ダブル・ミッション 【女は秘密の香りで獣になる2

深冬 芽以

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Mission 10*主導権

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 圭と二人きりになった部屋の空気は、悪かった。

 圭はキングサイズのダブルベッドに腰を下ろし、何か考え込んでいた。



 怒って……る?



 今日のことを黙っていたことを怒っているのだろうかと思った。

「圭?」

 呼ぶと、圭がゆっくりと顔を上げた。

「伊織」

 人差し指を上に向けてクイクイッと曲げる。私は圭のそばに行った。

「色々あり過ぎて訳わかんねぇんだけど……」

「今日のことは――」

 突然腕を掴まれ、ベッドに押し倒された。

「とりあえず、セックスしよーぜ」

「は?」

 私の反応なんてお構いなしに、圭はシャツのボタンを外していく。

「ちょっ……。圭!」

 あっという間に下着姿にされる。

「圭!」

「お前、俺が今どんだけ嬉しいか、わかるか?」

「え?」

 ホックを外され、ブラを放り投げられる。

「お前が同じ会社身内で、どんだけ安心したか……」と言って、圭は私を抱き締める。

「お前の正体次第では……会社辞める覚悟もしてたんだぞ」

「……ごめん……なさい……」

「もう、一人で突っ走んなよ」

「ん……」

 圭の唇が私の唇に触れる。ゆっくり。丁寧に。

「伊織……」

 唇とは裏腹に、彼の指は焦っていて。胸を素通りしてショーツの中を目指す。

「んっ」

「悪りぃ……。早くれたい――」

 圭は、ずっと欲しかったおもちゃを手に入れて、早く遊びたくて焦る子供のようで。早く私の身体が彼を受け入れられるように刺激を与える。

 私の身体を知り尽くした圭には、それは容易いこと。ピンポイントでイイトコロを執拗に責められ、簡単に昇りつめてしまう。

「け……い」

「伊織はココ弱いな」

 膣内なかを擦られ、外陰そとを舐められ、身体が痺れる。

「んっ――。イ……」

 絶えず与えられる甘い刺激に、また達してしまう。

「もう……ダメ……」

「ん……。俺も限界……」

 脚の間から覗く圭の顔がやけにいやらしく見えて、ドキッとする。

 急に恥ずかしくなって、思わず足を閉じる。

「伊織?」

「何か……今更なんだけど恥ずかしい……」

「ホント、今更だな?」

 身体を丸めて横を向く。

「ちょ、ちょっと待って」

「ダメ。待てない」

 圭は私の両膝を片方の肩に乗せ、挿入はいってきた。

「ひゃ……」

「ん……。はぁ……」

 圭の吐息が色っぽくて、興奮する。熱い圭がゆっくりと、力強く最奥を目指す。

「あ……」

 もどかしかった。

 けれど、いつもとは違う角度で擦られて、気持ちいい。

 ぐぐぐっと圭が奥を擦り、これ以上ないくらい私の膣内なか深くに挿入|《はい》ってくる。

「圭……?」

 動こうとしない圭に痺れをきらして、私は手を伸ばした。

「ずっと……こうしていたいな……」

「え……?」

「ずっと……こうしていような……?」

 そう言った圭の瞳が光ったような気がした。



 ずっと……?



「愛してる……」

 突然、腰を引いた圭が、いつになく激しく突き上げた。

「きゃっ――!」

 脚を閉じているせいか、横を向いているせいか、奥に触れられるたびに静電気が流れるような痺れを感じ、それがどんどん強くなる。すぐに下腹部全体が痺れてきて、今まで感じたことのない快感に変わってゆく。



 何、これ――。



「圭っ! 待って――。何か……」

 圭の耳には私の言葉は届かなくて、獣の如く、一心不乱に私を揺さぶる。

「圭!」

 抱えられていた脚を開かれ、両肩に乗せられた時、快感の正体がわかった。

「ダメ――ッ!!」



 ゴム、つけてな――。



「っく――!」

「あああっ――!!」

 私は激しい痙攣と共に、快感に顔を歪める圭を見ながら、ゆっくりと意識を失くしていった。
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