親友がリア充でモテまくりです。非リアの俺には気持ちが分からない

かがみもち

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第8章 〝幸せ〟の選択 ─さよならの決意─

114・8時間目 新年の再会

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 俺たちがカフェ・MISHIHANAに来てから、店内は賑やかになった。新年早々、騒がしく楽しい時間が今日も始まる。

「三嶋さん。私オレンジジュースいいですか?」

「わ、私はカフェオレで……」

「私はいつも通りにシロップとミルクいっぱいいれたブラックのコーヒーがほしいのー!」

 席は男性陣と女性陣に分かれている。

 カフェの入り口あたり──いつも俺たちが座っている席は黒沢センパイ、俺、裕太、遼太郎が座り、奥のテーブル席には小春や神谷さん、女郎や白咲さんといった女性陣が座っている。

 ところで、俺たちの席にはあらかじめふたつの空席があった。

 ひとつは三嶋さんが座るのが分かっているのだが、もうひとつは誰のだろうか。

 からんとカフェ特有のベルが本日三回目の音を鳴らした。

 花園はなぞのさんが帰ってきたのだろうかとそちらの方を見てみると、ごついダウンに身を包んだ金髪のウルフヘアーの男がいた。

「……アン?」

「ふぅ……。ったく、葉瀬はせ君は……。おー、皆いるね~」

 金髪の後ろには一目で体格のよいことが分かるコートを着たもう一人の男がいた。

 分かるぞ、不良っぽい男に特徴的な優しい喋り方の男の名前が。

「はっ……? なんでここに……」

 遼太郎が夏にあったことを思い出したからか青ざめた顔で見ていた。

「おーこら、三石みいし。ビビるな。まて俺も混乱してるんだから。ちょっ、白膠しらかわさん、どういうことっすか」

「あー、君には言ってなかったっけ? ここは俺たちのいきつけのカフェでもあるんだけど、彼らのいきつけでもあるんだよね~」

 白膠さんやりやがったな! とでも言いたげな遼太郎と葉瀬の表情がシンクロしていて笑いそうになる。もちろん、必死でこらえるが。

「俺、帰っていいっすか」

「おーい、まてまて。帰らせるわけにはいかないよ」

 白膠さんは警察だ。もしかして、葉瀬はなにかやらかしたのだろうかと思っていたけど、かなり近いものだった。

 昔、葉瀬が万引きをした際に担当になったのが白膠さんらしく、それから仲良くなったとか。

 警察とかなり親密な仲になる人はほとんどいないらしい。

「でね、俺がこいつを取っ捕まえてからがもうヤバかったね~。今の葉瀬はちゃんとしてるけど昔の葉瀬はグレてたからね」

 憎しみや怒りはなく、むしろ、手のかかる弟を見るような目で葉瀬を見ていた。

「……お前、ヤバイじゃん」

 遼太郎がぼそっとひとこと言ったが、葉瀬は気にする素振りもなく、へらへらと笑っていた。

 その態度は俺は少し呆れる程度だったが、遼太郎からすれば反省もしないやつだと怒ってもいいはずだった。けど、遼太郎も半分ほどは呆れてるのか無視していた。

 突然あったふたつの再会。遼太郎と葉瀬。似ていないようで似ている二人は、今日もお互い犬猿の仲だった。
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