悪役令息攻略ルート !? ~ループ後の好感度が変です~

Shizukuru

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4.学園生活・春

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 ランニングを続けているので、逃げ足も早くなっていると思う。駆け足で建物から出ると、すぐにメイナードを見つけることができた。

終わる頃を見計らって、迎えに来てと頼んでいたけれど、彼のことだから近くにいたのだと思う。

「ジェラルド様?」
「メイーーー」

駆け寄り、思わず抱きついた。

「ど、どうしましたか?」
「学園の奥のガゼボに行こう!ひと目につかなそうなところへ」
「召喚が上手くいったんですね?」
「うん!」
「やはりランチボックスを、持って来て正解でした」

 メイナードのベルトの所には、マジックバックがついている。
バックの中が、いわゆる四次元ポケットの小型版で、かなりの物が入れられる仕様だ。

中の空間サイズにより、価格が違うらしい。
まったくと言っていいほど、ねだったことがないジェラルドが、身につけられるマジックバックを欲しいとヴィオレット侯爵に頭を下げた。

 学園に入るにあたって、非常用の荷物を入れて置きたかったからだ。
出世払いできるかもわからない。
頼るように言われて、やっと欲しい物があると言葉にできた。

 断られたら、どうしようかと思った時、抱きしめられた。
ヴィオレット侯爵が、嬉しそうな顔をしているのを見て、ほっとした。

 何をしても、殿下の周りから否定されてきたから、わがままだと言われたらと不安だった。

「ルドに似合うものにするから待ってて」
「父上。魔導具店にあるもので、大丈夫です」
「だめだ。ルドは、いつも遠慮ばかりだった。喜ばせたいんだ」
満面の笑みで言われたら、頷くしかない。

「わ、わかりました。楽しみに待ってます」

 ヴィオレット侯爵が、ジェラルドのためにプレゼントとすると言って、特注にしてしまったために、まだ手元に届いてない。

もうすぐ届くかな。
非常事態に備えおかないと、身を守る手段はいくらでも欲しい。


 メイナードは、マジックバックの中に、ランチボックスを入れて来てくれたのだ。

本当に気が利く。
クラスに戻らなくてもいいし、誰かにカフェテリアに誘われても断れる。

「さすが、メイ」
「行きましょうか?」

 クラスのある建物からは、離れた場所だ。しかも木陰になるので、人目は避けられる。
ただ、春先ということもあり、影になっているので少し寒い。

当然のように、小さめのブランケットを背中にかけてくれる。

「ありがとう」
「まだ、寒いですからね」
そう言って、暖かい飲み物までマグカップで渡される。

「本当に、何でも用意してるんだね」
「ジェリが、喜びそうなものは一通り」
「そ、そう?」

 二人だけの時は、言葉を崩してもらっても全然良かった。むしろ、そうして欲しかった。

だけど、愛称呼びの破壊力がすごい。

「ジェリ?」
「あ、うん。ちょっと……恥ずかしいだけ」

クツクツと面白がっているみたいに、笑う。いちいち格好いいのが悪い。

「笑いすぎ……」
「ごめん」
そう言って、隣にメイナードが腰かけた。

「それで、卵は……割れたりしなかったんですね?」
「キレイなサファイアブルーなんだ。宝石みたい」
卵ケースから、取り出そうとしてやめる。

「ここで、だすと寒いもんね。落としても怖いから……寮に戻ってから見せるね」
「楽しみにしてます」

 ふと、背中側から抱きしめられたことを伝える。

「人なのか、わからないんだけと……とても優しくて懐かしい気がして」
「なにか……なにか言ってましたか?」

「歌ってって。魔法陣が青く輝いて……銀の粒子がキラキラして。キレイだった 」
「ジョーカーズ先生とは、話ましたか?」

「殿下が近くにきたから、慌てて出てきたんだ。だから話せてないよ」
「なら……放課後……秘密の部屋に行きましょう」

「僕もいろいろ聞きたいから。一緒にいてくれる?」
「離れませんよ」

 早く教室に戻って、殿下たちに話しかけられても困る。
二人でランチを食べて、授業に遅れない程度に時間を潰して、教室に戻ることにした。




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