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51:恋する僕
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ガイが僕の様子を見に
来てくれた3日後、
貴族学院が再開した。
でも僕はまだベットの中だ。
熱は下がったけど、
まだ兄が学院に行くことを
許可してくれないのだ。
僕は早くティーナたちに会いたいのに。
でも僕は大人しくしている。
ちゃんと薬を飲んで、
体力が戻ったら
騎士団に見学に来てもいいって
兄が言ってくれたのだ。
ガイが、僕が騎士団を
見学したいと思ってることを
伝えてくれたみたい。
いきなり一般公開の日に
騎士団に行くのは
人も多いし推奨できない。
でも、どうしても
騎士団を見たいというのなら
通常の日に、許可を出すので
見に来てもいい、と兄は言う。
僕が騎士団で働いてる
兄やガイの姿を見たいって
言ったからかな。
一般公開日に行くかどうかは
騎士団を見学して、
それから考えることになった。
兄は、騎士は体が大きくて
怖い顔の人たちが多いから
僕は楽しめないかもしれない、
なんていう。
だからまず、
騎士団の中を見てみて
それから決めようと
言われたのだ。
僕は怖い顔の人だって
大丈夫なんだけどな。
だって騎士は兄の部下で
正義の味方なわけだし。
いつまでたっても
兄は過保護だ。
でも僕のことを
心配してくれてるのは
わかってるから、
僕は大人しくしてる。
今回、ちゃんと体調を
崩さずに騎士団の見学が
できたら、一般公開にも
参加できるんだもの。
僕はガイと一緒に
見て回りたいと思ったけど、
ティーナやライリー、
サイラスたちとも
一緒に参加できるかもしれない。
そう考えると僕はわくわくして
できるだけ体調を整えて
元気にならなくっちゃ、って思うんだ。
昨日は僕が学院に行かないから
心配したティーナたちから
手紙をもらった。
だから僕は手紙をくれた
ティーナとライリー、
サイラスの3人にお返事を書いたんだ。
熱があったけどもう大丈夫なことと、
兄が過保護で屋敷から出れないこと。
それから、
騎士団に見学に行くことや
一般公開日にみんなで騎士団に
見学に行きたいことも。
今は元気だけれど、
僕は、一度熱が続いたら、
回復しても、またすぐに
熱が出ることが結構ある。
だから今は学院を
休むしかないけれど、
体調が調ったら、
ちゃんとまた学院に行くから
待ってて、って。
手紙はセバスチャンに言って
みんなの家に届けて
もらったんだけど。
みんな、その場ですぐに
手紙を読んでくれたみたいで、
短いけれど、手紙を
届けてくれた侍従が
返事をもらってきてくれたんだ。
僕は嬉しすぎて
兄には内緒だけれど、
ちょっとだけ熱が上がってしまった。
でもね。
ほんとにもう、大丈夫なんだ。
僕はいままでずっと、
体調を崩すことが多かったし、
すぐに熱を出していたから
自分の体調に関しては
よくわかってるつもり。
熱が上がりそうだな、とか
もう大丈夫そうだとか。
そういうのは体感でわかる。
「心配しなくてもいいよ」と
僕が言うのは、ただ、
学院に行きたいから
言っているわけではないのだ。
と、兄に言ってみたときは、
そうか、と言って頭を
撫でてもらったけれど。
それだけだった。
兄は相変わらず忙しそうだ。
でも王宮で起こった事件は、
解決したんだと思う。
貴族院は再開したし。
なのにガイは全然、
会いに来てくれない。
今までは2,3日ごとに
僕の顔を見に来てくれたのに。
と、そこまで考えて、
まだガイが来てくれてから
4日しか経ってないことに気が付いた。
なんでこんなにガイに会いたいんだろう。
ふと思い、
僕が恋してるからだ、って
思い至って顔が熱くなる。
なんだか、恥ずかしい。
本で読んで『恥ずかしい』って
感情があることを
僕は頭では理解していたけど。
これが恥ずかしいってことか、
って、僕は思う。
だって僕はこの屋敷の中で、
『恥ずかしい』って思うことなんかなかった。
屋敷では僕のことを
みんな大切にしてくれたし、
僕がみんなからどう思われてるか、
なんて気にしたことがなかった。
でも、今は違う。
僕はガイに好かれたいし、
ガイからは良く見られたいと思う。
ガイはこんなわがままな僕を
どう思うだろう。
僕は子どもで、ガイとは
全然釣り合ってなくて。
そう思ったら、
僕は自分のことが
とても恥ずかしく思えた。
もっとガイの隣に
並んでもおかしくない存在に
なりたいって思ったし、
もっと成長しなくっちゃ、って思う。
たった数日会えないだけで、
こんなに寂しく思うなんて、
やっぱり僕は子どもで、
ダメダメだ。
僕はそばに控えているアンナに
声をかけた。
「ねぇ、アンナ」
「はい、ぼっちゃま」
僕はベットの中にいたけれど、
ゆっくりと下りて、
そばのソファーに座った。
すぐにアンナが僕のために
お茶を淹れてくれる。
ゆっくりとカップに
注がれる紅茶を見ながら
僕はアンナに聞いてみた。
「僕ね、ガイと比べたら
ものすごく子どもでしょ?
ガイは僕のこと、
ちゃんと好きでいてくれると思う?」
僕の問いに、アンナの指が
不自然に動いた。
いつもなら水滴一つ、
こぼれずにカップに紅茶が
落ちていくのに、
なぜかカップが揺れ、
ソーサーに紅茶がこぼれる。
アンナは、失礼いたしました、と
頭を下げて、すぐに新しい紅茶を
淹れてくれたのだけれど。
僕はそんなにおかしなことを言っただろうか。
「僕、変なことを言った?」
「いえ。ですが、
ぼっちゃまを好ましいと
思わない者などいないかと」
「うん、でも僕は子どもで、
ガイには似合わないかなって」
「そんなことはございません」
アンナはそういうと、
膝を曲げてソファーに座る
僕と目線を合わせてくれた。
「ぼっちゃまはそのままで良いのです。
もしふさわしい、似合わないと
評価を得るのであれば、
その相手はぼっちゃまではなく
ガイディス・ブレイトンの方でございしょう」
きっぱりと言われ、
僕は、そうかな、とつぶやいてしまった。
「そうですとも。
このアンナ、
ぼっちゃまのお側に
お仕えできることを
至上の喜びと存じております。
それは、
ガイディス・ブレイトンも同じでございましょう」
ガイは僕に仕えているわけではないんだけど。
そしてさりげなくアンナは
ガイのことをフルネームで
呼び捨てにしているんだけど。
どこか敵意を感じるのは
僕の気のせいだろうか。
「ぼっちゃま、もしも、
何かお困りのことがあれば、
このアンナにご相談くださいませ。
もしあの男が無体なことを
するのであれば、このアンナが
盾になりお守り致します。
そして逆に、もし
ぼっちゃまがあの男と
夜の生活を望まれるのでしたら
このアンナが一肌脱ぎましょう。
旦那様に手打ちにされても、
このアンナ、ぼっちゃまの
幸せのためであれば、
いつでも命を捨てる覚悟ができております」
え? え? なんで急に
そんな話になるの?
僕とガイがお似合いだったらいいな、って
話だったのに。
なんでアンナが命を懸けるとか
そんな話になってるの!?
僕はアンナが何を言っているのかわからなくて。
でも何か言わなくっちゃって思って。
「ありがとう、アンナ。
頼りにしてる」って言ってしまった。
感情を出さないように侍女の訓練を
受けているアンナは、
口元を緩めて、今まで僕に
見せたことがないような
嬉しそうな顔をしたけれど。
僕は内心、なんでそんな話に
なったのかと首をかしげるばかりだった。
来てくれた3日後、
貴族学院が再開した。
でも僕はまだベットの中だ。
熱は下がったけど、
まだ兄が学院に行くことを
許可してくれないのだ。
僕は早くティーナたちに会いたいのに。
でも僕は大人しくしている。
ちゃんと薬を飲んで、
体力が戻ったら
騎士団に見学に来てもいいって
兄が言ってくれたのだ。
ガイが、僕が騎士団を
見学したいと思ってることを
伝えてくれたみたい。
いきなり一般公開の日に
騎士団に行くのは
人も多いし推奨できない。
でも、どうしても
騎士団を見たいというのなら
通常の日に、許可を出すので
見に来てもいい、と兄は言う。
僕が騎士団で働いてる
兄やガイの姿を見たいって
言ったからかな。
一般公開日に行くかどうかは
騎士団を見学して、
それから考えることになった。
兄は、騎士は体が大きくて
怖い顔の人たちが多いから
僕は楽しめないかもしれない、
なんていう。
だからまず、
騎士団の中を見てみて
それから決めようと
言われたのだ。
僕は怖い顔の人だって
大丈夫なんだけどな。
だって騎士は兄の部下で
正義の味方なわけだし。
いつまでたっても
兄は過保護だ。
でも僕のことを
心配してくれてるのは
わかってるから、
僕は大人しくしてる。
今回、ちゃんと体調を
崩さずに騎士団の見学が
できたら、一般公開にも
参加できるんだもの。
僕はガイと一緒に
見て回りたいと思ったけど、
ティーナやライリー、
サイラスたちとも
一緒に参加できるかもしれない。
そう考えると僕はわくわくして
できるだけ体調を整えて
元気にならなくっちゃ、って思うんだ。
昨日は僕が学院に行かないから
心配したティーナたちから
手紙をもらった。
だから僕は手紙をくれた
ティーナとライリー、
サイラスの3人にお返事を書いたんだ。
熱があったけどもう大丈夫なことと、
兄が過保護で屋敷から出れないこと。
それから、
騎士団に見学に行くことや
一般公開日にみんなで騎士団に
見学に行きたいことも。
今は元気だけれど、
僕は、一度熱が続いたら、
回復しても、またすぐに
熱が出ることが結構ある。
だから今は学院を
休むしかないけれど、
体調が調ったら、
ちゃんとまた学院に行くから
待ってて、って。
手紙はセバスチャンに言って
みんなの家に届けて
もらったんだけど。
みんな、その場ですぐに
手紙を読んでくれたみたいで、
短いけれど、手紙を
届けてくれた侍従が
返事をもらってきてくれたんだ。
僕は嬉しすぎて
兄には内緒だけれど、
ちょっとだけ熱が上がってしまった。
でもね。
ほんとにもう、大丈夫なんだ。
僕はいままでずっと、
体調を崩すことが多かったし、
すぐに熱を出していたから
自分の体調に関しては
よくわかってるつもり。
熱が上がりそうだな、とか
もう大丈夫そうだとか。
そういうのは体感でわかる。
「心配しなくてもいいよ」と
僕が言うのは、ただ、
学院に行きたいから
言っているわけではないのだ。
と、兄に言ってみたときは、
そうか、と言って頭を
撫でてもらったけれど。
それだけだった。
兄は相変わらず忙しそうだ。
でも王宮で起こった事件は、
解決したんだと思う。
貴族院は再開したし。
なのにガイは全然、
会いに来てくれない。
今までは2,3日ごとに
僕の顔を見に来てくれたのに。
と、そこまで考えて、
まだガイが来てくれてから
4日しか経ってないことに気が付いた。
なんでこんなにガイに会いたいんだろう。
ふと思い、
僕が恋してるからだ、って
思い至って顔が熱くなる。
なんだか、恥ずかしい。
本で読んで『恥ずかしい』って
感情があることを
僕は頭では理解していたけど。
これが恥ずかしいってことか、
って、僕は思う。
だって僕はこの屋敷の中で、
『恥ずかしい』って思うことなんかなかった。
屋敷では僕のことを
みんな大切にしてくれたし、
僕がみんなからどう思われてるか、
なんて気にしたことがなかった。
でも、今は違う。
僕はガイに好かれたいし、
ガイからは良く見られたいと思う。
ガイはこんなわがままな僕を
どう思うだろう。
僕は子どもで、ガイとは
全然釣り合ってなくて。
そう思ったら、
僕は自分のことが
とても恥ずかしく思えた。
もっとガイの隣に
並んでもおかしくない存在に
なりたいって思ったし、
もっと成長しなくっちゃ、って思う。
たった数日会えないだけで、
こんなに寂しく思うなんて、
やっぱり僕は子どもで、
ダメダメだ。
僕はそばに控えているアンナに
声をかけた。
「ねぇ、アンナ」
「はい、ぼっちゃま」
僕はベットの中にいたけれど、
ゆっくりと下りて、
そばのソファーに座った。
すぐにアンナが僕のために
お茶を淹れてくれる。
ゆっくりとカップに
注がれる紅茶を見ながら
僕はアンナに聞いてみた。
「僕ね、ガイと比べたら
ものすごく子どもでしょ?
ガイは僕のこと、
ちゃんと好きでいてくれると思う?」
僕の問いに、アンナの指が
不自然に動いた。
いつもなら水滴一つ、
こぼれずにカップに紅茶が
落ちていくのに、
なぜかカップが揺れ、
ソーサーに紅茶がこぼれる。
アンナは、失礼いたしました、と
頭を下げて、すぐに新しい紅茶を
淹れてくれたのだけれど。
僕はそんなにおかしなことを言っただろうか。
「僕、変なことを言った?」
「いえ。ですが、
ぼっちゃまを好ましいと
思わない者などいないかと」
「うん、でも僕は子どもで、
ガイには似合わないかなって」
「そんなことはございません」
アンナはそういうと、
膝を曲げてソファーに座る
僕と目線を合わせてくれた。
「ぼっちゃまはそのままで良いのです。
もしふさわしい、似合わないと
評価を得るのであれば、
その相手はぼっちゃまではなく
ガイディス・ブレイトンの方でございしょう」
きっぱりと言われ、
僕は、そうかな、とつぶやいてしまった。
「そうですとも。
このアンナ、
ぼっちゃまのお側に
お仕えできることを
至上の喜びと存じております。
それは、
ガイディス・ブレイトンも同じでございましょう」
ガイは僕に仕えているわけではないんだけど。
そしてさりげなくアンナは
ガイのことをフルネームで
呼び捨てにしているんだけど。
どこか敵意を感じるのは
僕の気のせいだろうか。
「ぼっちゃま、もしも、
何かお困りのことがあれば、
このアンナにご相談くださいませ。
もしあの男が無体なことを
するのであれば、このアンナが
盾になりお守り致します。
そして逆に、もし
ぼっちゃまがあの男と
夜の生活を望まれるのでしたら
このアンナが一肌脱ぎましょう。
旦那様に手打ちにされても、
このアンナ、ぼっちゃまの
幸せのためであれば、
いつでも命を捨てる覚悟ができております」
え? え? なんで急に
そんな話になるの?
僕とガイがお似合いだったらいいな、って
話だったのに。
なんでアンナが命を懸けるとか
そんな話になってるの!?
僕はアンナが何を言っているのかわからなくて。
でも何か言わなくっちゃって思って。
「ありがとう、アンナ。
頼りにしてる」って言ってしまった。
感情を出さないように侍女の訓練を
受けているアンナは、
口元を緩めて、今まで僕に
見せたことがないような
嬉しそうな顔をしたけれど。
僕は内心、なんでそんな話に
なったのかと首をかしげるばかりだった。
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