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56:わたくしのぼっちゃま・3
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はっきり申し上げます。
ブレイトン公爵家の次男、
ガイディス・ブレイトン様は、
私にとってはどうしても
警戒すべきお方でございます。
ぼっちゃま……エレミアス様は、
すっかりあの方に懐いておられ、
柔らかな笑顔を向けていらっしゃいます。
けれども、このアンナは
気づいております。
あの次男様は、
ぼっちゃまに近づきすぎておられる。
どうにも胸騒ぎがしてならないのです。
先日など、
ぼっちゃまの寝台の上で、
あの小さく愛らしいお身体を
ご自身の上に乗せ、
寝かしつけておられました。
この、ケダモノめ!と
思わず心の中で叫びました。
何をなさっているのかと
お尋ねいたしますと、
「親子カメ」などと
ふざけた返事をなさるのです。
私は怒りのあまり、
執事のセバスチャンさんを
大急ぎでお呼びいたしましたが、
あの次男様は気を許すと、
ひたすらぼっちゃまと
戯れてばかり。
正直に申し上げて、
気が気ではございません。
しかも、ぼっちゃまご自身が
あの方がお好きだと
おっしゃるのです。
私もこれまで、
何度も「あんにゃ、すき」と
言っていただきましたが、
次男様のお話をなさるときの
ぼっちゃまのお顔は、
見たこともないほど
可愛らしく、幸せそうで……。
あのお顔を拝してしまうと、
どのような思いが胸をよぎろうとも、
私はただ、
その幸せを否定することなど
できなくなってしまうのです。
それに、
ぼっちゃまの世界を広げ、
笑顔を増やされたのは、
確かに次男様の功績でもございます。
学院へも楽しげに通われ、
ご友人を作られ、
毎日を明るく過ごしておられる。
さすがにドレス姿で
お屋敷へ戻られたときは
驚きましたが……。
あのときのぼっちゃまの
美しさと神々しさには、
この方は本当は
女神様だったのかと、
思わず跪きたくなりました。
それは私一人ではなかったようで、
眠ってしまわれたぼっちゃまの
お着替えを同僚の侍女たちと
手分けして行った際、
誰もがドレスに
手をかけるのをためらい、
祈りを捧げてから
そっとボタンを外したほどでございます。
次男様がぼっちゃまの
伴侶となられることは、
正直に申せば、
胸がざわつきます。
ですが、
ぼっちゃまご自身が
それを望まれるのであれば、
このアンナは受け入れるのみ。
旦那様も、兄君様も――
ぼっちゃまを世俗から遠ざけ、
汚れた欲から守るよう、
使用人たちに厳命なさっておりました。
けれど、奥様は違います。
領地へ向かわれる前、
私は奥様にお呼び出しを受けました。
「仕方のない人なのよ。
初めて“家族”を得て、
嬉しくて仕方がないの」
そう微笑まれた奥様は、
恐ろしいと評される旦那様を
「可愛らしいのよ」と
おっしゃるのです。
そして。
「あの人がエレミアスのことで
暴走しないように。
私はあの人を領地に連れて行くわ。
エレミアスと離れるのは
寂しいけれど、
あなたがいるから大丈夫よね?」
わたくしは奥様の信頼に応えるべく
もちろんです、と返事をした。
奥様は満足そうに目もとを緩めて
わたくしを見たのでございます。
まるで秘密を打ち明けるように。
わたくしの覚悟を見極めるように。
「あの人は自分の息子が
可愛くて仕方がないのよ。
でも愛情をどう表現していいか
わからないの。
だから守って、閉じ込めて
エレミアスの成長を
止めようとしてしまう。
それは、フェルナンドも同じ。
フェルナンドは私の息子だけど義理だから
あまり強くは言えないの」
だからね、アンナ、と奥様は
わたくしを見つめて、
こうおっしゃられた。
「あの子が自分から
この優しい檻から
羽ばたこうとしたら、
手を貸してあげて欲しいの」
お願いよ、と奥様の唇が動きました。
わたくしに、奥様が「お願い」と
言われたのです。
命じるのではなく、
お願い、と。
「そしてね。
もしあの子が恋をしたら 応援してあげて。
あの人やフェルナンドは
そういうのを嫌がるだろうけど。
あの子は私の可愛い息子で
天使でも妖精でもない。
人として愛し愛される幸せを
手に入れて欲しいのよ」
奥様はそこまで言うと
「内緒よ」とおどけるように、
人差し指を口元に寄せたのでございます。
私はその密命を胸に、
ぼっちゃまを見守ってまいりました。
この屋敷には、
恋を学ぶ書物すらございません。
あまりにも清らかな環境で
育てられたお方です。
次男様との婚約話を
耳にしたとき、
私は次男様はぼっちゃまを
お守りするために
あてがわれた政治的な駒だと
理解しておりました。
そうでなければ、
あの兄君様が、ぼっちゃまの
婚約者を自ら連れてくる
わけがございません。
それがまさか、
その相手にぼっちゃまが
恋をなさるとは……。
兄君様も、さぞや
驚きいたことでございましょう。
わたくしも、口出しする
権利はございませんが、
ぼっちゃまに愛されるという
羨ましすぎる存在に、
口悔しさは隠せません。
ぼっちゃまは、
私が敬愛する、
唯一無二のお方なのですから。
ある日、ぼっちゃまが
「ガイは僕のこと、
ちゃんと好きでいてくれると思う?」
などと可愛らしく頬を染められたとき、
わたくしは不覚にも指先を震わせてしまいました。
完璧侍女を目指してきたこの私が、
お茶をこぼしてしまうほどに
動揺してしまったのでございます。
「僕、変なことを言った?」
と聞かれるので、
わたくしは慌てて首を横に振りました。
ぼっちゃまを好きにならない者など
いるはずがないのです。
ぼっちゃまは世界中から愛されるお方。
わたくしは膝をつき、
幼い頃のように
視線を合わせて申し上げました。
「ぼっちゃまはそのままで良いのです。
もしふさわしい、似合わないと
評価を得るのであれば、
その相手はぼっちゃまではなく
ガイディス・ブレイトンの方でございましょう」
そして、こう続けたのです。
「このアンナ、
ぼっちゃまのお側に
お仕えできることを
至上の喜びと存じております。
それは、
ガイディス・ブレイトンも同じでございましょう」と。
次男様など、
ぼっちゃまを守る盾となり
ちりとなればよい、
わたくしは、そう思っております。
ですが、ぼっちゃまが次男様を
お望みであるのなら、
わたくしは、ぼっちゃまのために
行動するだけなのでございます。
わたくしの幸せは、
ぼっちゃまの望みを
叶えることなのでございますから。
ですので、わたくしは、
わたくしができることを
ぼっちゃまにお伝えいたしました。
「もしあの男が無体なことを
するのであれば、このアンナが
盾になりお守り致します。
そして逆に、
もし ぼっちゃまがあの男と
夜の生活を望まれるのでしたら
このアンナが一肌脱ぎましょう」
本心でございます。
無垢なぼっちゃまに、
あの次男様がむたいなことを するのであれば。
そしてぼっちゃまが
それを拒むのであれば、
わたくしはこの身をさらしてでも、
ぼっちゃまをお守り致します。
もしぼっちゃまが
あの次男様を愛し、
夜を共にしたいというのであれば……
それは旦那様や兄君様の
意向から外れることになりましょう。
それをわたくしが
後押しするということが、
何を意味するのか
わからないわたくしではありません。
ぼっちゃまを溺愛し、
愛する者のために
どこまでも残酷になれる
お二人に逆らったら、
わたくしは……。
それでもかまわないのでございます。
両親が亡くなったとき、
わたくしは一度、人生を終えておりました。
今となっては証拠もございませんが、
わたくしは、両親の死に、
叔父が関係しているのではないかと
そう思っております。
その叔父が、私を押し込めようとした修道院です。
裏で人身売買がされているような
粗悪で最悪の場所だったとしても
おかしくはないでしょう。
なにせ叔父は子爵位を
欲しがっていましたし、
子爵位を継ぐには、
わたくしが邪魔でございました。
体よく私を排除するのに
修道院に入るという形を取り、
移動中に行方不明になる、
そんな筋書きだった可能性もあるでしょう。
私は一度、その筋書きを受け入れたのです。
両親を一度に失い、
傲慢な叔父夫婦の態度に、
あの頃のわたくしは、
生きる気力を失っておりました。
けれど、そんなわたくしを、
ぼっちゃまが救い上げ、
奥様が助けて下さったのです。
奥様は、旦那様や兄君様とは違い
ぼっちゃまが世俗社会で
生きていくことを望んでいらっしゃいます。
そのために奥様は
わたくしをぼっちゃまの専属侍女に
召し上げたのでしょう。
わたくしは恩義がある奥様のために。
そして、
わたくしの人生を捧げた
ぼっちゃまのために。
この命を尽くして、
ぼっちゃまの望む幸せを
お守りする所存でございます。
それが、
私が生きる意味でございますから。
「旦那様に手打ちにされても、
このアンナ、
ぼっちゃまの幸せのためであれば、
いつでも命を捨てる覚悟ができております」
わたくしが、そう申し上げると、
ぼっちゃまは、私を見つめて
優しい顔で笑ってくださった。
「ありがとう、アンナ。
頼りにしてる」
その言葉で、
わたくしは、今までの
すべてが報われた気がいたしました。
あまりの幸せに、
浮かんだ涙を隠すため、
私はそっと席を立ち、
「ぼっちゃま、
お茶菓子をお持ちいたしますね」
そう申し上げて、
急いで支度に向かったのでございます。
ブレイトン公爵家の次男、
ガイディス・ブレイトン様は、
私にとってはどうしても
警戒すべきお方でございます。
ぼっちゃま……エレミアス様は、
すっかりあの方に懐いておられ、
柔らかな笑顔を向けていらっしゃいます。
けれども、このアンナは
気づいております。
あの次男様は、
ぼっちゃまに近づきすぎておられる。
どうにも胸騒ぎがしてならないのです。
先日など、
ぼっちゃまの寝台の上で、
あの小さく愛らしいお身体を
ご自身の上に乗せ、
寝かしつけておられました。
この、ケダモノめ!と
思わず心の中で叫びました。
何をなさっているのかと
お尋ねいたしますと、
「親子カメ」などと
ふざけた返事をなさるのです。
私は怒りのあまり、
執事のセバスチャンさんを
大急ぎでお呼びいたしましたが、
あの次男様は気を許すと、
ひたすらぼっちゃまと
戯れてばかり。
正直に申し上げて、
気が気ではございません。
しかも、ぼっちゃまご自身が
あの方がお好きだと
おっしゃるのです。
私もこれまで、
何度も「あんにゃ、すき」と
言っていただきましたが、
次男様のお話をなさるときの
ぼっちゃまのお顔は、
見たこともないほど
可愛らしく、幸せそうで……。
あのお顔を拝してしまうと、
どのような思いが胸をよぎろうとも、
私はただ、
その幸せを否定することなど
できなくなってしまうのです。
それに、
ぼっちゃまの世界を広げ、
笑顔を増やされたのは、
確かに次男様の功績でもございます。
学院へも楽しげに通われ、
ご友人を作られ、
毎日を明るく過ごしておられる。
さすがにドレス姿で
お屋敷へ戻られたときは
驚きましたが……。
あのときのぼっちゃまの
美しさと神々しさには、
この方は本当は
女神様だったのかと、
思わず跪きたくなりました。
それは私一人ではなかったようで、
眠ってしまわれたぼっちゃまの
お着替えを同僚の侍女たちと
手分けして行った際、
誰もがドレスに
手をかけるのをためらい、
祈りを捧げてから
そっとボタンを外したほどでございます。
次男様がぼっちゃまの
伴侶となられることは、
正直に申せば、
胸がざわつきます。
ですが、
ぼっちゃまご自身が
それを望まれるのであれば、
このアンナは受け入れるのみ。
旦那様も、兄君様も――
ぼっちゃまを世俗から遠ざけ、
汚れた欲から守るよう、
使用人たちに厳命なさっておりました。
けれど、奥様は違います。
領地へ向かわれる前、
私は奥様にお呼び出しを受けました。
「仕方のない人なのよ。
初めて“家族”を得て、
嬉しくて仕方がないの」
そう微笑まれた奥様は、
恐ろしいと評される旦那様を
「可愛らしいのよ」と
おっしゃるのです。
そして。
「あの人がエレミアスのことで
暴走しないように。
私はあの人を領地に連れて行くわ。
エレミアスと離れるのは
寂しいけれど、
あなたがいるから大丈夫よね?」
わたくしは奥様の信頼に応えるべく
もちろんです、と返事をした。
奥様は満足そうに目もとを緩めて
わたくしを見たのでございます。
まるで秘密を打ち明けるように。
わたくしの覚悟を見極めるように。
「あの人は自分の息子が
可愛くて仕方がないのよ。
でも愛情をどう表現していいか
わからないの。
だから守って、閉じ込めて
エレミアスの成長を
止めようとしてしまう。
それは、フェルナンドも同じ。
フェルナンドは私の息子だけど義理だから
あまり強くは言えないの」
だからね、アンナ、と奥様は
わたくしを見つめて、
こうおっしゃられた。
「あの子が自分から
この優しい檻から
羽ばたこうとしたら、
手を貸してあげて欲しいの」
お願いよ、と奥様の唇が動きました。
わたくしに、奥様が「お願い」と
言われたのです。
命じるのではなく、
お願い、と。
「そしてね。
もしあの子が恋をしたら 応援してあげて。
あの人やフェルナンドは
そういうのを嫌がるだろうけど。
あの子は私の可愛い息子で
天使でも妖精でもない。
人として愛し愛される幸せを
手に入れて欲しいのよ」
奥様はそこまで言うと
「内緒よ」とおどけるように、
人差し指を口元に寄せたのでございます。
私はその密命を胸に、
ぼっちゃまを見守ってまいりました。
この屋敷には、
恋を学ぶ書物すらございません。
あまりにも清らかな環境で
育てられたお方です。
次男様との婚約話を
耳にしたとき、
私は次男様はぼっちゃまを
お守りするために
あてがわれた政治的な駒だと
理解しておりました。
そうでなければ、
あの兄君様が、ぼっちゃまの
婚約者を自ら連れてくる
わけがございません。
それがまさか、
その相手にぼっちゃまが
恋をなさるとは……。
兄君様も、さぞや
驚きいたことでございましょう。
わたくしも、口出しする
権利はございませんが、
ぼっちゃまに愛されるという
羨ましすぎる存在に、
口悔しさは隠せません。
ぼっちゃまは、
私が敬愛する、
唯一無二のお方なのですから。
ある日、ぼっちゃまが
「ガイは僕のこと、
ちゃんと好きでいてくれると思う?」
などと可愛らしく頬を染められたとき、
わたくしは不覚にも指先を震わせてしまいました。
完璧侍女を目指してきたこの私が、
お茶をこぼしてしまうほどに
動揺してしまったのでございます。
「僕、変なことを言った?」
と聞かれるので、
わたくしは慌てて首を横に振りました。
ぼっちゃまを好きにならない者など
いるはずがないのです。
ぼっちゃまは世界中から愛されるお方。
わたくしは膝をつき、
幼い頃のように
視線を合わせて申し上げました。
「ぼっちゃまはそのままで良いのです。
もしふさわしい、似合わないと
評価を得るのであれば、
その相手はぼっちゃまではなく
ガイディス・ブレイトンの方でございましょう」
そして、こう続けたのです。
「このアンナ、
ぼっちゃまのお側に
お仕えできることを
至上の喜びと存じております。
それは、
ガイディス・ブレイトンも同じでございましょう」と。
次男様など、
ぼっちゃまを守る盾となり
ちりとなればよい、
わたくしは、そう思っております。
ですが、ぼっちゃまが次男様を
お望みであるのなら、
わたくしは、ぼっちゃまのために
行動するだけなのでございます。
わたくしの幸せは、
ぼっちゃまの望みを
叶えることなのでございますから。
ですので、わたくしは、
わたくしができることを
ぼっちゃまにお伝えいたしました。
「もしあの男が無体なことを
するのであれば、このアンナが
盾になりお守り致します。
そして逆に、
もし ぼっちゃまがあの男と
夜の生活を望まれるのでしたら
このアンナが一肌脱ぎましょう」
本心でございます。
無垢なぼっちゃまに、
あの次男様がむたいなことを するのであれば。
そしてぼっちゃまが
それを拒むのであれば、
わたくしはこの身をさらしてでも、
ぼっちゃまをお守り致します。
もしぼっちゃまが
あの次男様を愛し、
夜を共にしたいというのであれば……
それは旦那様や兄君様の
意向から外れることになりましょう。
それをわたくしが
後押しするということが、
何を意味するのか
わからないわたくしではありません。
ぼっちゃまを溺愛し、
愛する者のために
どこまでも残酷になれる
お二人に逆らったら、
わたくしは……。
それでもかまわないのでございます。
両親が亡くなったとき、
わたくしは一度、人生を終えておりました。
今となっては証拠もございませんが、
わたくしは、両親の死に、
叔父が関係しているのではないかと
そう思っております。
その叔父が、私を押し込めようとした修道院です。
裏で人身売買がされているような
粗悪で最悪の場所だったとしても
おかしくはないでしょう。
なにせ叔父は子爵位を
欲しがっていましたし、
子爵位を継ぐには、
わたくしが邪魔でございました。
体よく私を排除するのに
修道院に入るという形を取り、
移動中に行方不明になる、
そんな筋書きだった可能性もあるでしょう。
私は一度、その筋書きを受け入れたのです。
両親を一度に失い、
傲慢な叔父夫婦の態度に、
あの頃のわたくしは、
生きる気力を失っておりました。
けれど、そんなわたくしを、
ぼっちゃまが救い上げ、
奥様が助けて下さったのです。
奥様は、旦那様や兄君様とは違い
ぼっちゃまが世俗社会で
生きていくことを望んでいらっしゃいます。
そのために奥様は
わたくしをぼっちゃまの専属侍女に
召し上げたのでしょう。
わたくしは恩義がある奥様のために。
そして、
わたくしの人生を捧げた
ぼっちゃまのために。
この命を尽くして、
ぼっちゃまの望む幸せを
お守りする所存でございます。
それが、
私が生きる意味でございますから。
「旦那様に手打ちにされても、
このアンナ、
ぼっちゃまの幸せのためであれば、
いつでも命を捨てる覚悟ができております」
わたくしが、そう申し上げると、
ぼっちゃまは、私を見つめて
優しい顔で笑ってくださった。
「ありがとう、アンナ。
頼りにしてる」
その言葉で、
わたくしは、今までの
すべてが報われた気がいたしました。
あまりの幸せに、
浮かんだ涙を隠すため、
私はそっと席を立ち、
「ぼっちゃま、
お茶菓子をお持ちいたしますね」
そう申し上げて、
急いで支度に向かったのでございます。
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これは、静かに生きたい少年と、選ばれたかった少年が出会った物語。
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