魔眼の剣士、少女を育てる為冒険者を辞めるも暴れてバズり散らかした挙句少女の高校入学で号泣する~30代剣士は世界に1人のトリプルジョブに至る~

ぐうのすけ

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第42話

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 昨日の失敗を教訓にしてうさぎダンジョンにやって来たが人の気配がした。
 
「げえ! 豊香か」
「達也さんおはようございます!」

 豊香が満面の笑みで手を振った。
 そしてドローンで配信をしている。
 配信はまた荒れてるんだろうな。

『げ! って言ったwwwwww』
『達也って最初は放火に敬語だったよな。でも最速で呼び捨てになってて草』
『バズリ散らかしの達也と炎上の放火、2人が揃えば間違いない』
『化学反応に期待』

「俺やる事があるから」
「はい、うさぎをたくさんテイムするんですよね?」
「何で知ってるの? 俺誰にも言ってないけど!? ええええええええ!」

『怖いよな、事情を何も言ってないのにもうバレてるの怖いだろうな』
『こっちにはネット名探偵がいる』
『達也がガチで放火に警戒してる』

「ついて行きますね。配信を変わりましょうか?」
「いや、俺の配信はいいや。俺自由に動くから」
「良いですよ。よろしくお願いします」

 放火が握手の手を差し出した。
 俺は数秒迷ってから手を差し出す。
 コメントが荒れると思うけどもう豊香の配信は見ないようにしよう。

「よろしくお願いしますね」

『放火キモイ!』
『体をくねらすな! 体のラインが見える服を着るな! 上目遣いもやめろ!』
『握手が長い。達也さんを警戒させんなよ!』
『達也が困ってる、普通さあ! 達也が握手したくないって思ってんのにそれでも握手をしたりしないよね!』

『来た来た来た来た! 嫉妬民来たああああああああ!』
『やめろ、分かっていてもスルーするんだ、巻き添えを食らう!』
『何も言わずに見守るのが紳士のたしなみですぞ』

『なんだろう、にやにやしてしまう。言うて放火は悪い事を何もしていない。安心して見ていられる』
『体のラインが見える服は結構好きなんだよなあ。遠くで見ている分には放火は面白いし見た目もいい』
『でも待ち伏せとやることがバレるコンボは達也からしたら怖いよな』

「じゃ、いくな」

 俺は走った。
 黒魔法使いなのに豊香の足が早い。
 レベルが高いか。
 偶然を装い置いていく事は難しいか。

 うさぎをテイムした。
 うさぎをテイムすると付いてくる。これで俺の足が一気に遅くなった。
 
「いいですねえ! いいですよ! どんどんうさぎが増えています」

 俺はテイムを続けた。


 ◇


「目標の1000体テイム達成!」

 わらわらわらわら!

 がさがさがさがさ!

 1000体のうさぎが俺についてくる。

『100体かと思ったら1000体テイムしおった』
『予想の斜め上を行くよな?』
『だめだ、面白過ぎる』
『達也のストイックさと昨日の件が絡まっておかしなことになっておる』

「次はどうするんですか?」
「歩いて帰るのはきついから物流の会社に頼みに行く」
「トラックですね?」
「そうそう、一応前の日に連絡は入れているから」

 俺はうさぎを連れて街を歩く。

「信号だから止まって!」

 わらわらわらわら!
 道行く人が俺にスマホを向ける。

「今はプライベートなので撮影は遠慮してください」

 そう言いつつも豊香は俺をドローンで撮影し続ける。
 会社に着くと社長が出てくる。

「これは、また、す、凄い量ですね」
「ええ、料金はいくらでしょうか?」
「トラックは何台使用しますか?」
「何台使えますか?」

「空きがあるのが3台です」
「では3台で運搬をお願いしたいです」
「料金は規定価格で75000円になりますが、よろしいですか?」

「掃除も含めて10万でどうです?」
「え? 高くなっていますが?」
「はい、トラックの運転手さんは大変だと思いますのでこれで出来るだけ従業員の皆さんに給料を払って欲しいです」
「あ、ありがとうございます! う、ううう、す、すいません、涙が、うううう!」

『物流の報酬だけど、この前見たのだと2万円の規定価格が7000円に値切られてたな、で、値上げをお願いすると他の所にお願いされるんだって』
『いつもだと過当競争で物流は買い叩かれてるんだよな』
『だからあの涙か』
『買い叩かず更に値上げして依頼する性格イケメンよ』

「さすが達也さん、物流問題に切り込んでいますね」

「切り込んでいない。ただまともな報酬で働いてもらいたいだけだ」
「なるほど、文句だけ言うような誰でも出来る浅い行動は取らないんですね。流石です。『口で言うのは10秒、でも実行するのは長い時間がかかる』を見事に実践してます。達也さんのような人が増えればこの国は変わっていくでしょうね」

『はあ! 意見を言うのが悪いなら何も変わらないだろ!』
『意見を言わないと何も変わらない』
『口だけ出す人間は余りまくっているから行動する人が増えればいいという意味じゃないかな?』
『まともに正論を返すと荒れる、やめとけって!』

『意見が悪いんじゃなくて意見にマウントと批判が乗っかるとまずいよね。話をする時はリスペクトが大事よ』
『日本が口やかましいのは昔からだろ、今更だよな』
『意見を言う人は多すぎて余りまくってて実行する人が少なすぎるんよ』

 コメントが荒れて炎上する。


「全方位で炎上させるのはやめておこうか」
「スマホを見ていないのに勘がいいですね。達也さん、言いたいことは分かりますよ」
「うんうん、いろんな人がいるし色んな考え方があるからな」

「はい、でも思うんです。自分では何もせず口だけを出す下位5%が気色悪って、口で言うのは10秒、でも実行するのは長い時間がかかります。そう言って日本の底辺5%がアドバイスをした気になって善意をぶち壊すのが今の日本です。みんなの為に動いてくれる矢面に立つ人たちを引きずり下ろして巡り巡って自分の首を絞めているんですよねえ。気に入らない事があれば自分でやってみてくださいと言えばブチ切れながら更なるバッシングが返ってきて火に油を注ぐだけ。本当に気色悪いですよね」
「やめとけ」

「自分で責任を取って行動する多くの人がバッシングされて何もしないで人生がうまくいっていない弱者が顔を隠して日頃のうっぷんを晴らすようにアドバイスをした気になっています。そんなアドバイスは誰でも分かっているのに『言ってやらなきゃ日本は変わらないだろ!』とか言います。変えたいなら口じゃなくて行動に移しましょう。後アドバイスをしたいだけならマウントや引きずり落とす成分を混ぜるのはやめましょうね。意見があるなら国に言いましょう」
「やめとけって。本当にやめてくれ!」

「でもそう言う人に限って煙草を吸いながらお酒を飲んでギャンブルをして贅沢をしておいて『全く、上ばかり贅沢をしやがって」とか言いながら贅沢をしてたりします。でもそう言う人ってこれをやりましょうとかアドバイスを言うと『金がない奴はどうすんだよ!』と言って怒り出します。多くの場合は何もしない行動の積み重ねから来ています。抽象的な批判じゃなくてまずは自分の家計簿を晒して話をして欲しいって思います」
「やめとけ!!」

『きびしい正論は駄目だ! 炎上するからwwwwww』
『言いたいことは分かるけど攻撃してくる嫉妬民に関わりたくないんだよなあ』
『悪意あるバッシングをする人はそんなに多くない。真正面からコメント返しするのはやめとこう』

『来た来た来た来たあああああああああああああああああああ!』
『ミラー返しをしてもそいつらは何も変わらないって』
『批判して来る人は鏡に映った自分を攻撃するネコと同じ』

 スマホを見るとまたコメントが荒れている。
 これが炎上の放火か。
 悪意あるコメントはスルーで良くないか?
 大体の人はまともだと思う。
 
 意見にマウントと批判を乗せてくる人は少数派だから。
 少数の人が何回も書きこんでいるだけだから。

「トラックの準備が出来ました」
「はい、10万円です」

 俺の指示でうさぎがトラックに乗り込みハムスターのようにぎゅうぎゅうに詰まる。

 俺達はトラックの助手席に乗って家を目指した。

 俺はスマホを開いた。

「やっぱり、炎上してる」

 豊香は笑顔だけど、闇が相当深いな。
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