【ルーズに愛して】指輪を外したら、さようなら

深冬 芽以

文字の大きさ
84 / 147
11.波乱の忘年会

しおりを挟む
「な? あきら」

「え? あ、うん」

 気まずいあきらも、挙動不審。

「なに、あきらも会ったことあんのか?」

「一緒にいる時に会ったんで」

「へぇ。お前ら、二人で会ったりしてんの?」

 大和の問いに、あきらは動揺を隠せない。

 そりゃ、そうだ。

 酔った龍也がうっかり二人の関係をばらす可能性が、ないわけではない。

 もう、いっそのことばらしてしまえば楽だろうに。

「たまたま駅で会って、あきらのパソコン選びに付き合ったんす」

「龍也、そういうの詳しいもんな」

「あい」

 ヒック、と龍也がしゃっくりをし始める。

「龍也、もう酔ったのか?」

「あー……、すんませ――。ちょっと……寝不足で……」

「お! 龍也、女デキた?」

 さなえとのレス解消でからかわれた仕返しか、大和が龍也の寝不足の原因を嬉々として問い詰めた。

「ま、金曜の夜だしな? 暴走しちまうこともあるよな」

「どんな女だよ? 真面目なくせに、長続きしねーよな」

 あきらは、しれっと梅酒を飲み干す。

 その様子を、頬杖をついて見ていると、目が合った。が、すぐに逸らされる。

 龍也にばかり気を取られているけれど、私とも気まずい会話以来だと気づいたらしい。



 まったく……。



 私はボタンを押してウェイターを呼び、各自お代わりを注文する。

 今夜は、みんなペースが速い。

「デキてません」と、龍也が言った。

 勝手にホッとした自分を、殴ってやりたい。

「マジで好きな女、いるんで」



 お――――!



 期待通りの展開になるのではワクワクしていると、またあきらと目が合った。私とは正反対に、緊張しているのがわかる。

「お! 珍しいな、龍也が恋バナなんて。脈、ありそうか?」

「ありそうれす! けど、素直じゃないんで、なかなか認めないんですねぇ。どうしたらいいれしょう、先輩」

「そりゃ、好きだって言いまくるのが一番だろ! 男は直球勝負!!」と、大和が得意気に答える。

「いや、疲れるだろ、それ。最初は喜んでも、段々重くなるヤツだろ」と、陸。

「じゃあ、お前ならどうすんだよ」

「『待つ』つって、ドロッドロに甘やかす。尽くされて喜ばない女はいないだろ」

「うわー。わかってないねぇ」と、私は手をブンブンと振りながら、呆れたように言った。

「男っ気のない千尋に言われたくねーんだけど?」

「えー? 千尋、恋人いるでしょ?」と、麻衣。

「この一年くらい、お肌艶々だし、すっごい幸せそうだもん」

 まさかの一言に、フリーズしてしまった。

「はっ!? マジ? じゃあ、やっぱ千尋のおススメはお肌艶々効果のある、濃厚セックス? 身体から攻略するってか?」

 大和はもはや、エロおやじと化している。

 麻衣が、軽蔑の眼差しを向けている。もちろん、大和は気づいていない。

 さなえが一緒なら絶対に言わないのだが、今日は完全にハメを外している。

「だってよ、龍也! とりあえず、訴えられない程度に押し倒せ」

「あーーー……、それはナシで。俺としては、なんなら一生レスでもいーから一緒に居てくれって土下座でもしたい気分れす」

「つまり、ヤッちゃってるってことだ」
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ボクとセンセイの秘密

七町 優
恋愛
高校2年のボクと24歳のセンセイの秘密を描いたストーリーです。 タイトルで分かるとは思うのですが、恋愛ストーリーです。 一応登場人物たちのいる学校は関西という設定です。 なので関西弁での会話が多くなります。 ボクとセンセイの濃いような淡いような恋愛ストーリーをお楽しみください。

小野寺社長のお気に入り

茜色
恋愛
朝岡渚(あさおかなぎさ)、28歳。小さなイベント企画会社に転職して以来、社長のアシスタント兼お守り役として振り回される毎日。34歳の社長・小野寺貢(おのでらみつぐ)は、ルックスは良いが生活態度はいい加減、デリカシーに欠ける困った男。 悪天候の夜、残業で家に帰れなくなった渚は小野寺と応接室で仮眠をとることに。思いがけず緊張する渚に、「おまえ、あんまり男を知らないだろう」と小野寺が突然迫ってきて・・・。 ☆全19話です。「オフィスラブ」と謳っていますが、あまりオフィスっぽくありません。 ☆「ムーンライトノベルズ」様にも掲載しています。

甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・

希花 紀歩
恋愛
24時間二人きりで甘~い💕お仕事!? 『膝の上に座って。』『悪いけど仕事の為だから。』 小さな翻訳会社でアシスタント兼翻訳チェッカーとして働く風永 唯仁子(かざなが ゆにこ)(26)は頼まれると断れない性格。 ある日社長から、急ぎの翻訳案件の為に翻訳者と同じ家に缶詰になり作業を進めるように命令される。気が進まないものの、この案件を無事仕上げることが出来れば憧れていた翻訳コーディネーターになれると言われ、頑張ろうと心を決める。 しかし翻訳者・若泉 透葵(わかいずみ とき)(28)は美青年で優秀な翻訳者であるが何を考えているのかわからない。 彼のベッドが置かれた部屋で二人きりで甘い恋愛シミュレーションゲームの翻訳を進めるが、透葵は翻訳の参考にする為と言って、唯仁子にあれやこれやのスキンシップをしてきて・・・!? 過去の恋愛のトラウマから仕事関係の人と恋愛関係になりたくない唯仁子と、恋愛はくだらないものだと思っている透葵だったが・・・。 *導入部分は説明部分が多く退屈かもしれませんが、この物語に必要な部分なので、こらえて読み進めて頂けると有り難いです。 <表紙イラスト> 男女:わかめサロンパス様 背景:アート宇都宮様

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

腹黒上司が実は激甘だった件について。

あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。 彼はヤバいです。 サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。 まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。 本当に厳しいんだから。 ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。 マジで? 意味不明なんだけど。 めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。 素直に甘えたいとさえ思った。 だけど、私はその想いに応えられないよ。 どうしたらいいかわからない…。 ********** この作品は、他のサイトにも掲載しています。

処理中です...