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観-see-
S2.甘実かんな
しおりを挟む(2年の先輩で…甘実かんなって言ったっけな…)
高校に入りたての俺にも彼女の噂は伝わっていた。
何でも、去年の文化祭のミスコンで
一年生にして過去最高得点をたたき出して
優勝した、とかいう人だ。
彼女は友達と来たようで、
隣に居る背の高い先輩と話しながら
辺りをきょろきょろ見渡している。
学校一と言われるだけあって
その姿に目を捕らわれた。
白い肌に大きな瞳。
可愛いとも美しいともとれるような顔立ち。
小柄で細い体だが、柔らかそうな肌。
まわりとはまるで違うオーラを放っているように感じた。
その時、俺は“この先輩にしよう”と決めた。
「甘実せんぱーい!」
面をつけたままだったが
構わず遠くの方にいる甘実かんなに叫んだ。
彼女はびくっと肩を揺らして俺の方へ目を向ける。
何が起こったのかわからない様子で、ただただ目を丸くしていた。
まぁ、初対面の後輩にいきなり声をかけられたら
誰だって同じような反応になるだろう。
「俺、勝つから、見ててねー!」
そう言って大きく手を振った。
そう言った途端、先ほどまで可愛い可愛いと
口々に言っていた野次馬たちの反応が一変する…
甘実先輩と忍君知り合いなの?!とか、
かんな先輩じゃ勝ち目無いとか、
俺たちの中を勝手に妄想し始める奴らや
恋人がいるなんてショック!とか、
俺や甘実かんなに勝手に失望している奴らなど
反応は様々だった。
当の甘実かんなも
どうしたら分からないとばかりに狼狽え始める。
まぁ女子とは大体にして、特別扱いされたり、
ドラマチックな演出をされたりすると
案外簡単に恋に落ちるものだ。
もうお気づきかもしれないが、
俺はいわゆる“ハンター体質”と言うやつで…
狙った女子はすべて落としてきた。
次は何日で落とせるかな~
なんて考えていると顧問の先生に竹刀で殴られた。
「った!何するんすか!」
「ちゃらちゃらしてるんじゃない!もう始めるぞ!」
はーいと気の抜けた返事をして
もう一度甘実かんなに手を振った。
ふと試合相手の先輩を見ると
凄い形相で俺の方を睨んでいた――
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