【ルーズに愛して】指輪を外したら、さようなら

深冬 芽以

文字の大きさ
74 / 147
10.妻の愛人

しおりを挟む



 浮気の証拠写真と、相手の氏名や年齢、住所、家族構成がわかったというメールが届いたのは、五日後の夜だった。

 明後日から出張だから、明日にも事務所に行くことにした。

 調査結果に不満がなければ、そこで調査終了。調査時間二十時間の人件費と、調査に要した諸経費から着手金を引いた額を支払って、終わりだ。

 ハッキリ言って、時間も金もかけたくない。

 明日で調査が終わることを願うばかりだ。

「比呂……?」

 背を向けて眠っていた千尋が、寝返りを打ちながら目を開けた。

「どうしたの?」

「いや。いたずらメール」と言って、俺はスマホをサイドテーブルに置いた。

「とか言って、エロ動画でも見てたんじゃないの?」

 そんなことは露ほども思ってないくせに、千尋はニヤッと口角を上げて笑った。

「音出すなら、あっちで見てよ」

「お前の声を聞くから、いい」

 俺はチュッと音を立ててキスをすると、布団に潜り、彼女の胸に顔を埋めた。手を彼女のショーツの中に滑り込ませる。

「ちょっと! 寝不足になるから、やだ!」

 千尋が俺の頭を掴んで引き離そうとするが、もちろん俺は離れない。

 ショーツの中の、茂みに隠れた膨らみを指で擦ると、彼女の腰が引けた。

「今日は早く寝るって言ったじゃない」

「けど、勃っちゃったし」

 千尋相手だと、キス一つで身体が反応する。

 明日はそれぞれ一日中外勤だからと、セックスなしで早く寝ようとしたのに、無駄だった。

「エロ動画見ながら抜けば!?」

「どうせお前を妄想するんだから、実物抱くに決まってるだろ」

 色気のない会話をしながらも、俺は彼女のパジャマを脱がせ、胸を揉み、ショーツを湿らせていく。

「早めに終わらせるから」

 千尋の腰を抱いて起き上がり、パジャマの袖を抜く。彼女の腕に鳥肌が立つのがわかった。

「わり」

 俺はもう一度彼女を寝かせ、布団をかぶった。

 彼女の身体が冷えないように、ぴったりとくっついていた。互いの汗で肌が滑り、動きにくくてなかなかイケなくても、離れなかった。

 千尋も俺の首に回した腕を外さなかったし。



 何度抱けば、千尋は認めるのだろう。

 指輪なんかなくても、俺を愛していると――。



 千尋がそれを認めた時、間髪入れずに婚姻届けを差し出せるよう、離婚しておく必要がある。

 離婚が成立して、指輪を外した俺を千尋が拒んでも、離れる気などなかった。

「愛してる……」

 耳元で囁くと、彼女の膣内が俺を締めつめた。



 身体はこんなに正直に喜んでいるのに。



 全く、面倒臭くて可愛げのない女を愛したもんだ。



 だから、か……。



「比呂、もっと……」

 千尋が涙目で俺を見つめ、頭を浮かせて唇を重ねる。

 キスに応えて舌を差し込むと、膣内が激しく収縮した。

 俺は我慢できずに思いっきり腰をひと振りし、ゴムの先端を膨らませた。



 可愛すぎて、面倒なんてないな。



 俺はハイペースで呼吸を繰り返す千尋の胸に痕を刻み、これが永遠に消えないことを願った。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ボクとセンセイの秘密

七町 優
恋愛
高校2年のボクと24歳のセンセイの秘密を描いたストーリーです。 タイトルで分かるとは思うのですが、恋愛ストーリーです。 一応登場人物たちのいる学校は関西という設定です。 なので関西弁での会話が多くなります。 ボクとセンセイの濃いような淡いような恋愛ストーリーをお楽しみください。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・

希花 紀歩
恋愛
24時間二人きりで甘~い💕お仕事!? 『膝の上に座って。』『悪いけど仕事の為だから。』 小さな翻訳会社でアシスタント兼翻訳チェッカーとして働く風永 唯仁子(かざなが ゆにこ)(26)は頼まれると断れない性格。 ある日社長から、急ぎの翻訳案件の為に翻訳者と同じ家に缶詰になり作業を進めるように命令される。気が進まないものの、この案件を無事仕上げることが出来れば憧れていた翻訳コーディネーターになれると言われ、頑張ろうと心を決める。 しかし翻訳者・若泉 透葵(わかいずみ とき)(28)は美青年で優秀な翻訳者であるが何を考えているのかわからない。 彼のベッドが置かれた部屋で二人きりで甘い恋愛シミュレーションゲームの翻訳を進めるが、透葵は翻訳の参考にする為と言って、唯仁子にあれやこれやのスキンシップをしてきて・・・!? 過去の恋愛のトラウマから仕事関係の人と恋愛関係になりたくない唯仁子と、恋愛はくだらないものだと思っている透葵だったが・・・。 *導入部分は説明部分が多く退屈かもしれませんが、この物語に必要な部分なので、こらえて読み進めて頂けると有り難いです。 <表紙イラスト> 男女:わかめサロンパス様 背景:アート宇都宮様

腹黒上司が実は激甘だった件について。

あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。 彼はヤバいです。 サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。 まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。 本当に厳しいんだから。 ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。 マジで? 意味不明なんだけど。 めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。 素直に甘えたいとさえ思った。 だけど、私はその想いに応えられないよ。 どうしたらいいかわからない…。 ********** この作品は、他のサイトにも掲載しています。

処理中です...