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60:恋の妖精
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僕は女性の微笑に
何も言えなくなってしまった。
手に持ったままのカップが
急に重たく感じられて
僕はカップをソーサーに置く。
その時だ。
急に誰かが走ってくる
足音がした。
誰か来る?
って思った瞬間、
「何者だ!?」
と急に怒鳴られた。
僕はびっくりしすぎて
また涙がにじむ。
現れたのは
黄金の髪をした、
鋭い目の男性だった。
男性は切れ長の
細い目をしていたが、
瞳の色はガイと同じ
金色だった。
「お前は誰だ?
この時間のこの庭は、
立ち入り禁止だと知って……」
「おやめになって」
怒鳴られてオタオタ
していた僕を、
女性がかばってくれた。
「この妖精さんは、
私とお茶を飲んでくれただけですわ。
一人ぼっちの私を
憐れんでくださったの。
だって、お誘いしても
この茶会に誰も来て
下さらない。
それはあまりにも
寂しいことでしょう?」
女性の言葉に、
金髪の男性は顔をしかめた。
「いや、だが」
「妖精さんは、迷子なの。
妖精の国から迷い出てしまったのよ」
ね?
と言われて、
僕は、うなずくしかできない。
頷いた瞬間、
たまった瞳から涙が落ちる。
僕が泣いていることに
気が付いたからか、
金髪の男性は急に
うろたえた。
「わ、私が泣かしたのか?
だが、仕方がないだろう。
君が私以外の者と
お茶を飲むなど、
許されるわけがない」
「まぁ、なぜですの?
私は一人で寂しく
お茶を飲めばいいと、
そうおっしゃるのですか?」
「違う!
そうじゃない。
だが私以外の者と
親しく茶を飲むなど……」
僕の前で会話が勝手に進んでいく。
僕はそれを聞いていて、
あれ、って思った。
「お姉さん、
この人がお姉さんの
言っていた大好きな人?」
「え?!」
「は!?」
二人の声が重なり、
同時に僕を見る。
「ずっと待ってた
大好きな人って、
このお兄さんのことだよね?」
「ええ……っと、
私、そんなこと言ったかしら?」
「待ってくれ。
君は私のことが好きだったのか!?」
「なんですの?
その反応は!
迷惑なら迷惑と
言ってくださいませ!」
「迷惑なんかじゃない!
当り前だろう。
私……僕だって、
ずっと君のことが好きだったんだ!」
えっと。
僕、このままここでお茶を
飲んでいてもいいのかな?
どうしよう。
いきなり恋愛小説みたいな
場面になってしまったんだけど。
僕はそっと立ち上がる。
この席は譲った方が良いよね。
でも声はかけ辛い雰囲気だ。
どうしようかと
視線を揺らした先に、
僕は兄を見つけた。
兄は僕から少し
離れた場所で僕たちを見ている。
兄は僕が見ていることに
気が付いた様子で、
おいで、と僕を手招きする。
僕は音をたてないように
そっと兄の場所まで移動した。
兄は僕がそばまでいくと
無言で僕を抱っこした。
それから音を立てずに
僕を連れて早足で歩きだす。
僕は兄の首に腕を回し、
ぎゅう、ってした。
良かった。
僕は迷子じゃなかった。
兄は僕を執務室まで
連れ帰ってくれた。
執務室には3人の騎士だけでなく
ガイもケインもいた。
「エレ!」
ガイが僕を見るなり
心配そうに僕を呼ぶ。
「兄様、ごめんなさい。
ガイも、ケインも」
僕は素直にあやまった。
「どこに行かれていたんですか?」
ケインの言葉に、
僕は首をかしげるしかない。
「わかんない。
でも、お茶をもらったの。
クッキーも……」
「エレ!
知らない人から
食べ物をもらったらだめだ!」
ガイが怖い顔で言う。
「何か入ってたらどうするんだ」
って、お菓子に何が
入っているというんだろう。
僕が首をかしげると、
兄は僕の頭を撫でで、
執務室のソファーに座らせてくれる。
「心配ない。
エレは王太子殿下の婚約者、
ミレット王女と茶会をしていた」
兄の言葉に、
え?って思う。
でも僕以上にガイもケインも
部屋の中にいた騎士たちも
驚いたの様子で「は?」って
大きな声を出す。
「王女殿下は王太子殿下との
お茶会のために
いつも同じ時間に、
例の秘密の花園で待っておられる。
だが、王太子殿下は
忙しくて、その場に行くことは
あまりないらしい」
と、いうことは
あの女性は王女様で
後から来たのが、
王太子殿下だったんだ。
そうか。
あの場所は秘密の庭で、
僕が迷い込んだから、
名前を名乗ったらダメって
言ってくれたんだ。
僕が名前を名乗ったら
バーンズ侯爵家にお咎めが
あるかもしれないから。
僕は心の中で感謝する。
なんでも王女様は
隣国のお姫様で、
この国の王太子殿下と
婚約式のために
数か月前から城に滞在しているらしい。
二人は幼いころから交流があり、
幼いころに婚約が決まっていて
ずっと仲が良かったという。
ところが、
成長して改めて
この国での婚約式のために
訪れた王女様を、
なぜか王太子殿下は
避けているらしく、
王女様は心を痛めていたんだとか。
そんな王女様のお茶会に
僕は迷いこんでしまったのか。
僕が一人で納得していると、
兄に「それで、どうしてあの場にいたんだ?」
と聞かれてしまう。
僕は正直に、運動場に行くつもりが
歩いていたらあの場所にいた、と
白状した。
きっと僕は自分が思っているより
方向音痴なんだと思う。
僕の返事に、兄は、そうか、と
ため息をつく。
「エレは一人で
出歩いたことがなかったからな。
すまなかった。
一人で行かせた私のミスだ」
心細かっただろう。
そう目元を指で拭われ、
僕はとうとう、
兄にしがみついてしまった。
「ごめんなさい、兄さま」
ほんとは、心細かったんだ。
階段は長くてしんどいし、
歩いても歩いても、
誰にも会わなくて。
あの女性に会えたから
不安はまぎれたけれど、
このまま兄にもガイにも
会えなかったらどうしようかと
ずっと不安で怖かった。
兄ば僕の背を撫で、
ぽんぽん、とあやすように
たたいてくれる。
「だが、一人で歩く勇気を
エレは持ったんだ。
えらいぞ」
「うん!」
そうだ、僕だって
やればできるんだから。
僕が顔を上げると、
兄は、よし、と僕を立たせた。
「ガイディス・ブレイトン。
残りの見学はお前に任せる。
食堂に案内して、
エレの気が済んだら
屋敷まで送るように」
「は!」
ってガイは敬礼をする。
ケインが深々と頭を下げ、
僕はガイとケインと一緒に
執務室を出た。
出る前に、兄に
『ありがとうのキス』
を頬にすると、
兄は嬉しそうに笑ってくれた。
良かった。
もう怒ってないみたい。
でもガイもケインも
少し機嫌が悪いみたい。
心配させちゃったよね。
僕は廊下に出てからも
二人に、ごめんなさい、って
頭を下げた。
「いや、すぐに迎えに
行かなかった俺が悪い」
「いえ、そもそも
護衛の俺が離れたのも
良くなかったんです」
なんて二人は言ってくれたけど。
僕は今後、知らない場所では
一人で歩かないようにしようと
心に固く誓った。
何も言えなくなってしまった。
手に持ったままのカップが
急に重たく感じられて
僕はカップをソーサーに置く。
その時だ。
急に誰かが走ってくる
足音がした。
誰か来る?
って思った瞬間、
「何者だ!?」
と急に怒鳴られた。
僕はびっくりしすぎて
また涙がにじむ。
現れたのは
黄金の髪をした、
鋭い目の男性だった。
男性は切れ長の
細い目をしていたが、
瞳の色はガイと同じ
金色だった。
「お前は誰だ?
この時間のこの庭は、
立ち入り禁止だと知って……」
「おやめになって」
怒鳴られてオタオタ
していた僕を、
女性がかばってくれた。
「この妖精さんは、
私とお茶を飲んでくれただけですわ。
一人ぼっちの私を
憐れんでくださったの。
だって、お誘いしても
この茶会に誰も来て
下さらない。
それはあまりにも
寂しいことでしょう?」
女性の言葉に、
金髪の男性は顔をしかめた。
「いや、だが」
「妖精さんは、迷子なの。
妖精の国から迷い出てしまったのよ」
ね?
と言われて、
僕は、うなずくしかできない。
頷いた瞬間、
たまった瞳から涙が落ちる。
僕が泣いていることに
気が付いたからか、
金髪の男性は急に
うろたえた。
「わ、私が泣かしたのか?
だが、仕方がないだろう。
君が私以外の者と
お茶を飲むなど、
許されるわけがない」
「まぁ、なぜですの?
私は一人で寂しく
お茶を飲めばいいと、
そうおっしゃるのですか?」
「違う!
そうじゃない。
だが私以外の者と
親しく茶を飲むなど……」
僕の前で会話が勝手に進んでいく。
僕はそれを聞いていて、
あれ、って思った。
「お姉さん、
この人がお姉さんの
言っていた大好きな人?」
「え?!」
「は!?」
二人の声が重なり、
同時に僕を見る。
「ずっと待ってた
大好きな人って、
このお兄さんのことだよね?」
「ええ……っと、
私、そんなこと言ったかしら?」
「待ってくれ。
君は私のことが好きだったのか!?」
「なんですの?
その反応は!
迷惑なら迷惑と
言ってくださいませ!」
「迷惑なんかじゃない!
当り前だろう。
私……僕だって、
ずっと君のことが好きだったんだ!」
えっと。
僕、このままここでお茶を
飲んでいてもいいのかな?
どうしよう。
いきなり恋愛小説みたいな
場面になってしまったんだけど。
僕はそっと立ち上がる。
この席は譲った方が良いよね。
でも声はかけ辛い雰囲気だ。
どうしようかと
視線を揺らした先に、
僕は兄を見つけた。
兄は僕から少し
離れた場所で僕たちを見ている。
兄は僕が見ていることに
気が付いた様子で、
おいで、と僕を手招きする。
僕は音をたてないように
そっと兄の場所まで移動した。
兄は僕がそばまでいくと
無言で僕を抱っこした。
それから音を立てずに
僕を連れて早足で歩きだす。
僕は兄の首に腕を回し、
ぎゅう、ってした。
良かった。
僕は迷子じゃなかった。
兄は僕を執務室まで
連れ帰ってくれた。
執務室には3人の騎士だけでなく
ガイもケインもいた。
「エレ!」
ガイが僕を見るなり
心配そうに僕を呼ぶ。
「兄様、ごめんなさい。
ガイも、ケインも」
僕は素直にあやまった。
「どこに行かれていたんですか?」
ケインの言葉に、
僕は首をかしげるしかない。
「わかんない。
でも、お茶をもらったの。
クッキーも……」
「エレ!
知らない人から
食べ物をもらったらだめだ!」
ガイが怖い顔で言う。
「何か入ってたらどうするんだ」
って、お菓子に何が
入っているというんだろう。
僕が首をかしげると、
兄は僕の頭を撫でで、
執務室のソファーに座らせてくれる。
「心配ない。
エレは王太子殿下の婚約者、
ミレット王女と茶会をしていた」
兄の言葉に、
え?って思う。
でも僕以上にガイもケインも
部屋の中にいた騎士たちも
驚いたの様子で「は?」って
大きな声を出す。
「王女殿下は王太子殿下との
お茶会のために
いつも同じ時間に、
例の秘密の花園で待っておられる。
だが、王太子殿下は
忙しくて、その場に行くことは
あまりないらしい」
と、いうことは
あの女性は王女様で
後から来たのが、
王太子殿下だったんだ。
そうか。
あの場所は秘密の庭で、
僕が迷い込んだから、
名前を名乗ったらダメって
言ってくれたんだ。
僕が名前を名乗ったら
バーンズ侯爵家にお咎めが
あるかもしれないから。
僕は心の中で感謝する。
なんでも王女様は
隣国のお姫様で、
この国の王太子殿下と
婚約式のために
数か月前から城に滞在しているらしい。
二人は幼いころから交流があり、
幼いころに婚約が決まっていて
ずっと仲が良かったという。
ところが、
成長して改めて
この国での婚約式のために
訪れた王女様を、
なぜか王太子殿下は
避けているらしく、
王女様は心を痛めていたんだとか。
そんな王女様のお茶会に
僕は迷いこんでしまったのか。
僕が一人で納得していると、
兄に「それで、どうしてあの場にいたんだ?」
と聞かれてしまう。
僕は正直に、運動場に行くつもりが
歩いていたらあの場所にいた、と
白状した。
きっと僕は自分が思っているより
方向音痴なんだと思う。
僕の返事に、兄は、そうか、と
ため息をつく。
「エレは一人で
出歩いたことがなかったからな。
すまなかった。
一人で行かせた私のミスだ」
心細かっただろう。
そう目元を指で拭われ、
僕はとうとう、
兄にしがみついてしまった。
「ごめんなさい、兄さま」
ほんとは、心細かったんだ。
階段は長くてしんどいし、
歩いても歩いても、
誰にも会わなくて。
あの女性に会えたから
不安はまぎれたけれど、
このまま兄にもガイにも
会えなかったらどうしようかと
ずっと不安で怖かった。
兄ば僕の背を撫で、
ぽんぽん、とあやすように
たたいてくれる。
「だが、一人で歩く勇気を
エレは持ったんだ。
えらいぞ」
「うん!」
そうだ、僕だって
やればできるんだから。
僕が顔を上げると、
兄は、よし、と僕を立たせた。
「ガイディス・ブレイトン。
残りの見学はお前に任せる。
食堂に案内して、
エレの気が済んだら
屋敷まで送るように」
「は!」
ってガイは敬礼をする。
ケインが深々と頭を下げ、
僕はガイとケインと一緒に
執務室を出た。
出る前に、兄に
『ありがとうのキス』
を頬にすると、
兄は嬉しそうに笑ってくれた。
良かった。
もう怒ってないみたい。
でもガイもケインも
少し機嫌が悪いみたい。
心配させちゃったよね。
僕は廊下に出てからも
二人に、ごめんなさい、って
頭を下げた。
「いや、すぐに迎えに
行かなかった俺が悪い」
「いえ、そもそも
護衛の俺が離れたのも
良くなかったんです」
なんて二人は言ってくれたけど。
僕は今後、知らない場所では
一人で歩かないようにしようと
心に固く誓った。
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