88 / 132
87:不能ってなんだっけ
しおりを挟む
俺の可愛いエレミアスが
俺を風呂に誘っている。
一瞬、言われている意味が
わからずに、俺は動きを止めた。
は?
って声が出そうになって、
俺は慌てて首を振った。
「ガイ、早く!」
って可愛い声が俺を呼ぶが、
行けるわけがない。
「お風呂、入らないの?」
不思議そうに聞かれたが
俺は、どうしていいか
わからなくて、
言い訳のような
言葉を口にするしかない。
「明日の行程の
指示を出すのを
忘れていたんだ」
何とか絞り出した返事に、
可愛い顔がしょんぼりする。
罪悪感が生まれたが、
かといって、 ここで一緒に風呂に 入ったらどうなるかわからない。
それは俺の理性が、
という意味でもあるし、
俺の行動を知った
アンナが団長に報告した後の
恐ろしさに、という意味でもある。
俺はとにかく冷静になれ、 と何度もつぶやきながら
エレミアスが風呂から
上がってくるのを待つ。
だが、なかなか
エレミアスは出てこない。
大丈夫だろうか。
見に行った方がいいだろうか。
だが、風呂だぞ?
エレミアスは全裸だ。
……全裸。
いやいや、落ち着け、俺。
もうちょっと待ってみるか。
だが、結構な時間が
経ってると思うんだが。
水音もしない。
この宿の風呂は
確か猫足のバスタブだったな。
結構深いし、
まさか溺れているんじゃ!?
そう考えると
いてもたってもいられず、
俺はバスルームに飛び込んだ。
「エレ、大丈夫か?!」
すると、バスタブのふちに
腕を出してのんびり
しているエレミアスの姿が見える。
くつろいで目を閉じている姿は、
天使のようだ。
その瞳が俺を捕らえる。
「あまりにも遅いから、
風呂で溺れているのかと……」
とっさに俺は言い訳をして、
そなえつけのバスタオルを
手に取った。
「風呂で寝るのは危ない。
一度、上がろう」
実際には寝ていたわけでは
ないのだろうが。
俺はそう言って、
エレミアスを促す。
白く美しい体が
湯から立ち上がるのを見て
俺は慌ててその体を
バスタオルで包んだ。
見てない。
俺は見てないぞ。
俺はエレミアスを
抱き上げて部屋に戻る。
このまま寝るのなら、
とベッドへ連れて行ったが、
大きなキングサイズの
ベッドを見て、
俺は回れ右をした。
今日はエレミアスと
一緒に、ここで寝るんだ。
意識をしてしまうと
心臓がバクバクしてきて、
とてもじゃないが
ベッドに近づけない。
俺はエレミアスの体を
ソファーに下ろす。
その後、すぐさま
タオルを掴み、
エレミアスの髪を拭く。
風邪をひかないように、
というのは俺の言い訳で、
本当は俺の心臓の
バクバクを誤魔化したかったからだ。
エレミアスは何も言わず
俺のなすがままだ。
髪が絡まないように、
時折、指で髪をとかし、
タオルで水滴を拭く。
サラサラしていた髪は
今は濡れ、それがまた
色っぽい。
体が温まったからだろう。
肌が赤みを帯び、
なまめかしくも思える。
いや、ダメだ。
無心にならなければ。
そう思っていると、
可愛い唇から笑みがこぼれた。
「どうした?」
と聞くと、
「ううん。
ガイのこと好きだなって」
と言われる。
思わず、手が止まった。
「僕ね。
ガイの大きな手、好き」
「そ、そ、そうか」
驚いたが、そうだ。
俺の手が好きなんだな。
そう、他意はない。
エレミアスはいつも
素直に可愛く俺を「好き」
と言ってくれるが、
それは純粋に好意だ。
いや、欲目にそれは
『アイシテル』かもしれないが、
でもそれは、純粋なもので。
俺みたいに邪な気持ちで
好きだと言っているわけではない。
だから全裸の状態で
『好き』と言われても
勘違いしてはならないんだ。
「うん。兄様よりもね、
ガイの手の方が大きく感じる」
「そう、だろうか」
団長の剣を持つ手は強く、
大きなイメージしかない。
「そうだよ」
とエレミアスが強く言う。
反論するほどのことでもないので俺はうなずく。
団長の方が背が高いし、
肩幅も広い。
比べたことなどないが、
手だって団長の方が
大きいとは思うが、
エレミアスがそう感じるのなら
それでいいと思う。
俺がそう思っていると、
エレミアスが両手を広げた。
だっこして、の合図だ。
「え、エレ?」
「だっこ」
「い、い、今か?」
「うん、今」
今!?
エレミアスが全裸の今?!
いや、全裸ではない。
バスタオルに包まっているし、
布の上からという意味では
服を着ているときに
抱っこするのと同じ……なのか?
一瞬迷ったが、
エレミアスの要求を
俺が拒めるはずがない。
俺はおそるおそる
エレミアスを抱き上げた。
すると小さな手が
俺の首に回されて、
ぎゅう、と抱きしめられる感覚になる。
「ふふ、僕ね、
ガイのここも、好き」
俺の頬に、温かく柔らかい頬がぺたり、と付く。
どくん、と心臓が鳴る。
「だから、抱っこするのは
僕だけにしてね」
ここは僕の特等席なんだ。
甘えるようにすり寄られ、
俺は息をのむ。
甘い声に、俺の……下半身が
驚くほどに反応する。
正直に言おう。
俺は今まで見栄を張っていた。
不能が治ったとか、
偉そうに言ってはいたが、
全快したわけではなかった。
確かに下半身に力がみなぎったり、
可愛い体に抱き着かれて
反応することもあった。
だが、言ってみればそれだけだ。
性欲という意味では
戻っていたが、
それは少しの時間、
俺が呼吸を整えたりすれば
収まる程度のものだった。
自らの手で処理する必要もなく、
ただ興奮した脳が
落ち着くのを待てば、
それで解決していたのだ。
だが。
今は違う。
やばい。
甘い声に、仕草に。
俺の心臓がバクバクして
血が上ってくる。
本気で、勃起した。
フルで。
完璧なほどに。
痛いほどに勃ったものを
俺は必死で隠し、
エレミアスを抱きしめる。
しっかり支えていなければ、
俺の勃ったモノの先端が
エレミアスの肌に触れそうだ。
いや、それだけはダメだ。
「エレ、このままでは
風邪をひく。
一人で寝間着は着れるか?」
「うん、大丈夫」
俺はエレミアスの体を
ソファーに下ろす。
すぐそばにアンナが
用意していたであろう
寝間着が置いてあるのが見えた。
「あそこに準備してあるな。
すまない、俺は湯に入ってくる」
「うん。いってらっしゃい」
と無邪気な顔に俺は必死で
笑顔を作った。
エレミアスが寝間着を
置いてあるチェストに
目を向けている間に、
素早くバスルームへ移動する。
猫足のバスタブの中には
当たり前だが、
エレミアスが浸かった湯が
残ったままだ。
いや、だからなんだというのか。
俺はシャワーを浴びる。
勃起したままのコレを
処理したいところだが、
すぐそばにはエレミアスがいる。
一瞬、迷う。
だが。
久しぶりの。
それこそ、何年かぶりの
処理が必要なほどの昂ぶりを
このままにしておくことはできそうにない。
俺はシャワーを出したまま、
急いで欲棒に手を伸ばした。
そばに全裸のエレミアスがいる。
そして、場所はバスルームだ。
エレミアスが入ったバスタブもある。
そう思っただけで、
俺はあっという間に興奮し、
精液を吐き出した。
久しぶりすぎて、
高揚感と、吐き出した後の
疲労感が激しい。
しかも、すべてを吐き出すのに
かなり時間がかかってしまった。
俺は息を吐き、
シャワーで体を洗い流す。
落ち着け。
大丈夫だ、俺。
まだ興奮している感情を
必死で押さえて、
バスタブの湯に浸る。
通常、こういったバスタブでは、
使用人が控えている場合は
一度使った湯は捨て、
新しく入れ替えるのだが、
ここは宿屋だ。
それに侍女も侍従も下がらせているから
俺がエレミアスの後に
同じ湯に入るのも仕方がない。
と、わざわざ俺は
誰に言うわけでもないのに
頭の中で言い訳をする。
一度使った湯は
温度が少し下がってしまうが、
問題はない。
なにせエレミアスが
入った湯だからな。
俺は湯を堪能して、
というか、
とにかく興奮する脳を静めてから
バスルームを後にした。
タオルで体を拭き、
さて、と思う。
俺は普段、裸で寝る。
だから寝間着というものは
持ってきていなかったのだが、
エレミアスがいるのだ。
そういうわけにもいかないよな。
「エレ?」
思案しつつ部屋を見るが、
エレミアスの姿が見えない。
どこかに行った?
いや、まさか。
と慌てる俺に、
小さな寝息が聞こえる。
はっとベッドを見ると、
エレミアスがすでにベッドに潜って眠っていた。
「眠そうだったしな」
一緒に寝るのか、
同じベッドなのかと
慌てていたのは俺だけということだ。
まぁ、たまにだが団長にも
添い寝をしてもらっていたらしいし、
俺ともそんな感じなのだろう。
俺は団長の代わりではないと
意識してもらう必要がありそうだ。
「あぁ、そうだ」
俺はベッドに近寄り、
エレミアスの寝顔を見る。
屈託のない寝顔に、苦笑が漏れる。
「閨の意味も教えたいが」
団長に殺されそうだが。
「でもな、俺はエレに触れたいし、
触れて欲しいんだ。
……愛してるから」
団長の、兄の代わりではなく、
愛する者として、
エレミアスに認識して欲しい。
エレミアスに求められる存在に
俺はなりたいんだ。
俺はエレミアスの頬を撫でる。
「さて、俺はどこで寝るべきか」
隣に寝てもいいだろうか。
いや、だがしかし。
俺はウダウダと悩んでしまい、
結局、ソファーで酒を飲んで眠ってしまった。
翌朝、なんでベッドで寝なかったの?
という、きょとん、とした
可愛い顔に、俺が言葉に詰まったのは言うまでもない。
俺を風呂に誘っている。
一瞬、言われている意味が
わからずに、俺は動きを止めた。
は?
って声が出そうになって、
俺は慌てて首を振った。
「ガイ、早く!」
って可愛い声が俺を呼ぶが、
行けるわけがない。
「お風呂、入らないの?」
不思議そうに聞かれたが
俺は、どうしていいか
わからなくて、
言い訳のような
言葉を口にするしかない。
「明日の行程の
指示を出すのを
忘れていたんだ」
何とか絞り出した返事に、
可愛い顔がしょんぼりする。
罪悪感が生まれたが、
かといって、 ここで一緒に風呂に 入ったらどうなるかわからない。
それは俺の理性が、
という意味でもあるし、
俺の行動を知った
アンナが団長に報告した後の
恐ろしさに、という意味でもある。
俺はとにかく冷静になれ、 と何度もつぶやきながら
エレミアスが風呂から
上がってくるのを待つ。
だが、なかなか
エレミアスは出てこない。
大丈夫だろうか。
見に行った方がいいだろうか。
だが、風呂だぞ?
エレミアスは全裸だ。
……全裸。
いやいや、落ち着け、俺。
もうちょっと待ってみるか。
だが、結構な時間が
経ってると思うんだが。
水音もしない。
この宿の風呂は
確か猫足のバスタブだったな。
結構深いし、
まさか溺れているんじゃ!?
そう考えると
いてもたってもいられず、
俺はバスルームに飛び込んだ。
「エレ、大丈夫か?!」
すると、バスタブのふちに
腕を出してのんびり
しているエレミアスの姿が見える。
くつろいで目を閉じている姿は、
天使のようだ。
その瞳が俺を捕らえる。
「あまりにも遅いから、
風呂で溺れているのかと……」
とっさに俺は言い訳をして、
そなえつけのバスタオルを
手に取った。
「風呂で寝るのは危ない。
一度、上がろう」
実際には寝ていたわけでは
ないのだろうが。
俺はそう言って、
エレミアスを促す。
白く美しい体が
湯から立ち上がるのを見て
俺は慌ててその体を
バスタオルで包んだ。
見てない。
俺は見てないぞ。
俺はエレミアスを
抱き上げて部屋に戻る。
このまま寝るのなら、
とベッドへ連れて行ったが、
大きなキングサイズの
ベッドを見て、
俺は回れ右をした。
今日はエレミアスと
一緒に、ここで寝るんだ。
意識をしてしまうと
心臓がバクバクしてきて、
とてもじゃないが
ベッドに近づけない。
俺はエレミアスの体を
ソファーに下ろす。
その後、すぐさま
タオルを掴み、
エレミアスの髪を拭く。
風邪をひかないように、
というのは俺の言い訳で、
本当は俺の心臓の
バクバクを誤魔化したかったからだ。
エレミアスは何も言わず
俺のなすがままだ。
髪が絡まないように、
時折、指で髪をとかし、
タオルで水滴を拭く。
サラサラしていた髪は
今は濡れ、それがまた
色っぽい。
体が温まったからだろう。
肌が赤みを帯び、
なまめかしくも思える。
いや、ダメだ。
無心にならなければ。
そう思っていると、
可愛い唇から笑みがこぼれた。
「どうした?」
と聞くと、
「ううん。
ガイのこと好きだなって」
と言われる。
思わず、手が止まった。
「僕ね。
ガイの大きな手、好き」
「そ、そ、そうか」
驚いたが、そうだ。
俺の手が好きなんだな。
そう、他意はない。
エレミアスはいつも
素直に可愛く俺を「好き」
と言ってくれるが、
それは純粋に好意だ。
いや、欲目にそれは
『アイシテル』かもしれないが、
でもそれは、純粋なもので。
俺みたいに邪な気持ちで
好きだと言っているわけではない。
だから全裸の状態で
『好き』と言われても
勘違いしてはならないんだ。
「うん。兄様よりもね、
ガイの手の方が大きく感じる」
「そう、だろうか」
団長の剣を持つ手は強く、
大きなイメージしかない。
「そうだよ」
とエレミアスが強く言う。
反論するほどのことでもないので俺はうなずく。
団長の方が背が高いし、
肩幅も広い。
比べたことなどないが、
手だって団長の方が
大きいとは思うが、
エレミアスがそう感じるのなら
それでいいと思う。
俺がそう思っていると、
エレミアスが両手を広げた。
だっこして、の合図だ。
「え、エレ?」
「だっこ」
「い、い、今か?」
「うん、今」
今!?
エレミアスが全裸の今?!
いや、全裸ではない。
バスタオルに包まっているし、
布の上からという意味では
服を着ているときに
抱っこするのと同じ……なのか?
一瞬迷ったが、
エレミアスの要求を
俺が拒めるはずがない。
俺はおそるおそる
エレミアスを抱き上げた。
すると小さな手が
俺の首に回されて、
ぎゅう、と抱きしめられる感覚になる。
「ふふ、僕ね、
ガイのここも、好き」
俺の頬に、温かく柔らかい頬がぺたり、と付く。
どくん、と心臓が鳴る。
「だから、抱っこするのは
僕だけにしてね」
ここは僕の特等席なんだ。
甘えるようにすり寄られ、
俺は息をのむ。
甘い声に、俺の……下半身が
驚くほどに反応する。
正直に言おう。
俺は今まで見栄を張っていた。
不能が治ったとか、
偉そうに言ってはいたが、
全快したわけではなかった。
確かに下半身に力がみなぎったり、
可愛い体に抱き着かれて
反応することもあった。
だが、言ってみればそれだけだ。
性欲という意味では
戻っていたが、
それは少しの時間、
俺が呼吸を整えたりすれば
収まる程度のものだった。
自らの手で処理する必要もなく、
ただ興奮した脳が
落ち着くのを待てば、
それで解決していたのだ。
だが。
今は違う。
やばい。
甘い声に、仕草に。
俺の心臓がバクバクして
血が上ってくる。
本気で、勃起した。
フルで。
完璧なほどに。
痛いほどに勃ったものを
俺は必死で隠し、
エレミアスを抱きしめる。
しっかり支えていなければ、
俺の勃ったモノの先端が
エレミアスの肌に触れそうだ。
いや、それだけはダメだ。
「エレ、このままでは
風邪をひく。
一人で寝間着は着れるか?」
「うん、大丈夫」
俺はエレミアスの体を
ソファーに下ろす。
すぐそばにアンナが
用意していたであろう
寝間着が置いてあるのが見えた。
「あそこに準備してあるな。
すまない、俺は湯に入ってくる」
「うん。いってらっしゃい」
と無邪気な顔に俺は必死で
笑顔を作った。
エレミアスが寝間着を
置いてあるチェストに
目を向けている間に、
素早くバスルームへ移動する。
猫足のバスタブの中には
当たり前だが、
エレミアスが浸かった湯が
残ったままだ。
いや、だからなんだというのか。
俺はシャワーを浴びる。
勃起したままのコレを
処理したいところだが、
すぐそばにはエレミアスがいる。
一瞬、迷う。
だが。
久しぶりの。
それこそ、何年かぶりの
処理が必要なほどの昂ぶりを
このままにしておくことはできそうにない。
俺はシャワーを出したまま、
急いで欲棒に手を伸ばした。
そばに全裸のエレミアスがいる。
そして、場所はバスルームだ。
エレミアスが入ったバスタブもある。
そう思っただけで、
俺はあっという間に興奮し、
精液を吐き出した。
久しぶりすぎて、
高揚感と、吐き出した後の
疲労感が激しい。
しかも、すべてを吐き出すのに
かなり時間がかかってしまった。
俺は息を吐き、
シャワーで体を洗い流す。
落ち着け。
大丈夫だ、俺。
まだ興奮している感情を
必死で押さえて、
バスタブの湯に浸る。
通常、こういったバスタブでは、
使用人が控えている場合は
一度使った湯は捨て、
新しく入れ替えるのだが、
ここは宿屋だ。
それに侍女も侍従も下がらせているから
俺がエレミアスの後に
同じ湯に入るのも仕方がない。
と、わざわざ俺は
誰に言うわけでもないのに
頭の中で言い訳をする。
一度使った湯は
温度が少し下がってしまうが、
問題はない。
なにせエレミアスが
入った湯だからな。
俺は湯を堪能して、
というか、
とにかく興奮する脳を静めてから
バスルームを後にした。
タオルで体を拭き、
さて、と思う。
俺は普段、裸で寝る。
だから寝間着というものは
持ってきていなかったのだが、
エレミアスがいるのだ。
そういうわけにもいかないよな。
「エレ?」
思案しつつ部屋を見るが、
エレミアスの姿が見えない。
どこかに行った?
いや、まさか。
と慌てる俺に、
小さな寝息が聞こえる。
はっとベッドを見ると、
エレミアスがすでにベッドに潜って眠っていた。
「眠そうだったしな」
一緒に寝るのか、
同じベッドなのかと
慌てていたのは俺だけということだ。
まぁ、たまにだが団長にも
添い寝をしてもらっていたらしいし、
俺ともそんな感じなのだろう。
俺は団長の代わりではないと
意識してもらう必要がありそうだ。
「あぁ、そうだ」
俺はベッドに近寄り、
エレミアスの寝顔を見る。
屈託のない寝顔に、苦笑が漏れる。
「閨の意味も教えたいが」
団長に殺されそうだが。
「でもな、俺はエレに触れたいし、
触れて欲しいんだ。
……愛してるから」
団長の、兄の代わりではなく、
愛する者として、
エレミアスに認識して欲しい。
エレミアスに求められる存在に
俺はなりたいんだ。
俺はエレミアスの頬を撫でる。
「さて、俺はどこで寝るべきか」
隣に寝てもいいだろうか。
いや、だがしかし。
俺はウダウダと悩んでしまい、
結局、ソファーで酒を飲んで眠ってしまった。
翌朝、なんでベッドで寝なかったの?
という、きょとん、とした
可愛い顔に、俺が言葉に詰まったのは言うまでもない。
60
あなたにおすすめの小説
魔王を倒した勇者の凱旋に、親友の俺だけが行かなかった理由
スノウマン(ユッキー)
BL
スラム育ちの二人は、スキルを得た事で魔王討伐に旅立つ勇者と彼の帰還を待つだけのただの親友となる。
勇者と親友の無自覚両片想いのじれったい恋愛の物語。
聖女を演じた巻き添え兄は、王弟殿下の求愛から逃げられない
深嶋(深嶋つづみ)
BL
谷口理恩は一年ほど前、妹と一緒に異世界に転移してしまった。
聖女として魔術の才を開花させた妹・世奈のおかげもあって、二人はアルゼノール王国の大教会に保護され、不自由のない暮らしを送ることができている。が、最近は世奈の奔放さに理恩は頭を抱えることもあった。
ある日、世奈の仕事を肩代わりした理恩は、病に臥せっている幼い第二王子・イヴァン王子のもとに参じることに。
――「僕が大人になったら、僕の妃になってくれませんか」。
何度も謁見を重ねるうちに理恩に懐いた彼は、目の前の聖女が偽者であることに気付かぬまま、やがて理恩に求愛する。
理恩は驚き、後ろめたい気持ちを抱きながらも、「大人になっても同じ気持ちでいてくれたなら」と約束を交わした。
その直後、何者かの陰謀に陥れられた世奈の巻き添えとなり、理恩は辺境の地へと飛ばされてしまい……。
――数年後、アルゼノール王国を出て世界中を巡っていた理恩は、とある国で偶然、王弟・イヴァンと再会する。
傷心の旅をしているのだという彼は、どういうわけか理恩との交流を持ちたがって――?
「地味な婚約者を捨てて令嬢と結婚します」と言った騎士様が、3ヶ月で離婚されて路頭に迷っている
歩人
ファンタジー
薬師のナターリアは婚約者の騎士ルドガーに「地味なお前より伯爵令嬢が
ふさわしい」と捨てられた。泣きはしなかった。ただ、明日から届ける薬が
一人分減るな、と思っただけ。
ルドガーは華やかな伯爵令嬢イレーネと結婚し、騎士団で出世する——はずだった。
しかしイレーネの実家は見栄だけの火の車。持参金は消え、借金取りが押し寄せ、
イレーネ本人にも「稼ぎが少ない」と三行半を突きつけられた。
3ヶ月で全てを失ったルドガーが街角で見たのは、王宮薬師に抜擢された
ナターリアが、騎士団長と笑い合う姿だった。
「なあ、ナターリア……俺が間違っていた」
「ええ、知ってます。でも、もう関係のない話ですね」
薄紅の檻、月下の契り
雪兎
BL
あらすじ
大正十年、華やかな文明開化の影で、いまだ旧き因習が色濃く残る帝都。
没落しかけた名家に生まれた“Ω(オメガ)”の青年・白鷺伊織は、家を救うため政略的な「番(つがい)」として差し出される運命にあった。
しかし縁談の相手は、冷酷無慈悲と噂される若き実業家であり“α(アルファ)”の当主・九条鷹司。
鉄道・銀行事業で財を成した九条家は、華族でもありながら成り上がりと蔑まれる存在。
一方の伊織は、旧華族の矜持を胸に秘めながらも、Ωであるがゆえに家族から疎まれてきた。
冷ややかな契約婚として始まった同居生活。
だが、伊織は次第に知ることになる。
鷹司がΩを所有物としてではなく、一人の人間として尊重しようとしていることを。
発情期を巡る制度、番契約を強制する家制度、そして帝都に広がる新思想。
伝統と自由のはざまで揺れながら、二人は「選ばされた番」から「自ら選ぶ伴侶」へと変わっていく——。
月明かりの下、交わされるのは支配ではなく、誓い。
大正浪漫薫る帝都で紡がれる、運命を超える愛の物語。
遊び人殿下に嫌われている僕は、幼馴染が羨ましい。
月湖
BL
「心配だから一緒に行く!」
幼馴染の侯爵子息アディニーが遊び人と噂のある大公殿下の家に呼ばれたと知った僕はそう言ったのだが、悪い噂のある一方でとても優秀で方々に伝手を持つ彼の方の下に侍れれば将来は安泰だとも言われている大公の屋敷に初めて行くのに、招待されていない者を連れて行くのは心象が悪いとド正論で断られてしまう。
「あのね、デュオニーソスは連れて行けないの」
何度目かの呼び出しの時、アディニーは僕にそう言った。
「殿下は、今はデュオニーソスに会いたくないって」
そんな・・・昔はあんなに優しかったのに・・・。
僕、殿下に嫌われちゃったの?
実は粘着系殿下×健気系貴族子息のファンタジーBLです。
断罪回避のために親友と仮婚約したはずが、想像以上に執着されていた。
鷲井戸リミカ
BL
ある日アーサーは、自分がネット小説の世界に転生していることに気が付いた。前世の記憶によれば親友のフェルディナンドは、悪役令息という役割らしい。最終的に婚約者から婚約破棄され、断罪後は国外追放されてしまうのだとか。
大事な親友が不幸になるのを見過ごすわけにはいかない。とにかく物語の主人公たちから距離をとらせようと、アーサーはフェルディナンドを自分の婚約者にしてしまった。
とりあえず仮婚約という形にしておいて、学園を卒業したら婚約を解消してしまえばいい。そう考えていたはずがアーサーのとある発言をきっかけに、フェルディナンドの執着が明らかになり……。
ハッピーエンドです。
黒獅子の愛でる花
なこ
BL
レノアール伯爵家次男のサフィアは、伯爵家の中でもとりわけ浮いた存在だ。
中性的で神秘的なその美しさには、誰しもが息を呑んだ。
深い碧眼はどこか憂いを帯びており、見る者を惑わすと言う。
サフィアは密かに、幼馴染の侯爵家三男リヒトと将来を誓い合っていた。
しかし、その誓いを信じて疑うこともなかったサフィアとは裏腹に、リヒトは公爵家へ婿入りしてしまう。
毎日のように愛を囁き続けてきたリヒトの裏切り行為に、サフィアは困惑する。
そんなある日、複雑な想いを抱えて過ごすサフィアの元に、幼い王太子の世話係を打診する知らせが届く。
王太子は、黒獅子と呼ばれ、前国王を王座から引きずり降ろした現王と、その幼馴染である王妃との一人息子だ。
王妃は現在、病で療養中だという。
幼い王太子と、黒獅子の王、王妃の住まう王城で、サフィアはこれまで知ることのなかった様々な感情と直面する。
サフィアと黒獅子の王ライは、二人を取り巻く愛憎の渦に巻き込まれながらも、密かにゆっくりと心を通わせていくが…
拗らせ問題児は癒しの君を独占したい
結衣可
BL
前世で限界社畜として心をすり減らした青年は、異世界の貧乏子爵家三男・セナとして転生する。王立貴族学院に奨学生として通う彼は、座学で首席の成績を持ちながらも、目立つことを徹底的に避けて生きていた。期待されることは、壊れる前触れだと知っているからだ。
一方、公爵家次男のアレクシスは、魔法も剣術も学年トップの才能を持ちながら、「何も期待されていない」立場に嫌気がさし、問題児として学院で浮いた存在になっていた。
補習課題のペアとして出会った二人。
セナはアレクシスを特別視せず、恐れも媚びも見せない。その静かな態度と、美しい瞳に、アレクシスは強く惹かれていく。放課後を共に過ごすうち、アレクシスはセナを守りたいと思い始める。
身分差と噂、そしてセナが隠す“癒やしの光魔法”。
期待されることを恐れるセナと、期待されないことに傷つくアレクシスは、すれ違いながらも互いを唯一の居場所として見つけていく。
これは、静かに生きたい少年と、選ばれたかった少年が出会った物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる