神様の転生物語

kenzo

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1章、ブラームス王国

悪役令嬢

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「ドグラム侯爵家嫡子エドワード=ドグラムはサイス伯爵家令嬢アンジェリーナ=サイスとの婚約を解消し、ここに居るエチェリア男爵家令嬢リリス=エチェリアと婚約をする事をここに宣言する」
ここは、学園内にある舞踏会場。
日頃習ったマナーやダンス等を実践する半年に一度の学園主催のパーティーである。
学園の催しとは言え、生徒の他にも生徒が招待にした者であれば参加は可能である。
そんな生徒、教師達、そして生徒が招待した親達の中でそれは告げられた。

まるでダンスに誘われるかの様に会場中央へと連れられたお嬢様は突然その手を払われる!
「お嬢様!」
僕は急いで駆け付けたが、突然の事態にお嬢様は呆然としている。
「どうしたアンジェリーナ、言葉も無いか」
「エドワード様、どうして・・・」
「ふん、分からぬか、ならば教えてやろう、お前は私のリリスを苛めたであろう」
「私の?エドワード様の婚約者は私では無いのですか!」
「だからそれを解消すると言っている」
何?コイツはバカなのか?
「父上、宜しいでしょうか?」
「うむ、仕方あるまい。全てはその娘の自業自得」
となりのキラキラな重度のメタボ男が父親らしい。って事はあれがガナール=ドグラム侯爵?
「ちょ、ちょっとお待ち下さい、侯爵様」
「ふん、サイス伯爵か、」
あ、旦那様が駆け付けて来た。
「一体これはどういう事ですか?!」
「どうもこうもあるか!このような性悪女を我が家に嫁がそうとは!これは只婚約破棄だけでは済まされんぞ!慰謝料も請求してやる!覚悟しておけ」
「ふ、ふざけるな!私の大事な娘を侮辱しておきながら慰謝料まで寄越せだと!」
「貴様!誰に対して口を聞いておる!伯爵風情が!」
「その伯爵風情に多額の借金をして居るのは誰か!」
おいおい、何だこれは!
「借金だと、知らぬなその様な物!娘が娘なら親も親だ!腐りきっておる」
「なるほどこれが目的か!娘を貶め、私を貶め、借金を踏み倒しその上我が家の資産まで狙うとは!」
「貴様!、言わせておけば調子に乗りおって!もう許さん!兵よ、この者達を拘束せよ」
「何故、兵がいるのか!なるほどハナからこうする予定であったか!」
おっと、出入口から兵が雪崩れ込んで来た。
「クソ、こうなったら戦ってやろうではないか」
さぁ、やっと僕の出番かな、
「旦那様」
旦那様の前に対塞がる。
「む、君は!君は早く逃げなさい。これは我が家とあの侯爵家との戦い」
「いえ、僕は今はお嬢様の従者です」
「何だ、サイス伯爵!そんな子供の助力まで受けねばならんとは情けない」
勝ち誇った顔、正直ウザいしキモいっす。
「はは、侯爵様は大きな勘違いをされてますよ、旦那様」
「ア、アル?」
「ほう、勘違いとな?」
「ええ、アナタ達程度こんな子供で十分だって事です、プププ」
「な、き、貴様!」
おー、顔が真っ赤だ、すげー!
「アル、止めるんだ!殺されるぞ」
「もう遅いわ!お前らコイツらを叩きのめせ!ガキは殺しても良い!」
おいおい、こんな人前で殺害宣言までするとは完全に頭に血が昇ってるね。
ちょっと挑発し過ぎたかな?まぁいいや!
コイツムカつくしね!
とかいう間に殺到して来ました、大体10人位かな?では!
『動くな!』『這いつくばれ!』
「ぐ、何だ」「か、身体が」「う、動かぬ」
「はい、一丁上がりっと!ね?この程度でしょ(ニヤリ)」
「な、何だどうしたら!お前達!何をしてる、早くやらないか!」
「か、身体が動きません」
「な、ん、だと?」
「って言ってますけど、どうします?」
コテンって首を傾げて見る。
ちょっと可愛さを演出してみた。
「ナメるな小僧が!」
「キャー、怖いですー、顔がね!ププ」
「おのれー、全てを焼き尽くす紅蓮の炎よ我が敵を焼き尽くせ『ファイヤーボール』」
「ふぁーあ、『消えろ』」
「な、何だと?魔法が消えた?」
「ねぇ、早く本気で掛かって来なよ!」
「く、全てを焼き尽くす・・・」
「何でさっさと撃たないの?ブツブツ変なこと言ってるし」
『ファイヤーボール』
「また?『消えろ』」
「な!貴様、何をした!」
「これだけ?つまんないの。結局僕の様な子供程度でも勿体なかったね、クス」
「な、何なんだお前は!」
「もういいや、『お前も動くな!』」
「な、身体が動かん!」
おやおや、すっかり忘れてたけどエドワード?ガクブルってるよ、ププ!
あのリリスって女は?
ん?何か変な感じだなぁ?
「はぁ、結局ざまぁかー」

さて、では次行ってみよー!
「旦那様?事の真実をハッキリさせませんか」
「な、それはどういう事だ!」
「実は今日こうなる事は学園内の一部では噂になってたんです」
「何だと、どういう事だ!」
「さぁ、奴等が言い触らしてたのか、兵を集めたりしている情報が漏れて居たのか、噂の出所は不明です。しかしお陰て此方も準備が出来ました」
「そうだったか、だったら頼めるか」
「承知しました、旦那様」
さて、始めますか!これからはコチラのターンですよー!

いつの間にか近くにベリウス兄上が来ている。
流石兄上、出来る男は違いますな。
「ベリウス様、例の物は?」
「ああ、勿論あるよ此処に」
兄上が一つの木箱を渡してくれた。
「さて、旦那様、そして侯爵様、これはご存知ですね」
僕は箱のフタを開けて二人に見せる。
「そ、それは真実の宝玉」
「な、何故、そんな物が此処に」
「バカな、そんな物、偽物だ!学生ごときが持ち出せる訳がない」
フフフ、相当狼狽してますな、お代官様!
「いや、それは本物だ、私が保証しよう」
な、なんと此処で父上の登場だー!
これは予想外、おったまげである。
「こ、これは公爵様!どうして此処に?」
「どうして?これは異な事を、息子に招待されたからに決まってる。貴公は違うのかな?違う目的があると?」
父上の目が身動き出来ない兵達を睨み付ける。
「そ、それは私も同じです」
「であろうな、それにしてもこの物騒な者達は何事か?っと聞きたい事は色々あるがここはひとまず彼に任せておこうかな」
おお、父上からのウィンク、惚れてまうやろー!

「ではお嬢様、それとエドワード様、この宝玉を持って下さい」
残念ながら宝玉は2個だけ、かなり高価らしくて持ち出しは父上の名を持ってもこれが限界らしい。
お嬢様は一度旦那様を見たが旦那様が頷くと素直に宝玉を取った。
「エドワード様、どうしましたか?早く取って下さい」
そう、手を出そうとしない。
「エドワード、その様な物、取る必要は無い!これは我が侯爵家への侮辱だ」
いやいや、あからさまに怪しいんですけど。
恐らく世論は今、殆どが疑ってるだろうね。
ホント面倒クサイ人だ。
『持て』
「ぐ、な、何だ?手が勝手に・・・」
よし、持ったね。

「ここからは私が変わろう」
お、ベリウス兄上が名乗り出て来た。
まぁ当たり前か、こんな子供が尋問するよりはね。
「ではまずはアンジェリーナ嬢に質問をする。先程のエドワード殿が言ったようにそこなリリス嬢に虐めを働いたか?」
「私は、していません」
この宝玉を持つと嘘が着けなくなる。
嘘を言おうとしても本当の事しか口に出来ない。
「嘘だ、そんなのは嘘だ」
いやいや、親父さんそれは無理だろ。
「ドグラム侯爵、宝玉を持っての証言には法的に証拠能力が認められている事は周知の事」
おお、親父さんが苦虫を噛み潰しちゃった。
「では、エドワード殿、アンジェリーナ嬢はリリス嬢を虐めたのは本当か」
「・・・う、嘘だ!く、くそ、ち、父上に・・・「やめろー」言われた」
「ア・・・、従者君、ドグラム侯爵を黙らせて貰えるか」
「はい、公爵様」
そんな寂しそうな顔しないで父上。
『喋るな』
「・・・」
声が出ずに身体が動かず石像見たいになっちゃた。
「さ、エドワード殿、続きを」

エドワードは宝玉の効力により素直に話した。
元々二人の婚約はグラムス公爵家の口添えにより決まったものであったが、それ以降ガナール=ドグラム侯爵は何度もレナード=サイス伯爵に借金を申し込んだ。
初めは用立てていたレナードは最近になり借金を断り出した。
借金が出来なくなったガナールは伯爵家から資産を奪う事とした。
その足掛かりとしてアンジェリーナを悪者に仕立て、その責任を伯爵家に言及する。
そして慰謝料を取る事が目的であった。

「なんと浅ましい、エドワード殿、君は婚約者を貶めて何も思わなかったのか」
兄上が怒っている。
「俺は初めからこのアンジェリーナに気持ちは無かった、家が決めた婚約者、ただそれだけだつた」
「だからと言って・・・、お前はそれでも人間かー!」
旦那様が涙を流してる。
「では、そこのリリス嬢が君の思い人なのか」
「違う、彼女は父上が用意した者だ。彼女を使ってアンジェリーナを貶めろ、それが父上の命令だった」
こ、これは、腹黒ヒロイン展開では無かったのか!!

「アンジェリーナ、お前の辛い思いに気付いてやれなくてすまなかった」
「お、お父様」
「お前はずっと苦しい思いをかかえていたんだな」
「ううう、お父様、私、私・・・」
「アンジェリーナ」
感動の包容です。
「私もエドワード様に思いを寄せていたかと言われればそれはありませんでした」
「アンジェリーナ」
「でも、それでも貴族の婚約とはこんな物、私は少しでもエドワード様に気に入られようと努力しました。将来侯爵家の妻として恥ずかしく無い様に勉強もマナーもダンスも考えられる全ての事に全力で取り組みました」
「分かってる、お前は本当に頑張っていた」
「でも、全てが無駄でした。あのリリスと言う女が現れてからは特に酷く、私を貶め、侮辱され、私の存在事態が否定されました。
私の全ては無駄でした。では今までの私の人生は、生きてきた意味は何だったのか!
全てが崩れ去りました。全てが意味の無い物に感じました。全てが信じられなくなりました」
「アンジェリーナ」
「私の心は耐えられずに壊れて行きました。
メイドも従者も私に尽くしてくれる。
こんな意味の無い私に。私に尽くす事に何の意味が有るのか、私は乱れる心を押さえれなくなりました、ごめんなさい、すみませんでした」
「アンジェリーナ!」
感動した!良く頑張った!うるうる
おお、周りからもすすり泣く声が。
ええ話や。


「ベリウス様、私にも宝玉をお貸し下さい」
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