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19:侯爵家の天使
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今日僕は、ティーナの家に遊びに行く。
ちゃんとティーナの家から
僕宛てに招待状が来て、
僕は兄に「遊びに行きたい」とお願いをした。
兄は最初はしぶい顔をしていたけれど、
ティーナの家はガイの家と親戚だから、
帰りはガイがティーナの家まで
僕を迎えに行くことで了承を得ることができた。
その日ガイは仕事のはずだし、
大丈夫かと心配したけれど、
ガイは快く引き受けてくれた。
そんなわけで、今日はケインを連れて
ティーナの家に行くのだ。
お土産は兄が準備してくれて、
僕はアンナに言って、ティーナにあげた
赤いリボンと似たような色のリボンで
髪を飾ってもらった。
せっかくだからお揃いにしようと思ったのだ。
僕はお昼を過ぎてから
お土産を持って馬車に乗った。
ティーナの屋敷は思ったよりも近いみたいで、
僕が初めてのお呼ばれにドキドキしていたら
あっと言う間についてしまった。
馬車が停まり、ケインの手を借りて
馬車から下りると、ティーナだけでなく
ロチェスター家の当主夫妻や、
使用人たちまで並んで出迎えてくれた。
びっくりしたけれど、
歓迎してくれてるってわかって
僕は嬉しくなる。
僕はドキドキしながら
ご夫妻に挨拶をして、
ケインからロチェスター家の執事に
お土産を渡してもらう。
「これはこれは、ご丁寧に。
ささ、どうぞ、こちらへ」
そう言って僕はロチェスター伯爵に
応接室に案内されそうになったけれど
それをティーナが阻止してくれた。
「お父様、エレ様は
私と遊びに来られましたの。
大人の話は遠慮してほしいですわ」
「そうはいっても……
いや、エレ様?
エレミアス様を家に招待すると
言った時も驚いたが、
そんなに仲良くしてもらっているのか?」
「あの、僕がティーナに
仲良くしてもらってるんです」
大きな声を出すロチェスター伯爵に
僕はティーナが怒られるんじゃないかと
思って慌てて声を出した。
「ティーナ?
うちの娘とそんなに親しく?」
伯爵夫人まで目を丸くする。
僕は何か間違っただのだろうか。
「お父様、お母様、
変な勘繰りは止めてくださいませ。
私とエレ様は親友ですの」
親友!
ティーナもそう思ってくれてたんだ。
僕は思わずティーナの手を握った。
「嬉しい。
僕もティーナのこと
親友って思ってたんだ」
「もちろんですわ。
私とエレ様にしかわからない、
あのことをぜひ、共有致しましょう」
ティーナが僕の手を引く。
僕はそのまま伯爵夫妻に挨拶をして
ティーナに連れられるまま
部屋へと移動した。
ケインは護衛だけれど、
別の部屋で僕を待っていてくれるらしい。
僕はティーナに連れられるまま
階段を上って奥の部屋へと向かう。
僕はいつも階段で息切れしていたけれど、
最近は元気になってきた。
それにティーナは僕に合わせて
ゆっくり歩いてくれるから
全然大丈夫だ。
「ここが私の部屋ですの。
お友達を招いたのは初めてですわ」
そう言ってティーナが開けた
扉の中は、物凄く可愛い部屋だった。
ピンクのカーテンに、
フリルが沢山ついたテーブルクロス。
ベットの天蓋から下がっているレースも
うっすらとピンク色だった。
棚にはぬいぐるみが沢山ならんでいて、
僕が勧められるまま白いソファーに座ると、
ソファーの上にもぬいぐるみが置いてあった。
僕がソファーに座ると
すぐに侍女がお茶の準備をしてくれる。
それと同時に、別の侍女が
何やら大きな箱を持って来た。
「そこにおいてくれればいいわ」
ティーナが言うと、侍女はソファーの
近くに敷いてあったラグの上に箱を置く。
「さぁ、エレ様に見てもらいましょう」
僕が何が始まるのかと戸惑う暇もなく、
侍女は箱の中から小さな服を沢山取り出し、
ラグの上に並べた。
「あの子たちの服ですわ」
僕は、はっとしてポケットに入れていた
獅子の子を取り出した。
「そう、その子の服と、
あとこの子の服」
とティーナも獅子の子と同じ大きさの
猫のぬいぐるみを出した。
ティーナの合図で、侍女がテーブルに
1着づつ、服を運んでくる。
「エレ様、好きな服を言ってくださいな」
ティーナはそう言ってくれるけれど、
ここから見るだけでも
物凄く可愛い服ばかりで
選べそうにない。
「では順番に持って来させますわ」
その言葉通り、侍女が少しづつ
小さな服をテーブルに運んでくる。
僕とティーナはお茶を飲みながら
ぬいぐるみに色んな服を着せて遊んだ。
物凄く楽しい。
僕とティーナは好きなものが似てるんだと思う。
「ねぇ、ティーナ、聞いてもいい?」
「もちろんよ」
「ティーナの婚約者ってどんな人?」
ティーナの顔を覗き込むと、
ティーナは急に顔を真っ赤にして
ぷるぷる震えた。
「ど、どうしてですの?」
「ガイから、文官志望の人と
婚約してるって聞いたから」
「あぁ、ガイディス・ブレイトンですわね。
ほんと、余計なことを」
その言葉に棘を感じて僕は聞く。
「ティーナはガイが嫌い?」
僕が好きなものはティーナも
好きだと思ったんだけど。
「嫌い……ではないですわ。
エレ様の婚約者ですもの。
でも、そうですわね。
配慮が足らないところが
私は無理でしたわ」
配慮が足らない?
僕は首を傾げる。
「わかってますわ。
あの男、エレ様には優しくて
特別な存在なのでしょう?
私にとっては、配慮もできない
女子の天敵みたいな存在でしたけど」
「えーっと、ガイが何かしたの?」
そう聞くと、ティーナはぷい、と
横を向いた。
「もう昔のことですわ。
それより、婚約者がどうかしましたの?」
話しを戻され、僕はちょっとだけ躊躇った。
でも、今聞かないと、
誰も教えてくれないと思う。
「あの、あのね。
ティーナは婚約者のことが好き?」
「え!?」
ティーナの顔がますます赤くなる。
「僕ね、ガイのこと……好き?
なんだと思うけど。
婚約者ってよくわからなくて。
家族と友達と婚約者ってどう区別したらいいのかな」
僕は屋敷の中で生きて来たから
他人との距離感がよくわからない。
だから兄にしているみたいに
ガイにも同じようにするのだけれど
それをするとガイがいきなり
挙動不審になったり、
アンナやセバスチャンが
口を挟んできたりする。
きっと僕の行動がダメだったんだと
思うけれど。
でも何がダメなのか、
誰も教えてくれないんだ。
僕が一生懸命説明すると、
ティーナは「バーンズ侯爵家の天使というのは
本当にいたということですのね」
と呟いた。
ちゃんとティーナの家から
僕宛てに招待状が来て、
僕は兄に「遊びに行きたい」とお願いをした。
兄は最初はしぶい顔をしていたけれど、
ティーナの家はガイの家と親戚だから、
帰りはガイがティーナの家まで
僕を迎えに行くことで了承を得ることができた。
その日ガイは仕事のはずだし、
大丈夫かと心配したけれど、
ガイは快く引き受けてくれた。
そんなわけで、今日はケインを連れて
ティーナの家に行くのだ。
お土産は兄が準備してくれて、
僕はアンナに言って、ティーナにあげた
赤いリボンと似たような色のリボンで
髪を飾ってもらった。
せっかくだからお揃いにしようと思ったのだ。
僕はお昼を過ぎてから
お土産を持って馬車に乗った。
ティーナの屋敷は思ったよりも近いみたいで、
僕が初めてのお呼ばれにドキドキしていたら
あっと言う間についてしまった。
馬車が停まり、ケインの手を借りて
馬車から下りると、ティーナだけでなく
ロチェスター家の当主夫妻や、
使用人たちまで並んで出迎えてくれた。
びっくりしたけれど、
歓迎してくれてるってわかって
僕は嬉しくなる。
僕はドキドキしながら
ご夫妻に挨拶をして、
ケインからロチェスター家の執事に
お土産を渡してもらう。
「これはこれは、ご丁寧に。
ささ、どうぞ、こちらへ」
そう言って僕はロチェスター伯爵に
応接室に案内されそうになったけれど
それをティーナが阻止してくれた。
「お父様、エレ様は
私と遊びに来られましたの。
大人の話は遠慮してほしいですわ」
「そうはいっても……
いや、エレ様?
エレミアス様を家に招待すると
言った時も驚いたが、
そんなに仲良くしてもらっているのか?」
「あの、僕がティーナに
仲良くしてもらってるんです」
大きな声を出すロチェスター伯爵に
僕はティーナが怒られるんじゃないかと
思って慌てて声を出した。
「ティーナ?
うちの娘とそんなに親しく?」
伯爵夫人まで目を丸くする。
僕は何か間違っただのだろうか。
「お父様、お母様、
変な勘繰りは止めてくださいませ。
私とエレ様は親友ですの」
親友!
ティーナもそう思ってくれてたんだ。
僕は思わずティーナの手を握った。
「嬉しい。
僕もティーナのこと
親友って思ってたんだ」
「もちろんですわ。
私とエレ様にしかわからない、
あのことをぜひ、共有致しましょう」
ティーナが僕の手を引く。
僕はそのまま伯爵夫妻に挨拶をして
ティーナに連れられるまま
部屋へと移動した。
ケインは護衛だけれど、
別の部屋で僕を待っていてくれるらしい。
僕はティーナに連れられるまま
階段を上って奥の部屋へと向かう。
僕はいつも階段で息切れしていたけれど、
最近は元気になってきた。
それにティーナは僕に合わせて
ゆっくり歩いてくれるから
全然大丈夫だ。
「ここが私の部屋ですの。
お友達を招いたのは初めてですわ」
そう言ってティーナが開けた
扉の中は、物凄く可愛い部屋だった。
ピンクのカーテンに、
フリルが沢山ついたテーブルクロス。
ベットの天蓋から下がっているレースも
うっすらとピンク色だった。
棚にはぬいぐるみが沢山ならんでいて、
僕が勧められるまま白いソファーに座ると、
ソファーの上にもぬいぐるみが置いてあった。
僕がソファーに座ると
すぐに侍女がお茶の準備をしてくれる。
それと同時に、別の侍女が
何やら大きな箱を持って来た。
「そこにおいてくれればいいわ」
ティーナが言うと、侍女はソファーの
近くに敷いてあったラグの上に箱を置く。
「さぁ、エレ様に見てもらいましょう」
僕が何が始まるのかと戸惑う暇もなく、
侍女は箱の中から小さな服を沢山取り出し、
ラグの上に並べた。
「あの子たちの服ですわ」
僕は、はっとしてポケットに入れていた
獅子の子を取り出した。
「そう、その子の服と、
あとこの子の服」
とティーナも獅子の子と同じ大きさの
猫のぬいぐるみを出した。
ティーナの合図で、侍女がテーブルに
1着づつ、服を運んでくる。
「エレ様、好きな服を言ってくださいな」
ティーナはそう言ってくれるけれど、
ここから見るだけでも
物凄く可愛い服ばかりで
選べそうにない。
「では順番に持って来させますわ」
その言葉通り、侍女が少しづつ
小さな服をテーブルに運んでくる。
僕とティーナはお茶を飲みながら
ぬいぐるみに色んな服を着せて遊んだ。
物凄く楽しい。
僕とティーナは好きなものが似てるんだと思う。
「ねぇ、ティーナ、聞いてもいい?」
「もちろんよ」
「ティーナの婚約者ってどんな人?」
ティーナの顔を覗き込むと、
ティーナは急に顔を真っ赤にして
ぷるぷる震えた。
「ど、どうしてですの?」
「ガイから、文官志望の人と
婚約してるって聞いたから」
「あぁ、ガイディス・ブレイトンですわね。
ほんと、余計なことを」
その言葉に棘を感じて僕は聞く。
「ティーナはガイが嫌い?」
僕が好きなものはティーナも
好きだと思ったんだけど。
「嫌い……ではないですわ。
エレ様の婚約者ですもの。
でも、そうですわね。
配慮が足らないところが
私は無理でしたわ」
配慮が足らない?
僕は首を傾げる。
「わかってますわ。
あの男、エレ様には優しくて
特別な存在なのでしょう?
私にとっては、配慮もできない
女子の天敵みたいな存在でしたけど」
「えーっと、ガイが何かしたの?」
そう聞くと、ティーナはぷい、と
横を向いた。
「もう昔のことですわ。
それより、婚約者がどうかしましたの?」
話しを戻され、僕はちょっとだけ躊躇った。
でも、今聞かないと、
誰も教えてくれないと思う。
「あの、あのね。
ティーナは婚約者のことが好き?」
「え!?」
ティーナの顔がますます赤くなる。
「僕ね、ガイのこと……好き?
なんだと思うけど。
婚約者ってよくわからなくて。
家族と友達と婚約者ってどう区別したらいいのかな」
僕は屋敷の中で生きて来たから
他人との距離感がよくわからない。
だから兄にしているみたいに
ガイにも同じようにするのだけれど
それをするとガイがいきなり
挙動不審になったり、
アンナやセバスチャンが
口を挟んできたりする。
きっと僕の行動がダメだったんだと
思うけれど。
でも何がダメなのか、
誰も教えてくれないんだ。
僕が一生懸命説明すると、
ティーナは「バーンズ侯爵家の天使というのは
本当にいたということですのね」
と呟いた。
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