向は必死に探していた。気づかれないように辺りを見渡し何かを探した。何か逃げれる手段になるかもしれないものを。そして遂に・・・
「ごめんなのだ。少し記憶を無くしてね」
日向は杖の所まで走り手に取った。魔王はそれを危なく感じたのか、嫌不吉な言葉が聞こえたからだろう。戦闘態勢に入った。だが、日向が杖を手に取ってから日向の姿が見えなかった。そして、後ろを振り向いたて日向がいるのを確認した後の記憶は無くなったのだった。
「ふぅ・・・。記憶を消す魔法は疲れるのだ・・・。特に魔王ちゃんは」
日向は自分の鞄の中から赤いリボンの着いたシャツを取り出しそれを着て、その上から自分の背丈には合わない黒いローブ擬きを羽織り、いつも通りの格好になると・・・
「起きるのだ!朝なのだ!もうチェックアウトの時間が近いのだ!」
日向の大きな声が響き渡った部屋。全員が全員耳に手に当てていた。何事もなかったように彼のベッドに飛び込んで無理矢理寝かした彼にのしかかった。
「うげ・・・」
「勇者さんも起きるのだ!」
(いつも通りに接する。今はまだ・・・まだその時じゃないのだ)
日向は心にそう誓い(?)彼の頬を思いっきり叩いたはたいた。部屋には乾いた音が鳴り響きその音で全員が目を覚ましたのだった。
起きたての彼の顔に日向の顔が映りこんだ
「おはようなのだ」
「お、おはよう」
笑顔で接してくる日向。本人は夢と思っているあの事のせいで気恥ずかしく顔を背けて挨拶を済ました。
「さ、行くのだ!次の街へと!」
その日向の合図と共に全員が動き出し、荷物の整理も終わるとその部屋を後にした。

「シルヴィ様はこれからどこに行くのだ?」
「そうだね。海王種セイレーンの涙も手に入ったし故郷に戻るかな。早く呪いを解いて楽にしてあげたいし」
シルヴィの顔は初めて当たった時よりも明るくなっており笑顔が眩しかった・・・のは嘘だが、希望に満ちた笑顔だった。
「で、勇者さん達はどこへ?」
「どこか宛はあるか?」
何の目的も無く旅をしている彼ら。だから、その都度行く場所を決め適当にしていたが、今回ばかりは行く場所は少し危険な香りがした
「少し私の家族に顔を出したいけどいいかな?」
そう言い出したのは魔王だった。魔王の故郷、それは魔界だった。魔物がうじゃうじゃ・・・とはないが何故魔界に戻るのだろうかと疑問に思ったが行く宛もないから魔界に行くことにした。
「よし、なら行くか。ウェイパ村に」
彼らも行く所が決まりそれぞれの道に行った。
「また出会うことを願っています!それでは互いに良き旅を!」
「「「良き旅を!」」」
シルヴィとは別れは彼らは少し歩き人がいないことを確認すると魔王に事情聴取した
「で、何故に魔界に戻るんだ?」
それに対して魔王は黙ったままだった。何か言い難いことでもあるのか口元がもごもごしている。
「父の事じゃ。儂も詳しいことは知らんが昨日連絡がありの、だからじゃ」
やっと言ってくれたと思いきやなんなのかわからなかった。が、暇だから行くことにした。
「魔王、道案内頼むぞ」
「それは無理じゃ」
「なんでだ?」
即答された返事に訳が分からずそのままの返しをしてしまった。そして、理由がとても簡単だった
「だって、儂が一人で行くのじゃなくてスイに連れていってもらうからの」
その場で項垂れた二人を余所に笑っている魔王。何も変わらない三人組。この後、何が待っているのかも分からないのに無邪気にいていれる神経がすごかった。
「お待たせしました魔王様。そちらの方々はどうしますか?」
いつの間にか開けられていた黒い穴から前回出会った海王種セイレーンのスイが顔を出していた。
「連れていく。何か役に経つかもしれんからの」
何かとても不吉な予感がした二人だが気のせいだと無理矢理言い聞かせ魔王に続いて黒い穴に入っていった。
入るとそこは前回同様異空間だった。そして、魔王が戻らなければ行けない理由が明かされた
「お父様が攻めてまいります」
「「え?」」
魔王の父が魔王に攻めてくる?魔王は分かっていたのかため息をついていた。二人には何も分からなかったがとんでもない事に首を突っ込んだかもしれないことだけはわかった。
「しかたあるまいな。親子喧嘩と行くか」
「それでは、準備をお願いします」
勝手に話が進んでいき彼はその場に取り残されかけたが日向に手を引っ張って貰い何とか魔王達を追いかけて行ったが、思考はその場で留まり続けている。
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