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57:初めての騎士団
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ふふふふ。
と、僕は笑みをこぼしてしまった。
だって。
今日は騎士団に見学に行く日なんだ。
「ぼっちゃま、
ご機嫌でいらっしゃいますね」
僕の上着を手にしたアンナが言う。
「うん。
だって、初めての王宮だもの」
騎士団は、王宮の中にある。
兄の話では、王宮というのは
ものすごく広くて、
その敷地内に、王族が住む場所や
文官たちが仕事をする場所、
それに騎士団が訓練したり
仕事をする場所があるらしい。
もちろん、王宮には
ダンスパーティーをするような
大きな広間がいくつもあって、
僕がデビュタントをするときは
王宮の広間で、
王様に挨拶をするんだと
兄から聞いている。
すごいよね。
王様と言葉を交わすんだって。
今からドキドキだけど、
それはまだ先の話だ。
今は、ガイと兄が
働いている姿を見ることに
ドキドキわくわくなんだ。
「アンナ、兄様って
剣を持って訓練するのかな?」
僕は兄が帯剣するところを
見たことがない。
「あんな優しい兄様が
剣を持つところなんて
想像できないけど、
きっと剣を持ってる姿は
ものすごくカッコイイと思うんだ」
僕がそういうと、
アンナはなぜか、1拍置いて
「そうでございますね」という。
一瞬、まるでそんなこと、
思いもしなかった、
みたいな表情をアンナはした。
いつも感情を表さないアンナに
しては、ほんとに珍しい。
もしかしてアンナは、
兄のことを怖い人って
思ってるのかな?
でもアンナは僕が
兄の膝の上で優しく
甘やかされているのを
見ているから、
そんな誤解はしないと思うんだけど。
アンナに「兄様って怖い?」って
聞こうかと僕は思ったけれど。
ケインが馬車の準備ができたと
呼びに来たので、
僕の意識はすぐにそっちに移った。
僕は今日まで学院を
休んでいたのでティーナや
サイラス、ライリーにも
しばらくの間、会っていない。
本当は一緒に騎士団に
行きたかったんだけど、
僕の体調に合わせて見学をする、
って兄が言うから、
僕はみんなを誘うのを諦めた。
だって僕のせいで、
見学の途中で
帰らないとダメに
なるかもしれないし。
その代わり、
騎士団の一般公開日には
みんなで一緒に
行けたらいいな、って思う。
僕はお留守番のアンナに
上着を着せてもらい、
ケインの手を借りて
馬車に乗った。
ここから王宮までは
近いらしい。
今はまだ午前中だ。
僕は見学するなら
絶対に午前中が良いって
兄に訴えたんだ。
なぜかというと、
午前中はたいてい
騎士たちが集まり、
全体訓練をしているって
ガイから聞いたから。
午後からは騎士たちは
それぞれが所属する部に
分かれて仕事に取り掛かるらしい。
僕は知らなかったんだけど、
騎士は国の治安を守るための
会議をしたり、
街と街とをつなぐ
街道を守ったり。
それこそ、城下町を
警備、警らすることもある。
馬を使うので、
馬の世話をする部署や
軍部で使う備品を扱う部署とか。
とにかく騎士は毎日、
毎時間、訓練しているばかりじゃないらしい。
全体訓練と言っても、
すべての騎士が集まってるわけでは
ないらしいんだけど。
それでも訓練している
騎士たちの姿を見たいなら
午前中が良いだろうと、
ガイとの話で決まったんだ。
本当は僕は騎士が
訓練をしているところを
見たいわけではなくて。
ガイや兄が
訓練しているところを
見てみたいんだけど。
だって絶対に
カッコイイと思う。
僕がわくわくしていると、
馬車はあっという間に
騎士団に着いた。
馬車を降りると、
ガイが待っていてくれている。
「ガイ!」
って僕が馬車から飛び降りると、
ガイが難なく僕を受け止めた。
「体調はどうだ?
顔色は良さそうだ」
会うなり言われて、
僕は苦笑してしまう。
「大丈夫だよ。
だってこの日のために
学院にも行けなくて
ベットの上だったんだもの」
僕が頬を膨らませると
ガイは、悪かった、と
僕をおろして、髪をなでる。
「見たい場所はあるか?」
とガイは言うけれど、
僕が見たいのはガイと
兄が訓練しているところだ。
なのにガイがここにいたら
訓練しているところが
見れないじゃないか。
でもせっかく僕のために
案内をしてくれようと
しているのに、
そんなことを言うわけにもいかない。
僕が迷っていると、
ケインが後ろから
助け舟をだしてくれた。
「エレミアス様は
ガイディス殿が剣を持ち、
訓練しているところを
見たいと申されていました。
恰好良いお姿を
目に焼き付けたいのだとか」
「ケイン!」
目に焼き付けたい、まで
僕は言ってないよ!
ただ、カッコいいだろうな、って
見てみたいな、って言っただけなのに。
僕は恥ずかしくなって、
ガイの胸に顔を押し付ける。
それから、ちらり、と
目だけでガイを見上げると、
ガイは真っ赤になって
僕を見下ろしていた。
「お、俺は恰好良いか?」
「うん。普段もカッコイイけど
剣で訓練しているところは
もっとカッコイイかな、って」
僕が視線を、ガイの顔と
足元を行き来させながら
言ういうと
「そうか。
俺は恰好良いか」
とガイは嬉しそうな声を出す。
「では、俺の恰好良いところを
エレに見せなければならないな」
その言葉に僕は喜んだ。
「ガイが剣を持ってるところ、
見ることができる?」
「あぁ、もちろんだ」
と、大きくガイが頷いてくれたけど。
「エレ、よく来た」
と兄の声がする。
「兄様!」
僕が来る時間を知らせていたからか
兄までも僕を出迎えてくれたらしい。
「さぁ、おいで」
と言われたので、
僕はガイから離れて
兄の腕の中に飛び込む。
「あいつの訓練する姿が
見たいのであれば、
この兄が案内してやろう」
「え? は? 」
ガイが小さく声を出す。
「構わない。
エレのために訓練に戻るがいい」
兄の言葉に、
ガイは敬礼をした。
「ケイン。
お前も久々の古巣だ。
ガイと共に訓練に
参加してもいいぞ。
エレにその剣の腕前を
見せてやればいい」
兄はそういい、僕の肩を
引き寄せると、
そのまま歩き出す。
いいのかな?
僕はガイに案内してもらう
つもりだったのに。
僕は兄に抱き寄せられるまま、
何度かガイを振り返ったけれど
ガイは残念そうな顔をしつつ
首を横に振った。
ガイは兄には逆らえないらしい。
まぁ、そうだよね。
って僕は思う。
だってガイは騎士で
兄は騎士団長なんだもの。
僕はガイに
「またあとでね」って
合図をして。
兄に連れられて、
騎士棟の階段を3階まで
一生懸命上ることになった。
正直、階段はしんどかったけど。
ここで疲れた顔を見せたら
兄に心配かけるだろうし、
屋敷に帰るように
言われたら嫌だから。
僕は笑顔で一生懸命足を動かした。
と、僕は笑みをこぼしてしまった。
だって。
今日は騎士団に見学に行く日なんだ。
「ぼっちゃま、
ご機嫌でいらっしゃいますね」
僕の上着を手にしたアンナが言う。
「うん。
だって、初めての王宮だもの」
騎士団は、王宮の中にある。
兄の話では、王宮というのは
ものすごく広くて、
その敷地内に、王族が住む場所や
文官たちが仕事をする場所、
それに騎士団が訓練したり
仕事をする場所があるらしい。
もちろん、王宮には
ダンスパーティーをするような
大きな広間がいくつもあって、
僕がデビュタントをするときは
王宮の広間で、
王様に挨拶をするんだと
兄から聞いている。
すごいよね。
王様と言葉を交わすんだって。
今からドキドキだけど、
それはまだ先の話だ。
今は、ガイと兄が
働いている姿を見ることに
ドキドキわくわくなんだ。
「アンナ、兄様って
剣を持って訓練するのかな?」
僕は兄が帯剣するところを
見たことがない。
「あんな優しい兄様が
剣を持つところなんて
想像できないけど、
きっと剣を持ってる姿は
ものすごくカッコイイと思うんだ」
僕がそういうと、
アンナはなぜか、1拍置いて
「そうでございますね」という。
一瞬、まるでそんなこと、
思いもしなかった、
みたいな表情をアンナはした。
いつも感情を表さないアンナに
しては、ほんとに珍しい。
もしかしてアンナは、
兄のことを怖い人って
思ってるのかな?
でもアンナは僕が
兄の膝の上で優しく
甘やかされているのを
見ているから、
そんな誤解はしないと思うんだけど。
アンナに「兄様って怖い?」って
聞こうかと僕は思ったけれど。
ケインが馬車の準備ができたと
呼びに来たので、
僕の意識はすぐにそっちに移った。
僕は今日まで学院を
休んでいたのでティーナや
サイラス、ライリーにも
しばらくの間、会っていない。
本当は一緒に騎士団に
行きたかったんだけど、
僕の体調に合わせて見学をする、
って兄が言うから、
僕はみんなを誘うのを諦めた。
だって僕のせいで、
見学の途中で
帰らないとダメに
なるかもしれないし。
その代わり、
騎士団の一般公開日には
みんなで一緒に
行けたらいいな、って思う。
僕はお留守番のアンナに
上着を着せてもらい、
ケインの手を借りて
馬車に乗った。
ここから王宮までは
近いらしい。
今はまだ午前中だ。
僕は見学するなら
絶対に午前中が良いって
兄に訴えたんだ。
なぜかというと、
午前中はたいてい
騎士たちが集まり、
全体訓練をしているって
ガイから聞いたから。
午後からは騎士たちは
それぞれが所属する部に
分かれて仕事に取り掛かるらしい。
僕は知らなかったんだけど、
騎士は国の治安を守るための
会議をしたり、
街と街とをつなぐ
街道を守ったり。
それこそ、城下町を
警備、警らすることもある。
馬を使うので、
馬の世話をする部署や
軍部で使う備品を扱う部署とか。
とにかく騎士は毎日、
毎時間、訓練しているばかりじゃないらしい。
全体訓練と言っても、
すべての騎士が集まってるわけでは
ないらしいんだけど。
それでも訓練している
騎士たちの姿を見たいなら
午前中が良いだろうと、
ガイとの話で決まったんだ。
本当は僕は騎士が
訓練をしているところを
見たいわけではなくて。
ガイや兄が
訓練しているところを
見てみたいんだけど。
だって絶対に
カッコイイと思う。
僕がわくわくしていると、
馬車はあっという間に
騎士団に着いた。
馬車を降りると、
ガイが待っていてくれている。
「ガイ!」
って僕が馬車から飛び降りると、
ガイが難なく僕を受け止めた。
「体調はどうだ?
顔色は良さそうだ」
会うなり言われて、
僕は苦笑してしまう。
「大丈夫だよ。
だってこの日のために
学院にも行けなくて
ベットの上だったんだもの」
僕が頬を膨らませると
ガイは、悪かった、と
僕をおろして、髪をなでる。
「見たい場所はあるか?」
とガイは言うけれど、
僕が見たいのはガイと
兄が訓練しているところだ。
なのにガイがここにいたら
訓練しているところが
見れないじゃないか。
でもせっかく僕のために
案内をしてくれようと
しているのに、
そんなことを言うわけにもいかない。
僕が迷っていると、
ケインが後ろから
助け舟をだしてくれた。
「エレミアス様は
ガイディス殿が剣を持ち、
訓練しているところを
見たいと申されていました。
恰好良いお姿を
目に焼き付けたいのだとか」
「ケイン!」
目に焼き付けたい、まで
僕は言ってないよ!
ただ、カッコいいだろうな、って
見てみたいな、って言っただけなのに。
僕は恥ずかしくなって、
ガイの胸に顔を押し付ける。
それから、ちらり、と
目だけでガイを見上げると、
ガイは真っ赤になって
僕を見下ろしていた。
「お、俺は恰好良いか?」
「うん。普段もカッコイイけど
剣で訓練しているところは
もっとカッコイイかな、って」
僕が視線を、ガイの顔と
足元を行き来させながら
言ういうと
「そうか。
俺は恰好良いか」
とガイは嬉しそうな声を出す。
「では、俺の恰好良いところを
エレに見せなければならないな」
その言葉に僕は喜んだ。
「ガイが剣を持ってるところ、
見ることができる?」
「あぁ、もちろんだ」
と、大きくガイが頷いてくれたけど。
「エレ、よく来た」
と兄の声がする。
「兄様!」
僕が来る時間を知らせていたからか
兄までも僕を出迎えてくれたらしい。
「さぁ、おいで」
と言われたので、
僕はガイから離れて
兄の腕の中に飛び込む。
「あいつの訓練する姿が
見たいのであれば、
この兄が案内してやろう」
「え? は? 」
ガイが小さく声を出す。
「構わない。
エレのために訓練に戻るがいい」
兄の言葉に、
ガイは敬礼をした。
「ケイン。
お前も久々の古巣だ。
ガイと共に訓練に
参加してもいいぞ。
エレにその剣の腕前を
見せてやればいい」
兄はそういい、僕の肩を
引き寄せると、
そのまま歩き出す。
いいのかな?
僕はガイに案内してもらう
つもりだったのに。
僕は兄に抱き寄せられるまま、
何度かガイを振り返ったけれど
ガイは残念そうな顔をしつつ
首を横に振った。
ガイは兄には逆らえないらしい。
まぁ、そうだよね。
って僕は思う。
だってガイは騎士で
兄は騎士団長なんだもの。
僕はガイに
「またあとでね」って
合図をして。
兄に連れられて、
騎士棟の階段を3階まで
一生懸命上ることになった。
正直、階段はしんどかったけど。
ここで疲れた顔を見せたら
兄に心配かけるだろうし、
屋敷に帰るように
言われたら嫌だから。
僕は笑顔で一生懸命足を動かした。
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