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37. 凶暴少女カルル登場 - 3
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本当に放って置いて大丈夫だろうかと心配していると、この天幕の主であるコーラルさんと息子のヤルさんが帰って来た。コーラルさんは、元気にトーラさんと手を繋いでいるトルムくんを見て破顔した。
「おお、坊主元気になったか! どうだ、イル姉ちゃんの魔法はすごいだろう。」
トルムくんはキョトンとしている。無理もない、意識が無かったから私に治療されたなんて分からないよね。代わりにトーラさんがコーラルさんに礼を述べる。
「コーラルさん、本当にお世話になりました。イル様を紹介して頂かなければ、トルムがどうなっていたか。」
「いや、俺は何もしていないさ。治療したのはイルちゃんだ。礼ならイルちゃんに言ってくれ。」
「ええ、イル様には本当に感謝しております。」
またトーラさんのお礼攻撃にあうかと身構えた時、コーラルさんが思い出した様に私に言った。
「そうだ、イルちゃん、すぐに自分の天幕に帰った方がいい。今まで長老と話をしていたんだ。急だが、明日にはこの居住地から移動することになった。ヤランにも知らせが行っていると思う。移動となれば支度があるだろうからな。早く帰った方が良い。」
なんと、いくら草を追って移動を繰り返す遊牧民とはいえ、こんなに急に移動が決まることなんてない。いったい何が起ったんだんだろう。
「何か悪いことが起ったんですか?」
「なんだ、まだ聞いていないのか。何でもトワール王国で又内戦が起っているらしい。そんでもって、今度こそ難民がこちらに来ているんだとよ。実はこの人達も難民なんだ。まあ、この人達は馬に乗っていたからここまで来れたんだ。ここは街道から少し離れているから、徒歩の難民にはここまで来るのは難しいとは思うが、念のために、早めに次の放牧地に移動しようということになったのさ。無用なトラブルは避けたいからな。」
なんと難民が草原に出てきているのか、でも何故だ?
「でも、何で内戦が起ったんですか? 新しい王様が即位して間が無いですよね。」
と私が尋ねると。アトル先生が答えた。
「それについては僕から説明するよ。でも歩きながらで良いかな? やっぱりカルルが心配なのでイルちゃんを送って行くついでに探して来る。もし明日の移動までに帰って来なかったら大変なことになるからね。」
と言う訳で、私はコーラルさんやトーラさん達に挨拶をして、アトル先生と天幕の外に出た。外に出てからカルルの居る場所を探査魔法でこっそり探ってみる。居住地に居ない! 探査魔法の範囲を広げると草原の中をかなりの速度で移動しているのが感知できた。この速度からして馬に乗っているんじゃないだろうか。カルルは西に向かっている。この広い大草原を横断するつもりなのか? そんなこと十分な準備も無しに出来っこない。遭難するのが関の山だ。
アトル先生にカルルの居場所と馬に乗っている事を伝えると、顔色が変わる。
「あいつは昔から無茶をするやつなんだ。悪い、僕はこれからカルルを追いかけるよ。」
と言って馬を入れてある囲いの方に走って行く。コーラルさんに貰った自分の馬で追いかけるつもりなんだろう。
アトル先生の後を追いかけるか迷ったが、今は一旦自分の天幕に帰ることにした。母さんが心配しているだろうからね。アトル先生は念話を送れば答えてくれるだろうから後でも状況は分かるだろう。助力が必要なら惜しむつもりは無い。先生には読み書きやこの世界に関する知識を教えてもらった恩があるからね。
自分の天幕に戻ると、ヤラン兄さんも戻っていた。母さんは私の顔を見るとホッとした様に話しかけてくる。
「お帰りイル。あの女の子の弟さんは大丈夫だった?」
「うん、治療出来たよ。後1日遅かったら危なかった。」
「まあ、それは良いことをしたわね。流石はイルだわ。でもあの子達は何者なのかしら?」
「それが、私も詳しく聞く暇がなくて...」
と言うと、ヤラン兄さんが私の代わりに答えてくれた。
「あの子達はトワール王国から来た難民らしい。南の小国家群に通じる街道に沿って来たのだけど、男の子が病気になったので、一番近くにある俺達の居住地に助けを求めてやって来たらしいよ。ただ、これは偶々なのだが、一緒に来たその子の母親がアトルの元乳母だったらしく。俺達の居住地にアトルが居るのに気付いて感動の再開となった訳だ。母親はアトルを自分の息子の様に可愛がっていたそうだからな。イルに剣を突き付けたっていう女の子は、たぶんアトルの乳兄妹だな。」
なるほど、そういうことか。カルルは小さい時、アトル先生と一緒に育った乳兄妹だったわけだ。でもあの様子だと、完全にアトル先生に恋をしてるよね。あの非常識な行動も恋の成せる技なんだろうか。応援はしたいが、あの子と結婚してアトル先生が幸せになれるかどうかは疑問だ。あの性格には相当振り回されるだろうな。
「コーラルさんから、トワール王国で内戦が起きたって聞いたけど、原因は何?」
と私はヤラン兄さんに聞いた。
「それがな、どうやら王様が急死したらしい。そしたら軍隊も貴族たちも王妃派と宰相派に別れて争い始めたんだと。一気に国中に内戦が広まって、沢山の人が焼け出されて難民となったらしい。トワール王国の王都も焼野原になってしまったらしいよ。」
何てことを! トワール王国では王様が亡くなると争いが起きる様に成っているのかと考えてしまう。何とか成らないのかと考えて、ラトスさんに思い当った。前回の内戦で難民が出なかったのは、王の参謀の職にあったラトスさんが軍隊が参戦しない様に押えてくれたからとアトル先生が言っていた。でも今回はラトスさんはトワール王国の参謀の職にない。引退したんだ。ラトスさんがいればこんなことには成っていなかったかもしれない。でもラトスさんの所為じゃ無いよ。誰か特定の人が居ないと維持できない国なんて、国その物の有り様が間違っているのだと思う。
ラトスさんは今どうしているだろう。きっと、故郷が大変なことになって悲しんでいるだろうな...。参謀の職を辞さなければ良かったと後悔しているかもしれない...。無性に慰めてあげたくなる。
それから私は荷造りをする母さん、兄さんを手伝った。何せ、急に明日居住地を移動することになったから時間が無いのだ。家財道具一式をラクダルや荷車に積みやすいように纏めなければならない。荷物が少ないのが救いだ。明日は朝から天幕の解体をすることになるだろう。大きな天幕なので父さんが亡くなった今、母さんと兄さんだけでは大変な作業になる。ラナさんが居てくれてよかった。そんなことを考えていると、天幕の外から、
「今日は。」
と声が掛かった。この声はカルル?
そうだ、荷造りにかまけてすっかり忘れていた。カルルが居住地の外に出て、アトル先生が追いかけて行ったんだった! 後ろめたい思いを抱きながら、恐る恐る天幕から顔を出す。念のために防護結界は張ってある。いきなり切り掛かられたら嫌だからね。
天幕の外にはカルルとアトル先生が並んで立っていた。良かった、カルルを連れ戻すことが出来たんだ。草原の中で迷子になったら命に係わるからね。
「先程は、大変失礼なことを言って申し訳ありませんでした。」
とカルルが神妙な声で言う。何? カルルに何が起った?
「イルちゃん、僕からも謝るよ。どうかカルルを許してやってくれ。悪い奴じゃ無いんだ。ただ人の話を聞かないのと思い込みが激しいだけで...。」
で始まるアトル先生の話を纏めると、アトル先生と再開して喜んだのも束の間、アトル先生が獣人の姿に変わっていることに驚いたカルルは、私に姿を変えてもらったというアトル先生の言葉を誤解して、私の呪いで姿を変えられたと思い込み、私に元に戻せと突っかかって来たらしい。まったく人騒がせな人である。まあ、誤解が解けた様なので許してあげることにする。
「分かりました。誤解も解けた様なので今までのことは水に流します。」
「誠に申し訳ありませんでした。寛大なお心に感謝いたします。」
とカルルが彼女に似合わない神妙な言葉を紡いでくる。本当にこれが彼女の本心??? と思っていると、去り際にアトル先生には聞こえない様な小声で囁いた。
「でも、アトル様は絶対渡さないからね。それとこれとは話が別だから。負けないわよ!」
と言い放ってから、私の返事も聞かずに走り去って行った。ふふふっ、なんとなく安心した。カルルは変わっていない。相変わらず誤解をしたままだ。でも、あそこまで徹底していると、それでもいいかと思えるから不思議だ。後はアトル先生の幸運を祈るのみだ。アトル先生に幸あれ。
「おお、坊主元気になったか! どうだ、イル姉ちゃんの魔法はすごいだろう。」
トルムくんはキョトンとしている。無理もない、意識が無かったから私に治療されたなんて分からないよね。代わりにトーラさんがコーラルさんに礼を述べる。
「コーラルさん、本当にお世話になりました。イル様を紹介して頂かなければ、トルムがどうなっていたか。」
「いや、俺は何もしていないさ。治療したのはイルちゃんだ。礼ならイルちゃんに言ってくれ。」
「ええ、イル様には本当に感謝しております。」
またトーラさんのお礼攻撃にあうかと身構えた時、コーラルさんが思い出した様に私に言った。
「そうだ、イルちゃん、すぐに自分の天幕に帰った方がいい。今まで長老と話をしていたんだ。急だが、明日にはこの居住地から移動することになった。ヤランにも知らせが行っていると思う。移動となれば支度があるだろうからな。早く帰った方が良い。」
なんと、いくら草を追って移動を繰り返す遊牧民とはいえ、こんなに急に移動が決まることなんてない。いったい何が起ったんだんだろう。
「何か悪いことが起ったんですか?」
「なんだ、まだ聞いていないのか。何でもトワール王国で又内戦が起っているらしい。そんでもって、今度こそ難民がこちらに来ているんだとよ。実はこの人達も難民なんだ。まあ、この人達は馬に乗っていたからここまで来れたんだ。ここは街道から少し離れているから、徒歩の難民にはここまで来るのは難しいとは思うが、念のために、早めに次の放牧地に移動しようということになったのさ。無用なトラブルは避けたいからな。」
なんと難民が草原に出てきているのか、でも何故だ?
「でも、何で内戦が起ったんですか? 新しい王様が即位して間が無いですよね。」
と私が尋ねると。アトル先生が答えた。
「それについては僕から説明するよ。でも歩きながらで良いかな? やっぱりカルルが心配なのでイルちゃんを送って行くついでに探して来る。もし明日の移動までに帰って来なかったら大変なことになるからね。」
と言う訳で、私はコーラルさんやトーラさん達に挨拶をして、アトル先生と天幕の外に出た。外に出てからカルルの居る場所を探査魔法でこっそり探ってみる。居住地に居ない! 探査魔法の範囲を広げると草原の中をかなりの速度で移動しているのが感知できた。この速度からして馬に乗っているんじゃないだろうか。カルルは西に向かっている。この広い大草原を横断するつもりなのか? そんなこと十分な準備も無しに出来っこない。遭難するのが関の山だ。
アトル先生にカルルの居場所と馬に乗っている事を伝えると、顔色が変わる。
「あいつは昔から無茶をするやつなんだ。悪い、僕はこれからカルルを追いかけるよ。」
と言って馬を入れてある囲いの方に走って行く。コーラルさんに貰った自分の馬で追いかけるつもりなんだろう。
アトル先生の後を追いかけるか迷ったが、今は一旦自分の天幕に帰ることにした。母さんが心配しているだろうからね。アトル先生は念話を送れば答えてくれるだろうから後でも状況は分かるだろう。助力が必要なら惜しむつもりは無い。先生には読み書きやこの世界に関する知識を教えてもらった恩があるからね。
自分の天幕に戻ると、ヤラン兄さんも戻っていた。母さんは私の顔を見るとホッとした様に話しかけてくる。
「お帰りイル。あの女の子の弟さんは大丈夫だった?」
「うん、治療出来たよ。後1日遅かったら危なかった。」
「まあ、それは良いことをしたわね。流石はイルだわ。でもあの子達は何者なのかしら?」
「それが、私も詳しく聞く暇がなくて...」
と言うと、ヤラン兄さんが私の代わりに答えてくれた。
「あの子達はトワール王国から来た難民らしい。南の小国家群に通じる街道に沿って来たのだけど、男の子が病気になったので、一番近くにある俺達の居住地に助けを求めてやって来たらしいよ。ただ、これは偶々なのだが、一緒に来たその子の母親がアトルの元乳母だったらしく。俺達の居住地にアトルが居るのに気付いて感動の再開となった訳だ。母親はアトルを自分の息子の様に可愛がっていたそうだからな。イルに剣を突き付けたっていう女の子は、たぶんアトルの乳兄妹だな。」
なるほど、そういうことか。カルルは小さい時、アトル先生と一緒に育った乳兄妹だったわけだ。でもあの様子だと、完全にアトル先生に恋をしてるよね。あの非常識な行動も恋の成せる技なんだろうか。応援はしたいが、あの子と結婚してアトル先生が幸せになれるかどうかは疑問だ。あの性格には相当振り回されるだろうな。
「コーラルさんから、トワール王国で内戦が起きたって聞いたけど、原因は何?」
と私はヤラン兄さんに聞いた。
「それがな、どうやら王様が急死したらしい。そしたら軍隊も貴族たちも王妃派と宰相派に別れて争い始めたんだと。一気に国中に内戦が広まって、沢山の人が焼け出されて難民となったらしい。トワール王国の王都も焼野原になってしまったらしいよ。」
何てことを! トワール王国では王様が亡くなると争いが起きる様に成っているのかと考えてしまう。何とか成らないのかと考えて、ラトスさんに思い当った。前回の内戦で難民が出なかったのは、王の参謀の職にあったラトスさんが軍隊が参戦しない様に押えてくれたからとアトル先生が言っていた。でも今回はラトスさんはトワール王国の参謀の職にない。引退したんだ。ラトスさんがいればこんなことには成っていなかったかもしれない。でもラトスさんの所為じゃ無いよ。誰か特定の人が居ないと維持できない国なんて、国その物の有り様が間違っているのだと思う。
ラトスさんは今どうしているだろう。きっと、故郷が大変なことになって悲しんでいるだろうな...。参謀の職を辞さなければ良かったと後悔しているかもしれない...。無性に慰めてあげたくなる。
それから私は荷造りをする母さん、兄さんを手伝った。何せ、急に明日居住地を移動することになったから時間が無いのだ。家財道具一式をラクダルや荷車に積みやすいように纏めなければならない。荷物が少ないのが救いだ。明日は朝から天幕の解体をすることになるだろう。大きな天幕なので父さんが亡くなった今、母さんと兄さんだけでは大変な作業になる。ラナさんが居てくれてよかった。そんなことを考えていると、天幕の外から、
「今日は。」
と声が掛かった。この声はカルル?
そうだ、荷造りにかまけてすっかり忘れていた。カルルが居住地の外に出て、アトル先生が追いかけて行ったんだった! 後ろめたい思いを抱きながら、恐る恐る天幕から顔を出す。念のために防護結界は張ってある。いきなり切り掛かられたら嫌だからね。
天幕の外にはカルルとアトル先生が並んで立っていた。良かった、カルルを連れ戻すことが出来たんだ。草原の中で迷子になったら命に係わるからね。
「先程は、大変失礼なことを言って申し訳ありませんでした。」
とカルルが神妙な声で言う。何? カルルに何が起った?
「イルちゃん、僕からも謝るよ。どうかカルルを許してやってくれ。悪い奴じゃ無いんだ。ただ人の話を聞かないのと思い込みが激しいだけで...。」
で始まるアトル先生の話を纏めると、アトル先生と再開して喜んだのも束の間、アトル先生が獣人の姿に変わっていることに驚いたカルルは、私に姿を変えてもらったというアトル先生の言葉を誤解して、私の呪いで姿を変えられたと思い込み、私に元に戻せと突っかかって来たらしい。まったく人騒がせな人である。まあ、誤解が解けた様なので許してあげることにする。
「分かりました。誤解も解けた様なので今までのことは水に流します。」
「誠に申し訳ありませんでした。寛大なお心に感謝いたします。」
とカルルが彼女に似合わない神妙な言葉を紡いでくる。本当にこれが彼女の本心??? と思っていると、去り際にアトル先生には聞こえない様な小声で囁いた。
「でも、アトル様は絶対渡さないからね。それとこれとは話が別だから。負けないわよ!」
と言い放ってから、私の返事も聞かずに走り去って行った。ふふふっ、なんとなく安心した。カルルは変わっていない。相変わらず誤解をしたままだ。でも、あそこまで徹底していると、それでもいいかと思えるから不思議だ。後はアトル先生の幸運を祈るのみだ。アトル先生に幸あれ。
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