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33:騎士様ご乱心・3
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話が落ち着いたところで
俺は「そろそろ帰らなければ」と
膝の上の座る小さな体を抱き上げた。
「団長殿が心配する」
俺の言葉に、そうだった、と
小さな声がして、
俺の妖精は「ティーナ、今日はありがとう」という。
「いいえ、構いませんわ。
それより、エレ様。
その……そのお姿で帰られますの?」
俺が可愛く小さな体を
抱き上げていることが不満なのだろう。
だが、先ほどのように
余計なことを言われたくなくて
俺は先手を取った。
「俺の妖精は体調を崩しやすい。
できるだけ俺がこうして
運んでいる」
役得だが、本当のことだ。
さすがに体調のことを言われると
ヴァレンティーナも反論はできないのだろう。
うぐ、と言葉を詰まらせる。
「ティーナは抱っこしてもらわないの?」
「だ、だ、誰にですの?」
「マックスさんに」
不思議そうに小首をかしげる姿は、
可愛すぎる!
「そ、そんなの、し、し、しませんわ」
「婚約者だからね。
私はいつでもしてあげたいのだが、
ヴァレは恥ずかしがりやなんだ」
マックスの言葉に、俺の妖精は
大きくうなずいた。
「わかった。
前に、ティーナが言ってた
やってほしいけど、
恥ずかしすぎるから
やってほしくない、みたいな
そういうことだよね」
「エレ様ーっ!」
真っ赤な顔でヴァレンティーナが叫ぶ。
面白そうなのでこのまま
見ていても構わないが、
マックスを喜ばせるだけなので
そろそろ終わりにしよう。
「エレ、もう行くぞ」
「うん。ティーナ、
ほんとにありがとう。
また学院でね」
可愛く手を振る俺の妖精に、
ヴァレンティーナは
顔を真っ赤にしたまま
手を振ってこたえた。
ちらりとマックスを見ると
にやにや笑って嬉しそうだ。
やばいな。
これに味を占めて
彼女とイチャイチャするために
俺の妖精を出汁に使おうとするかもしれない。
気を付けなければ。
俺が伯爵殿に挨拶をして
屋敷を出ると、すでに
バーンズ侯爵家の馬車が
準備されていて、
俺が乗ってきた馬も繋がれている。
護衛のケインが馬車の扉を
開けてくれたので
俺は妖精を抱き上げたまま
馬車に乗った。
馬車に乗り、ようやく
今の状況を理解したのだろう。
俺の妖精はおそるおそる
「兄様、怒ってる?」と
聞いてきた。
俺はバーンズ侯爵家の
執事から早馬で
知らせをもらったことと、
団長には内密にしていることを告げる。
「内緒?
大丈夫かな」
それに関しては、
なんとも言えない。
あの団長が相手だしな。
だがバーンズ侯爵家の使用人たちが
味方になってくれるのであれば
なんとかなるかもしれない。
嘘をつくのではなく、
言わないだけなのだから
罪悪感も少ない。
バーンズ侯爵家に着き、
馬車を降りると、
執事が走ってきた。
深々と頭を下げられる。
「団長は?」
「まだお戻りにはなっておりません」
「そうか」
良かった。
なんとか間に合った。
「ぼっちゃま、心配しましたぞ」
「うん。ごめんね」
俺の腕の中で妖精はしょんぼりする。
「さぁさぁ、早くおはいり下さい」
あたたかい飲み物をご用意いたしましょう、
という言葉に俺はうなずき、
小さな体を抱っこしたまま部屋に運んだ。
「疲れたか?」
小さな体をベットにおろすか
ソファーに座らせるか
悩んで聞くと、
大丈夫、と愛らしい顔が笑う。
俺がソファーに体をおろすと
すぐに侍女がお茶を持ってきた。
「アンナもごめんね」
侍女に妖精が声をかけると、
侍女は首を振る。
本当は何かを言いたそうな様子だったが
俺がいるから諦めたのだろう。
ドアのそばで控える侍女を見て
俺は膝の上の妖精に
改めて訪ねた。
「今回、ヴァレンティーナの
ところに言ったのは、
そのウサギを見せたかったから
なんだよな?」
わざと侍女に聞かせるように言うと、
うん、それもある、と妖精は
小さく返事をする。
その言葉に、侍女が安堵したように
体の力を抜くのを感じた。
「でもね、ほんとはね。
ガイと全然会えなかったから、
寂しくなったんだ」
だからね。
と妖精は俺の顔を見て笑う。
膝の上に乗ってるから
妖精の唇は俺の顔のすぐそばにあった。
「ガイに会えなくて
寂しいって、ティーナに
聞いてほしかったんだと思う」
やばい。
可愛い。
抱きしめたい。
ちょっと俺が顔を動かしたら
小さく愛らしい唇が……
「ぼっちゃま」
こほん、と侍女が俺たちの間に割り込んだ。
「もうすぐ夕食の時間ですが、
本日お作りしました茶菓子は
いかがいたしましょうか」
「あ、動物のクッキーだよね。
ティーナがね、とっても
喜んでいたよ。
アンナ、ありがとう」
「いいえ、当然のことをしたまでです」
と無表情に侍女は言うが、
口元は上がっていた。
「クッキーはね、
ガイはあまり甘いものは
好きじゃないもんね。
そうだ。
今日は一緒に
夕食を食べれるんでしょ?」
「あ、ああ」
一緒に食べてもいいのであれば
喜んで! だ。
「じゃあね。
クッキーはいいから、
夕食のデザートに
あのゼリーを出してくれる?
お星さまの。
ガイに食べさせてあげたいんだ」
「かしこまりました」
頭を下げて侍女は一言、
断りを淹れてから部屋を出ていく。
おそらく指示を出しに
行ったのだろう。
「お星さまとは?」
俺が聞くと、妖精は「秘密」と笑う。
あぁ、ほんとに可愛い。
連れて帰りたいぐらい可愛い。
今は邪魔ものがいないわけだし。
いいよな、抱きしめても。
俺は目線だけで周囲を伺い、
誰もいないことを確かめてから
そっと小さな体を抱きしめた。
俺は「そろそろ帰らなければ」と
膝の上の座る小さな体を抱き上げた。
「団長殿が心配する」
俺の言葉に、そうだった、と
小さな声がして、
俺の妖精は「ティーナ、今日はありがとう」という。
「いいえ、構いませんわ。
それより、エレ様。
その……そのお姿で帰られますの?」
俺が可愛く小さな体を
抱き上げていることが不満なのだろう。
だが、先ほどのように
余計なことを言われたくなくて
俺は先手を取った。
「俺の妖精は体調を崩しやすい。
できるだけ俺がこうして
運んでいる」
役得だが、本当のことだ。
さすがに体調のことを言われると
ヴァレンティーナも反論はできないのだろう。
うぐ、と言葉を詰まらせる。
「ティーナは抱っこしてもらわないの?」
「だ、だ、誰にですの?」
「マックスさんに」
不思議そうに小首をかしげる姿は、
可愛すぎる!
「そ、そんなの、し、し、しませんわ」
「婚約者だからね。
私はいつでもしてあげたいのだが、
ヴァレは恥ずかしがりやなんだ」
マックスの言葉に、俺の妖精は
大きくうなずいた。
「わかった。
前に、ティーナが言ってた
やってほしいけど、
恥ずかしすぎるから
やってほしくない、みたいな
そういうことだよね」
「エレ様ーっ!」
真っ赤な顔でヴァレンティーナが叫ぶ。
面白そうなのでこのまま
見ていても構わないが、
マックスを喜ばせるだけなので
そろそろ終わりにしよう。
「エレ、もう行くぞ」
「うん。ティーナ、
ほんとにありがとう。
また学院でね」
可愛く手を振る俺の妖精に、
ヴァレンティーナは
顔を真っ赤にしたまま
手を振ってこたえた。
ちらりとマックスを見ると
にやにや笑って嬉しそうだ。
やばいな。
これに味を占めて
彼女とイチャイチャするために
俺の妖精を出汁に使おうとするかもしれない。
気を付けなければ。
俺が伯爵殿に挨拶をして
屋敷を出ると、すでに
バーンズ侯爵家の馬車が
準備されていて、
俺が乗ってきた馬も繋がれている。
護衛のケインが馬車の扉を
開けてくれたので
俺は妖精を抱き上げたまま
馬車に乗った。
馬車に乗り、ようやく
今の状況を理解したのだろう。
俺の妖精はおそるおそる
「兄様、怒ってる?」と
聞いてきた。
俺はバーンズ侯爵家の
執事から早馬で
知らせをもらったことと、
団長には内密にしていることを告げる。
「内緒?
大丈夫かな」
それに関しては、
なんとも言えない。
あの団長が相手だしな。
だがバーンズ侯爵家の使用人たちが
味方になってくれるのであれば
なんとかなるかもしれない。
嘘をつくのではなく、
言わないだけなのだから
罪悪感も少ない。
バーンズ侯爵家に着き、
馬車を降りると、
執事が走ってきた。
深々と頭を下げられる。
「団長は?」
「まだお戻りにはなっておりません」
「そうか」
良かった。
なんとか間に合った。
「ぼっちゃま、心配しましたぞ」
「うん。ごめんね」
俺の腕の中で妖精はしょんぼりする。
「さぁさぁ、早くおはいり下さい」
あたたかい飲み物をご用意いたしましょう、
という言葉に俺はうなずき、
小さな体を抱っこしたまま部屋に運んだ。
「疲れたか?」
小さな体をベットにおろすか
ソファーに座らせるか
悩んで聞くと、
大丈夫、と愛らしい顔が笑う。
俺がソファーに体をおろすと
すぐに侍女がお茶を持ってきた。
「アンナもごめんね」
侍女に妖精が声をかけると、
侍女は首を振る。
本当は何かを言いたそうな様子だったが
俺がいるから諦めたのだろう。
ドアのそばで控える侍女を見て
俺は膝の上の妖精に
改めて訪ねた。
「今回、ヴァレンティーナの
ところに言ったのは、
そのウサギを見せたかったから
なんだよな?」
わざと侍女に聞かせるように言うと、
うん、それもある、と妖精は
小さく返事をする。
その言葉に、侍女が安堵したように
体の力を抜くのを感じた。
「でもね、ほんとはね。
ガイと全然会えなかったから、
寂しくなったんだ」
だからね。
と妖精は俺の顔を見て笑う。
膝の上に乗ってるから
妖精の唇は俺の顔のすぐそばにあった。
「ガイに会えなくて
寂しいって、ティーナに
聞いてほしかったんだと思う」
やばい。
可愛い。
抱きしめたい。
ちょっと俺が顔を動かしたら
小さく愛らしい唇が……
「ぼっちゃま」
こほん、と侍女が俺たちの間に割り込んだ。
「もうすぐ夕食の時間ですが、
本日お作りしました茶菓子は
いかがいたしましょうか」
「あ、動物のクッキーだよね。
ティーナがね、とっても
喜んでいたよ。
アンナ、ありがとう」
「いいえ、当然のことをしたまでです」
と無表情に侍女は言うが、
口元は上がっていた。
「クッキーはね、
ガイはあまり甘いものは
好きじゃないもんね。
そうだ。
今日は一緒に
夕食を食べれるんでしょ?」
「あ、ああ」
一緒に食べてもいいのであれば
喜んで! だ。
「じゃあね。
クッキーはいいから、
夕食のデザートに
あのゼリーを出してくれる?
お星さまの。
ガイに食べさせてあげたいんだ」
「かしこまりました」
頭を下げて侍女は一言、
断りを淹れてから部屋を出ていく。
おそらく指示を出しに
行ったのだろう。
「お星さまとは?」
俺が聞くと、妖精は「秘密」と笑う。
あぁ、ほんとに可愛い。
連れて帰りたいぐらい可愛い。
今は邪魔ものがいないわけだし。
いいよな、抱きしめても。
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