才能オールF冒険者の俺は遭難してバリア魔法が覚醒した~胸糞NTRされたヒロインが嫁になった上、むかつくあいつはざまあされる~

ぐうのすけ

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第18話 スキル統合

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【ユキナ視点】


 ユウヤを避難させた。
 丘の上にある石造りの城に隠れる。

 子供が泣きだし、伝染するように他の子供も泣き出した。
 その子供を他の子が震えながら抱きしめる。

 城の上に登って村の外を見渡す。
 
 レッドスライムが他のスライムを操って結界を攻撃していた。
 このままじゃ、結界が持たない。

 レッドスライムの見た目はスライムを赤くしただけに見える。

 レッドスライムが結界に飛び込んだ。

「速すぎるわ!」

 1回のタックルで結界が強い光を放った。
 轟音が響き結界が歪んだ。

「ピキイイイイイイイイイイイイイ!」

 レッドスライムの叫び声でスライムが結界に猛攻撃を開始する。


 勝てない。
 私ではレッドスライムに勝てない!
 レッドスライムが後ろに下がって勢いをつけて結界を攻撃した。
 結界が破壊され、村にスライムが押し寄せてくる。

 ああ、まっすぐ丘の上を目指している。

「私が、足止めします」
「ヨウカ、あなたでも勝てないわ!倒れたばかりじゃない!」

「はい、足止めします」
「……私も行くわ」

 レッドスライムが物凄いスピードで私とヨウカに迫って来た。
 私が氷魔法を発生させてレッドスライムに飛ばした。

 レッドスライムは攻撃を避けない。
 当たっているのに私を怖がらせるように速度を落としてじわじわと近づいてくる。

「アイスアロー!アイスアロー!アイスアロー!アイスアロー!アイスアロー!アイスアロー!アイスアロー!アイスアロー!アイスアロー!アイスアロー!アイスアロー!アイスアロー!はあ、はあ、あいす、あろー!」

 最後の力を振り絞って放ったアイスアローを受けても勢いを落とさずに近づいてくる。
 レッドスライムはまるで私を笑っているように見えた。

「狐火!」

 ヨウカの炎でレッドスライムが炎に包まれる。
 炎の中からレッドスライムが出てきた。

 ヨウカに向かって行く。

「それなら、狐火!」

 ヨウカの足を狐火が覆った。
 ヨウカの渾身の蹴りを受けた瞬間、ヨウカの足がピタッと止まった。

「ぬ、抜けません!あああああ!」

 ヨウカがレッドスライムに拘束される。
 後ろから大量のスライムが迫って来た。

 もう、終わりなのね。

 その瞬間、ユウヤが歩いて来た。
 でも、起きたばかりでふらふらしている。

「ユウヤ!逃げなさい!男のあなたはすぐに殺されてしまうわ!」

 ユウヤは笑顔で言った。

「見えるんだ」

 何を言っているのか分からなかった。
 でも、ユウヤの魔力が、変わろうとしている。
 ユウヤに包まれて生まれ変わろうとしているような不思議な感覚がする。
 私の心は不思議な安心感に包まれて、地面に座り込んだ。



【ユウヤ視点】

 レッドスライムを見つめる。
 ヨウカの服が溶かされて、襲われている。
 魔力酔いの症状が残っている。
 体の力がうまく入らない。

 俺が飛び込めば殺される。
 でも、何とか出来るような感覚があった。
 俺の中で何かが変わろうとしている。

 レッドスライムの魔力が見える。
 自分の魔力を巧みに操作して自分を操り、体の硬さも自在に変えているのか。

 こう、操作すればいいのか。
 俺は、少ない魔力を惜しみなく使った。
 
「ホーミング!」

 俺はレッドスライムの魔力操作を意識してホーミングを放った。
 ホーミングの速度が飛躍的に上昇した。
 レッドスライムを何度も攻撃する。

『ホーミングが進化しました』

 ホーミングが高速化した。
 効果時間も長くなった。
 10分くらい持つだろう。

「そうか、バリア魔法は、こう使うのか。魔力を物質化して操る、それだけだ」

 難しく考える必要はなかった。
 詠唱はいらない。
 イメージするだけでいいんだ。
 俺の近くにあるほどバリア魔法が思い通りに動いてくれる。

『スキル統合を開始します』

 周りの景色が色を失っていく。

 時間が遅くなって完全に止まった。

 俺のステータスが表示された。

 ユウヤ 男
 ジョブ ????
 レベル ????
 体力  ????
 魔力  ????
 速力  ????
 スキル:『生活魔法』『バリア』『シールド』『セイバー』『ショット』『ホーミング』


『バリア・シールド・セイバー・ショット・ホーミングをバリア魔法に統合します』

『封印中のパンチをバリア魔法に統合します』

『バリア魔法が進化しました』

 バリア魔法を自在に使えるようになった。
 今まではシールドやセイバーなど、魔法を物質化する型に捕らわれていた。
 自由に使っていいんだ。
 バリア魔法の形も使い方も自由だ。

『空いたスキル枠にスキルを自動取得します』

『剣術を取得しました』

『剛力を取得しました』

『疾風を取得しました』

『魔力循環を取得しました』

 剣術・剛力・疾風はファイターが取得しやすいスキルだ。
 剣術は剣の攻撃力と動きをよくする。
 剛力は力を常時アップさせ、疾風は速度を常時アップさせる。
 武器スキルと剛力・疾風をすべて使えるファイターは多くない。

『スキル統合とスキル補充が完了しました』


 ユウヤ 男
 ジョブ ????
 レベル ????
 体力  ????
 魔力  ????
 速力  ????
 スキル:『生活魔法』『バリア魔法』『剣術』『剛力』『疾風』『魔力循環』



 時間が流れ始め、景色の色も戻っていく。

 レッドスライムに襲われるヨウカを見ても、心が落ち着いていた。
 
 魔力はもう無い。

 体も少し痺れている。

 それでも、ヨウカを助ける事が出来る。

 そう、確信できた。

『魔力循環が発動しました』

 俺の中にある魔力も、大気中に有る魔力も、全部同じものだ。
 俺とこの世界は1つだ。
 勝手な思い込みで壁を作っていたのは俺の思い込みだ。

 皮膚を通して魔力が流れ込んでくる。
 大きく息を吸って吐いた。

 そのたびに、俺に魔力が流れ込んでくる。

 無言でバリア魔法を発動させた。
 バリアが盾になり、剣に変わり、自由自在に形を変えた。

 その瞬間、レッドスライムがヨウカから離れて、俺に飛び掛かって来た。

 バリア魔法でセイバーを形成し、カウンターを食らわれるように斬った。

 バリア魔法の本質は、魔力の物質化だ。
 ショットは物質化した球を撃ちだすだけ。
 ホーミングは物質化した球を操るだけ、ただそれだけだ。

 呼吸をするように自然とセイバーを発生させて、手を動かすように自在に形を変えられる。


 レッドスライムがぱっくりと斬られて後ろに下がっていく。

「ピキーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 レッドスライムの叫びでレッドスライムの周りにスライムが集まって来る。
 レッドスライムがスライムを吸収して傷が治っていった。

 傷が治っても更にスライムを吸収し続けた。

 俺はヨウカを抱きかかえてユキナに渡した。

「逃げてくれ」
「ああああ!あれは!」
「逃げてくれ」

 レッドスライムの下に文字が表示された。


 レッドスライム
 マウンテン


「マウンテン?」
「名前持ちよ!名前持ちに進化したわ!お母さんが言っていたの!名前持ちのせいでたくさんの仲間が殺されたわ!」

 あれは、名前か。


 レッドスライムがすべてのスライムを吸収し終わった。
 俺に飛び掛かって来た。
 さっきより速い!

 スライムと同じ大きさだが、強力な魔力を感じる。

 俺はセイバーでカウンターを食らわせたが、勢いを殺しきれず、空中に吹き飛ばされた。

 更にマウンテンは地面に飛び降りて轟音を鳴らし、そしてバウンドするように俺に飛び掛かった。
 マウンテンが飛んだ地面がへこむ。

 俺を空中に飛ばしてハメ殺しにする気か。

 俺は自分の足にバリア魔法を発動させた。
 バリアを蹴って空を走る。

 自由に使う。
 バリア魔法はバリアの為に使うのではない。
 全部自由だ。

 マウンテンを避けつつセイバーで斬った。
 更に空中に飛びあがったマウンテンを空を駆けながら何度も斬り刻んだ。

 マウンテンが黒い霧に変わって、大量のドロップアイテムを地面に振らせ、雨のように落下した。

『ユウヤがレッドスライム・マウンテンを討伐しました』

 俺の頭に声が聞こえた。
 俺が地面に着地すると、ユキナが俺に抱きついた。




 マウンテン討伐の声は、全世界の人間に聞こえていた。
 優也がその事実を知ったのは、もう少し後になってからだった。
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