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観-see-
S3.ごめんね
しおりを挟む「さすが忍君!」
「すごくかっこよかった~!」
その後、俺は大将のポジションを獲得し
応援しに来てくれた女子たちに囲まれていた。
「ありがとう。みんなが応援してくれたおかげだよ」
応援しに来てくれた人たちの半分くらいは
知らない女の子たちだったが、
とりあえず笑顔をつくってお礼を言う。
相手の先輩は居た堪れなくなったのか
最後の挨拶が終わるとすぐに着替えて
道場を出て行ってしまった。
この春から俺が入学してくるまでは
ずっと大将を務めていたらしいので
気持ちは察するが…だからと言って
女の子の前で負けてやるわけにはいけない。
「ところで、甘実先輩はどこか知らない?」
そんな俺の一言に
女の子たちはぶーぶー言いながら
あっちにいるけど、と指さして教えてくれた。
あっちはあっちで剣道部の男子に囲まれていた。
背丈の小さい彼女は囲まれていると
ほとんど姿が見えない。
近づいて様子を見てみると
どうやらあれやこれやと話されているが
本人はもう帰りたさそうに見える。
甘実先輩は俺とは真逆だな…
男慣れしていなさそうだし、
付き合うとかになると面倒なタイプだろうな…
まぁ、付き合わなければいい話か。
そんな分析もそこそこに
俺は甘実かんなに話しかけに行った。
「甘実せんぱーい!俺の試合ちゃんと見てくれましたー?」
それに気づいて彼女が振り返る。
男子達の方は俺が来たことに対して
邪魔者が来たかのような嫌そうな顔をしたが、
気にせず甘実かんなのもとへ駆け寄った。
「甘実先輩が見てたんで、頑張っちゃいました!」
「えっ…と」
「俺、上条忍って言います!一年生です!宜しくお願いします♪」
出会いは申し分なし。
強引でインパクトのある方が印象に残るものだ。
この時の俺はだいぶ彼女を侮っていたのだろう。
俺が思っている程、彼女は一筋縄ではいかなかったのだ。
「ごめんね、見てなかった。」
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