神様の転生物語

kenzo

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1章、ブラームス王国

王立学園

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今日はお嬢様の学校の日だ。
実は密かに楽しみにしていた。
だって平民になった僕にはもう無縁の場所だったから。

「言ってらっしゃいませお嬢様」
メイド長さんとセーラーさんに見送られて馬車が出発する。
お嬢様は学園の女子制服、男子用は兄上のを見慣れていたが、女子用は初めて見た。
ブレザーは男女同じデザインに下はスカート、シャツの首元は男子のネクタイに対し女子はリボンとなっている。
なお、僕も制服を来ている。
生徒用では無く、従者用の制服もあるのだとか。
黒の上下のスーツは何処かの執事を彷彿とさせる。

「なんだかアナタがその服を着ると着せられてる感が満載ね」
「そうですね、可愛さが隠し切れませんね」
「意味分からないわ」
「ハハ、ご謙遜を」
「だから、意味が分からないって!」
「お嬢様、お淑やかさが足りませんよ」
「アナタのせいでしょうが!」
「あー、気持ちの良い朝ですね」
「何なの、何なのアナタは!きーー!」

馬車が止まると先に馬車を降り、片手を差し出す。
残念馬車の上のお嬢様には手が届かない。
「・・・プッ」
呆然としたお嬢様が顔を背けて吹き出した。

「さ、行くわよ」
「はい」
お嬢様のカバンを持つのは従者の役目、カバンを胸に抱きテクテクと後を追う。
「なに、あの子、カワイイ」
「え、何々、どうして子供がいますの?」
「あ、でもあの服、従者の物では?」
「誰の従者なの?」
「ねえ、あれ、もしかして」
「アンジェリーナ様の従者?」
「あー、また変わったんだ」
「可哀想にあの子も何時まで持つか」
うーん、モテる男は辛いねー(ムフフ)

「来られましたわ!」
「来られましてよ、皆さん」
な、なんだ、人が左右に分かれていく!
十戒だ、モーゼが来たのか!
「ほら、アナタも下がりなさい」
おっと、お嬢様に引っ張られる。
「お早うございます」「お早うございます」
なんだ、なんだ、皆(主に女子)がモーゼに挨拶をしている。
一体どんな人が来たんだ、人が多くて見えない。
「お早うございます、ベリウス様」
「お早うございます、ユリウス様」
・・・な、な、何だとーーー!
兄上達がモテてる?!
いや確かにカッコいいけど、だけど・・・
聞いてないよーーーー!!
あ、目が合った!
ちょっと、兄上達?顔を逸らして肩が震えてますよ、笑ってるんですね、そうですね!
えー、えー、分かってますとも、服が似合ってない事位!ふん!

「後ろの机の無い席が従者用、後食堂の横にも従者用の部屋があるからどっちに居てもいいわ」
なるほど授業中は側に居るわけにはいかないものね。
「まずは、後ろに居てみます」
「そう、好きになさい」
お嬢様は一つの席に着いた。
多分あそこがお嬢様の席なんだろう。
取り敢えず適当に座るかな。

ふーん、この雰囲気は日本と変わらないかも。
「少年、君は誰だい?」
おわ、まさかの ベリウス兄上!
初対面を装ってるんだろうけど、なんて大根!
「はい、私はアンジェリーナお嬢様様の従者でございます」
なんだこの三文芝居は!
「なんと、こんな子供が従者とな!」
クサイクサイ!兄上クサイ!
うわー、めっちゃ注目集めてるし、勘弁して下さい。
「ねえ、ねえ、あの二人、なんだか似てないかしら、目鼻立ちとか」
「あ、それ、私も思いましたわ」
「そう言えば髪の色は ユリウス様と同じね」
「ベリウス様とユリウス様を足して幼くした感じですわね」
なんと、世にも恐ろしいくは女の勘!
(兄上、マズイです)目で訴える、これぞ同じ血を持つ者の為せる技!
何故首を傾げる!!
ん?何か後ろから人の気配が?何奴?!
「キャーー!カワイイーー!」
痛い、耳が痛い(キーーーン!)
何だ何だ何が起こった?!
「私、子供好きなんですー」
うわ、何かが飛び付いて来た!
ちょ、タンマ!苦しい、後香水臭い!
「子供を見たらついつい抱き締めたくなるんですー」
「く、く、苦しい」
離せー!だ、誰か助けてー!
「ちょっと、アナタ、人の従者に気安く抱きつかないで!」
こ、この声は、お、お嬢様!助けてー
「えー、この子アンジェリーナ様の従者なんですかー」
「そうよ、悪い?!」
ふー、やっと離れた、死ぬかと思った。
「悪くは無いですけどー、なんかー、可哀想かなって?」
「な、なんですって!」
「僕ー?、私はリリスって言うのー」
な、なんだと!リリ・・・ス?貴様!
「私の事はー、リリって呼んで「絶対にイヤです」ねー、え?」
「絶対に呼びません」
「プッ!」
あ、今兄上笑いましたね、気付いてますよ。
「ど、どうしてー、そんな酷い事をー、言うのかなー」
「リリとはこの世で最も尊い天使の名前、それを語るなど不敬にも程があります」
「何それ、意味わかんない」
「どうした?リリス」
また、新キャラ登場?覚えきれません!
「あ、エドワードさまー、アンジェリーナ様とーアンジェリーナ様の従者がー、私をまたイジメるんですー」
「アンジェリーナ!お前はまた!」
「な、そんな、私は何も・・・」
「黙れ、ホントにお前はどうしようも無いな」
「違うんですー、私がダメな子だからダメなんですー」
「リリスは本当に優しいなぁ、それに引き換えお前は・・・」
「エドワード様・・・」
「もういい、言い訳など聞く耳持たぬ、行くぞリリス」
うわー、リアルバカップルだ!皆の前で堂々と腕を組んでイチャイチャしてるよ。
「なんだアレ?」
おっと、思わず声が出ちゃった。
兄上も呆れた様に肩を竦めて居る。
「お嬢様?」
「何でもない!アナタは余計な事しないで其処に大人しく座ってなさい!」
うわー、メッチャ不機嫌!
そのままお嬢様は席に着くと顔はずっと窓の外、晴れた空へ。


その後は、特に何も無く、意外とお嬢様は真面目に授業を受け、バカップルは隙を見つけてはイチャイチャ、ネチャネチャしている。
問題があるとすれば兄上だ!
積極的に発言するのは良い、それは良い事だ。
だけど、その都度此方をどや顔でチラ見するのはどうかと、授業参観じゃ無いんだから!

そしてお昼になりました。

皆が思い思いに行動する中、お嬢様は動かない。
あれ、何か入り口を睨んでる?
あや?あれは噂のバカップルではないか!
余程嫌いなんだね、分かる、分かりますよ。
何かウザイし、キモいっちゅうねん!
ま、それはさておきお嬢様の元に向かいますか。

「お嬢様、お昼ですが如何致しましょう?」
お嬢様ってお友達居ない?・・・ぽいね。
「うるさいわね、勝手にすれば良いでしょ!」
うわー、機嫌ワル!!
仕方無い散歩でもするかな!

うーん、やっぱり僕は浮いてるね。
そんなジロジロ見たいで、恥ずかしい。
「おい、あの噂聞いたか?」
「あれか、エドワード様が・・・」
おや、何かな?エドワードってあのバカップルの片割れだよね。
「明日の・・・」
「でも、どうして明日なんだ?」
「どうせあの女の入れ知恵だろ?」
「おいおい、大丈夫なのかこの国は、男爵の娘に言いなりの侯爵家跡取りとかって!」
「まぁ、エイブル家が主流のうちは大丈夫だろ」
「まぁ、そうだな」
なんと、聞き捨てならない話を聞いてしまった。
そうだ、こんな時こそ兄上に相談だ。

お、居た居た、やっぱり家族だと探索の精度が高いね!
おっと、ユリウス兄上も一緒か、まぁいいや。
「あの、少し宜しいでしょうか?」
「なんだお前は!此方は公爵家のご子息だぞ、お前の様な子供が話し掛けて良い相手では無い」
アナタこそ誰ですか?もしかしてこれが噂の取り巻きって奴か!
「まぁまぁ、どうしたのかな僕?」
「はい、少しご相談したい事が、出来れば人払いを」
「ふざけるな!お前の様な素性な分からぬ者と」
「すまない、少し向こうへ行っててくれないか」
「ベリウス様!しかし・・・」
「同じ事を言わせるのか」
「は、失礼します」
か、カッコいい!
「さてアル、僕達に話ってなんだい?」

さっき聞いた噂を話した。
 「バカな、そんな事が」
「しかし兄上、幾つか僕も噂は聞いてますが辻褄は合うかと」
「だとするとなんてバカな事を」
「あの、ベリウス兄上、ユリウス兄上?僕にはお二人の話が見えないのですが」
「ああ、すまない、実はな・・・」

なんと、そんな事が、これは酷い。
流石にリリの事意外では温厚で評判の僕もご立腹です。
は!これはもしかしてアレか?!
ククク、ならばやってやりましょうとも!
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