続・最後の男

深冬 芽以

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22 結婚の条件

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「そんな、面倒臭くて頑固な彩でも、いいんですか?」

「はい」

 俺は迷わず答えた。

「俺は彩ほどデキた人間じゃありません。自分以外の幸せのために自分の幸せを放棄するなんて、出来ない。だから、俺は彩の気持ちを汲んで別れてやろうなんて思えません」

「意地になっているだけじゃなくて?」

「え?」

「誰が見ても溝口さんのような男性は、彩には分不相応でしょう。そんな女に振られて、意地になっているだけじゃ――」

「違います! 意地とか――、いえ、意地はあります。それは、分不相応とかじゃなく、彩が素直にならないから。絶対、別れたいなんて本心じゃないのに、認めようとしないから。だから、認めさせたいとは思っています。元の旦那がどうとか、子供がどうとか抜きで、彩の本心を言わせたい」

 もう、嫌だ。

 彩と付き合ってから、恥ずかしいことばかり。

 俺は、こんな男じゃなかったはずだ。

 一人の女に依存して、縋って、恥ずかしいことをベラベラと言えるような男じゃなかった。

 相手の親に、涙目で許しを請うような男じゃなかった。



 俺をこんな男にした責任は、取ってもらう――!



 これが意地だと言うなら、それでいい。

 意地でも結婚して、意地でも幸せにしてやる。



 意地でも、幸せになってやる!



「ホント、いい男。私があと二十若かったらねぇ」

 ニッコリと微笑まれ、俺も笑顔で返した。

 お母さんの率直さが、彩に少しでもあればと思ってしまう。

「彩には勿体ないとは思うけれど、溝口さんがどーしてもって言うなら、トモダチになってあげましょう」



 トモダチ……?



 近い未来のお義母さんは、バッグからスマホを取り出すと、顔の横でふるふると振って見せた。
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