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第22話 再試合
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「仙道!やってくれよ!」
「チャンスだろ!」
「ここはやる流れだろ!」
みんなが俺を煽る。
「仙道君、理由を聞いてもいいですか?」
「はい、気はすみましたし、また鬼道が負けてもどうせ認めません。鬼道はそういう特所な人間です」
「鬼道なら言いかねない!」
「鬼道は話にならないからな!」
「鬼道なら、やる。あいつはコミュニケーションが取れない」
「……なるほど、鬼道君はコミュニケーションが取れない。そういう人間ですか」
早見さんはメモを取る。
分かった。
この人は鬼道を会社に入れたくないんだ。
試合の結果よりも、いかにして鬼道を会社に入れないようにするかを考えている。
モンスターパレードが起きる前の日本では一度内定を出した人間を辞めさせることは難しかった。
だが、モンスターパレードの後、日本は変わった。
ある冒険者管理会社が『力の無い人材やコミュニケーションの取れない人材は多くの死をもたらす』と言って、人命を盾にして人を辞めさせるようになった。
人命を言い訳にされた国は強く出る事が出来なかった。
国の方でも『死亡率の減少』を会社に要望している。
この論法は効果的で使えない人間を辞めさせた企業は大きく伸びた。
ライバル会社もそのマネをして使えない人間を辞めさせていった。
つまり、人命を言い訳にすれば人を辞めさせることは出来るのだ。
辞めさせるなら入社する前の方がいい。
辞めてもらうのが早ければ早いほど面倒な手続きが無くなり無駄な労力を減らせる。
鬼道は、面接の時だけは人が変わってまともな人間を演じるだろう。
仮面のように笑顔を張り付けてその場を乗り切る能力が高い。
鬼道はそういう奴だ。
だが、今回の試合では素を出していた。
早見さんはそれを見逃さなかった。
先生が早見さんに意見する。
「ちょ、ちょっと待ってください!内定が決まった生徒を辞めさせるのはおかしいでしょう」
「先生の立場は分かります。生徒を出来るだけ就職させてあげたい気持ちも理解します」
「でしたら!」
「ですが、もしも鬼道君がFランクに負けるようでしたら、学校が行った昇格試験の在り方に問題があった、という事になります。もしわが社がそれを指摘してA市高校の試験監査が始まった場合、面倒な事になりますよね?」
「そ、それは!」
「試験の精度に問題があった場合他の生徒のランクも問題ありとなってしまいます。そうなれば多くの生徒の就職に影響が出てしまいます。仙道君と鬼道君の再試合は鬼道君の確認試験です。受け入れて頂ければこちらとしては騒ぎ立てる事は致しません」
「ぐううう!」
早見さんは穏やかな口調で先生を脅している。
会社が騒げば、冒険者A市高校の冒険者昇格試験に国の厳しい監査が入る。
カカシの整備や試験の仕方には細かいルールがある。
正直すべてを守っている方が少数派だろう。
監査が入れば学校の教師陣はかなりの負担を強いられる。
その上で昇格認定をした生徒のランクが間違いだった事になれば、最悪多くの人が採用無効となる。
何故なら採用条件に『Eランクファイター資格が必要』や『Dランクウィザードかつ水魔法か光魔法必須』と採用条件を指定する場合がほとんどだからだ。
企業が内定を出していても、冒険者資格に間違いがあったとなれば話は別なのだ。
早見さんはこう言っている。
『鬼道1人の内定辞退で済ませるか、学校全体の犠牲に広めるか選べ』
それはいいんだけど俺はやらないと言ってる。
「先生、生徒のみんなも聞いてください!もし仙道君と鬼道君が再試合をしなければ皆に迷惑がかかるかもしれませんよ!」
「く、仙道、すまん!試合を受けてくれ!頼む!」
先生が頭を下げた。
先生が頭を下げるってある?
今までで初めてじゃないか?
「せ、仙道!受けてくれ!また昇格試験を受けるのはまずい!マジで!」
「受けてくれ!」
生徒も騒ぎ出して誰が何を言っているか分からない状態になった。
「分かった分かった。でも、今試合をして俺が勝ったとして、鬼道は絶対に負けを認めないだろう」
「皆が嫉妬して俺を罠にハメた!」
「ああなるんだ」
鬼道は俺への批判を続けるが早見さんは無視をするように俺と話を続けた。
「明日でもいいですか?色々と書類や撮影の準備も行いたいので」
鬼道が言い逃れ出来ないように契約文書と画像データを残す気だ。
そして明日も試合は継続して行われる。
「分かりました」
こうして、その日はそのまま解散となった。
「お兄ちゃん、キャンプ生活なんだよね?うちの部屋が余ってるよ?」
あかりが俺に話しかけると、ヨウカが間に割り込んできた。
「ユウヤさんは修行中です。帰りましょう!」
ヨウカが後ろに回り込んで俺に抱きついた。
ヨウカに早くおんぶしてここから離れてくださいと言われているような気がした。
「今修行とか色々あるんだ。落ち着いたらゆっくり話をしよう」
俺はヨウカをおんぶして異界に帰る。
学校が終わるとバリア魔法を使った移動訓練。
その後村のモンスターを倒してみんなを助け、バリア魔法の練習もする。
俺はどんどん強くなっている。
学校の出席日数はもうクリアした。
日本も、ヨバイの村もうまく回り始めて楽しい。
今充実している。
【次の日・旧グラウンド】
鬼道は契約書類にサインしないかと思ったが、あっさりサインを終わらせた。
早見さんの前ではニコニコしている。
まるで二重人格だ。
あの笑顔が気持ち悪い。
俺と鬼道が向かい合って構える。
鬼道が気色の悪い笑顔で言った。
「もう手加減はしない」
「……」
昨日は途中から本気で斬りかかってきていただろ?
鬼道は自分のイメージが現実より高すぎる。
試合が始まる瞬間、生徒が叫んだ。
「うあああああああああああああああああ!レッドスライムだあああ!!!」
なんだ、ただのレッドスライムか。
「チャンスだろ!」
「ここはやる流れだろ!」
みんなが俺を煽る。
「仙道君、理由を聞いてもいいですか?」
「はい、気はすみましたし、また鬼道が負けてもどうせ認めません。鬼道はそういう特所な人間です」
「鬼道なら言いかねない!」
「鬼道は話にならないからな!」
「鬼道なら、やる。あいつはコミュニケーションが取れない」
「……なるほど、鬼道君はコミュニケーションが取れない。そういう人間ですか」
早見さんはメモを取る。
分かった。
この人は鬼道を会社に入れたくないんだ。
試合の結果よりも、いかにして鬼道を会社に入れないようにするかを考えている。
モンスターパレードが起きる前の日本では一度内定を出した人間を辞めさせることは難しかった。
だが、モンスターパレードの後、日本は変わった。
ある冒険者管理会社が『力の無い人材やコミュニケーションの取れない人材は多くの死をもたらす』と言って、人命を盾にして人を辞めさせるようになった。
人命を言い訳にされた国は強く出る事が出来なかった。
国の方でも『死亡率の減少』を会社に要望している。
この論法は効果的で使えない人間を辞めさせた企業は大きく伸びた。
ライバル会社もそのマネをして使えない人間を辞めさせていった。
つまり、人命を言い訳にすれば人を辞めさせることは出来るのだ。
辞めさせるなら入社する前の方がいい。
辞めてもらうのが早ければ早いほど面倒な手続きが無くなり無駄な労力を減らせる。
鬼道は、面接の時だけは人が変わってまともな人間を演じるだろう。
仮面のように笑顔を張り付けてその場を乗り切る能力が高い。
鬼道はそういう奴だ。
だが、今回の試合では素を出していた。
早見さんはそれを見逃さなかった。
先生が早見さんに意見する。
「ちょ、ちょっと待ってください!内定が決まった生徒を辞めさせるのはおかしいでしょう」
「先生の立場は分かります。生徒を出来るだけ就職させてあげたい気持ちも理解します」
「でしたら!」
「ですが、もしも鬼道君がFランクに負けるようでしたら、学校が行った昇格試験の在り方に問題があった、という事になります。もしわが社がそれを指摘してA市高校の試験監査が始まった場合、面倒な事になりますよね?」
「そ、それは!」
「試験の精度に問題があった場合他の生徒のランクも問題ありとなってしまいます。そうなれば多くの生徒の就職に影響が出てしまいます。仙道君と鬼道君の再試合は鬼道君の確認試験です。受け入れて頂ければこちらとしては騒ぎ立てる事は致しません」
「ぐううう!」
早見さんは穏やかな口調で先生を脅している。
会社が騒げば、冒険者A市高校の冒険者昇格試験に国の厳しい監査が入る。
カカシの整備や試験の仕方には細かいルールがある。
正直すべてを守っている方が少数派だろう。
監査が入れば学校の教師陣はかなりの負担を強いられる。
その上で昇格認定をした生徒のランクが間違いだった事になれば、最悪多くの人が採用無効となる。
何故なら採用条件に『Eランクファイター資格が必要』や『Dランクウィザードかつ水魔法か光魔法必須』と採用条件を指定する場合がほとんどだからだ。
企業が内定を出していても、冒険者資格に間違いがあったとなれば話は別なのだ。
早見さんはこう言っている。
『鬼道1人の内定辞退で済ませるか、学校全体の犠牲に広めるか選べ』
それはいいんだけど俺はやらないと言ってる。
「先生、生徒のみんなも聞いてください!もし仙道君と鬼道君が再試合をしなければ皆に迷惑がかかるかもしれませんよ!」
「く、仙道、すまん!試合を受けてくれ!頼む!」
先生が頭を下げた。
先生が頭を下げるってある?
今までで初めてじゃないか?
「せ、仙道!受けてくれ!また昇格試験を受けるのはまずい!マジで!」
「受けてくれ!」
生徒も騒ぎ出して誰が何を言っているか分からない状態になった。
「分かった分かった。でも、今試合をして俺が勝ったとして、鬼道は絶対に負けを認めないだろう」
「皆が嫉妬して俺を罠にハメた!」
「ああなるんだ」
鬼道は俺への批判を続けるが早見さんは無視をするように俺と話を続けた。
「明日でもいいですか?色々と書類や撮影の準備も行いたいので」
鬼道が言い逃れ出来ないように契約文書と画像データを残す気だ。
そして明日も試合は継続して行われる。
「分かりました」
こうして、その日はそのまま解散となった。
「お兄ちゃん、キャンプ生活なんだよね?うちの部屋が余ってるよ?」
あかりが俺に話しかけると、ヨウカが間に割り込んできた。
「ユウヤさんは修行中です。帰りましょう!」
ヨウカが後ろに回り込んで俺に抱きついた。
ヨウカに早くおんぶしてここから離れてくださいと言われているような気がした。
「今修行とか色々あるんだ。落ち着いたらゆっくり話をしよう」
俺はヨウカをおんぶして異界に帰る。
学校が終わるとバリア魔法を使った移動訓練。
その後村のモンスターを倒してみんなを助け、バリア魔法の練習もする。
俺はどんどん強くなっている。
学校の出席日数はもうクリアした。
日本も、ヨバイの村もうまく回り始めて楽しい。
今充実している。
【次の日・旧グラウンド】
鬼道は契約書類にサインしないかと思ったが、あっさりサインを終わらせた。
早見さんの前ではニコニコしている。
まるで二重人格だ。
あの笑顔が気持ち悪い。
俺と鬼道が向かい合って構える。
鬼道が気色の悪い笑顔で言った。
「もう手加減はしない」
「……」
昨日は途中から本気で斬りかかってきていただろ?
鬼道は自分のイメージが現実より高すぎる。
試合が始まる瞬間、生徒が叫んだ。
「うあああああああああああああああああ!レッドスライムだあああ!!!」
なんだ、ただのレッドスライムか。
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