魔眼の剣士、少女を育てる為冒険者を辞めるも暴れてバズり散らかした挙句少女の高校入学で号泣する~30代剣士は世界に1人のトリプルジョブに至る~

ぐうのすけ

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第43話

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 家を特定されない為一旦配信を切ってまた再開した。
 家の前にトラックが到着するとうさぎがわらわらとトラックから出てくる。
 豊香がドローンで配信を続ける。
 そしておばあちゃんが家から出てきた。

「ええ! こんなにたくさん!」
「おばあちゃん、プレゼントのうさぎを選んで欲しい」

 モンスターは丈夫で死なないし寿命も確認されていない。
 1000もいれば気にいるうさぎがいるはずだ。
 正確には俺と契約したままのうさぎになるけどおばあちゃんと一緒にいて貰おう。
 おばあちゃんが泣き出した。

「ううううううう、こんなに、私の為に、ううううううううううううううううう」

『感動やで』
『あれ、俺まで涙が出た、だと』
『急に感動が始まった!』

『達也、天使だな』
『強い達也最高。おばあちゃんを助ける達也最高』
『おばあちゃんはさみしかったんやろうな』

「おばあちゃん、俺はたくさんの物を貰っているから。だからお礼がしたかった」
「ええ、達也さんはいつも与えてばかりで、本当に、うううううううううううううううううううううううううう」

 おばあちゃんが泣き続けた。

 おばあちゃんが落ち着くまで待ち、そして1体を選んでもらった。

「この子にするわ」

 おばあちゃんが真っ白いうさぎを両手で大事そうに抱えた。

「名前はあるの?」
「いや、まだつけていないんだ。おばあちゃんにつけて欲しい」
「白くてぷっくりしてて……しろまろにするわ」
「しろまろ、良い名前だ。今日からしろまろな」

 しろまろがこくりと頷いた。
 おばあちゃんに癒される。
 今までの炎上コメントが嘘のようだ。

「しろまろ、おばあちゃんを守ってくれ」

 またこくりと頷く。

「いい子ね、言っている事が分かるのかしら?」
「勘が良いんだろう」

 俺のスマホが鳴った。

「もしもし、奈良君?」
『おめでとうございます、とても感動的な光景に心を奪われてしまいました』
「それで、冒険者組合の方で何かあったのかな?」

『いえ、問題は無いのですが、達也さんがテイムしたうさぎを売ってくれませんか?』
「売るのはいいけど、出来れば沙雪のいる高校に持って行こうかなとも思っていたんだ」

『冒険者組合に売って欲しいです。可愛いモンスターの需要はありますがテイムするまでが難しいので』
「うん、分かった」

 スマホを切ると豊香が言った。

「さあ、行きましょう」

 豊香のドローンが飛んだまま冒険者組合を目指す。
 スマホを向けられるたびに豊香が『今はプライベートですから』と言いながら俺にドローンのカメラを向ける。

 わらわらわらわら!
 999体のうさぎを連れて冒険者組合支部に近づくと記者がカメラを構える。

 カシャカシャカシャカシャ!

「取材をさせてください! うさぎちゃん1000匹大行進の取材をさせてください!」

 名前が決まっているだと!

「テイムマスターとして感想をどうぞ!」

 ただの黒魔法だし。

「使い魔の運用について見解をお聞かせください! 達也さん! 達也さん!」

 俺は記者に囲まれそうになりながら建物に入った。

 わらわらわらわら!

「奈良君、ロビーにうさぎを入れちゃったけど良かったのかな?」
「いいですよ。私はこれにします」
「奈良君も使い魔と契約するのか」

「はい、私はテイムによる使い魔の運用、その可能性を信じています。もちろんやってみなければ結果は分かりませんが今の日本の構造では誰もリスクを取らないでしょう。私が手を挙げなければ誰も動きません。日本では安全が重視されますが安全をあまりに重視する事で成長を失います。そう、日本は安全でがんじがらめになったがために成長を犠牲にしてきました。うまくいかなければ私は責任を取って辞めます。辞めるだけで良いのなら楽です。命まで取られる事はありません。モンスターのテイム運用は冒険者不足を補う可能性を秘めています。ですが冒険者の方も先ほどの達也さんのように使い魔を連れてここに入る事を遠慮します。まずは上から、そう、私自らがうさぎの主人となり冒険者の方が気兼ねなくテイムモンスターを連れてここに訪れられる、そのような冒険者組合支部でありたいと思います。さあ、達也さん、このうさぎのテイム契約を私に移してください!」

 奈良君はうさぎを抱きかかえて背中を撫でながら言った。
 長い、話が長い。
 奈良君、うさぎが好きなんだな。

『長い!』
『奈良君はそのうさぎが気にいたようですね。良かったです』
『最初に自分の気に入った個体をキープしている』

「あ、うん、欲しいんだよね。良いぞ」

 テイム契約を俺から奈良君に変えた。
 その後は奈良君に出来るだけテイム契約を移して報酬を受け取った。

 奈良君、欲しいなら言ってくれれば持って来たのに。
 奈良君を見ると『よしよし』と言ってうさぎをモフモフしながら膝に乗せてカタカタとパソコンで作業をし、コーヒーを飲んでいた。

「ふう、ホームページを更新しました。うさぎを欲しい方はぜひここに訪れてください。ただし黒魔法を使える方でないとテイムの契約者を変えられませんので黒魔法使いかダブルで黒魔法を使える方、そしてペットに寄り添う事が出来る方に限られます」

 使い魔じゃなくてペットって言ってしまっている。
 嫌な予感がした俺は豊香の目が離れた隙に何も言わずに帰った。
 豊香は俺がうさぎダンジョンに来る事を見切っていた。
 たまに俺の考えを読んでくるし怖いわ。




 あとがき
 僕が思ったより豊香が嫌われています。
 ここまで嫌われるのは予想外!
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