続・最後の男

深冬 芽以

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6 ダブルパンチ

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「……シたい」

「え?」

 いつもの冗談かと思って、流そうとした。けれど、意外にも智也の目は真剣で、迷った。

 男の人は具合が悪かったり、すごく疲れていると性欲が増すと聞いたことがある。そのせいかもしれないけれど、現実として熱がある状態で激しい動きが可能なのか。

 たとえデキたとしても、悪化するのならやめておくべきだ。

「わかってるよ」と言って、智也が私の手を離した。

「お前にうつせないからな」

 確かに、その危険もある。



 けど……。



「そうね」と言って、私は持て余した右手を布団の中に入れた。

 智也が『まだ』ソノ気になっていなかったら、冗談で終わらせようと思った。

 けれど、『もう』すっかりソノ気になっていて、ソレに触れてしまった以上は冗談に出来なくなってしまった。

「ちょ――。彩!?」

 私はスウェットの上から硬くなったモノに触れ、掌でゆっくりと撫でた。

「彩!」

「――このままじゃ、ゆっくり眠れないでしょう?」

 左手も布団の中に突っ込んで、両手で触ると、ますます大きく硬くなった。

「今はコレで我慢して」

 私は布団の中で智也のスウェットを少し下ろして、直に触った。

 横を向いているから、いつものように上下じゃなくて、押し引きする。

「つらい?」

 手の中の智也はいつも以上に熱く、激しく脈打っていて、それは快感だけじゃないのは明らかだった。智也は枕に顔を埋め、顔を歪めていた。苦しそうにも見えるけれど、その唇から漏らす声は、いつもより高めで、私の身体をも熱くさせた。

「あ……や」

 左手で根元を押さえて、右手で擦られるのが、智也は好き。裏筋に親指を添えて擦られるのも。

「も――……やば――」

 先端から滲み出る汁で、手が滑る。私の汗と混ざって、擦るたびにヌチャッとイヤらしい音がした。その音を聞くと、私の下腹部までくすぐったくなる。

「あ……。で……る――」

 ギリギリになって、ハタと考えた。



 布団、汚れる!



 一瞬で、色々考えた。

 ティッシュ! とか、ゴム? とか。手で押さえきれるもの!? とか。

 とにかく、布団は汚したくない。

 こんな時に不謹慎かもしれないけれど、またコインランドリーに行かなきゃいけない、とか考えてしまった。

 だから、手の中の智也がビックリするほど硬くなったのを感じた時、自分でも無意識に布団をめくって、私に向かって発射準備に入っているモノをパクッと口に入れた。

 気持ち的には、ラムネのビー玉を落とした瞬間に瓶を口に入れるのに近い。

 口に入れずに手で押さえ続ける人は、きっとこの場合も手で押さえるのだろう。

 とにかく、被害を最小限に抑えようという、咄嗟の判断。

「はっ――!」

 ほぼ同時に、口の中にドロッとした触感が広がった。
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