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28:妖精ご乱心
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ガイと最後に会った日から、
もう2週間になる。
あれからガイとは一度も会えていない。
手紙は送っているし、
返事もきちんと届くから
心配することはない。
でも、僕は寂しくて仕方がなかった。
学院に行けばクラスメイトの
みんなと会えるし、
ティーナたちと話すのは
もちろん、楽しい。
体調だって良いから、
熱だってでていない。
でも、なんだかやる気がでないんだ。
それにガイが忙しいのは
第二殿下のお見合いだから、
騎士団長をしている兄も
忙しいみたいで、
ちっとも顔をあわさない。
朝は早いし、夜も遅いから
僕が寝ているうちに
屋敷に帰ってきて、
眠っているうちに
出かけているみたいだ。
アンナやセバスチャンは
兄の様子を教えてくれるけど
顔を見て話しができないと
やっぱり寂しい。
今日は休日だから
学院に行かなくてもいいし、
なのに、ガイは来てくれない。
兄もいない。
僕の様子を見たセバスチャンは
今日はゆっくり致しましょう、
なんて言ってくれたから、
領地の勉強もない。
僕は自室のベットに
ころん、と転がった。
ぬいぐるみのウサギに
背中がぶつかって、
僕はウサギを手に取る。
ウサギの手には、
小さいサイズの獅子が乗っている。
ティーナがくれた獅子だ。
ガイみたいだな、って
この獅子を見て最近は
思うようになった。
ちょっと顔が怖いけれど、
本当は優しくて、
それから、可愛い。
僕はウサギを抱っこして
アンナを呼んだ。
「アンナ、アンナ」
「はい、ぼっちゃま」
すぐにアンナが来てくれる。
「あのね、ティーナのとこに行きたい」
僕の言葉にアンナは一瞬、
言葉を詰まらせた。
でもアンナはすぐに頭を下げて
「少々お待ちくださいませ」と
セバスチャンを呼んできる。
「ぼっちゃま、アンナから
ロチェスター家のヴァレンティーナ様に
お会いになりたいと聞いたのですが」
「そうなの。
ティーナのところに遊びに行くの」
僕がめったに言わない我がままを
言っているせいか、
セバスチャンもアンナも
驚いているみたいだ。
でも僕は今、無性に
ティーナに会いたくなった。
だってティーナは
僕の知らないことを
たくさん知っている。
僕の今のよくわからない
嫌な気持ちのことを
話したかったし、
殿下のお見合いの話も
聞いてみたいと思った。
それを僕が知って
どうなるものでもないけれど。
でも知りたいって思ったんだ。
「ですがぼっちゃま、
屋敷の外に行くのであれば
まずは許可を……」
「ティーナのところだったら
一度行ってるから大丈夫だよ」
兄の許可をもらいに行っていたら
夕方になってしまう。
日が暮れてしまったら
絶対に許可なんておりない。
「そ、それにいきなりというのも……
ヴァレンティーナ様のご都合も
まずはお伺いしないと」
セバスチャンに言われて、
僕はそれもそうかと思った。
僕は友達のところに
自分から遊びに行くなんて
したことがないから
考えもしなかったけれど。
でも確かに屋敷に遊びに行っても
そこにティーナがいないことだってある。
「じゃあ、どうしたらティーナに会えるの?」
僕が聞くと、セバスチャンは
まずはティーナの屋敷に使いを出して
予定を聞いたらどうかと言ってくれた。
それで了承を得たら、
ティーナをこの屋敷に呼べばいいと
提案してくれた。
「じゃあ、ティーナのところに
使いを出してくれる?
でも、僕がティーナの家に
遊びに行くから」
だって僕の我がままなんだから。
ティーナを呼びつけるなんてできない。
僕がそういうと、セバスチャンは
苦い顔をしたが、了承したように
頭を下げる。
待っている間、僕はアンナに言って
厨房でお菓子を作ってもらった。
ティーナに渡すためのお菓子だ。
ティーナは可愛いものが好きだから
可愛い形のクッキーを焼いて
持っていったら喜んでくれると思う。
クッキーが焼けるころ、
セバスチャンはティーナの
家とやりとりをして、
僕が遊びに行く了承を得たと
知らせてくれた。
僕は意気揚々とケインと一緒に
馬車に乗った。
僕は獅子の子を抱っこした
ウサギを抱っこして、
ケインはお土産のクッキーを
持ってくれている。
「エレミアス様、その、
そのぬいぐるみも
持って行かれるのですか?」
馬車に乗るとケインが聞いてきた。
自分が持つかどうか迷ったみたい。
「うん、ティーナに見せてあげるの。
大丈夫、僕が持つよ」
僕だって、この子たちぐらいなら持てるんだから。
ロチェスター家に着いたら、
またティーナだけじゃなくて、
ロチェスター家の人たちが総出で
出迎えてくれた。
僕がケインの手を使って
馬車を降りると、
「ようこそおいでくださいました」と
ティーナの父、ロチェスター伯爵が
声をかけてくれた。
僕はいきなり来てしまったことを
きちんと誤ってから、
ケインにお土産を渡してもらう。
ロチェスター伯爵は僕に
何か言いたそうだったけれど、
僕はちらちらとティーナを見た。
早くティーナとおしゃべりしたい。
その気持ちが伝わったのか
ティーナが僕と伯爵の間に割り込んでくれた。
「お父様、エレ様は私に会いに
来てくださったのよ。
もういいでしょ」
「あ、あぁ、だが……」
「エレ様、来てくださって
嬉しいですわ」
ティーナが笑ってくれたので
僕もほっとする。
「さぁ、さぁ、こちらに
いらしてくださいな」
ティーナに言われ、
僕はケインに合図を送った。
ケインは頭を下げて馬車のそばに戻る。
ティーナは僕の前をゆっくりと歩き、
二階にあるティーナの
部屋へと案内してくれた。
「さぁ、エレ様、
なにがありましたの?
ここは私の部屋ですし、
遠慮はいりませんわ」
部屋に入るなり、
ティーナは言う。
僕はティーナにウサギを
抱っこしたまま泣きついた。
「ティーナ、僕ね、僕ね、
悪い子になっちゃったんだよー」
「え? エレ様が?
そんなわけありませんわ」
「そうだよね。
こんなに天使なのにね」
え? って思って
僕は足を止めた。
もう少しでティーナの両手を
取るところだったんだけど、
知らない声が聞こえたんだ。
僕が声をした方を見ると、
短い銀色の髪をした男性が
にこやかに笑っていた。
え?
誰?!
もう2週間になる。
あれからガイとは一度も会えていない。
手紙は送っているし、
返事もきちんと届くから
心配することはない。
でも、僕は寂しくて仕方がなかった。
学院に行けばクラスメイトの
みんなと会えるし、
ティーナたちと話すのは
もちろん、楽しい。
体調だって良いから、
熱だってでていない。
でも、なんだかやる気がでないんだ。
それにガイが忙しいのは
第二殿下のお見合いだから、
騎士団長をしている兄も
忙しいみたいで、
ちっとも顔をあわさない。
朝は早いし、夜も遅いから
僕が寝ているうちに
屋敷に帰ってきて、
眠っているうちに
出かけているみたいだ。
アンナやセバスチャンは
兄の様子を教えてくれるけど
顔を見て話しができないと
やっぱり寂しい。
今日は休日だから
学院に行かなくてもいいし、
なのに、ガイは来てくれない。
兄もいない。
僕の様子を見たセバスチャンは
今日はゆっくり致しましょう、
なんて言ってくれたから、
領地の勉強もない。
僕は自室のベットに
ころん、と転がった。
ぬいぐるみのウサギに
背中がぶつかって、
僕はウサギを手に取る。
ウサギの手には、
小さいサイズの獅子が乗っている。
ティーナがくれた獅子だ。
ガイみたいだな、って
この獅子を見て最近は
思うようになった。
ちょっと顔が怖いけれど、
本当は優しくて、
それから、可愛い。
僕はウサギを抱っこして
アンナを呼んだ。
「アンナ、アンナ」
「はい、ぼっちゃま」
すぐにアンナが来てくれる。
「あのね、ティーナのとこに行きたい」
僕の言葉にアンナは一瞬、
言葉を詰まらせた。
でもアンナはすぐに頭を下げて
「少々お待ちくださいませ」と
セバスチャンを呼んできる。
「ぼっちゃま、アンナから
ロチェスター家のヴァレンティーナ様に
お会いになりたいと聞いたのですが」
「そうなの。
ティーナのところに遊びに行くの」
僕がめったに言わない我がままを
言っているせいか、
セバスチャンもアンナも
驚いているみたいだ。
でも僕は今、無性に
ティーナに会いたくなった。
だってティーナは
僕の知らないことを
たくさん知っている。
僕の今のよくわからない
嫌な気持ちのことを
話したかったし、
殿下のお見合いの話も
聞いてみたいと思った。
それを僕が知って
どうなるものでもないけれど。
でも知りたいって思ったんだ。
「ですがぼっちゃま、
屋敷の外に行くのであれば
まずは許可を……」
「ティーナのところだったら
一度行ってるから大丈夫だよ」
兄の許可をもらいに行っていたら
夕方になってしまう。
日が暮れてしまったら
絶対に許可なんておりない。
「そ、それにいきなりというのも……
ヴァレンティーナ様のご都合も
まずはお伺いしないと」
セバスチャンに言われて、
僕はそれもそうかと思った。
僕は友達のところに
自分から遊びに行くなんて
したことがないから
考えもしなかったけれど。
でも確かに屋敷に遊びに行っても
そこにティーナがいないことだってある。
「じゃあ、どうしたらティーナに会えるの?」
僕が聞くと、セバスチャンは
まずはティーナの屋敷に使いを出して
予定を聞いたらどうかと言ってくれた。
それで了承を得たら、
ティーナをこの屋敷に呼べばいいと
提案してくれた。
「じゃあ、ティーナのところに
使いを出してくれる?
でも、僕がティーナの家に
遊びに行くから」
だって僕の我がままなんだから。
ティーナを呼びつけるなんてできない。
僕がそういうと、セバスチャンは
苦い顔をしたが、了承したように
頭を下げる。
待っている間、僕はアンナに言って
厨房でお菓子を作ってもらった。
ティーナに渡すためのお菓子だ。
ティーナは可愛いものが好きだから
可愛い形のクッキーを焼いて
持っていったら喜んでくれると思う。
クッキーが焼けるころ、
セバスチャンはティーナの
家とやりとりをして、
僕が遊びに行く了承を得たと
知らせてくれた。
僕は意気揚々とケインと一緒に
馬車に乗った。
僕は獅子の子を抱っこした
ウサギを抱っこして、
ケインはお土産のクッキーを
持ってくれている。
「エレミアス様、その、
そのぬいぐるみも
持って行かれるのですか?」
馬車に乗るとケインが聞いてきた。
自分が持つかどうか迷ったみたい。
「うん、ティーナに見せてあげるの。
大丈夫、僕が持つよ」
僕だって、この子たちぐらいなら持てるんだから。
ロチェスター家に着いたら、
またティーナだけじゃなくて、
ロチェスター家の人たちが総出で
出迎えてくれた。
僕がケインの手を使って
馬車を降りると、
「ようこそおいでくださいました」と
ティーナの父、ロチェスター伯爵が
声をかけてくれた。
僕はいきなり来てしまったことを
きちんと誤ってから、
ケインにお土産を渡してもらう。
ロチェスター伯爵は僕に
何か言いたそうだったけれど、
僕はちらちらとティーナを見た。
早くティーナとおしゃべりしたい。
その気持ちが伝わったのか
ティーナが僕と伯爵の間に割り込んでくれた。
「お父様、エレ様は私に会いに
来てくださったのよ。
もういいでしょ」
「あ、あぁ、だが……」
「エレ様、来てくださって
嬉しいですわ」
ティーナが笑ってくれたので
僕もほっとする。
「さぁ、さぁ、こちらに
いらしてくださいな」
ティーナに言われ、
僕はケインに合図を送った。
ケインは頭を下げて馬車のそばに戻る。
ティーナは僕の前をゆっくりと歩き、
二階にあるティーナの
部屋へと案内してくれた。
「さぁ、エレ様、
なにがありましたの?
ここは私の部屋ですし、
遠慮はいりませんわ」
部屋に入るなり、
ティーナは言う。
僕はティーナにウサギを
抱っこしたまま泣きついた。
「ティーナ、僕ね、僕ね、
悪い子になっちゃったんだよー」
「え? エレ様が?
そんなわけありませんわ」
「そうだよね。
こんなに天使なのにね」
え? って思って
僕は足を止めた。
もう少しでティーナの両手を
取るところだったんだけど、
知らない声が聞こえたんだ。
僕が声をした方を見ると、
短い銀色の髪をした男性が
にこやかに笑っていた。
え?
誰?!
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