ダブル・ミッション 【女は秘密の香りで獣になる2

深冬 芽以

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Mission 2*アプローチ

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『け……い……』

 俺の指の動きに、伊織が身体を捩る。

『それ……や――』

 浅くて速い伊織の吐息が、耳をかすめる。

『やめていいの……?』

 ツンと硬くなった彼女の胸の先端を舌でくすぐる。

『ダメ……ッ!』

 誰も知らない伊織の『女』の顔。『女』の声。

『伊織……』

 身体を小刻みに震わせて俺にしがみつく伊織をきつく抱き締めて、俺はゆっくりと彼女の膣内なかに自身を沈める。

『んーーー!』

『伊織、力抜いて……』

 伊織の首筋に唇を這わすと、彼女が俺を締め付けた。

『……っく――。ダメ……だって――!』

 彼女のなかは温かくて、柔らかくて、最高に気持ち良かった。

『そんな締めんな――』

 軽く動いただけで伊織のなかが痙攣して、俺を刺激する。



 このままずっと、伊織の中にいたい――。



 そう思う反面、思いっきり突き上げたいとも思う。

 今まで抱いた女に、そんなことを思ったことがなかった。イかせて、れて、イければ良かった。感じてる顔も、声も、さほど興味なかった。

『圭……』

 名前を呼ばれただけでイきそうだなんて、初めてだった。

『伊織……』

 頬を赤らめ、潤んだ瞳で見つめられたら、理性なんて一瞬で吹っ飛んだ。

『伊織……!』





 あんなリアルな夢を見た二時間後に、伊織は俺の前に現れた。

 奇跡だと思った。

 運命と言ってもいい。

 自分がそんなものを信じる人間だとは思っていなかったけれど、本当にそう思った。

 夢の続きを見ているようで手を伸ばしてみたら、確かに伊織の温もりを感じた。触れたら抱き寄せたくなって、抱き寄せたらキスしたくなった。

 キスしたら、伊織を俺だけのものにしたくなった。

 四年前には口に出来なかった言葉を、告げたくなった。


 俺はよっぽど範疇外でない限り、来るものは拒まない。物心ついた頃から女子に注目されている自覚はあったし、告白もされた。けれど、俺が好きになって付き合った女はいない。

 今の彼女とは合コンで知り合って、その夜のうちにセックスした。そのまま三か月ほど、付き合っていた。ここ一か月ほどは『次はいつ会えるのか』『どうして家を教えてくれないのか』としつこくて、うんざりしていた。

 だから、伊織と再会した今、彼女と別れることになんの躊躇いもなかった。

「好きな女がいる」

 俺がそう言った時の伊織の驚いた顔は、今思い出しても笑える。


 俺の好きな女が誰なのか、伊織はわかっているのだろうか……。

 たとえわかっていても、わからない振りをするんだろうな――。
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