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1章、ブラームス王国
サプライズ、サプライズ
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あの騒動から早くも一週間が過ぎた。
まずはドグラム侯爵だが、何とあの男は国の金にまで手を出していたらしい。
金額が増える程に騒ぎが広がり自分を怪しむ声も聞こえ出した。
焦ったドグラム侯爵は急遽例の暴挙に出たのだった。じっくり考え綿密に計画を立てればもっと上手いやり方もあった筈なのに、焦ったばかりにこの始末だったのだ。
それにしても何故其ほどまでにお金が必要だったのか?
まだまだ謎は残りこれからも捜査は続行されるらしい。
兎に角、流石に国のお金に手を出したのはマズかったらしい。
国の資産とは王家の資産とも言える、それに手を出すのは王家に対する略奪行為とされ、領地没収、爵位剥奪とされた。
つまり平民落ちって奴だ!仲間だね、今度会ったら同じ平民としてからかってやろう!
まぁ悪者の話はこれくらいで良しとしましょう。
次にリリスこと梨々香だが、
結論から言おう!無罪放免である!
ドグラム侯爵に協力したと言ってもアンジェリーナを虐める事のみであった事、それも人質を取られた上での仕方の無い事情も有り、しかも被害者であるアンジェリーナ自信がリリスの事を許すとの宣言があり無罪放免となった。
そして現在リリスと妹のメリル(6才)は僕の家に居る。下働きとして。
あの日から3日間はリリスも拘束されていた。
まぁ、形式的な物であり待遇も其ほど悪くは無かったらしい。
そして僕は父上に頼み込んだ、リリスが解放されれば連れてきて欲しいと。
父上は快く引き受けてくれて、約束通り連れて来てくれた。
家に来たリリスはびっくりしていた。
「えーーーーー!お兄ちゃんって公爵様の子供だっの?!」
目玉が飛び出るかと思った。
伯爵令嬢の従者だと思ってたのに公爵家の息子だったのだから仕方無いかな。
「そんな、加護が無いなんて・・・、それにだからって平民って・・・お兄ちゃん可哀想」
うんうん、エエ娘やエエ娘や、グスン
「えー!お兄ちゃん冒険者してるの?!うわー、ラノベやってるねー」
おう、やってるぜー!
こうしてリリスのサプライズタイムは一旦休憩となり、引き続き父上が驚く番となる。
「ところでさっきから君はアルの事をお兄ちゃんって呼んでいるがどういう事なんだ?」
フフフ、さぁ驚いて貰いましょう父上!
僕は前世の記憶の事を正直に話した。
「なんと、そんな事があるのか?!」
父上のビックリ顔、頂きました!
「そうか、いや、逆にその方がアルの大人びた言動は納得出来るかもしれない」
おお、納得されてしまいました。
「ふ、そう言えばアル、お前はリリアナの名前の由来を覚えているか?」
「え?由来?すみません覚えてません」
「まぁ当時は2才だ、仕方あるまい」
「父上?それが何か?」
「いや、実はな、リリアナが産まれた時、お前は赤ん坊に向かってリリ、リリって声を掛けてたんだ。それでリリを貰ってリリアナとした訳だ。
きっとリリス・・・いや梨々香さんの事を思い出してたのだな」
「お兄ちゃん・・・グスン」
「そうか!アルのシスコンぶりは梨々香さんのせいなのかもしれないな!若くして死んでしまった前世のアルは妹への思いを蓄積させてリリアナに爆発させてしまったと言う訳だ」
「お兄ちゃん!!プンプン」
「何と!衝撃の真実」
「フハハハハハハ」
父上はリリスに我が家に来ないかと声を掛けてくれた。
リリスはただお世話になるのは気が引けると下働きとして働かせて欲しいと願い出て父上はそれを承諾した。
勿論リリスの妹も引き取る事に。
元ドグラム領は一旦はエイブル公爵預りとなり、次の正式な領主が決まるまでは父上が面倒を見る事となった。
エチェリア男爵は解任され新たな貴族を街の責任者とした。
ほかにも色々と手を着けて行くらしい。
そうそう、リリスは僕が彼女の事を梨々香って呼ぶのは止めて欲しいと言った。
お兄ちゃんショックです。
自分は梨々香としての人生は全うした。
今はリリスとして生きているので自分の事はリリスと呼んで欲しいと言う事。
流石おばあちゃんっす。
そして最後にお嬢様ことアンジェリーナさん。
これだ、どうしてこうなった!
今回最大のビッグサプライズでした。
まずはその後の経過から、あそこは伯爵家として何か変わった訳ではない。
言ってみれば危機が去ったという所だろうか。
そうそう、アンジェリーナさんはミーファさんの家まで赴き丁寧に謝罪をしたらしい。
初めは戸惑って居たミーファさんも謝罪を受け入れ二人の仲は修復に向かっているらしく、それに伴いミーファさんの体調も快方に向かっているとのこと。
めでたしめでたし。
と言う様な情報を僕はベリウス兄上から聞かされた。
そう、これこそがビッグサプラーイズ!
何と!何と!兄上があのベリウス兄上がアンジェリーナさんに告白しました。
それも何と告白したのはアノ日だと言うから驚きである。
ファンファンファーーン
ーーー回想ーーー
(これは当時現場に居た人達へ僕の熱心な取材により得た証言を元に僕が再構成した回想録である。ではどうぞ!)
時はちょうど僕がリリスを連れて転移した直後。
ドグラム侯爵とエドワード、そして兵達を連行するために父上は王城に使いを出していた。
王城と学園は遠くは無いとは言えそれでも其なりに時間は掛かる。
この場に残るのは自分とサイス伯爵だけが居れば良いとベリウスやアンジェリーナ、そして何故か居るユリウスへと帰るようにと告げられた。
そしてここでベリウス兄上が動いた。
「父上、少しお時間を宜しいでしょうか」
「どうしたベリウス」
それには返事をせずにベリウスは歩き出した。
「お、おいベリウス?」
カツカツカタカツ、ピタリ!
「アンジェリーナ嬢」
「は、はいベリウス様」
「今、ここでこの様な事を言うのは相応しく無いのは分かっている」
「・・・?」
「しかし、言わずには居れないこの心を許して頂きたい」
「べ、ベリウス様?」
「私はずっとアナタが好きだった!」
「え?」
「勿論過去形では無い現在でも変わらず好きでいる」
「・・・」
「アナタの純粋さに直向きさ優しさ強さ、全てが私を引き付けた。
初めは感心だった、それが憧憬へと変わりいつしか私の心はアナタで一杯になっていた」
「ベリウス様」
「アナタには婚約者がいた。この思いは叶う筈の無い物、私はずっと心に鍵を掛けて来た」
「・・・ベリウス様」
「そして今日この顛末、私の心の鍵は壊れました。アナタが好きです。愛してます。この心を受け取って欲しい」
「あ、あの・・・」
「勿論今返事が欲しいとは言わない。ついさっきあの様な事があったばかり、心の整理もつかないであろう。
だから、いつか心の整理が出来、私の気持ちに向き合える時が来たら返事を聞かせて欲しい。時間は幾らでもある、アナタのスピードで焦らず納得の答えを出して下さい」
「ベリウス様」
「では、私はこれで」
アンジェリーナさんに頭は下げ、振り返った兄上はサイス伯爵、そして父上にも頭を下げて会場を後にした。
父上もサイス伯爵もビックリ呆然としていたらしく、その中アンジェリーナの静かに抑えた泣き声だけが会場に響いていたらしい。
(ユリウス兄上談)
それから3日後、朝の学園の門の前に立っていたアンジェリーナさんはベリウス兄上が登校してくると頭を深く下げたらしい。
「この様な私で良ければ末永く宜しくお願いします」
ーーー回想終わりーーー
ファンファンファンファーーン
感動した!流石兄上、僕が認めた男!
ちなみに二人が付き合う事になった日に兄上はアンジェリーナさんを家に連れて来た。
父上に挨拶をするためだ。
そこでアンジェリーナさんと僕が鉢合わせ!
僕ビックリ、アンジェリーナさん仰天!
ちょっとした騒ぎになったのは良い思い出です。更に違う日にはアンジェリーナさんとリリスが再会、お互いギコチ無かったがその内仲良くもなれる・・・かな?だといいな!
こうして騒動は一応の決着を迎え彼ら彼女らに平穏な日々が戻った。
しかし、それは次なる戦いまでの僅かばかりの休息に過ぎない事をまだ彼らは知らない。
真の悪の魔の手は直ぐそこまで伸びているのである。
まだまだアルの戦いは続くのだ。
行けアル!戦え冒険者アル!
「ベリウス様、アル君が何か叫びながら握り拳を振り上げていますが、何をなさっているのですか?」
「気にする事は無い。アンジェリーナ、あれがいつものアルなのだから」
「はい、愉快な弟さんですね」
「ハハハ!全くだ」
ーーー???ーーー
とある屋敷、その門の前で二人の影があった。
「公爵様に会わせてくれ」
「くれ?ですか、アナタはまだご自分の立場が分かっておられない」
「な、なんだと!執事の分際で!!」
「ふっ、執事の分際でですか、私も見くびられたものです。平民風情に侮られるとは」
「く、誰の、誰のせいだ!」
「自業自得なのでは?」
「ふ、ふざけるな!!全ては公爵様の為にしてきた事だろ!」
「さぁ、知りませんな、アナタが勝手にした事でしょう。旦那様におかれましては関知せぬ事です」
「な、くそ!この俺までトカゲのシッポって訳か!
いいだろう、そっちがその気ならこっちにも考えがある。共に地獄に引き摺り込んでやる!地獄の底で後悔することだ」
肩を怒らせながら屋敷を後にする男を見送る執事は右手を顔の横に挙げる。
「始末しなさい」
「奴だけで?」
「旦那様との繋がりを抹消です」
「心得ました」
闇から現れた影は再び闇に融けていった。
「旦那様」
「どうした」
「ガナールが現れたました」
「ふん、で?」
「繋がりを消します」
「相変わらず流石だな」
「恐れ知ります」
「それにしても手持ちの侯爵を失ったのは痛いな」
「はい」
「計画を練り直さねばならんか」
まずはドグラム侯爵だが、何とあの男は国の金にまで手を出していたらしい。
金額が増える程に騒ぎが広がり自分を怪しむ声も聞こえ出した。
焦ったドグラム侯爵は急遽例の暴挙に出たのだった。じっくり考え綿密に計画を立てればもっと上手いやり方もあった筈なのに、焦ったばかりにこの始末だったのだ。
それにしても何故其ほどまでにお金が必要だったのか?
まだまだ謎は残りこれからも捜査は続行されるらしい。
兎に角、流石に国のお金に手を出したのはマズかったらしい。
国の資産とは王家の資産とも言える、それに手を出すのは王家に対する略奪行為とされ、領地没収、爵位剥奪とされた。
つまり平民落ちって奴だ!仲間だね、今度会ったら同じ平民としてからかってやろう!
まぁ悪者の話はこれくらいで良しとしましょう。
次にリリスこと梨々香だが、
結論から言おう!無罪放免である!
ドグラム侯爵に協力したと言ってもアンジェリーナを虐める事のみであった事、それも人質を取られた上での仕方の無い事情も有り、しかも被害者であるアンジェリーナ自信がリリスの事を許すとの宣言があり無罪放免となった。
そして現在リリスと妹のメリル(6才)は僕の家に居る。下働きとして。
あの日から3日間はリリスも拘束されていた。
まぁ、形式的な物であり待遇も其ほど悪くは無かったらしい。
そして僕は父上に頼み込んだ、リリスが解放されれば連れてきて欲しいと。
父上は快く引き受けてくれて、約束通り連れて来てくれた。
家に来たリリスはびっくりしていた。
「えーーーーー!お兄ちゃんって公爵様の子供だっの?!」
目玉が飛び出るかと思った。
伯爵令嬢の従者だと思ってたのに公爵家の息子だったのだから仕方無いかな。
「そんな、加護が無いなんて・・・、それにだからって平民って・・・お兄ちゃん可哀想」
うんうん、エエ娘やエエ娘や、グスン
「えー!お兄ちゃん冒険者してるの?!うわー、ラノベやってるねー」
おう、やってるぜー!
こうしてリリスのサプライズタイムは一旦休憩となり、引き続き父上が驚く番となる。
「ところでさっきから君はアルの事をお兄ちゃんって呼んでいるがどういう事なんだ?」
フフフ、さぁ驚いて貰いましょう父上!
僕は前世の記憶の事を正直に話した。
「なんと、そんな事があるのか?!」
父上のビックリ顔、頂きました!
「そうか、いや、逆にその方がアルの大人びた言動は納得出来るかもしれない」
おお、納得されてしまいました。
「ふ、そう言えばアル、お前はリリアナの名前の由来を覚えているか?」
「え?由来?すみません覚えてません」
「まぁ当時は2才だ、仕方あるまい」
「父上?それが何か?」
「いや、実はな、リリアナが産まれた時、お前は赤ん坊に向かってリリ、リリって声を掛けてたんだ。それでリリを貰ってリリアナとした訳だ。
きっとリリス・・・いや梨々香さんの事を思い出してたのだな」
「お兄ちゃん・・・グスン」
「そうか!アルのシスコンぶりは梨々香さんのせいなのかもしれないな!若くして死んでしまった前世のアルは妹への思いを蓄積させてリリアナに爆発させてしまったと言う訳だ」
「お兄ちゃん!!プンプン」
「何と!衝撃の真実」
「フハハハハハハ」
父上はリリスに我が家に来ないかと声を掛けてくれた。
リリスはただお世話になるのは気が引けると下働きとして働かせて欲しいと願い出て父上はそれを承諾した。
勿論リリスの妹も引き取る事に。
元ドグラム領は一旦はエイブル公爵預りとなり、次の正式な領主が決まるまでは父上が面倒を見る事となった。
エチェリア男爵は解任され新たな貴族を街の責任者とした。
ほかにも色々と手を着けて行くらしい。
そうそう、リリスは僕が彼女の事を梨々香って呼ぶのは止めて欲しいと言った。
お兄ちゃんショックです。
自分は梨々香としての人生は全うした。
今はリリスとして生きているので自分の事はリリスと呼んで欲しいと言う事。
流石おばあちゃんっす。
そして最後にお嬢様ことアンジェリーナさん。
これだ、どうしてこうなった!
今回最大のビッグサプライズでした。
まずはその後の経過から、あそこは伯爵家として何か変わった訳ではない。
言ってみれば危機が去ったという所だろうか。
そうそう、アンジェリーナさんはミーファさんの家まで赴き丁寧に謝罪をしたらしい。
初めは戸惑って居たミーファさんも謝罪を受け入れ二人の仲は修復に向かっているらしく、それに伴いミーファさんの体調も快方に向かっているとのこと。
めでたしめでたし。
と言う様な情報を僕はベリウス兄上から聞かされた。
そう、これこそがビッグサプラーイズ!
何と!何と!兄上があのベリウス兄上がアンジェリーナさんに告白しました。
それも何と告白したのはアノ日だと言うから驚きである。
ファンファンファーーン
ーーー回想ーーー
(これは当時現場に居た人達へ僕の熱心な取材により得た証言を元に僕が再構成した回想録である。ではどうぞ!)
時はちょうど僕がリリスを連れて転移した直後。
ドグラム侯爵とエドワード、そして兵達を連行するために父上は王城に使いを出していた。
王城と学園は遠くは無いとは言えそれでも其なりに時間は掛かる。
この場に残るのは自分とサイス伯爵だけが居れば良いとベリウスやアンジェリーナ、そして何故か居るユリウスへと帰るようにと告げられた。
そしてここでベリウス兄上が動いた。
「父上、少しお時間を宜しいでしょうか」
「どうしたベリウス」
それには返事をせずにベリウスは歩き出した。
「お、おいベリウス?」
カツカツカタカツ、ピタリ!
「アンジェリーナ嬢」
「は、はいベリウス様」
「今、ここでこの様な事を言うのは相応しく無いのは分かっている」
「・・・?」
「しかし、言わずには居れないこの心を許して頂きたい」
「べ、ベリウス様?」
「私はずっとアナタが好きだった!」
「え?」
「勿論過去形では無い現在でも変わらず好きでいる」
「・・・」
「アナタの純粋さに直向きさ優しさ強さ、全てが私を引き付けた。
初めは感心だった、それが憧憬へと変わりいつしか私の心はアナタで一杯になっていた」
「ベリウス様」
「アナタには婚約者がいた。この思いは叶う筈の無い物、私はずっと心に鍵を掛けて来た」
「・・・ベリウス様」
「そして今日この顛末、私の心の鍵は壊れました。アナタが好きです。愛してます。この心を受け取って欲しい」
「あ、あの・・・」
「勿論今返事が欲しいとは言わない。ついさっきあの様な事があったばかり、心の整理もつかないであろう。
だから、いつか心の整理が出来、私の気持ちに向き合える時が来たら返事を聞かせて欲しい。時間は幾らでもある、アナタのスピードで焦らず納得の答えを出して下さい」
「ベリウス様」
「では、私はこれで」
アンジェリーナさんに頭は下げ、振り返った兄上はサイス伯爵、そして父上にも頭を下げて会場を後にした。
父上もサイス伯爵もビックリ呆然としていたらしく、その中アンジェリーナの静かに抑えた泣き声だけが会場に響いていたらしい。
(ユリウス兄上談)
それから3日後、朝の学園の門の前に立っていたアンジェリーナさんはベリウス兄上が登校してくると頭を深く下げたらしい。
「この様な私で良ければ末永く宜しくお願いします」
ーーー回想終わりーーー
ファンファンファンファーーン
感動した!流石兄上、僕が認めた男!
ちなみに二人が付き合う事になった日に兄上はアンジェリーナさんを家に連れて来た。
父上に挨拶をするためだ。
そこでアンジェリーナさんと僕が鉢合わせ!
僕ビックリ、アンジェリーナさん仰天!
ちょっとした騒ぎになったのは良い思い出です。更に違う日にはアンジェリーナさんとリリスが再会、お互いギコチ無かったがその内仲良くもなれる・・・かな?だといいな!
こうして騒動は一応の決着を迎え彼ら彼女らに平穏な日々が戻った。
しかし、それは次なる戦いまでの僅かばかりの休息に過ぎない事をまだ彼らは知らない。
真の悪の魔の手は直ぐそこまで伸びているのである。
まだまだアルの戦いは続くのだ。
行けアル!戦え冒険者アル!
「ベリウス様、アル君が何か叫びながら握り拳を振り上げていますが、何をなさっているのですか?」
「気にする事は無い。アンジェリーナ、あれがいつものアルなのだから」
「はい、愉快な弟さんですね」
「ハハハ!全くだ」
ーーー???ーーー
とある屋敷、その門の前で二人の影があった。
「公爵様に会わせてくれ」
「くれ?ですか、アナタはまだご自分の立場が分かっておられない」
「な、なんだと!執事の分際で!!」
「ふっ、執事の分際でですか、私も見くびられたものです。平民風情に侮られるとは」
「く、誰の、誰のせいだ!」
「自業自得なのでは?」
「ふ、ふざけるな!!全ては公爵様の為にしてきた事だろ!」
「さぁ、知りませんな、アナタが勝手にした事でしょう。旦那様におかれましては関知せぬ事です」
「な、くそ!この俺までトカゲのシッポって訳か!
いいだろう、そっちがその気ならこっちにも考えがある。共に地獄に引き摺り込んでやる!地獄の底で後悔することだ」
肩を怒らせながら屋敷を後にする男を見送る執事は右手を顔の横に挙げる。
「始末しなさい」
「奴だけで?」
「旦那様との繋がりを抹消です」
「心得ました」
闇から現れた影は再び闇に融けていった。
「旦那様」
「どうした」
「ガナールが現れたました」
「ふん、で?」
「繋がりを消します」
「相変わらず流石だな」
「恐れ知ります」
「それにしても手持ちの侯爵を失ったのは痛いな」
「はい」
「計画を練り直さねばならんか」
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