ANGEL -エンジェル-

癒-healing-

Ｐ47．なら先に死んでも同じことだよ

「予知能力って言っても…もちろん未来は変わっていくし、僕たちには無限の可能性がある。…僕が見ることができるのは、結果ではなく可能性であって、正確なものではないんだよ。」

「………」

「言っている意味、分かる？」

「あんまり…。」

「だよね」

よくわからないけど、
きっと私の事を知っていたのも、その力のおかげなんだろう。

「じゃあ、あなたの言ったとおりにすれば…みかんは助かるの？」

「そうとは限らないけどさ…少なくてもあの子のことは君が動かない限り助けられないよ。」

「……でも、あてもなく探したところで、見つかるかどうか分からないし…その前に私の方が死んじゃうかも…」






「かんなちゃんが死んじゃうと、生きていけないんでしょ？なら先に死んでも同じことだよ」






ぞわっと鳥肌が立つのが分かった。
確かに、そういったけれど…
そんな見捨てるみたいな言い方で言われると急に不安になってしまう。
私の命が尽きるまで、かんなのために天使を探し続ける…
私にそんなことができるのかな…

「ちょっとイジワル言い過ぎたかな？でも、君は僕のお気に入りだからね。アドバイスくらいあげるよ。」

固まったしまった私を見て
くすっと笑ってその子は話し始める。

「天仁高校って知ってる？」

「うん。割と近くにあるところだし…」






「僕の予知では、その高校に数年後天使が集まる。チャンスはそこしかないよ。」