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69. 引き受けちゃった
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<< ああ、恐ろしいよ。ここは自然災害防止の魔道具が働いているから大したことは起きていないと思うけど。神の加護のない世界では、氷河期と言って世界全体が氷漬けになったり、地殻変動で大陸があっと言う間に海に沈んだり、雨が降らなくて作物が全滅したり、逆に雨が降り過ぎて洪水になったりということが広範囲で頻繁に起きている。戦争なんかよりよっぼと恐ろしいと思うよ。>>
良く分からないが、コルティ様がそう言うなら恐ろしいものなんだろう。私達は神様に助けてもらっていたんだな。その役目を私が引き継ぐと、コルティ様は別の世界を助けに行けるということか...。それは分かったけれど、心配ごとはもうひとつある。
<< あの、きっと神様って長生きなんですよね。ドスモさんが神になるには少なくとも1000年分の経験が欲しいといっていましたから。私はアマルと結婚して一緒に歳を取りたいんです。>>
<< そうか、結婚相手と一緒に歳を取りたいか...。そうだね、確かに神なら人の身体でも不老不死になれる。でも、成れるけれど、成らないといけない訳じゃない。歳を取って死ぬのも自由だよ。ただし、注意して欲しいのは、魂は身体が死んでも滅びないこと。これは人の魂も同じだけど、人の場合は死んだら魂は記憶を無くしてどこかの世界で生まれ変わる。アマルの魂もそうなるだろう。でも、イルちゃんの魂は違う。神になるかどうかにも関係なく、イルちゃんくらい成長した魂は記憶を無くさない、そして多分、人ではなくどこかの星に生まれ変わる、生まれたての若い星にね。人の身体はそこまで成長した魂の器として合わないんだよ。通常魂は生まれ変わるタイミングで成長し、神レベルまで達した魂は星に魂が入る。僕達はその人たちを神と呼んでいるんだ。星を身体とし、自分の星の上で人々を育て守っていくのが神の本来の姿ってわけさ。
でもイルちゃんの場合は申し訳ないけど、次に生まれ変わったら、イルちゃんの魂にその星からこの世界に戻ってもらうことになると思う。この世界もひとつの星なんだ。この世界がイルちゃんの身体になるわけ。実は僕も本当の身体は天体でね。僕の場合は銀河の一部が僕の身体なわけ、今のこの姿はアバターっていう魔法で作った分身みたいなものなのさ。それでも良いかな? >>
ということは星の身体になっても、人の姿にもなれるってことかな?
<< 大丈夫、なれるよ。>>
また、思考を読まれてしまった。それにしても生まれ変わったら星になるのか、星って夜空に輝いているあれだよね。何かロマンチックかも。
<< 分かりました。私はそれで良いです。でも...>>
<< 分かってるさ。アマルがどう思うかだよね。結婚するなら隠して置く訳にいかないだろうからね。それではアマルにもここに来てもらおう。残念ながら来てもらうのは魂だけだけどね。それと僕の伝え方が悪かったんだけど、先ほど僕が星といったのは夜空に輝いている星じゃないんだ。僕が星と言ったのは、惑星といって恒星の周りを回っている天体なんだけど、説明が長くなるのでこの話は後にさせてもらうよ。先にアマルに来てもらおう。>>
コルティ様がそう言うと、私の目の前の空中にポンッという感じで、透明な球体が現れた、直径30センチメートルくらいのまん丸で綺麗な球体だ。これがアマルの魂?
<< おお、綺麗な魂だね。まったく濁りがない。>>
とコルティ様が言う。アマルを褒められると私まで嬉しくなる。でもアマルからは何の反応もない。あっ、アマルは念話が使えないから、こちらからリンクを繋がないと話せないはずだ。それにきっと、いきなりこんな所に連れて来られて混乱しているだろう。私はあわててアマルの魂に念を飛ばす。
<< アマル、大丈夫だからね。今は魂だけになっているんだって、でも後で神様が元に戻してくれるって言ってたから安心して。>>
と呼びかけるとアマルの思考が流れ込んできた。
<< イル! 何? どうなってるの? 僕の身体はどうなっちゃったの? 僕死んじゃったのかな...>>
やっぱりかなり混乱している。それにしても自分が死んだと思うなんて、さっきの私と一緒だ。
<< アマル、僕はコルティと言う。突然この様な場所に呼び出してしまい申し訳ない。>>
とコルティ様が話かけるが、アマルの混乱した思考は相変わらずだ。
<< アマル、大丈夫だから。私を信じて、お願い。>>
アマルの魂をそっと抱きしめて、そう囁くと少し落ち着いてくれた様だ。
<< アマル、この人は偉い神様なの。それでね、私に私達の世界の神様になって欲しいんだって。引き受けても良い? 私が神様になったら別の世界が助かるんだって。 それでね...私が神様になっても結婚してくれる? >>
<< えっ、イルが神様になるの? すごいじゃないか僕も鼻が高いよ。でも神様になったらどこに住むの、めったに会えなくなったらいやだなあ。>>
<< それは大丈夫なんだって。今までどおり皆と一緒に暮らせるって。>>
<< なんだそうなんだ。良かった。結婚したら僕も一緒に遠くに行かないといけないかと思ったよ。イルと会えないのは嫌だけど、皆と会えないのも嫌だからね。>>
<< それなら、良いの? >>
<< もちろんだよ。立派な神様になってね。>>
<< おやまあ、素敵な婚約者だね。さすがに魂が綺麗なだけのことはある。>>
とコルティ様が言ってくれる。
<< 後はご家族だね。今魂を呼び出すよ。>>
<< いえ、大丈夫です。家族は許してくれると思いますから。>>
と私は言った。大丈夫、母さんに兄さんにラナさん。私の自慢の家族だ、きっと私が神様になるのを許してくれる。だって今までどおり一緒に住めるんだもの。
<< それなら、良いのかな? >>
<< はい、私、神様になります。>>
<< ありがとうね! 他の神達もきっと喜ぶよ。>>
とコルティ様はとても嬉しそうに微笑んだ。
<< それでは、これは僕からのプレゼント。>>
コルティ様が私に手をかざすと、途端に頭の中にものすごい量の知識が入って来た。この世界のこと、宇宙のこと、神様の社会のこと、私の知らない魔法の数々、自然災害を防止するための魔道具のこと、そして超越者と呼ばれる神様達の敵のこと。本当に色々な知識だ。その情報量に翻弄されながら、その中に私の知っている人達の情報が含まれていることに気づいた。
<< コルティ様、ララさんとラトスさんをご存知なんですか? >>
<< ええっと、ララにラトスね。確かこの星に自然災害防止の魔道具を設置に来たリリ様が、力を与えてこの世界を守ってくれるようにお願いした人たちだったっけ。そういえば、僕はリリ様からこの星を引き継いだんだけど、そのふたりのことはすっかり忘れていたよ...。これはまずいことをしたな...。この世界を守ってくれたんならちゃんとお礼をすべきだったんだけど、さっきも言った様に沢山の世界を巡らないといけないから余裕がなくてね。確か500年ほど前のことだから、もうふたりとも亡くなっているだろうな。リリ様からは申し送りを受けたから、忘れていたのは僕の責任だな。>>
<< ふたりとも元気ですよ。もっとも神様がいつまで経っても戻ってこないから怒っているかもしれません。>>
<< まさか!? いくらリリ様から力をもらったとは言え、そこまで老化防止の魔法を使いこなせるなんて! そのふたりはすごい才能があったんだな...。助かったよ、まだ間に合いそうだ。危うく間違いを犯すところだった。>>
<< 神様も間違いを犯すんですか? >>
<< もちろん。神といえど全能ではないよ。だから、イルちゃんも神になっても、神だから間違ってはいけないなんて考えないでね。神も過ちを犯す。その時は間違ったら間違ったと認めれば良いんだ。神の中には、自分の作った世界が失敗作だと言って、一旦世界を滅ぼしてしまう者もいる。僕は賛成しないけど、神にはそれだけの裁量が認められていると思ってくれていいよ。>>
なんと、神様も間違いを犯すのか。私なんかきっと間違ってばかりじゃないかな...。なんか自信が無くなってきた。
<< イルちゃん、僕は急いでラトスさんとララさんに謝りに行ってくるよ。ちなみに、たぶん僕がイルちゃんの上司になるからね。イルちゃんとは何時でも念話で連絡が取れる様にしておくから、分からないことや、助力が必要なことがあったら、遠慮なく言ってね。>>
コルティ様がそういった途端、私は目が覚めた。周りを見ると自分の天幕だった。あれは夢? と一瞬考えたが、私の頭の中にはコルティ様から頂いた膨大な知識が詰まっている。夢じゃない...。アマルも自分の天幕に帰ったのだろう。実感はまるでないけれど、私はこの世界、いやこの惑星の神様になった様だ。明日はさっそく自然災害を防止する魔道具の設置されている場所に行ってみよう。大陸の南の沖にある暗黒島の神殿跡の地下にあるらしい。神様の一番重要な役目らしいからね。
良く分からないが、コルティ様がそう言うなら恐ろしいものなんだろう。私達は神様に助けてもらっていたんだな。その役目を私が引き継ぐと、コルティ様は別の世界を助けに行けるということか...。それは分かったけれど、心配ごとはもうひとつある。
<< あの、きっと神様って長生きなんですよね。ドスモさんが神になるには少なくとも1000年分の経験が欲しいといっていましたから。私はアマルと結婚して一緒に歳を取りたいんです。>>
<< そうか、結婚相手と一緒に歳を取りたいか...。そうだね、確かに神なら人の身体でも不老不死になれる。でも、成れるけれど、成らないといけない訳じゃない。歳を取って死ぬのも自由だよ。ただし、注意して欲しいのは、魂は身体が死んでも滅びないこと。これは人の魂も同じだけど、人の場合は死んだら魂は記憶を無くしてどこかの世界で生まれ変わる。アマルの魂もそうなるだろう。でも、イルちゃんの魂は違う。神になるかどうかにも関係なく、イルちゃんくらい成長した魂は記憶を無くさない、そして多分、人ではなくどこかの星に生まれ変わる、生まれたての若い星にね。人の身体はそこまで成長した魂の器として合わないんだよ。通常魂は生まれ変わるタイミングで成長し、神レベルまで達した魂は星に魂が入る。僕達はその人たちを神と呼んでいるんだ。星を身体とし、自分の星の上で人々を育て守っていくのが神の本来の姿ってわけさ。
でもイルちゃんの場合は申し訳ないけど、次に生まれ変わったら、イルちゃんの魂にその星からこの世界に戻ってもらうことになると思う。この世界もひとつの星なんだ。この世界がイルちゃんの身体になるわけ。実は僕も本当の身体は天体でね。僕の場合は銀河の一部が僕の身体なわけ、今のこの姿はアバターっていう魔法で作った分身みたいなものなのさ。それでも良いかな? >>
ということは星の身体になっても、人の姿にもなれるってことかな?
<< 大丈夫、なれるよ。>>
また、思考を読まれてしまった。それにしても生まれ変わったら星になるのか、星って夜空に輝いているあれだよね。何かロマンチックかも。
<< 分かりました。私はそれで良いです。でも...>>
<< 分かってるさ。アマルがどう思うかだよね。結婚するなら隠して置く訳にいかないだろうからね。それではアマルにもここに来てもらおう。残念ながら来てもらうのは魂だけだけどね。それと僕の伝え方が悪かったんだけど、先ほど僕が星といったのは夜空に輝いている星じゃないんだ。僕が星と言ったのは、惑星といって恒星の周りを回っている天体なんだけど、説明が長くなるのでこの話は後にさせてもらうよ。先にアマルに来てもらおう。>>
コルティ様がそう言うと、私の目の前の空中にポンッという感じで、透明な球体が現れた、直径30センチメートルくらいのまん丸で綺麗な球体だ。これがアマルの魂?
<< おお、綺麗な魂だね。まったく濁りがない。>>
とコルティ様が言う。アマルを褒められると私まで嬉しくなる。でもアマルからは何の反応もない。あっ、アマルは念話が使えないから、こちらからリンクを繋がないと話せないはずだ。それにきっと、いきなりこんな所に連れて来られて混乱しているだろう。私はあわててアマルの魂に念を飛ばす。
<< アマル、大丈夫だからね。今は魂だけになっているんだって、でも後で神様が元に戻してくれるって言ってたから安心して。>>
と呼びかけるとアマルの思考が流れ込んできた。
<< イル! 何? どうなってるの? 僕の身体はどうなっちゃったの? 僕死んじゃったのかな...>>
やっぱりかなり混乱している。それにしても自分が死んだと思うなんて、さっきの私と一緒だ。
<< アマル、僕はコルティと言う。突然この様な場所に呼び出してしまい申し訳ない。>>
とコルティ様が話かけるが、アマルの混乱した思考は相変わらずだ。
<< アマル、大丈夫だから。私を信じて、お願い。>>
アマルの魂をそっと抱きしめて、そう囁くと少し落ち着いてくれた様だ。
<< アマル、この人は偉い神様なの。それでね、私に私達の世界の神様になって欲しいんだって。引き受けても良い? 私が神様になったら別の世界が助かるんだって。 それでね...私が神様になっても結婚してくれる? >>
<< えっ、イルが神様になるの? すごいじゃないか僕も鼻が高いよ。でも神様になったらどこに住むの、めったに会えなくなったらいやだなあ。>>
<< それは大丈夫なんだって。今までどおり皆と一緒に暮らせるって。>>
<< なんだそうなんだ。良かった。結婚したら僕も一緒に遠くに行かないといけないかと思ったよ。イルと会えないのは嫌だけど、皆と会えないのも嫌だからね。>>
<< それなら、良いの? >>
<< もちろんだよ。立派な神様になってね。>>
<< おやまあ、素敵な婚約者だね。さすがに魂が綺麗なだけのことはある。>>
とコルティ様が言ってくれる。
<< 後はご家族だね。今魂を呼び出すよ。>>
<< いえ、大丈夫です。家族は許してくれると思いますから。>>
と私は言った。大丈夫、母さんに兄さんにラナさん。私の自慢の家族だ、きっと私が神様になるのを許してくれる。だって今までどおり一緒に住めるんだもの。
<< それなら、良いのかな? >>
<< はい、私、神様になります。>>
<< ありがとうね! 他の神達もきっと喜ぶよ。>>
とコルティ様はとても嬉しそうに微笑んだ。
<< それでは、これは僕からのプレゼント。>>
コルティ様が私に手をかざすと、途端に頭の中にものすごい量の知識が入って来た。この世界のこと、宇宙のこと、神様の社会のこと、私の知らない魔法の数々、自然災害を防止するための魔道具のこと、そして超越者と呼ばれる神様達の敵のこと。本当に色々な知識だ。その情報量に翻弄されながら、その中に私の知っている人達の情報が含まれていることに気づいた。
<< コルティ様、ララさんとラトスさんをご存知なんですか? >>
<< ええっと、ララにラトスね。確かこの星に自然災害防止の魔道具を設置に来たリリ様が、力を与えてこの世界を守ってくれるようにお願いした人たちだったっけ。そういえば、僕はリリ様からこの星を引き継いだんだけど、そのふたりのことはすっかり忘れていたよ...。これはまずいことをしたな...。この世界を守ってくれたんならちゃんとお礼をすべきだったんだけど、さっきも言った様に沢山の世界を巡らないといけないから余裕がなくてね。確か500年ほど前のことだから、もうふたりとも亡くなっているだろうな。リリ様からは申し送りを受けたから、忘れていたのは僕の責任だな。>>
<< ふたりとも元気ですよ。もっとも神様がいつまで経っても戻ってこないから怒っているかもしれません。>>
<< まさか!? いくらリリ様から力をもらったとは言え、そこまで老化防止の魔法を使いこなせるなんて! そのふたりはすごい才能があったんだな...。助かったよ、まだ間に合いそうだ。危うく間違いを犯すところだった。>>
<< 神様も間違いを犯すんですか? >>
<< もちろん。神といえど全能ではないよ。だから、イルちゃんも神になっても、神だから間違ってはいけないなんて考えないでね。神も過ちを犯す。その時は間違ったら間違ったと認めれば良いんだ。神の中には、自分の作った世界が失敗作だと言って、一旦世界を滅ぼしてしまう者もいる。僕は賛成しないけど、神にはそれだけの裁量が認められていると思ってくれていいよ。>>
なんと、神様も間違いを犯すのか。私なんかきっと間違ってばかりじゃないかな...。なんか自信が無くなってきた。
<< イルちゃん、僕は急いでラトスさんとララさんに謝りに行ってくるよ。ちなみに、たぶん僕がイルちゃんの上司になるからね。イルちゃんとは何時でも念話で連絡が取れる様にしておくから、分からないことや、助力が必要なことがあったら、遠慮なく言ってね。>>
コルティ様がそういった途端、私は目が覚めた。周りを見ると自分の天幕だった。あれは夢? と一瞬考えたが、私の頭の中にはコルティ様から頂いた膨大な知識が詰まっている。夢じゃない...。アマルも自分の天幕に帰ったのだろう。実感はまるでないけれど、私はこの世界、いやこの惑星の神様になった様だ。明日はさっそく自然災害を防止する魔道具の設置されている場所に行ってみよう。大陸の南の沖にある暗黒島の神殿跡の地下にあるらしい。神様の一番重要な役目らしいからね。
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