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42. ラトスさんを探して - 1
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盗賊達と一緒に居た魔法使いであるが、名前はトルムス。トワール王国の軍隊から脱走してきたらしい。兄さん達を攻撃したのは、いきなり矢を射かけられたので身を守る為に止む無くということ。確かに盗賊と間違われて殺される可能性があったから情状酌量の余地はある。もっともそのためにランさんとトマさんは爆風で吹き飛ばされ、退却した兄さん達が盗賊に追われることになったわけだ。盗賊達がトルムスさんを捕まえて何をしようとしていたかは不明だが、魔法使いはどこの国でも欲しがっているから高く売れると思ったのではないかとの事。それと、ランさんとトマさんを治療に向かった私を攻撃したのは、瞬間移動の魔法を使ったのを見て、私を軍隊から脱走兵を殺すために差し向けられた殺し屋と思ったとのこと。誠に失礼な奴である。こんな可愛い殺し屋が居るわけがないじゃないか!
長老達の話し合いで、トルムスさんは釈放となった。無事檻から出ることが出来たトルムスさんは、怪我をさせたランさん、トマさんに謝った後。私にも謝罪に来た。謝罪を受け入れた私にトルムスさんが話しかける。私の所へ来たとき、トルムスさんはひげを剃っていた。ひげが無いと印象が変わるもので、中年かと思っていたが、こうして見ると20歳には行っていないだろう。結構ハンサムだ。アッシュグレーの髪で目の色もグレー。
「それで、言いたくなければ言わなくても良いんだが、イルちゃんは何者なんだ。俺のファイヤーボールを余裕で弾き飛ばしていただろう。それに魔力遮断結界を解除して見せてくれた魔力。一瞬でこれは敵わんと悟ったさ。こんな魔法使いが草原に居るとなると、思い当るのはひとりしか居ないんだが。」
ハハッ、ばれている。これはとぼけても無駄だろう。
「草原の魔導士です。でも秘密ですよ。」
「やはりそうか。分かった誰にも言わない。もっとも話したとしても信じないだろうがな。草原の魔導士がこんな小さな女の子だなんて。軍隊時代の仲間内では草原の魔導士は美女だという奴も、老婆に違いないという奴もいたが、小さな女の子と考える奴はひとりもいなかったよ。」
まあ、当然だな。数々の魔法を使いこなすのが魔導士だ。私は前世の記憶があるから特別だが、当然ながら魔法の習得には時間が掛かる。ある程度以上の年齢に達していると考えるのは自然だ。それを考慮すれば老婆と思われるのも納得できる。
それからは何事もなく一族の移動は進み、ついに次の居住地となる場所に到着した。到着したらすぐに天幕の設営である。やはり天幕があると安心する。トルムスさんはしばらく長老の天幕に同居させてもらえることに成った。こんな草原の真ん中でひとりで旅に出たら、再度遭難するのが落ちだからね。今後どうするかは良く考えてから決めるそうだ。ラナさんと違って、トルムスさんは魔力遮断結界を完全に使いこなしているから、どこに行っても大丈夫だろうと思う。カマルさんはここまで私達と同行してきたが、次の目的地を目指して、助けてもらったお礼を言いながら去って行った。
新しい居住地に到着して数日経ち、気持ち的にも落ち着いてきた頃、アトル先生が天幕に私を訪ねてきた。相談があると言う。ちょうど母さんと兄さんも居たので一緒にアトル先生の話を聞くことになった。アトル先生の相談と言うのは「東の魔導士であるラトスさんと連絡が取れないか」と言うものだ。アトル先生が言うには、先日、偶々長老とトルムスさんが話しているのを立ち聞きしてしまい。私が草原の魔導士であると知ってしまったらしい。私が草原の魔導士なら、魔導士繋がりで東の魔導士であるラトスさんとも連絡が取れるのではないかと期待してやって来たとの事。長老とトルムスさんには秘密事項を話すときはもっと周りに注意するようにお願いしなければならないが、ここは、アトル先生の相談が、王妃と宰相を殺してくれという依頼じゃ無くて良かったとしよう。アトル先生は、ラトスさんならトワール王国の現状を解決する良い方法があるのではないかと期待している様だ。
実は私も、この数日ラトスさんと連絡を取ろうと何度も念話で話しかけていたのだが、応答が無いのだ。私の念話が届くのは100キロメートルまでが限度だから、おそらく遠くに居て念が届かないのだと思う。その事を母さん、兄さんに伝え。可能ならトワール王国にラトスさんを探しに行きたいと私の希望を言った。予想通り母さんが渋い顔をしたが、私なら日帰りで行って来れると言うと、兄さんが、それなら自分も一緒に行くと言う。まあ、ふたりくらいなら楽勝で瞬間移動できる。可能な旨を伝えると漸く母さんの許可も下りた。するとアトル先生が、是非自分も連れて行ってくれと言い出した。気持ちは分かる、トワール王国の現状を自分の目で確かめたいのだろう。アトル先生なら小さいから増えても大丈夫だ。その旨を伝えると、兄さんがコーラルさんの許可が出ればとの条件を付けた。結論として翌日の朝、兄さんと私で出発し、アトル先生はコーラルさんの許可が下りれば一緒に行くことになった。
長老達の話し合いで、トルムスさんは釈放となった。無事檻から出ることが出来たトルムスさんは、怪我をさせたランさん、トマさんに謝った後。私にも謝罪に来た。謝罪を受け入れた私にトルムスさんが話しかける。私の所へ来たとき、トルムスさんはひげを剃っていた。ひげが無いと印象が変わるもので、中年かと思っていたが、こうして見ると20歳には行っていないだろう。結構ハンサムだ。アッシュグレーの髪で目の色もグレー。
「それで、言いたくなければ言わなくても良いんだが、イルちゃんは何者なんだ。俺のファイヤーボールを余裕で弾き飛ばしていただろう。それに魔力遮断結界を解除して見せてくれた魔力。一瞬でこれは敵わんと悟ったさ。こんな魔法使いが草原に居るとなると、思い当るのはひとりしか居ないんだが。」
ハハッ、ばれている。これはとぼけても無駄だろう。
「草原の魔導士です。でも秘密ですよ。」
「やはりそうか。分かった誰にも言わない。もっとも話したとしても信じないだろうがな。草原の魔導士がこんな小さな女の子だなんて。軍隊時代の仲間内では草原の魔導士は美女だという奴も、老婆に違いないという奴もいたが、小さな女の子と考える奴はひとりもいなかったよ。」
まあ、当然だな。数々の魔法を使いこなすのが魔導士だ。私は前世の記憶があるから特別だが、当然ながら魔法の習得には時間が掛かる。ある程度以上の年齢に達していると考えるのは自然だ。それを考慮すれば老婆と思われるのも納得できる。
それからは何事もなく一族の移動は進み、ついに次の居住地となる場所に到着した。到着したらすぐに天幕の設営である。やはり天幕があると安心する。トルムスさんはしばらく長老の天幕に同居させてもらえることに成った。こんな草原の真ん中でひとりで旅に出たら、再度遭難するのが落ちだからね。今後どうするかは良く考えてから決めるそうだ。ラナさんと違って、トルムスさんは魔力遮断結界を完全に使いこなしているから、どこに行っても大丈夫だろうと思う。カマルさんはここまで私達と同行してきたが、次の目的地を目指して、助けてもらったお礼を言いながら去って行った。
新しい居住地に到着して数日経ち、気持ち的にも落ち着いてきた頃、アトル先生が天幕に私を訪ねてきた。相談があると言う。ちょうど母さんと兄さんも居たので一緒にアトル先生の話を聞くことになった。アトル先生の相談と言うのは「東の魔導士であるラトスさんと連絡が取れないか」と言うものだ。アトル先生が言うには、先日、偶々長老とトルムスさんが話しているのを立ち聞きしてしまい。私が草原の魔導士であると知ってしまったらしい。私が草原の魔導士なら、魔導士繋がりで東の魔導士であるラトスさんとも連絡が取れるのではないかと期待してやって来たとの事。長老とトルムスさんには秘密事項を話すときはもっと周りに注意するようにお願いしなければならないが、ここは、アトル先生の相談が、王妃と宰相を殺してくれという依頼じゃ無くて良かったとしよう。アトル先生は、ラトスさんならトワール王国の現状を解決する良い方法があるのではないかと期待している様だ。
実は私も、この数日ラトスさんと連絡を取ろうと何度も念話で話しかけていたのだが、応答が無いのだ。私の念話が届くのは100キロメートルまでが限度だから、おそらく遠くに居て念が届かないのだと思う。その事を母さん、兄さんに伝え。可能ならトワール王国にラトスさんを探しに行きたいと私の希望を言った。予想通り母さんが渋い顔をしたが、私なら日帰りで行って来れると言うと、兄さんが、それなら自分も一緒に行くと言う。まあ、ふたりくらいなら楽勝で瞬間移動できる。可能な旨を伝えると漸く母さんの許可も下りた。するとアトル先生が、是非自分も連れて行ってくれと言い出した。気持ちは分かる、トワール王国の現状を自分の目で確かめたいのだろう。アトル先生なら小さいから増えても大丈夫だ。その旨を伝えると、兄さんがコーラルさんの許可が出ればとの条件を付けた。結論として翌日の朝、兄さんと私で出発し、アトル先生はコーラルさんの許可が下りれば一緒に行くことになった。
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