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木偶のジーク
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ジークは昔の事を思い出す。
木偶のジーク
それが俺のあだ名だった。
剣士の職業を授かりはしたものの、ノーマルスキルはすべて防御力上昇で、職業を下級から中級にランクアップさせた時も、ダメージ軽減のスキルを覚えた。
しぶといだけの木偶。
それが俺への評価だった。
他の剣士はスラッシュや疾風剣などの攻撃的なスキルを覚えるが、俺は攻撃が苦手でレベル上げに苦戦した。
兵士として魔物狩りを続けるが、俺は前に出て、重戦士のように立ち回り、魔物のターゲットを集めるのが役割になった。
俺は不遇と言われる重戦士と同じような扱いを受ける。
「よぉ、木偶のカカシ、次もターゲット取りは任せたぜ。」
「お前は前に立って魔物の的になってりゃいいんだ。俺が倒してやるよ。ははははは!」
戦闘に役立つスキルは『剣』のみ。
俺は毎日剣を振り、スキルを磨いた。
剣スキルがレベル5になるころ、俺はダメージを受けることが減っていた。
ステータスレベルと剣レベルが上がり、魔物をまともに倒せるようになったためだ。
だがそのことで、ダメージを受けることが減り、ダメージ軽減のスキルを上げることが出来ず、上級職になれぬまま、レベルだけが上がっていった。
ある日、魔物に包囲され、俺のいる部隊は俺以外の全員が死亡し、俺だけが生き残る。
俺への悪いうわさが流れた。
「木偶のジークだけが逃げ出して助かったんだってよ。」
「なんで弱いジークだけが生き残ってるんだ?」
「あいつだけずっと隠れてたらしいぜ。」
違う!俺は最後まで戦った!
俺は!逃げていない!
俺は隠れていない!
そんな時王に呼びだされる。
俺は処分させるのか?
俺は最後まで戦ったんだ!
逃げていない!
隠れていない!
俺は謁見の間に入る
「兵士ジークを騎士に任命する!」
俺は処分されると思っていた。だが結果はどうだ?
俺は兵士から騎士になった。
意味が分からない。
「何故ですか?私はまだ中級剣士で上級になっていません!スキルもしぶといだけの木偶!部隊は私だけ生き残り、俺は・・俺は卑怯者と言われている!」
ジークの感情があふれ出していた。
「逃げた、隠れたと噂されているのは知っている。だが、逃げていないのだろう?最後まで戦ったのだろう?」
「上級職にもなれず、卑怯者と言われている!俺を騎士にしたら王が悪者になる!!!」
俺は叫んでいた。
「かまわん!私が悪者になるだけで済むなら問題ない!今は優秀な者を活用せねばならんのだ!」
「俺は木偶で、しぶといだけの役立たず」
「ちがああう!!」
王が叫ぶ。
「しぶとい事は才能だ!これからたくさん働いてもらう。」
俺は号泣していた。
初めて認められた。
それも王にだ。
俺はそれからたくさんの魔物を倒した。
大量の魔物に追われ劣勢になった時、俺はしんがりを務め、部隊を生還させた。
さらに、砦が包囲された時は、最前線に立ち、魔物の注意を引き寄せ、その隙に部隊は立て直した。
危機的な状況から3回生還し、俺を木偶のジークと呼ぶものは居なくなった。
目標が出来た。
「上級職になる。」
そんな時だった、俺はホワイト領に移動となり、その次はブック領への移動。
修行して上級職になる目標より、他のみんなの戦力増強に努める。
俺は打たれ強い!
それがだけの男だ!
だが今それが役に立つ!
俺は現実に引き戻される。
前を見つめる。
破壊されたダークスフィアから発生した大量の魔物が迫る。
魔物に弓と魔法が撃たれ、倒しきれない魔物が俺に攻撃を仕掛ける。
「うおおおおおおお!」
アサルトボアの眉間に両手で剣を突き立てる。
素早く抜き横の魔物に横一線!
他の者より少し前に出て魔物を引きつけながら倒す。
数体の魔物が一気に迫ってくるが、剣で切り裂き、倒しきれない分は腕でガードする。
◇
何体の魔物を倒したのかもう覚えていない。
手がしびれ感覚が無くなってくる。
「援軍だ!援軍が現れたぞ!」
ロックの部隊だ。
ロックが叫ぶ。
「ジーク!一旦下がって立て直せ!」
俺が下がると優先的にハルトカレーが用意されていた。
俺は3皿平らげ、さらにポーションを飲み、すぐに前線に復帰する。
ロックの部隊が来てもいまだ劣勢。
俺は必至で戦う。
左翼の部隊が崩れ始めた。
「うおおおおお!」
左翼の魔物のど真ん中に立ち、自ら魔物の的になる。
必死で剣を振る。
しぶといとはいえ、何度も何度も攻撃を受け疲弊する。
ロックが叫ぶ。
「下がれジーク!無茶だ!」
ジークはボロボロになっていくが、左翼が立て直す。
その時ジークのスキルがレベルアップする。
『ダメージ減少スキルがれべる4からレベル5に上昇しました。』
『中級剣士から上級剣士にランクアップします。」
「ランクアップ!新しいスキル!」
木偶のジーク
それが俺のあだ名だった。
剣士の職業を授かりはしたものの、ノーマルスキルはすべて防御力上昇で、職業を下級から中級にランクアップさせた時も、ダメージ軽減のスキルを覚えた。
しぶといだけの木偶。
それが俺への評価だった。
他の剣士はスラッシュや疾風剣などの攻撃的なスキルを覚えるが、俺は攻撃が苦手でレベル上げに苦戦した。
兵士として魔物狩りを続けるが、俺は前に出て、重戦士のように立ち回り、魔物のターゲットを集めるのが役割になった。
俺は不遇と言われる重戦士と同じような扱いを受ける。
「よぉ、木偶のカカシ、次もターゲット取りは任せたぜ。」
「お前は前に立って魔物の的になってりゃいいんだ。俺が倒してやるよ。ははははは!」
戦闘に役立つスキルは『剣』のみ。
俺は毎日剣を振り、スキルを磨いた。
剣スキルがレベル5になるころ、俺はダメージを受けることが減っていた。
ステータスレベルと剣レベルが上がり、魔物をまともに倒せるようになったためだ。
だがそのことで、ダメージを受けることが減り、ダメージ軽減のスキルを上げることが出来ず、上級職になれぬまま、レベルだけが上がっていった。
ある日、魔物に包囲され、俺のいる部隊は俺以外の全員が死亡し、俺だけが生き残る。
俺への悪いうわさが流れた。
「木偶のジークだけが逃げ出して助かったんだってよ。」
「なんで弱いジークだけが生き残ってるんだ?」
「あいつだけずっと隠れてたらしいぜ。」
違う!俺は最後まで戦った!
俺は!逃げていない!
俺は隠れていない!
そんな時王に呼びだされる。
俺は処分させるのか?
俺は最後まで戦ったんだ!
逃げていない!
隠れていない!
俺は謁見の間に入る
「兵士ジークを騎士に任命する!」
俺は処分されると思っていた。だが結果はどうだ?
俺は兵士から騎士になった。
意味が分からない。
「何故ですか?私はまだ中級剣士で上級になっていません!スキルもしぶといだけの木偶!部隊は私だけ生き残り、俺は・・俺は卑怯者と言われている!」
ジークの感情があふれ出していた。
「逃げた、隠れたと噂されているのは知っている。だが、逃げていないのだろう?最後まで戦ったのだろう?」
「上級職にもなれず、卑怯者と言われている!俺を騎士にしたら王が悪者になる!!!」
俺は叫んでいた。
「かまわん!私が悪者になるだけで済むなら問題ない!今は優秀な者を活用せねばならんのだ!」
「俺は木偶で、しぶといだけの役立たず」
「ちがああう!!」
王が叫ぶ。
「しぶとい事は才能だ!これからたくさん働いてもらう。」
俺は号泣していた。
初めて認められた。
それも王にだ。
俺はそれからたくさんの魔物を倒した。
大量の魔物に追われ劣勢になった時、俺はしんがりを務め、部隊を生還させた。
さらに、砦が包囲された時は、最前線に立ち、魔物の注意を引き寄せ、その隙に部隊は立て直した。
危機的な状況から3回生還し、俺を木偶のジークと呼ぶものは居なくなった。
目標が出来た。
「上級職になる。」
そんな時だった、俺はホワイト領に移動となり、その次はブック領への移動。
修行して上級職になる目標より、他のみんなの戦力増強に努める。
俺は打たれ強い!
それがだけの男だ!
だが今それが役に立つ!
俺は現実に引き戻される。
前を見つめる。
破壊されたダークスフィアから発生した大量の魔物が迫る。
魔物に弓と魔法が撃たれ、倒しきれない魔物が俺に攻撃を仕掛ける。
「うおおおおおおお!」
アサルトボアの眉間に両手で剣を突き立てる。
素早く抜き横の魔物に横一線!
他の者より少し前に出て魔物を引きつけながら倒す。
数体の魔物が一気に迫ってくるが、剣で切り裂き、倒しきれない分は腕でガードする。
◇
何体の魔物を倒したのかもう覚えていない。
手がしびれ感覚が無くなってくる。
「援軍だ!援軍が現れたぞ!」
ロックの部隊だ。
ロックが叫ぶ。
「ジーク!一旦下がって立て直せ!」
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必死で剣を振る。
しぶといとはいえ、何度も何度も攻撃を受け疲弊する。
ロックが叫ぶ。
「下がれジーク!無茶だ!」
ジークはボロボロになっていくが、左翼が立て直す。
その時ジークのスキルがレベルアップする。
『ダメージ減少スキルがれべる4からレベル5に上昇しました。』
『中級剣士から上級剣士にランクアップします。」
「ランクアップ!新しいスキル!」
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