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129:俺の妖精は加護が過ぎる・2
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パーティー会場は
異国の人間も多く
異様な空気だった。
俺は異国文化と
積極的に関わりたいわけでは
なかったし、
ロチェスター伯爵の目的は
俺たちと異国文化の
交流ではないだろうから
少しここで馴染んだら
部屋に戻るつもりでいた。
ここに来たのは
借りている屋敷のコンロが
壊れたからだ。
つまり交流ではなく
エレミアスに食事をさせれば
俺の目的は達成する。
そう思っていたのだが
俺はあっという間に
俺の顔を知る者たちに
囲まれてしまった。
普段社交場に出ないのも 良くなかったのだろう。
俺も次男とはいえ、
ブレイトン公爵家の息子だ。
そしてバーンズ侯爵家に
婿入りも決まっている。
親しくなりたいと
考える者は多いだろう。
俺は咄嗟に
ケインにエレミアスを託した。
わざとエレミアスから
距離を取り、
周囲の視線を引いたのだ。
案の定、エレミアスは 俺から自然に離れることになり、 ケインがそばのソファーに エレミアスを座らせている。
その場でエレミアスが
食事をしてくれれば、
俺の目的は達成する。
そう考えていたのだが。
気が付くと何故か エレミアスが異国の
子どもと菓子を食べていた。
意味が分からん。
俺が声を掛けると、
ケインが迷子らしいという。
「迷子?
ここは夜会だろう。
なんで子どもがいるんだ?」
「異国の子みたいですし、
この国の法律は
関係ないんじゃないですか」
とケインが言う。
とにかくこのままでは
エレミアスが部屋に戻るのは難しい。
「わかった。
とにかくロチェスター伯爵に
声を掛けてくる」
俺はそう言い、
その場を離れて
ロチェスター伯爵を探した。
人が多く、
どうするかと思っていると、
入り口付近で、
何やら異国の男性と
侍女の女性、そして
ロチェスター伯爵が
なにやらもめている。
「取り込み中、失礼」
俺は無礼を承知で
三人の間に割り込んだ。
異国の男性が、
どことなくあの子供に
似ている気がしたのだ。
「これは、
ブレイトン公子。
楽しんでおられますかな?」
「ええ、ロチェスター伯。
ありがとうございます。
それよりも、
そちらの男性ですが……
もしかして、
何かお困りでは?」
「ええ、一緒に来たご息子が
行方不明になったとかで。
お忍びの旅ということで
供の者を連れてこなかったらしく、
今、使用人たちに
探させようと思っていたのです」
やっぱり。
「ならば、大丈夫です」
俺はロチェスター伯爵と、
それから異国の男性を交互に見た。
俺の言葉は、この男性に
理解してもらえているだろうか。
「おそらくですが、
その方のお子さんが、
この会場に紛れ込んでますよ。
今は会場のソファーで
食事をしています」
俺の言葉にロチェスター伯は
驚いた顔をして、
何やら異国の言葉で
男性に話しかけている。
男性も驚いた顔で
俺の腕を掴んできた。
必死の様子に
「大丈夫」と
俺は手で示し、
男性の手を解いた。
それから二人を案内して
エレミアスのもとに戻ったのだが。
なにやら二人は
やけに親密な仲になっていた。
俺は異国の言葉はわからないが
エレミアスは時折、
悩むような仕草をするものの
会話はできているようだ。
さすがバーンズ侯爵家の
教育は凄いと思ってしまう。
感動の親子の再会を見届け、
エレミアスに子どもと
何を話していたのかと聞くと、
「可愛いって言われた」
とか
「結婚して欲しい」
とか。
なぜ子どもに
プロポーズされるんだ?
異国の子どもに、
しかもほんの数分で。
エレミアスの魅力は
異国だろうが、
子どもだろうが
関係ないということか。
これは早いところ、
会場から退散するに限るな。
まぁ、プロポーズに関しては
俺がいるから
ちゃんと断ったと、
恥ずかしそうに言われたのは
かなり嬉しかったが。
そこから俺とケインは
ソファーに誰も来させないよう
目を光らせながら
エレミアスに食事を運んだ。
食事は確かに異国の物も
数多く準備されていて、
エレミアスは珍しそうに食べている。
その横で俺もケインも
素早く食事した。
ケインとは目を合わせるだけで
「早くエレミアスを
部屋に戻そう」
と頷きあうことができている。
エレミアスには外国の料理を
堪能することで、
異国文化と交流した、
と思わせることにした。
言葉がわからない
外国人と話をするのは
俺も疲れるし、
なにより、エレミアスを
気に入られでもしたら
外交問題に発展する可能性がある。
まさかあの子供みたいに
本気でエレミアスを
嫁に欲しいなどと
無茶を言う者はいないだろうが、
エレミアスと友人になりたいと
思う人間も出てくるだろう。
そうなったとき、
俺やケインではそれを
止めることができないし、
なにより、そのことを
団長に知られたら……
バーンズ侯爵家の全員を
敵に回すようなものだ。
とにかく、ここは穏便に
エレミアスを満足させて退散だ。
エレミアスの魅力が
素晴らしいのは理解していたが、
まさかただの交流会で
こんなことになるとは。
いや、まさかエレミアスが
『いろんな国の人たちと
仲良くなってみたい』
なんて思ったわけじゃないよな?
その願いを精霊が叶えたわけじゃないよな?
やっぱり、
あんな奇妙な腕輪なんぞ
捨ててしまえばよかった。
いや、すでに捨てたのに、
何故いまだにエレミアスに
関わってくる?
次にあの腕輪を見たときは
絶対に俺の剣で壊してやる。
俺は心の中で決意する。
「もう僕、
おなかいっぱいだよ」
ケインが差し出した皿を見て
可愛い笑い声が聞こえる。
「ケイン、持ってきすぎ」
「すみません、
俺が食べたかったもので」
ケインがいいつつ、
皿の中身を口の中に入れている。
よし。
その皿の中身がなくなったら
部屋にもどろう。
早く食え。
俺の視線に気づいたのだろう。
ケインもわかってる、と
言いたげな顔で、
水を口に流し込んでいた。
異国の人間も多く
異様な空気だった。
俺は異国文化と
積極的に関わりたいわけでは
なかったし、
ロチェスター伯爵の目的は
俺たちと異国文化の
交流ではないだろうから
少しここで馴染んだら
部屋に戻るつもりでいた。
ここに来たのは
借りている屋敷のコンロが
壊れたからだ。
つまり交流ではなく
エレミアスに食事をさせれば
俺の目的は達成する。
そう思っていたのだが
俺はあっという間に
俺の顔を知る者たちに
囲まれてしまった。
普段社交場に出ないのも 良くなかったのだろう。
俺も次男とはいえ、
ブレイトン公爵家の息子だ。
そしてバーンズ侯爵家に
婿入りも決まっている。
親しくなりたいと
考える者は多いだろう。
俺は咄嗟に
ケインにエレミアスを託した。
わざとエレミアスから
距離を取り、
周囲の視線を引いたのだ。
案の定、エレミアスは 俺から自然に離れることになり、 ケインがそばのソファーに エレミアスを座らせている。
その場でエレミアスが
食事をしてくれれば、
俺の目的は達成する。
そう考えていたのだが。
気が付くと何故か エレミアスが異国の
子どもと菓子を食べていた。
意味が分からん。
俺が声を掛けると、
ケインが迷子らしいという。
「迷子?
ここは夜会だろう。
なんで子どもがいるんだ?」
「異国の子みたいですし、
この国の法律は
関係ないんじゃないですか」
とケインが言う。
とにかくこのままでは
エレミアスが部屋に戻るのは難しい。
「わかった。
とにかくロチェスター伯爵に
声を掛けてくる」
俺はそう言い、
その場を離れて
ロチェスター伯爵を探した。
人が多く、
どうするかと思っていると、
入り口付近で、
何やら異国の男性と
侍女の女性、そして
ロチェスター伯爵が
なにやらもめている。
「取り込み中、失礼」
俺は無礼を承知で
三人の間に割り込んだ。
異国の男性が、
どことなくあの子供に
似ている気がしたのだ。
「これは、
ブレイトン公子。
楽しんでおられますかな?」
「ええ、ロチェスター伯。
ありがとうございます。
それよりも、
そちらの男性ですが……
もしかして、
何かお困りでは?」
「ええ、一緒に来たご息子が
行方不明になったとかで。
お忍びの旅ということで
供の者を連れてこなかったらしく、
今、使用人たちに
探させようと思っていたのです」
やっぱり。
「ならば、大丈夫です」
俺はロチェスター伯爵と、
それから異国の男性を交互に見た。
俺の言葉は、この男性に
理解してもらえているだろうか。
「おそらくですが、
その方のお子さんが、
この会場に紛れ込んでますよ。
今は会場のソファーで
食事をしています」
俺の言葉にロチェスター伯は
驚いた顔をして、
何やら異国の言葉で
男性に話しかけている。
男性も驚いた顔で
俺の腕を掴んできた。
必死の様子に
「大丈夫」と
俺は手で示し、
男性の手を解いた。
それから二人を案内して
エレミアスのもとに戻ったのだが。
なにやら二人は
やけに親密な仲になっていた。
俺は異国の言葉はわからないが
エレミアスは時折、
悩むような仕草をするものの
会話はできているようだ。
さすがバーンズ侯爵家の
教育は凄いと思ってしまう。
感動の親子の再会を見届け、
エレミアスに子どもと
何を話していたのかと聞くと、
「可愛いって言われた」
とか
「結婚して欲しい」
とか。
なぜ子どもに
プロポーズされるんだ?
異国の子どもに、
しかもほんの数分で。
エレミアスの魅力は
異国だろうが、
子どもだろうが
関係ないということか。
これは早いところ、
会場から退散するに限るな。
まぁ、プロポーズに関しては
俺がいるから
ちゃんと断ったと、
恥ずかしそうに言われたのは
かなり嬉しかったが。
そこから俺とケインは
ソファーに誰も来させないよう
目を光らせながら
エレミアスに食事を運んだ。
食事は確かに異国の物も
数多く準備されていて、
エレミアスは珍しそうに食べている。
その横で俺もケインも
素早く食事した。
ケインとは目を合わせるだけで
「早くエレミアスを
部屋に戻そう」
と頷きあうことができている。
エレミアスには外国の料理を
堪能することで、
異国文化と交流した、
と思わせることにした。
言葉がわからない
外国人と話をするのは
俺も疲れるし、
なにより、エレミアスを
気に入られでもしたら
外交問題に発展する可能性がある。
まさかあの子供みたいに
本気でエレミアスを
嫁に欲しいなどと
無茶を言う者はいないだろうが、
エレミアスと友人になりたいと
思う人間も出てくるだろう。
そうなったとき、
俺やケインではそれを
止めることができないし、
なにより、そのことを
団長に知られたら……
バーンズ侯爵家の全員を
敵に回すようなものだ。
とにかく、ここは穏便に
エレミアスを満足させて退散だ。
エレミアスの魅力が
素晴らしいのは理解していたが、
まさかただの交流会で
こんなことになるとは。
いや、まさかエレミアスが
『いろんな国の人たちと
仲良くなってみたい』
なんて思ったわけじゃないよな?
その願いを精霊が叶えたわけじゃないよな?
やっぱり、
あんな奇妙な腕輪なんぞ
捨ててしまえばよかった。
いや、すでに捨てたのに、
何故いまだにエレミアスに
関わってくる?
次にあの腕輪を見たときは
絶対に俺の剣で壊してやる。
俺は心の中で決意する。
「もう僕、
おなかいっぱいだよ」
ケインが差し出した皿を見て
可愛い笑い声が聞こえる。
「ケイン、持ってきすぎ」
「すみません、
俺が食べたかったもので」
ケインがいいつつ、
皿の中身を口の中に入れている。
よし。
その皿の中身がなくなったら
部屋にもどろう。
早く食え。
俺の視線に気づいたのだろう。
ケインもわかってる、と
言いたげな顔で、
水を口に流し込んでいた。
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